夕刻の少年の夕影、鮮明になって   作:ゆるポメラ

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ゆるポメラです。
前回の続きになります。
サブタイをほんのちょっとだけ変えました。

それではどうぞ。


第6話 6人の居場所

数日後。放課後の屋上にて。

 

「人差し指がここで……中指が……」

「そうそう。そんな感じ、そんな感じ」

 

ファミレスでの一件以降、蘭達5人は夏々にギターや他の楽器の基礎を教えてもらっていた。そして遂に音が出たのだ。

 

「……! モカ! 夏々! 今、音、出た……っ!」

「なーいす」

「蘭ちゃんの努力の賜物だよー」

 

これには蘭だけじゃなく、他の5人も喜んでいた。

 

「やったな! 早速だけど、初心者でもコピーできそうなスコアを持ってきたんだ。まずはこれ、やってみないか?」

「スコア、って……?」

「楽譜の事だよ。トモちゃん、どんなスコアを持ってきてくれたの?」

「これ見てくれ」

 

巴が言うスコアの意味が分からないつぐみに夏々が教える。そして巴が5人に見せる。それは、この場にいる6人が知っている曲だった。

 

「良かった。みんな知ってる曲なら練習しやすいと思って選んできたからな。それじゃあこの曲からやってみよう」

「これが私達がやる最初の曲になるのかあ~。いやあ、なんかバンドって感じになってきたねえ」

 

ほんの数日前、ファミレスで集まってお喋りしてたのが嘘のようだ。

 

「そういえば、バンド名ってどーする? このままだとひーちゃんバンドになっちゃうよ」

 

するとモカが重要な事を言った。そう、バンド名である。確かにそれは決めていなかったと5人は思った。

 

「それはやだな……」

「まあ確かに、もうちょっとカッコイイのがいいな」

「うーん、何がいいかなあ……私、こういうのってセンスなくて……」

 

蘭も巴も流石に、ひーちゃんバンドはちょっと……という表情をしていた。つぐみもこういうのはセンスがないと苦笑い。

 

「『RMHTTN』は? ひとりひとりの頭文字をとってさー……」

「……ひまりはもうバンド名考えちゃダメ」

「えー!? ひどいよぉ~!」

「ひーちゃん、よしよしー」

 

半泣きのひまりをなでなでする夏々。

 

「なんかさー、かっこいい英単語とか探してみない? それっぽいやつ」

「それが無難かもねー。辞書か何かで探してみる? ちなみにボクは辞書は持ってない☆」

「あ。電子辞書なら鞄にあったような……」

「それじゃあ、みんなでそれっぽい単語、探してみるか」

 

とりあえずモカの案で、バンド名を探す事に。

 

 

 

 

20分後。

 

「みんな~、なんか見つけた~?」

「ウルトラヴァイオレット!」

 

ひまりがそう言うと、モカが発言した。

 

「意味は?」

「紫外線!」

「あははははっ! 紫外線……あはははは!」

「「「「……」」」」

 

蘭が意味を訊くとドヤ顔で答えるモカ。夏々は大笑い。他の4人は微妙な表情である。

 

「これは? 『Stratosphere(ストラトスフィア)』。意味はえっと……『成層圏』」

「『OMNIS(オムニス)』……『全て……万物』」

「やっぱり、ちゃんと意味のある言葉じゃないと、ピンとこないよねー……」

 

つぐみと蘭の案も名前的にはカッコイイが、ピンとこない。それにひまりが言うように、意味のある言葉じゃないとである。

 

「確かに、バンド名は紫外線です、って言っても、アタシ達自身よくわかんないしな……」

「一言で私達って分かる言葉かあ……」

「いっその事、()()()関連にしてみる? なーんて……」

 

夏々がそう言った時だった。

 

「『夕焼け』か……あ。じゃあ夏々が今言った『夕焼け』はどう?」

 

その言葉に何かピンときたのか、蘭がそう言った。

 

「あたし達が練習するのはいつも放課後……夕方でしょ?」

 

それに……ほらと言った蘭は目の前の綺麗な夕焼けを指差した。

 

「おー、きれーな夕焼け! 確かに、ここから見る夕焼けってキレイでいいかも~」

「バンド名に夕焼けって言葉をいれたらさ、きっと、今日の事を思い出せると思う」

「いいんじゃない。じゃあ『夕焼け』って事で。確か『夕焼け』の英語は、多からず少なからずの数だったような……」

 

まさか自分が何気なく言ったのが、バンド名になるとは……と夏々も思ってなかったが。

 

「色んな言い方があるっぽいね~? サンセット? うーん……」

「イブニング……?」

「モカちゃんとつぐちゃんのも悪くはないんだけど……もう一声欲しいかな。トモちゃん、なんかある?」

 

夏々になんか気になる単語あるか?と聞かれた巴は、1つの単語を見つけた。

 

「アフターグロウ……『Afterglow』はどうだろう?」

「あふたーぐろー。いいんじゃない?」

「うん、いいと思う!」

「よし決まり! アタシ達のバンド名は『Afterglow』だ!」

「うんっ!」

 

思いのほか、いい響きだと感じた6人。

 

「『Afterglow』……あたし達の大事なもの、できたね」

「もし、アタシ達が喧嘩したとしても……きっと、夕焼けを見て、今日の事を思い出したら仲直りできるような気がする」

「夕日を見れば思い出す……なんかカッコよくない?……っていうか、私達は喧嘩なんかしないって! だって、こーーんなに仲良しなんだもん!」

 

すると夏々がこんな事を言い出した。

 

「じゃあじゃあ、バンド名が決まった記念に集合写真でも撮ろうよ。蘭ちゃんが真ん中ね?」

「あ、あたし!?」

「蘭ちゃんがボーカルなので。ドヤァ!」

 

夕焼けが沈まない内に撮るよとばかりに、せっせとカメラの準備をする夏々。

 

「じゃあモカちゃんは、ナナの隣~」

「あ! モカ、抜け駆けズルい! じゃあ私は夏々の反対側!」

「おい、ひまりズルいぞ!」

「巴ちゃんもズルいよ」

 

何やら誰が夏々の隣になるかで勃発してるが、それをよそに10秒後に撮るよ~と言う夏々。

 

「はいはーい。みんな寄って~。笑って~。はい、グリンピース♪」

 

夏々の謎の掛け声と同時に、カメラのシャッター音が鳴り響く。そこには夕焼けを背景に笑顔な6人の姿がそこにあったのだった。




読んでいただきありがとうございます。
次回も頑張りますので、よろしくお願いします。
本日はありがとうございました。
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