ウマ娘に転生したけどやべえのと同期なんですが…   作:sannsann

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生誕〜ジュニア期
アサオンクライ


 

 

自分が転生したと自覚したのは2歳の誕生日だった。

誕生日ケーキに乗せられた名前の書かれたチョコプレートを見て、頭に電流が走った。

アサオンクライ…なんか名前としておかしいよね?

あれ、これ馬名では?

そして色々理解した。

自分がTS転生したこともだが、ウマ娘になったのだということを。

 

ウマ娘、走ることが大好きで競争も大好き、けれど戦争とかの争いは大嫌いな種族。

車より早く走る強靭な肉体を持ち、さらに見目麗しい。

自分はアニメから入ってゲームにもはまった。

元から競馬のメダルゲームをやっていたのもあったからその知識も楽しむ要因になった。

なるほど、確かに自分のことながらかわいい容姿をしている、まだ幼女だけど。

 

それからだんだんと走れるようになった。

そしていざ走ってみたら、めちゃくちゃ楽しかった。

バイクでかっ飛ばすみたいに、自分の足でかっ飛ばせるのだ。

もう夢中だった、両親に心配されるレベルで走りまくった。

練習も全然苦じゃなかった、むしろ学べば学ぶほど速くなっていく自分に酔いしれた。

 

勝ち組だと思った、このまま頑張ればG1の一つどころか、三冠ウマ娘も夢ではないと思えるほどだった。

教えてくれた指導員の人達も、私のことをべた褒めしていたし。

富も名声も、今後の人生も、安泰だ。

安泰どころじゃない、バラ色だ。

うん、三冠なんかじゃなくて最強を目指そう!

最強、もう言葉だけでかっこいい!

チヤホヤされまくるし!

幼い頃から大人の精神を持つ私ならば余裕だろう。

勝ったな、パパと風呂入って寝る!

 

 

そんな風に思っていた私の頭にガツンとクソ痛い衝撃(インパクト)を与えたのは、同い年のウマ娘だった。

リトルウマ娘レースクラブで初めて見た時の衝撃は忘れようがない。

そいつが走る姿は、まるで天を翔けるかのよう。

何よりすごいのは、凄まじい末脚。

瞬発力もすごいのにロングスパートまでできる。

体格は比較的小柄な部類なのにどこにそんなパワーとスタミナがあるのか。

 

私の脳内では、4本足の茶色い動物が第3・4コーナーあたりから外を回って、そう、一瞬でまくって先頭集団まであがってきて、あとは突き放す映像が流れた。

 

勘弁してくれと思った。

どうしてなんだ。

なんでこれと一緒の世代になったんだ。

(ウマ娘)のことはほとんど知らないが、奴のウマソウルのことはニュースで知っている。

実際に競馬をやっている人はもちろん、私のようなにわかや、競馬をやっていなくても名前くらいは聞いたことがあるレベルだ。

自身の戦績もさることながら、繁殖馬としても素晴らしい結果をだしたまさに伝説級の名馬だったはず。

なんか友達が親子で無敗三冠だ!とか騒いでいた記憶がある。

あんまり知らない私でも、すごいなと思った。

つまり会長と怪我しなくて無敗三冠とった帝王みたいなものだよね。

うん?すごいのか?

ああけど親子でオリンピック三連覇☓2とかと考えたらすごいのか。

……それと同世代だと…クラシックで戦っても2着ばっかりとかどこぞのブロンズコレクターならぬシルバーコレクターになるじゃん!

 

え?転生者なんだから頑張れば勝てるだろって?

じゃあ君、今から転生して2歳からやり直していいから、頑張ってオリンピックに出て、全盛期の某稲妻みたいな人類最速の男に陸上100m・200mで勝てると思う?

………ね? 無理でしょ。

 

うん…自分で言ってて無理だと改めて自覚したわ…。

 

本格化がずれれば世代は変わるのだろうけど、私はたぶんどうあがいても同世代になるのだろうと理解してしまった。

運命的な何かを感じ取ったのだ。

なんか本当は自分のほうが一世代上のように感じたけど気のせいだったぜ。

なら本当に1年ずらせばいい?

それだと最強になれないじゃん。

奴がいない世代だったから勝てたなんて言われたくないし…。

くそう、どうすればいいんだ…。

考えろ、考えろ私、何か策があるはずだ…ッ!

 

 

夢に出るレベルでうなされていた私だったが、ある日神の啓示を受けるがごとく、名案がうかんだ。

最強とはいっても、別に何度も奴に勝たなくていいじゃん、と。

 

そう、つまり…どっちが最強だ!?とか思わせといて、そのあとなんとか頑張って1回だけ勝って、そんで勝ち逃げすれば…私がずっと最強じゃん!と。

 

はっはっはっはっは!

今度こそ勝ったな! ママと風呂入って寝る!

 

 

 

 






わたし「ママ!私さいきょーになる!」

マッマ「あらあら、最近悩んでいたのはそのことだったのかなぁ?
    じゃあがんばらないとねぇ」

わたし「うん!誰にも負けないで、ぜんぶのてぃあらとる!」

マッマ「あらあら、クラブのあの子みたいに三冠じゃなくていいの?」

わたし「うんっ!あの子が三冠とって、私がとりぷるてぃあらとるの!」

マッマ「あらーおそろいねぇ、うふふ、ほんと仲がいいわねぇ」

わたし「うん!そんでそのあとあの子に勝って!
    わたしが六冠になって!
    さいきょーになるの!」

マッマ「!?」
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