ウマ娘に転生したけどやべえのと同期なんですが… 作:sannsann
お互い1冠を取り、世間は私と奴のことで持ちきりだ。
新聞によっては指を立てた私達を二人並べて一面にしたりして記事にしていた。
私のイメージカラーが黒、奴が白のせいか『ぶっちゃけありえない!?このまま二人で無敗三冠か!?』とかネタ気味な記事書いたところもあるほどだ。
次はオークス、個人的にはマイルだった桜花賞より走りやすい。
それに直線の長い府中は得意なのだ…無論奴と走るのはゴメンだが。
ティアラ路線の三強と呼ばれる、私とシーちゃんとラインちゃんだが、ラインちゃんは宣言通りNHKマイルに出走した。
そんでもって1位になった。
そしてオークスは回避、と。
うんこれで勝ちやすくなったな、そのままマイルから出てくるなよ、間違っても秋華賞に来るなよ。絶対だぞ!
そして残るはシーちゃんだ…。
これがやばい。
何がやばいって気迫がやばい。
なんか目から炎が出て見える。
これ知ってる、アニメでライスちゃんが絶対勝つもんモードに入ったときのやつだよね…。
こ、こんなところで負けるわけにはいかない…!
ここで私が負けたら奴だけが無敗三冠…ッ!
あれあれ?二本目の指たてないんですかぁ?あ、負けちゃったんですねwざーこwって言われる…ッ!
ここまでお互いどっちが最強だ!?とか言われてたのに、途端に…やっぱアサオンざこだったわとか、弱いから奴から逃げてたんですねwとか、所詮奴の下位互換ですねwとか言われるに違いない…!
やだやだ!さいきょーって言われたい!負けるもんか!こんなところで負けるもんかあああああ!
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そしてあっという間にオークスの日がやってきた。
大丈夫、やれるだけのことはやった。
トレーナーも太鼓判を推してくれた「怪物をこえる怪物になるのはお前かもしれん」って言ってくれた!
怪物って奴だよね?え?違う?まあいいや。
緊張は前よりマシだ。
けどまさかのシーちゃんと隣の枠になった。
『さあ、続きましては2枠3番!堂々の一番人気!
果たして2つ目のティアラを取れるのか!アサオンクライ!』
大丈夫、私だってオーラ出てる…はず、出てるよね、いやオーラってどうやって出すの?
まあいいや、ポーズポーズ。
『前回は少し硬い雰囲気でしたが、今日は落ち着いてますね。
そして気合も体調も良好か、髪も尻尾も良い毛艶です』
ふふ、得意の中距離、そして府中…最後の直線でよーいドンでも早めのスパートでもどっちでもいけるぜ。
『続きましては2枠4番!2番人気のウマ娘は…』
「オークスオークスオークスオークス……」
あとは…シーちゃん、この子に注意だ。
ていうかなんかブツブツ言ってる…怖い。
どんだけオークスにこだわりあるの。
そして圧が!圧がすごい!視線だけで射殺されそうなんだけど!
何!?私、親の敵か何かなの!?
なんか握手しようとしたら握撃されそうだったし!
絶対これなんかやばいやつがインストールされてるよ!
と言うかこんなのもうウマ娘じゃないよ!別のナニカだよ!
『この陣営はこの日のために調整してきたと言っていますからね、強い気合が感じられます』
むしろ今物理的に感じてます。ビシビシとなんかあたってる気がするんですけどー。
『3枠5番!この人気は少し不満か?………』
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無事にパドックが終わった、なんか既に少し疲れた気がする。
レース外スキル発動されてない?そんなデバフずるすぎひん?
なんか周りの子もシーちゃんのことを遠巻きにしてるし。
……けどいつもどおり、ゲートの中に入ると、すっと音が消える。
何度も何度も練習した、ルーティンとなるようにした。
擬似的にゾーンのようなものになるように。
シーちゃんも、ううん他の子も必死に練習してきたんだろう。
けど、私だって、私だって必死で練習してきたんだ。
何も楽して最強を目指してるんじゃないんだ、ちゃんと頑張ってるんだから。
私は勝てる。
私なら勝てる。
私が…勝つッ!
『スタートしましたっ!』
『皆いいスタートを切りましたね』
『11番、ピンクの帽子が逃げる形、あとは縦長の展開か』
バラけているな…。
ペースはたぶん…平均…か少し早いくらい…か?
見事に縦長になってる。
まあ気にせずいつもどおり後ろ目につけよう…うん……、いるね。
ていうか近い近い!この子近いよ!
あれ、シーちゃんってこんな後ろ目からいく子だったっけ!?
落ち着け、むしろ好展開だ、この子が私をマークするというのなら、私は気にせず好きに走れるってことだ。
私の得意な、最終直線よーいドン!な展開にもっていけるってことだ、もしこの子が焦れて前にでたのなら勝手にそれで自滅してくれる。
『さあ…展開は未だ大きな動きなし…そして1000メートル通過タイムが………なんと1分3秒…ハイ〜ミドルペースと思わせつつこのタイム、上手い逃げをしますねぇ』
『人気の二人はかなり後方ですね』
思ったより皆動かない、私が動かないからか?
脚はまだまだ余力十分…ってことはたぶんこれペース落とされてるのか…だが望むところだ、瞬発力勝負なら、奴以外に負けるつもりはないッ!!
第3コーナーに差し掛かる、今日はまくらない、まくってやらない。
シーちゃんよ、焦れているのがわかるぞ、なんで私が動かないかってか。
徹底マークしてプレッシャーをかけているつもりだっただろうが、策士策にハマるってやつだな!
がっはっはっは!
前を走る逃げ・先行の子達も脚色はまだまだ十分、君のスパートで果たして間に合うのかな?私は届くがなぁ!
『さあ、最終コーナーを回ります!後続は未だ動きなし!これは大波乱か!?』
『前の子もまだまだ余力がありそうですね』
さあ行くぞ!
これが私のヴィクトリーロードだぁ!
『さあ府中の長い直線、11番粘る粘る粘る!
後続もつめよるがまだ余裕があるぞ!
そしてようやくアサオンクライがあがってきた!
すごい脚だ!』
『飛ぶように走る!翔ぶように走る!早い早い!』
よく言うじゃないか、一番油断するのは
けどね、私は油断なんてしていないよ。
「アサオンクライイイイイ!!!」
うん、やっぱり来たね、そして両目になんか炎が見えるね。
『さらにさらに!外を回ってきたぞ!
やはりこの2人だ!1番人気と2番人気の一騎打ちだ!』
内の子は余裕でかわせた、しかし予想以上にシーちゃんが外から飛んできていた。
私になんとか喰らいついてくるとかなかなかの脚じゃん。
けどさ、
「私が何年ライスちゃんのファンやってると思ってんだああああああ!!!!」
予想以上ではあっても、想定の範囲内ってやつだね!
『しかし先頭はアサオンクライ!アサオンクライだ!
無敗でのダブルティアラ達成だッ!』
『すごい末脚でしたねぇ』
私は、奴以外に
いつものように早めにまくって、そのまま先頭に出ていたら、あるいは最後の最後に限界突破したシーちゃんに差されていたかもしれない。
まあそれでも競り合いで負けるつもりはないし、あくまで可能性の話だけどさ。
「シーちゃん…貴方の敗因はたった一つよ…。
貴方は私をマークしすぎた…もっと自分の走りをしていればあるいは…ね」
「オークスオークスオークスオークス……」
んんんんんん!
…この子全然聞いてない。
怖い。
その後のライブもずっと射殺しそうな視線を私に向けてきていた。
ぼすけて。
『なんとなんと!レコードタイム!新たなスーパースターの誕生だ!
アメリカンオークスを制したのはジャパニーズからの使者!ーーッスーッズァリオォォ!!』
「スッキリ」
「 」