その星に手をのばして   作:志文

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難産です。短いです。
アイがスカウトされたのは14とか15くらいって想定で書いてましたが、感想で12って教えていただいてびっくりしました。そんな情報あったんですね、完全に見落としてました。

ただこの世界線ではこのまま継続させてください、さりなちゃん問題もありますが、吾郎もさりなちゃんも3年くらい遅く生まれたってことで、、、、



黒幕?

ワークショップ最終日。俺は自分の行動を思い出していた。

 

夢の記憶でのアイ殺害の黒幕だろう人物、カミキヒカル。そいつに近づき、本性を探り、こいつの凶行を止めることが俺の目的だった。

 

どうしてこうなってしまったのだろうか。まあいいか。

 

「琥珀くん!この後ご飯でもいきませんか!」

 

満面の笑みを浮かべ、もし尻尾があればブンブン振っていそうな雰囲気で、同い年くらいの少年が近づいてくる。

 

「琥珀!?どうなってるの!」

 

周りの目を気にできないほど焦ったアイが、俺に詰め寄ってくる。

 

黒幕だと思ってたやつがわんこにしか見えない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ワークショップが始まり数日。ある程度参加している人たちとの関わりを持ち、ターゲットとも二人で話す機会を得た。他人の目があることもあってアイと一緒とはいかなかったが、何とか人気のない場所に呼び出し、会話できるチャンスを作った。

 

「こんなところにいきなり呼んで、何の話ですか?僕も君に話したことがあったのでちょうど良かったですけど」

「大事な話がある。単刀直入に言わせてもらうが、お前、これまでに人を殺したことはあるか?」

人当たりのいい表情はその言葉を聞いて一変した。その顔は苦しそうで、辛そうでありながら、少しの期待が伺えるよくわからない複雑な表情だった。

 

「この世界の僕はまだ、殺したことはありません」

「この世界?どういうことだ?」

 

「僕は時々、断片的に、未来の自分というか、違う自分を夢で見るんです。その夢の世界では、僕は価値のあると認めた人間を殺すことに喜びを感じる破綻者、快楽殺人鬼になっていたんです。そんな夢ばかり見るうちに、その夢の自分に近づいている感覚があるんです。僕は自分が闇に呑まれてそんな存在になってしまうことが何よりも怖い」

 

そのカミキの言葉は、俺に大きな衝撃を与えた。こいつは継続的に狂気に呑まれた自分を見せられて、日に日に破綻者に近づけられているというのだ。正常な精神を持っているならばどれほど辛いのだろうか。

 

「お前もそうなのか......。俺の場合は俺のいない世界のアイの夢を見た。その世界ではお前がアイを殺すことに加担していたんだ。だから俺はお前に声をかけ、どんな人物か図ろうとしていたんだ。もし本当に危険人物なら何が何でも犯行を止めて、アイを守るために」

 

「僕はそんなことしたくない!そんな人間になりたくない!」

カミキは涙を流しながら悲痛な声で叫んでいる。

 

実際にこいつに会って話してみて分かった。今のこいつは邪悪なやつじゃない。別世界の記憶を持ったことで、決定的に人格が歪む前に歪みきった未来の自分を見たことで、ストッパーがかかったのだろう。

 

「夢の中には、いろんな人物がいました。その中で僕は、僕じゃない僕の人生を見ました。今のところ、ほとんどのことが夢の通りになっているんです。でも、その夢に、君はいなかった。だから、君なら僕を救ってくれるんじゃないかって、期待してしまっていたんです」

 

「それで俺に話してくれたのか。こんな言いにくいことを」

 

今俺の前にいるのは、いつ自分の中に眠る闇に飲まれるか分からない不安に怯えるただの少年。そして、奇妙な夢に悩まされる仲間。であるならば、やることは決まったも同然だ。

 

「じゃあ、俺が止めてやるよ、お前がやばいやつになる前に。お前が他にも楽しいって思えることを増やして増やして増やしまくってやる。お前が殺したいと思えないような、その先を見届けたいって思えるような価値のある人間になってやる。」

 

俺の意志を力強く宣言する。アイを守るためにできることはなんでもやろうと思っていたのだから、この程度で済むなら楽なものだ。

 

「だから誰も殺すなよ、悩んだらすぐ相談な?もう俺たち友達だから、なんでも言うんだぞ?ヒカル!」

 

「はい!」

返事をするヒカルは、泣いているとは思えないほど、綺麗な笑顔を浮かべていた。

大粒の涙を流し続けるその目に、眩い白の星の光が宿っていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ていう感じで友達になりました、こちらカミキヒカル君です」

 

「よろしくお願いします!」

 

「やば、私の彼氏、黒幕光堕ちさせちゃってる......?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「で、貴方。結局どういうこと?琥珀のこと殺す気なら許さないけど」

琥珀にカミキくんを実際に紹介され、戸惑った私は琥珀のいないところで本人を問い詰めることにした。

琥珀の見た夢の中で私を殺した人。実際に会うまでは怖い気持ちしか無かったけど、今は違う意味で怖さがある。

 

「琥珀くんを殺すなんてとんでもない。僕は彼に人生を救われたんです。彼は僕の中で日に日に大きくなる闇を振り払い、狂いかけていた僕の世界に光をくれた。だから僕は人殺しなんかしないし、彼の友達として胸を張れる人間でありたいと思っています」

 

「ふーん。貴方も琥珀に焼かれちゃったんだ。絶対に渡さないけどね」

 

「貴方も彼もこの先必ず大スターになるでしょう。ララライのワークショップで僕はそれを実感しました。でも、将来的には僕が必ず彼の隣に立ちます。そのために僕はなんとしてでも芸能界を駆け上がって見せる」

 

「そんなの無理だよ。琥珀の隣は死ぬまでも死んでも私の指定席。ぽっと出の貴方なんかに渡さないんだから」

 

もう私の彼氏だし。何があろうと琥珀を離す気は無い。琥珀に目を焼かれたライバルが現れたが、琥珀と同性だったことに少し安堵する自分がいる。誰にも琥珀を譲る気はないが、関係を隠し必要がある以上、異性ならよりめんどくさいことになっていただろう。

 

 

黒幕と和解?することができ、琥珀の言っていた最悪の未来を回避することが出来たであろう私は、彼との明るい未来に胸を膨らませていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ララライで黒幕と友達になって一ヶ月後。

アイを守るという最大の目標への障害を取り除くことができたため、俺たちは忙しい日々を送りながらも、幸せな日々を送っていた。

そんなある日。

 

「妊娠しました☆」

 

大事件が発覚した。

 




後で内容修正しまくるかもです

この世界のカミキヒカルはやばいやつになる前に大人になった自分が笑いながら人殺したりしてるのを見てドン引きして普通の子であろうとしていたんですが、本性はそっち寄りなのでそれに飲まれかけてた感じ。良い子と悪い子が戦っているところ、太陽に塗りつぶされて光属性になりました。

正直全然違う子になってます、お許しを
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