前回の続きになります。
サブタイをほんのちょっとだけ変えました。
それではどうぞ。
数日後。放課後の屋上にて。
「人差し指がここで……中指が……」
「そうそう。そんな感じ、そんな感じ」
ファミレスでの一件以降、蘭達5人は夏々にギターや他の楽器の基礎を教えてもらっていた。そして遂に音が出たのだ。
「……! モカ! 夏々! 今、音、出た……っ!」
「なーいす」
「蘭ちゃんの努力の賜物だよー」
これには蘭だけじゃなく、他の5人も喜んでいた。
「やったな! 早速だけど、初心者でもコピーできそうなスコアを持ってきたんだ。まずはこれ、やってみないか?」
「スコア、って……?」
「楽譜の事だよ。トモちゃん、どんなスコアを持ってきてくれたの?」
「これ見てくれ」
巴が言うスコアの意味が分からないつぐみに夏々が教える。そして巴が5人に見せる。それは、この場にいる6人が知っている曲だった。
「良かった。みんな知ってる曲なら練習しやすいと思って選んできたからな。それじゃあこの曲からやってみよう」
「これが私達がやる最初の曲になるのかあ~。いやあ、なんかバンドって感じになってきたねえ」
ほんの数日前、ファミレスで集まってお喋りしてたのが嘘のようだ。
「そういえば、バンド名ってどーする? このままだとひーちゃんバンドになっちゃうよ」
するとモカが重要な事を言った。そう、バンド名である。確かにそれは決めていなかったと5人は思った。
「それはやだな……」
「まあ確かに、もうちょっとカッコイイのがいいな」
「うーん、何がいいかなあ……私、こういうのってセンスなくて……」
蘭も巴も流石に、ひーちゃんバンドはちょっと……という表情をしていた。つぐみもこういうのはセンスがないと苦笑い。
「『RMHTTN』は? ひとりひとりの頭文字をとってさー……」
「……ひまりはもうバンド名考えちゃダメ」
「えー!? ひどいよぉ~!」
「ひーちゃん、よしよしー」
半泣きのひまりをなでなでする夏々。
「なんかさー、かっこいい英単語とか探してみない? それっぽいやつ」
「それが無難かもねー。辞書か何かで探してみる? ちなみにボクは辞書は持ってない☆」
「あ。電子辞書なら鞄にあったような……」
「それじゃあ、みんなでそれっぽい単語、探してみるか」
とりあえずモカの案で、バンド名を探す事に。
◇
20分後。
「みんな~、なんか見つけた~?」
「ウルトラヴァイオレット!」
ひまりがそう言うと、モカが発言した。
「意味は?」
「紫外線!」
「あははははっ! 紫外線……あはははは!」
「「「「……」」」」
蘭が意味を訊くとドヤ顔で答えるモカ。夏々は大笑い。他の4人は微妙な表情である。
「これは? 『
「『
「やっぱり、ちゃんと意味のある言葉じゃないと、ピンとこないよねー……」
つぐみと蘭の案も名前的にはカッコイイが、ピンとこない。それにひまりが言うように、意味のある言葉じゃないとである。
「確かに、バンド名は紫外線です、って言っても、アタシ達自身よくわかんないしな……」
「一言で私達って分かる言葉かあ……」
「いっその事、
夏々がそう言った時だった。
「『夕焼け』か……あ。じゃあ夏々が今言った『夕焼け』はどう?」
その言葉に何かピンときたのか、蘭がそう言った。
「あたし達が練習するのはいつも放課後……夕方でしょ?」
それに……ほらと言った蘭は目の前の綺麗な夕焼けを指差した。
「おー、きれーな夕焼け! 確かに、ここから見る夕焼けってキレイでいいかも~」
「バンド名に夕焼けって言葉をいれたらさ、きっと、今日の事を思い出せると思う」
「いいんじゃない。じゃあ『夕焼け』って事で。確か『夕焼け』の英語は、多からず少なからずの数だったような……」
まさか自分が何気なく言ったのが、バンド名になるとは……と夏々も思ってなかったが。
「色んな言い方があるっぽいね~? サンセット? うーん……」
「イブニング……?」
「モカちゃんとつぐちゃんのも悪くはないんだけど……もう一声欲しいかな。トモちゃん、なんかある?」
夏々になんか気になる単語あるか?と聞かれた巴は、1つの単語を見つけた。
「アフターグロウ……『Afterglow』はどうだろう?」
「あふたーぐろー。いいんじゃない?」
「うん、いいと思う!」
「よし決まり! アタシ達のバンド名は『Afterglow』だ!」
「うんっ!」
思いのほか、いい響きだと感じた6人。
「『Afterglow』……あたし達の大事なもの、できたね」
「もし、アタシ達が喧嘩したとしても……きっと、夕焼けを見て、今日の事を思い出したら仲直りできるような気がする」
「夕日を見れば思い出す……なんかカッコよくない?……っていうか、私達は喧嘩なんかしないって! だって、こーーんなに仲良しなんだもん!」
すると夏々がこんな事を言い出した。
「じゃあじゃあ、バンド名が決まった記念に集合写真でも撮ろうよ。蘭ちゃんが真ん中ね?」
「あ、あたし!?」
「蘭ちゃんがボーカルなので。ドヤァ!」
夕焼けが沈まない内に撮るよとばかりに、せっせとカメラの準備をする夏々。
「じゃあモカちゃんは、ナナの隣~」
「あ! モカ、抜け駆けズルい! じゃあ私は夏々の反対側!」
「おい、ひまりズルいぞ!」
「巴ちゃんもズルいよ」
何やら誰が夏々の隣になるかで勃発してるが、それをよそに10秒後に撮るよ~と言う夏々。
「はいはーい。みんな寄って~。笑って~。はい、グリンピース♪」
夏々の謎の掛け声と同時に、カメラのシャッター音が鳴り響く。そこには夕焼けを背景に笑顔な6人の姿がそこにあったのだった。
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