愛と呪いは小説より奇なり   作:ランハナカマキリ

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前回途中で終わったのであかねサイドから始めます。


裏五話

 

「疲れた。」

 

子供の頃から変なものが見えた。

 

「もういいや。」

 

演技している間は変なもののことを忘れられた。

 

「何も考えたくない。」

 

でももう演技ができなくなりそうだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

死のう。

 

 

 

 

 

「死ぬんだったら、俺の目の届かないとこで死んでくれよ!!!もう、誰かが死ぬのを見るのは、嫌なんだよ!!!」

 

 

アクアくん?

 

 

なんで?

 

 

なんで泣いてるの?

 

 

◽️■◽️■◽️■

 

あれから数日後、みんなのおかげで復帰することができた。本当に感謝している。

 

とくに、アクアくん。

 

(何か恩返ししたいな。そういえば、何で泣いてたんだろう?)

 

私はパソコンの前に座った。

 

自殺しようとした私を引き留めたときなぜ泣いていたのだろう?彼の言葉を一字一句思い出す。『死ぬんだったら、俺の目の届かないとこで死んでくれよ!!!もう、誰かが死ぬのを見るのは、嫌なんだよ!!!』彼は人が死ぬのを見ることを恐れていた。つまり彼は過去に誰かの死を間近で見たことがある。誰の?親しい人?家族?

 

アクアくんは妹のルビーちゃんとB小町の社長の子供となっている。だが社長とは似ていない。つまり誰かの、肉親が死んで養子となった可能性がある。彼が幼い頃、B小町と関係があり親しかった人物が死んでいないか。

 

「・・・星野アイ?」

 

星野アイ。10年ほど前、自宅でファンに刺されて死んだ超人気アイドル。もし彼がアイの子供、いや隠し子だった場合。母親の死を目の前にして、誰かの死がトラウマになっていてもおかしくはない。

 

(・・・私に出来ること、ないかなぁ。)

 

リハビリを兼ねて外を歩いていたその日。私は"それ"を見た。公園のベンチの前、おどろおどろしい一つ目の怪物が当たりをギョロ、ギョロと見つめていた。こういうタイプは、目を合わせたらダメだと私は幼い頃からの感覚で分かる。

 

通り過ぎようとしたそのとき。

 

「あなたのアイドル〜サインはB♪」

 

黒い制服を着た少女が、歌いながら紫色に光る五芒星を怪物に飛ばした。怪物に星型の穴が開き、苦しみながらのたうちまわり破裂した。

 

「ん?ひょっとして君見えてる?」

 

少女が顔を覗き込もうとする。反射的に顔を隠そうとして、彼女の星を宿した眼に釘付けになった。

 

「ーー星野アイ、さん?」

 

「ん??ひょっとして、私のファン??」

 

同姓同名の別人?いや、彼女を知るためにあらゆる行動パターン思考パターンを分析しありとあらゆる癖を知り尽くした私の頭は彼女が『星野アイ』と言っている。だか星野アイは10年ほど前に死んでいる、実はうそ?いや、お腹を刺され腹部大動脈を傷つけられて救急車が来た時点で死亡と判定された彼女が生きている筈がない。

 

つまり彼女はアイドルの星野アイとは別人?

 

いや、彼女は私にファンかと聞いた。つまり何らかの活動をしている。またはしていたのだ。私の知ってる限り、星野アイを名乗って活動している人物は、アイドルの星野アイしかいない。

 

生まれ変わり?

 

非現実的だけど、さっきの怪物を倒していたのも、この世に何らかが存在することに説明がつく。

 

「あなた、誰なの?」

 

「私は虎杖アイ、嫁入りしたので家入アイで〜す!!」

 

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