夕刻の少年の夕影、鮮明になって   作:ゆるポメラ

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ゆるポメラです。
前回の続きになります。

それではどうぞ。



第5話 一緒にいたい

更に数日後の放課後。

 

「こうやってみんなで集まるの、久しぶりだねっ」

「だな。なんだかんだ、1週間ぶりとかじゃないか? それに夏々とこういう場所に来るのは初めてだし」

「そだねー。小さい頃に、みんなでつぐちゃん()に行ったくらいじゃない?」

 

今日はファミリーレストラン……ファミレスに来た6人。昼休みに夏々が屋上に居たので、彼も誘ったのである。相変わらず狐のお面を被っていたが。

 

「とりあえずここに集まったけど、今日はどうする? カラオケでも行く?」

「ん~、おこづかいの日までちょっときびしーなー」

 

ひまりがカラオケでも行くか?と提案するが、モカはちょっと厳しいなと言った。

 

「あたしも、カラオケはパスかな。……てか、こないだもカラオケ行ったじゃん」

「ひーちゃんカラオケ好きだよね~」

「ひーちゃん、ハンパなーい。そんなにカラオケとか好きなの?」

 

蘭の言葉にモカもそう言った。それを聞いた夏々は、ひまりの喉は嗄れないのか?と思った。

 

「うん! なんかスカッとするから好きっ! あとさー、カラオケ行くとついついライブのマネみたいなのしたくならない?」

 

あと、エアギターとかしちゃったりしてさー!と言いながら、ひまりは5人に話す。

 

「……あたしはやんないかな」

「あたしもやんないかな~」

「え~? 楽しいよ~?」

「ちなみにボクはひーちゃん寄りに近いけど、どっちかっていうと、アニソンを歌いながらダンスする派だよー。ちなみにダンスが存在するアニソン限定だけどねー」

 

夏々の意外な言葉を聞いた5人は試しにその姿をを想像した。うん、全く違和感がない。

 

「私はなんとなく分かる、かな。お風呂で歌ってると気持ちよくなっちゃって、目を閉じて1人でライブしちゃったりするかも……!」

「ああ、風呂の反響の中で歌うとたっのしいよなぁ! アタシもよく鼻歌歌ってるよ」

 

つぐみと巴がそう言うと、ひまりはそれと一緒だよ~!と言うと同時に……

 

「はぁ~……ライブとか、実際にやれたら楽しいんだろうな~」

「またひーちゃんの妄想が始まった~」

「いーじゃん、妄想くらい楽しくさせてよね~。ひまりバンド! なーんて、超楽しそう」

「バンド……」

「……?(つぐちゃん、どうしたんだろ?)」

 

溜息を吐きながら、そんな事を呟いた。モカはまた始まったと突っ込み、つぐみが一瞬何かを考える表情になった。その表情を夏々は見逃さなかった。

 

「ひーちゃんバンドか~。じゃああたしギターやろっかなー」

「ははっ。それじゃあアタシは和太鼓の経験があるから、ドラムかな?」

「あとバンドって楽器何が残ってるっけ……!?」

「えっと……ベースかな?」

「じゃあ私はベースかな~? ふふ、なんか楽しくなってきた! ねえ、つぐは……」

 

話は盛り上がり、話題はもしバンドをやるとしたらになった。そしてつぐみがやるとしたら何かなと言おうとした時……

 

「バンド……バンド……やろうよっ!!!」

 

なんと、つぐみが()()()()()()()と言い出したのだ。これには5人も驚いた。

 

「バンドやろうっ! うん、絶対それがいいと思うっ!」

「つぐちゃん、急にどうしたの?」

 

しかもその表情は真剣そのものだった。夏々がつぐみに問う。

 

「あ、あのさっ。その……蘭ちゃんとクラスがわかれちゃって、夏々君とも会えなくなって、なかなか6人みんなでいる時間が少なくなってきて……どうしたら6人で一緒にいられるかって考えてたんだ」

「……」

 

つぐみの言い分も解る夏々。

確かに今日だって偶々、自分が通ってる学校の理事長から依頼があったので、羽丘女子学園に行ってた訳だしと。蘭の件もあったので、尚更だ。

 

「部活とか、みんな色々あるかもしれないけど……みんなで一緒に何かやってみたらきっと、一緒の時間……たくさん作れるよね?」

「つぐみ、そんな事考えてたの……?」

「つぐだけじゃない。アタシ達みんなで考えてたんだ。最近の蘭、元気なかったし」

「巴……」

「ここに居るみんな、蘭ちゃんを心配してたって事だよ」

 

もちろんボクもね?と夏々は蘭に言った。

 

「バンドかあ~……。いーんじゃない? 蘭、作詞の才能もあるし」

「ちょ、モカ……っ!」

「まーま、蘭ちゃん。3人にも見せてみたら? ボクは蘭ちゃんが書いた詩、いいと思うよ。それに今後の役に立つかもでしょ?」

「……それじゃあ」

 

そして夏々のフォローで渋々だが、蘭は他の3人に例のノートを見せる事にした。

 

「凄い……蘭ちゃん、こんな詩を書いてたんだね……」

「うん……うまく言えないけど、力強くてかっこいいと思う!」

「そう、かな……」

 

つぐみ、ひまりが感想を言う。

 

「なあ……蘭がボーカルになって作詞もすればいい曲が作れるんじゃない?」

「あたしがボーカル……」

「さんせ~。作詞した人が歌うのが一番いいと思うよ? 気持ちもノるだろうしー?」

「うんっ、私もそう思う! バンド、本当にやってみようよっ。みんなで新しい事に挑戦しよう」

 

巴の案にモカとつぐみも賛成のようだ。

 

「さんせー! って、つぐは何の楽器やるの?」

「わ、私は……えっと……そうだっ! キーボード! ピアノを習ってた事あるし、それならできると思うっ」

 

ひまりも賛成だった。そしてつぐみはキーボードをやると言った。

 

「あたしは、ボーカルだけじゃなくて、ギターもやりたい。ボーカルだけって、なんか手持ち無沙汰になりそうだし……」

「いーじゃん。あたしと一緒にがんばろー」

「じゃあボクはみんなのお手伝いする。基礎でよければ教えるよ。それとギターなら、ボクもよく弾いてるから、蘭ちゃんとモカちゃんにも教えられると思うし」

「というか夏々君って、楽器も触れるんだね……」

 

蘭がボーカルだけじゃなく、ギターもやりたいと言った。そして夏々が5人に基礎を教えると申し出た。まず夏々が楽器にも触れる事実に5人は驚いたが。

 

「バンドかあ……なんかワクワクするっ!」

「ああ。バンドもそうだけど、みんなで1つの事ができる……それが嬉しいよ」

 

すると夏々の左腕に付いてた腕時計が音を鳴らしたではないか。

 

「およ、マナーモードにするの忘れてた。えっと……」

「ナナ~、その腕時計何~?」

「んー? ボクが通ってる学校で支給された魔改造型の腕時計だよー。限定相手のメールとか電話とか、その他諸々」

 

そう言いながら、腕時計に表示されてる画面を見る夏々。モカが訊くと、自分が付けてるこれは学校で支給されてるオーバースペック型の腕時計だとの事。

 

「お。理事長先生から依頼完了のお知らせだ。いやー、やーっと、お面を外せるよー」

 

すると夏々は被っていた狐のお面を取り、5人に素顔を見せる。茶髪のショートヘアにクリっとした瞳が特徴でどこか可愛らしい。

 

「……やば。カッコイイ」

「……モカちゃん、ナナと目が合わせられません……」

「昔以上にカッコよさが増してる気がするな……」

「ヤバい、夏々がイケメン過ぎる……」

「ど、どどど、どうしよう……夏々君と目が合わせられないよ……」

 

そして5人は久しぶりに夏々の素顔を見たせいで、顔を赤くしながらも目を合わせられないでいた。当人は気づいてないが。

 

「ほれほれ蘭ちゃん。みんなに何か言わないと。はい、レッツゴー♪」

「えっ!? えっと……その……みんな、さ……その……心配してくれて、ありがと」

 

更に素顔の状態の夏々に言われた蘭は、それは反則でしょと思いながらも、気を取り直して、笑顔でお礼を言った。

 

「よかったあ……蘭ちゃん、笑ってくれた!」

「うんっ。なんか蘭のそういう顔、久しぶりに見たかも!」

「だねー」

「あ、あたしだって笑うよ。……嬉しかったら、さ」

 

こうして、また6人でいられる『きっかけ』を見つけられたのであった。




読んでいただきありがとうございます。
次回も頑張りますので、よろしくお願いします。
本日はありがとうございました。
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