ウマ娘に転生したけどやべえのと同期なんですが…   作:sannsann

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菊花賞

 

 

 

 

秋華賞から1週間、あれから激動の日々だった。

まずインタビューがすごい。

トリプルティアラだけでもすごいのに、無敗。

雑誌もテレビも新聞もたくさんきた。

学校内でもたくさんおめでとうと言われた。

嫌味の一つでも飛んでくるかと思ったけど、意外とそんなことはなかった。

特に一般家庭出身の子たちからは熱い応援メッセージをもらった。

頑張って奴にも勝ってくれとまで言われたほどだ。

うん、それはそのうちね。

 

 

あ、もちろん、レース後2日ほどは休養のためにトレーナーが物理的にマスコミとかを排除してくれていた。

さすがに疲れと痛みが残ったよ。

ちなみに、秋華賞での最後の一伸びは、トレーナーとの訓練の賜物だとわかった。

トレーナーが以前言っていた、特殊な大腿部の筋肉の付き方…あれ実は私もらしい。

それもあって私に声を掛けたとか。

そうだったのか…。

そんでそのお陰か、蹴りがすごい威力になる…まあつまりウマ娘的には推進力に使えるみたいだ。

ただ、スパート体勢からの蹴りは関節にも筋肉にも多大な負荷がかかるから、切り札でしか使えない。

全力(・・)でやるならば使えても2歩程度が限界と言われた。

本当に最後の最後の伸びだけだね、競り合い時に強いからそれでも十分なんだけどさ…。

ただ故障のことを考えたら、あまり使わないほうがいいと言われた。

もう少し私の体が完成したらいいって言われたけど…完成っていうのはトレーナーみたいなムキムキになったらってこと?

無理だし嫌だよ…。

しかしまあ、この切り札は奴との勝負にも使える…はず。

はず、というのは、奴に見せてしまったから。

奴に一度見せた戦法は通じない…からあんまり期待はできない。

まあ奴にも2歩が限界と伝えて、その後体を鍛えて3歩以上できるようになれば使える…かな?

 

 

それはまあおいおい頑張るとして、ついに菊花賞だ。

もちろん私も現地入りしている。

奴には秋華賞の時にお世話になったからな、私もアドバイス的なものをしてこれで貸し借り無しだ!

 

 

「おっすー!どうどう?緊張してる?」

 

「あはッ♥

 来てくれたんだ♥

 ううん、全然♪」

 

奴が一瞬ニチャっと笑ったように見えたけど、すぐにいつものほんわかした笑顔になった…ううん、見間違えるなんてまだ疲れが残っているのかな。

 

「ふふん、さすがだね。

 世間はわ・た・し・の、無敗でのトリプルティアラに続く無敗三冠って言ってるみたいだけど」

 

「うん、見ててね♥」

 

うーん…プレッシャーを与えてやろうと思ったのに全然そんな感じがしない…。

くそう、走りだけじゃなくてメンタルも強いとかずるい。

 

「そんなことよりさ、このレースが終わったら私達の特集を組みたいって。

 いいかな?いいよね?うん、駄目なわけないよね。

 トレーニング風景もって言ってたから、合同トレーニングしようね♥」

 

「私の意見も聞けよ…まあいいけどさ」

 

本当こいつは相変わらず天然というかなんと言うか…。

というか菊花賞をそんなこと呼ばわりって……。

 

「とりあえずは勝ってから、だろ」

 

「うん、そうだね。

 ぶっ飛ばしてくる♪」

 

 

 

そうして菊花賞が始まった。

シャドウちゃんが大逃げっぽく逃げてる。

そして同室のアドマイヤちゃんが二番手。

アドマイヤちゃん、菊花賞への気合すごかったしね。

先行策というかほぼ逃げみたいな感じ。

3000mの逃げとかゾッとするけど、頑張れアドマイヤちゃん!

 

 

奴は中団…先頭の二人とは10バ身以上離れている。

うん…?これもしかして前が逃げ切るのでは?

向正面を回って第3コーナー。

前の二人はまだ先頭をキープ…いやシャドウちゃんの息は上がってきている。

けどアドマイヤちゃんは脚色に余裕がある、これ、いけるんじゃ?

頑張れアドマイヤちゃん!

最終コーナーを回った!

シャドウちゃんは落ちていったけど、アドマイヤちゃんはスパートをかけた!

おおおおお!これはまじでいけるぞ!

奴とは7・8バ身くらい差がある!

 

「いけッいけッ!!頑張れぇぇぇ!!!!」

 

声を必死にあげる。

ハッハッハ!

さすがの奴ももう間に合わまい!

3000mを舐めていたなぁ!

これで奴は1敗、私は無敗!

私が最強ね!!

 

 

『すごい脚だ!追いつくか!?追いつくか!?

 追いついた!?

 さらに引き離す!!!』

 

『達成です!無敗での三冠達成!

 そして先週のアサオンクライとの、史上初の無敗三冠とトリプルティアラの達成です!!!』

 

 

エッ。

エッ。

エッ?

 

うん?なんであそこから届くの?

は?上がり3ハロン33秒1?

え、先週の私より早いんだけど?

なんなら最終直線で15人ごぼう抜きした去年の魔女っ子先輩よりも早いんだけど?

これ3000mだよ!?

どうなってんだよ!

こんなんチートや!!

 

 

 

アドマイヤちゃんが呆然としてる。

うん、私も貴方が勝ったと思ったよ…。

けどそれでも奴に拍手するのしゅごい…。

奴と目があった。

もう乾いた笑いしかでない。

なんなの…33秒1とか2000mでもそうそうでないよ…。

あれに勝つのか……勝てるのか…?

ていうか早くポーズとれよ、3本だろ、観客待ってんぞ。

 

奴にさっさとポーズを取れという意味もこめて3本指を奴に向ける。

すると奴は満面の笑みで3本指を掲げた、得意げに腰に手を当ててポーズを取って。

 

そして湧き上がる大歓声。

私のときの比じゃない。

まあね?史上初の無敗でのトリプルティアラと三冠の同時達成だし?

そりゃ先週より歓声大きくて当然だよね。

ま、負けてないし。

 

 

 

 








「え、私も一緒に?」

「はい、URAとしてもお二人のことはプッシュしたいので。
 それにアサオンさん、先週の新聞だけだと恥ずかしいのでは?」

「おうふ…」


こうして奴と一緒にピースみたいに3本指立ててポーズを取ってる写真を撮られた。
さすがに明日の朝刊は奴の写真だろうけど、号外として二人の写真で作ってくれるみたいだ。
まあ確かにこの前のは顔グッチャグチャだしな…。
実家に飾られてるやつは新しい号外のやつと入れ替えよう。
ていうかいくら二人の写真だからって距離近いって!
何故か汗良い匂いするしっ!
ていうか、む、胸当たって…ッッ。
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