愛と呪いは小説より奇なり   作:ランハナカマキリ

11 / 32

最後シリアスです。


第五話

 

「明星くん!早く帰ってきてね♪」

 

「はいはい、分かりました。」

 

 

 

 

「なぁ、乙骨先輩。」

 

「どうしたの虎杖くん。」

 

「俺どんな顔して明星の奴を出迎えればいいかな。」

 

「・・・笑えばいいと思うよ?」

 

◻️◼️◻️◼️◻️◼️

 

高専内、モニターが壁中に取り付けられた薄暗い部屋で2人の男がゲーミングチェアに座っていた。

 

「・・・一つ質問いいか?」

 

「ズビッ、どうぞ。」

 

「何でお前泣いてんだよ。そんなに娘が嫁ぐのが嫌か?」

 

「だっで、ズビッ、数年間とはいえ手塩にかけて育てた娘だぞ。今すぐの結婚は阻止できたけどさぁ、ズビッ、まさか1ヶ月でズビッ、明星の昇格査定任務が来るなんてズビッ、思わないだろ!」

 

「頼むからティシュ使ってくれ、鼻水を垂らされながら泣かれたらこっちだって困る。」

 

「あんがとな、ムタ丸〜」

 

()()()な、あとそれからそれ取ってくれ。調査に使う。」

 

与幸吉、通称メカ丸。高専所属の呪術師の1人であり高専内の監視や各地の注意喚起場所の見張り、そして受肉した呪術師の監視をしている。

 

妻帯者であり、仕事上では『与幸吉』と名乗っているが戸籍上では『三輪幸吉』である。

 

「一応。この数年間で出来ることはやっておいたぞ。最初の1年で、星野アイの電話履歴をこっちに移動させれたし、星野アイの交友関係、異性関連を含めて前世の子供らの父親は特定できた。」

 

「お、マジ?」

 

「えっーと、コイツだ。」

 

幸吉がモニターを動かすと、金髪の男の顔が映し出される。

 

()()()()()()〜?」

 

「アイの話が本当なら、コイツが子供をこさえたのはコイツが中学生の頃の話だ。そして、星野アイが刺殺された前日に、彼女がコイツに電話をしているところを街中の監視カメラが見ている。」

 

「つまり、コイツ自分の経歴に傷をつけたくないからアイのファンに情報漏らして殺させたってことか?」

 

「恐らくな。だが、コイツは手強いぞ。4年前、羂索による無為天変によって覚醒または受肉したプレイヤー、その第一東京コロニーにコイツがいたのが2日前に発覚した。その時の所持ポイントはおよそ35ポイント。」

 

「・・・だぁーー!!コイツ、プレイヤーかよ。あのクソメロンパン厄介な遺産残しやがって。」

 

「それに関しては同意だ。まだコイツが受肉したタイプなのか覚醒したタイプなのかは分かっていない。そして、奴と関わって行方不明または事故死した人間の数はおおよそ27人。4年前から急激に増えているし、星野アイを含めると28人だ。」

 

「じゃあ、コイツは呪詛師認定するか・・・どのみちぶん殴るとして、どうする?コイツ。」

 

「決まってるだろ。星野兄妹を保護したのち、カミキヒカルを拘束、または抹殺する。」

 

 

◼️◻️◼️◻️◼️◻️

 

山梨県〇〇町

 

呪霊の生得領域の中。神社の鳥居と境内が一緒になって無限に続く場所で、山と形容する程の巨躯を持つ呪霊と明星が戦っていた。

 

うぉぉぉぉ!!!

 

「隙だらけだ。」

 

煌金乃鏑・乱蛇

 

幾本もの矢が蛇となり、呪霊の喉元や柔らかい部位に牙を突き立てる。この技は呪霊の体内に明星の呪力を流しこみ内側から破壊する技である。

 

激しい紫色の血飛沫を上げながら、呪霊は自身の首を捻りとりそれを投げ飛ばした。飛んだ先は誰もいない方向、この呪霊はどうやら頭だけでも生きれるらしい。つまり今逃せばこの呪霊がまた現れる。

 

金龍門・黄金龍(こがねりゅう)

 

飛んで行った呪霊の生首を、金色の龍が追いかけていく。

 

「・・・これで査定任務は終わりですかね。」

 

カラン、カラン・・・

 

「っ!」

 

違和感、それは全ての呪霊を祓ったはずなのに生得領域が閉じないことだ。そして目の前には木造の棺桶があり中から血が溢れている。

 

(まだ討ち漏らしがいるのか?いや、何だこの嫌な予感は?)

 

ギィィィっと音を立てて、棺桶から人の形が現れた。

 

それは、戦国の怨霊ゆえの姿。

 

鉄錆十二間筋の兜、毘沙門天への信仰を表す「毘」の文字が刻まれた鎧、そして二重錣の隙間から飛び出しているのは赤い真紅の触手。

 

「特ーーー級ーーー」

 

『・・・・ぁぁ。』

 

「っ!金子乃帳・金嵐(きんすのとばり かねあらし)!!」

 

呪力で構成された金子を身に纏い、黄金の西洋鎧を構築する。かつて平安の術師が使っていた液体金属の鎧と同じだ。だが、その強度は明星の方が圧倒的に劣る。

 

『亨、亨・・・』

 

呪霊が刀に手を当てる。明星は防御の体勢をとる。

 

 

 

 

 

『・・・・雁。』

 

ザンッ!!

 

「ーーーは、」

 

何で()()に気づかなかった。

 

いつも()()は残酷に人の命を奪う。

 

彼は一直線に残像を残して消えた呪霊を見ようとして、首を刀で斬られたことに気付き、大量の血飛沫を出しながら地面に崩れ落ちた。

 

 

 

 

()()とは、呪いのことだ。

 

暗転





  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。