真剣で私に恋しなさい~その背に背負う「悪一文字」~   作:スペル

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はい。とい訳で本日二度目の更新
先ほど同様、久しぶりに書いたので違和感満載かもしれません

そして今回、五人目のヒロイン?候補が登場します
例によって、どうなるかはわかりませんが・・・・
登場するヒロインは・・・題名を見たらわかるかな?

楽しんでくれたら嬉しいです


悠介と河川敷

燕とのお出かけと百代との話し合いがあった、次の日。悠介は、川神山にて修行をしてた。

 

 

「997・・・・998・・・・999・・・・1000っと」

 

 

上半身裸で拳を振っていた悠介が、一区切りが付いた様に構えを解いた。全身からは、大量の汗が流れており、悠介がどれだけ真剣に打ち込んでいたかが見て取れた。

 

 

「ああ、あちぃ」

 

 

近くに置いていたタオルで汗を拭いた悠介は、岩に掛けていた羽織を羽織ると、近くを流れる川に向かっていった。

近くを流れる川は、流れの強い川が多い川神山においては、比較的に緩やかに流れている。しかも近くには丁度いい木があり、うまい具合に木陰が出来ていた。

 

 

「ぷっふぁー!!生き返るぜ~」

 

 

ズボン!と顔を川に沈めた悠介が、サッパリしたと言わんばかりに爽快に呟いた。

頭を数回振って水気を払った悠介は、木陰に腰を下ろした。

スゥゥゥっと、心地の良い風が悠介を凪いだ。

季節は夏であり、本日は雲がほとんどない快晴だ。木々に囲まれた山と言う事もあって、気温も少し涼しい。正に夏場の修行には打って付けだ。

 

 

「たまには、いいもんだよな。こう言った時間があってもよ」

 

 

悠介自身、こう言った時間が嫌いな訳ではない。むしろ好きだと言えるだろう。別段騒がしいのが嫌いと言う訳でもない、ただたまにこう言った時間が欲しくなるのだ。

木々が風に揺れる事で生まれる音や川のせせらぎを一人で聞いていると、心を鍛えるには打って付けだ。

そう言った意味でも悠介は、この時間が好きだった。

 

 

「ふぅ」

 

 

小さく息を吐き、ゆっくりと目を閉じる。視覚情報を断って、意識を深く沈ませる。

そのままの状態で静止した悠介。先ほどまでの真剣な雰囲気ではなく、静かに緩やかな自然と一体になる様な感じだ。

 

 

「・・・・」

 

 

その場に流れる音は、風と川の音と悠介のこぼす小さな呼吸音のみだ。

ただじっくりと、時間だけが過ぎていく。

 

 

「ピィ」

 

 

「・・・・」

 

 

一体どれだけの時間が経っただろう。完全に意識を鎮めた悠介の肩に一羽の小鳥が止まる。

小鳥は、悠介の肩の上で羽の掃除を始めた。本来ならば、人がいる場所では絶対に行わない行為、それが行なわれていると言う事は、悠介の意識が完全に自分に向けられている証拠だ。自身の内へ意識を向けている事で、外部への注意が全くもってない故に、自身に向けられる視線に敏感な小動物である小鳥が、無警戒に近い形で悠介の肩の上に居るのである。

 

 

「ピィイ」

 

 

ある程度羽を掃除した小鳥が、悠介の肩から飛び去った。

再び優しい沈黙が、その場を支配する。

 

その中で悠介は

 

『夢』を見ていた。

 

 

いつも通りの真っ暗な世界。どれだけ進んでも先が見えない世界に、微かな光が灯った。そして、その光は次第に大きなり、世界を包み込んだ。

 

光が世界を覆って映りこんだのは、何処かの山の風景。そこには一人の僧が、仏像を囲んで座っていた。

 

『ふぅー』

 

経を唱えながら息を吐き、手に持った剣を掲げ、そのまま

 

『はっ』

 

地面に突き刺した。

瞬間、二メートルほど離れた場所にあった仏像が、パアァぁン!と甲高い音を立てながら塵と化した。

そして、その光景をあの男(・・・)が偶然見ていた。いや、偶然と言うよりも必然の様に導かれたとすら思える。

 

『すげえな。今のが噂に聞く、坊さんの法力って奴かい?』

 

男は、何の躊躇いもなくその僧に話しかける。他でもない、自分を救ってくれた恩人の力になるために・・・そして、あの糞生意気な野郎に一泡吹かせる為に。

 

ああ、今日(・・)はこの光景か。あの男があの技を伝授いされ、会得する場面だ。

 

『迷い人か』

 

『ああ、迷い人だ。だから道を聞きてえんだが。後よ、何か飯くれ』

 

『人に物を頼む態度ではないな』

 

そう言って二人は、暖を取ってメシを食べている。

 

『それにしてもよ、さっきのあれすげえよな。あれが、仏の力を借りて使う法力の力って所か?』

 

『いや、今のは法力では無い』

 

『あん?』

 

『そもそも、破戒僧であるこの私には、法力などと言う力は使えんよ』

 

『なるほどな。だったら、何で修行なんかしてんだ?』

 

『仏の教えに背いても、世を思う気持ちは変わらん。その為の力を得る修行だ』

 

『へえ。さっきの技が法力の力を使わねえなら、信仰心の薄いこの俺にも使えるって事だよな?悪い様には使わねえ、だから教えちゃくれねえか?』

 

『何を持って、力を求める?』

 

『今よりも強くなるため』

 

一度は断られたが、彼はその意思の強さを先への可能性を示し、技を教わる事となった。

しかし、その対価として命を賭して。期間は、七日と会得するにはあまりにも短い。

だが、男は自らその誓いを立てた。

 

男と破戒僧の誓いから、六日目の夜。約束の期限まで、およそ三時間。

だが、男は未だに会得出来ていなかった。

刻一刻と時間が過ぎていく中で、男は『夢』を見た。自らが追い求めた男が彼の前に現れた。

 

『■■■』

 

『相楽・・隊長・・』

 

男の前に現れた彼は、男にもう諦めろと告げた。その言い分は正しいし、受け入れるべき言葉だった、それでも男は

 

『すみません隊長。その命令だけは聞けません』

 

その命令を拒否した。

ただ、己の友人の、恩人の為に。憧れを失った弱い頃の自分を越える為に

 

そして約束の七日目の朝が来た。

 

『力尽きて死んだか。少々惜しい男だったが・・』

 

『勝手に殺すな坊さん』

 

『!!』

 

『約束どおり、会得したぜ!』

 

男の一撃が岩を塵に変えた。その光景に破戒僧は驚きを露わにした。

 

『何と・・大した才能だ』

 

『おい、こっちとら死にかけたんだぜ?才能なんてちんけな一言(・・・・・・)でかたずけるなよ』

 

『そうだな。悪かった、言いなおそう。大した男だ・・名は』

 

『俺は、■■。■■■■■だ』

 

『そうか。私の名は、悠久山安慈(ゆうきゅうざんあんじ)だ。よくやった、■■■』

 

二人は手を握った。それは互いに認め合った証拠。

 

そして光が、また小さくなっていき・・・・

 

 

「ッ!!」

 

 

悠介の意識が戻ってきた。

 

 

「ふぅ。やっぱ、まだは解んねえか」

 

 

夢で何度も見た光景だ、そしてその全てに共通するのが、その主人公で在る筈の男の名だけが、悠介にはどうして聞こえなかった。

 

 

「やっぱり、モモを倒した時か・・」

 

 

別段確信があるわけでは無い。しかし、悠介には予感があった。百代を倒した時、その名を知ると事は出来ると言う予感が

 

 

「さてと、ここいらで帰るとするかね」

 

身支度を整えた悠介は、その場を後にした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「今日は、何つうか風が気持ちな」

 

 

河川敷の辺りまで戻ってきた悠介は、心地よく吹き抜ける風の気持ち良さそうに受けた。

 

 

「ふわぁ、ねみぃ」

 

 

あくびをこぼした悠介は、ゆっくりと河川敷の草むらに腰を下ろし、寝そべった。

 

 

「このままちぃっと昼寝としゃれ込むかね」

 

 

心地よい風が、草をゆらゆらと揺らす中、悠介は静かに目を閉じた。

睡魔に導かれるままに悠介は、意識をシャットダウンさせた。

 

 

「・・・・」

 

 

心地よさそうな寝息が悠介の口からもれる。どうやら、完全に眠っている様だ。

悠介自身、特技は昼寝と喧嘩と言うだけあって、寝るの早い。本人曰く「ちいせえ時からの習慣」らしい。

幼いときから川神院にて修行をつけて貰って来た悠介だが、根性論や精神論の川神院の修行は、まだ幼かった自分には難易度が高かった。その為、川神院での修業が終わり家に帰ると直ぐに眠ってしまった。だから、その幼い日からの習慣ゆえに眠る事が特技になるほどになった。

眠ればあの夢が見れるからと悠介自身は、自身の体質をさほど憂いてはいない。

 

むしろ積極的に自分の意思で一日中眠ろうとした事があるほどだ。まあ、それをやろうとしたら、燕や母さんに全力で止められたが・・・・

 

 

「すぅ」

 

 

今までの鍛錬の疲れもあるのか悠介は、どれまでの疲れを洗い流すように熟睡している。

明日に備えるように、今はただ静かに眠る。

 

『糞っ!二重が使えれば、こんな扉簡単に壊せれるってのによ!!』

 

『どけ、バカ』

 

『誰がバカだとっ!!』

 

『貴様以外に居るか、バカ』

 

『んだと、コラァ!!。っておい、おめぇも足をやられてんだろ?大丈夫なのかよ』

 

『ふん。甘く見るな』

 

瞬間、鉄の扉が轟音と共に破壊される。

 

『この程度傷の内にも入らん』

 

『スゲェ』

 

『大したものだ』

 

破壊された扉をわたる男達。しかし、その途中で橋が崩れ去った。

 

『あぶねぇ。おい、全員無事・・・!!斎藤!!』

 

『ふん、うるさい奴だ。別に俺は、貴様らを庇ったつもりはない』

 

『おめぇ、どうするつもりだよ!!』

 

『あまり壬生狼(みぶろ)を舐めるなよ。お前らとは、潜ってきた修羅場の数が違うんだよ』

 

そう言って男は、火の中に進んでいった。

彼にその背を示して・・・・

 

 

 

「・・・うん?」

 

その場面で悠介の意識が覚醒する。空を見るに、太陽は若干傾いているが、それほど長い時間眠っていたわけでは無いようだ。

 

 

「うん?」

 

 

身体を動かそうとした悠介に、違和感が襲う。何というか、胴の辺りを無理やり固定された様な違和感。それになぜか、そのあたりに柔らかな感触と人肌の温かさを感じる。

 

 

「スピー」

 

 

「ああ?」

 

 

極め付けには、自分以外の誰かの寝息が聞こえる。寝息のする方に視線を向ければ

 

 

「う~ん」

 

 

「誰だぁ?」

 

 

青髪の少女が自分に抱き付きながら、気持ち良さそうに眠っていた。

突然の事に驚く悠介だが、即座に意識を持ち直し

 

 

「おい、あんた。気持ち良さそうに眠ってるところわりぃけどよ、ちょっと起きてはくれねえか」

 

 

「う~ん、ふわぁ~。おはよ~」

 

 

眠っている少女を起こした。起こされた少女は、気持ち良さそうにあくびをこぼしながら、悠介に向かって挨拶した。

 

 

「まあ、時間的にはこんにちわだが、まあおはようさん」

 

 

「ごめんね~。君が随分と気持ち良さそうに寝てたもんだからね~、私も誘われて寝ちゃったよう」

 

 

「いやそこに関しては、別段疑問も問題もねえんだが、何で俺に抱き付いてたんだ?」

 

 

「う~ん、その方が気持ち良さそうだからな~」

 

 

「そうかい。そう言えば、名乗ってなかったな。俺は、相楽悠介。お前は・・・」

 

 

「私の名前はね~、板垣辰子って言うんだよ~」

 

 

「板垣だな」

 

 

「む~」

 

 

名前を呼んだ悠介だが、なぜか辰子にジト目で見られている。

 

 

「何だよ?」

 

 

「板垣じゃなくて、辰子って呼んでほしいな~」

 

 

しばしの沈黙。先に折れたのは、悠介だった。辰子の目は、譲らない時の燕とよく似ている。引かないのは明白ならば、自分が折れるしかないだろう。

 

 

「わあったよ。辰子」

 

 

「うん~よろしくね、悠介君~」

 

 

「ああ」

 

 

そう言って二人は握手を交わす。

 

 

「此処って~昼寝には絶好の場所だよね。またここにきて寝ても大丈夫かな~?」

 

 

「別段、俺の場所って訳じゃねえからな、いいんじゃねえか?」

 

 

「じゃあね~その時は、悠介君も一緒に寝ようよ~」

 

 

「俺もか?」

 

 

「うん、そうだよ~。私悠介君の事が気に入っちゃった」

 

 

「まあ、俺が暇なときなら別段構わねえが」

 

 

「そっか~ありがとう」

 

 

「ってうおっ!!急に抱き付くな」

 

 

「ぎゅう~」

 

 

「さらに力こめてんじゃねえ!!」

 

 

その後四苦八苦しながら、辰子をどうにかして剥がそうとする悠介だが、なかなかにはがれない。

 

 

(こいつの力って・・・)

 

 

悠介が辰子の力に疑問を持ったのと同時に

 

 

「あっ!そろそろ帰らないと。私が今日の料理番だった」

 

 

「!!」

 

 

辰子が何かを思い出したように突然立ち上がった。

瞬間、大きく背を伸ばしながら、立ち上がった辰子の姿を見た悠介の表情が驚きに染まった。

 

 

「悠介君それじゃあ、またね」

 

 

見間違いな訳がない。なぜ辰子にそれを感じたのかは、この際置いておこう。

この質問をすれば、自ずとわかるのだから

 

 

「なあ、辰子?」

 

 

「うん?どうかしたの」

 

 

 

「お前さ、釈迦堂刑部って男を知ってるか?」

 

 

かつての師と同じ雰囲気を匂いを発した少女に、悠介のその問いを投げかけた。

 

 




どうでしたでしょうか?
夢の話は、今後も出て来ると思うので、何か違和感とかありませんでしたかね?

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