ウマ娘に転生したけどやべえのと同期なんですが… 作:sannsann
前世でもたまにニュースで見たことがあるのだが、海外への挑戦競馬では一頭だけでいくこともあるが、大体は僚馬と呼ばれる馬と一緒にいくようだ。
馬と呼ばれる生き物は、結構頭が良くて、また仲の良い悪いもある。
そして人間と同じように、環境の変化には結構敏感だったりする。
おまけに滅多にない長距離移動とかで体調を崩したりもするんだとか。
そこで少しでも馬にとって良い環境になるようにだとか、また仲の良い馬と一緒にいさせてメンタルを安定させたりだとか、あとは単純に並走用だったりとかで、何頭か一緒にいくことがあるのだとか。
そんなことを考えながら、飛行機にいる。
今回のイギリス遠征、私達もだが、日本URAの気合も入っている。
日本バ初のKGVI & QES制覇の期待があるしね。
今までも日本のウマ娘達は海外G1を制している。
しかし、芝の世界最高格と呼ばれる凱旋門賞・KGVI & QESを制したウマ娘はいない。
そんな中、日本で不敗で歴代最強クラスとも呼ばれる私、しかもドバイでも既に勝っている。
当然期待は高い。
だから遠征費用の補助はもちろん、僚バの要請・飛行機の手続きや空港の一部封鎖、道中の輸送車両、イギリスURAとの交渉や、現地での滞在先との交渉等など色々してくれている。
ぶっちゃけ大変そうだから、助かる。
ドバイは招待だったので、基本何もしなくてよかったが、今回は違うのだ。
基本的に全部自分達で準備しなければならない。
あと、現地でのマスコミ対策も考えなければならない。
一応私は日本で無敗、でドバイでも勝っている、世界的なリーディングのポイントでも上位に入っているしね。
マスコミ対応ってしんどいし、あることないこと書かれたりして精神的にしんどいし、プライベートもくそもないから嫌いだ。
まじで一人じゃなくて良かった。
ドバイの時、一緒だった子と今回も同行。
会った時、なんか期待した目で見られた気がしたから、またも「びっくりするほどっ!」とか叫びながら両手でお尻をバンバン叩いて、とやろうとしたら「それもうやめろって言っただろッ!」って真っ赤な顔でガチビンタされた…………正直スマンカッタ。
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1ヶ月がたち、イギリスの芝にもなれてきた。
ご飯は、噂聞いていたクソ不味いということはなかった。
ちゃんとした店なら普通だった、めっちゃ美味しい!とは言えなかったけど。
あと、やっぱ海外の味付だなとは思ったね…。
この辺は好みというか文化の違いというかだねぇ。
やっぱ日本の食に関するこだわりはやばいわ。
だてに食べたら死ぬような食材を食べていない。
そんでもって、今日は日本で宝塚記念が開催される日だ。
時差でしんどいけど、頑張ってリアルタイムで見る。
奴の応援もしたいしな。
ちゃんとテレビ電話で頑張れって伝えようとしたけど、恥ずかしいから、頑張れなんて言えない。
だから伝えた言葉は一つだけ。
『ヨーロッパで待ってる』と。
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京都での宝塚記念がはじまる。
奴は良いスタートをきった。
ていうか前がひどすぎたんだよね…結局勝ってたけどさ。
いいスタートだけど、いつもどおりすっと後ろに下がっていく。
相変わらずの後方競馬。
思うに、奴は、これが好きなんじゃなくて、これしかできないのだと最近わかった。
レースはよどみなく進む、第3コーナーにさしかかるけど、奴はまだ後方2番手。
坂の頂上にかかるころには、すっと位置をあげてきた。
後方2番手から一気に中団後ろへ。
さらに最終コーナーにさしかかるころには、一気に大外をまくっていった。
私だけじゃなくて、奴のファンの大半が「あ、勝ったな」って思ってるんじゃなかろうか。
そのまま最終コーナーへ、前にいるのはもう逃げているウマ娘ただ一人。
まだリードはつけられているけど、一気に距離を詰める。
残り200で一気に交わして、それからどんどん差を広げる。
まさに圧勝、最終的には4バ身差をつけてゴールを駆け抜けた。
ロンシャンのスタートラインに余裕で立てたね。
奴の携帯に、お祝いのメッセージを送って寝る。
送っておかないと、次ヨーロッパで会った時すねてそうだし。
私も頑張ろう。
二人で揃って制覇できたら良いなぁ…。
おやすみなさい。