愛と呪いは小説より奇なり   作:ランハナカマキリ

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第十二話

 

「ルビーちゃんはどの教室!!」

 

「芸能科は午前授業だったはず、だから今は昼食かも!!僕は噴水の方を、明星くんは屋上を!!」

 

 

 

屋上ではルビーがクラスメイトの2人と一緒に食事をしていた。

 

「・・・ルビー?どしたん?」

 

「みなみちゃん・・・例えばの話、てか私の知り合いの話なんだけどね・・・お母さんが自分の子供と同い年の男に惚れて付き合っちゃったらしいんだけど・・・どう、励ましたらいいかなっ〜て・・・」

 

「せ、せやな・・・・「みなみ?こういう知り合いの話ってのは大体自分の話だよ。てな訳で面白そうな話プリーズ。」え、そうなん!?」

 

「いや、違うよ!!?ただ友達の話!!!」

 

「おやおや〜さっきは知り合いって言って今度は友達〜?」

 

「詳しく話してくれへん?」

 

「いやそう言う話じゃーー」

 

 

「ルビーちゃん!!!」

 

 

その時不知火フリルと寿みなみの脳内に憶測が繋がった。

 

ルビーの母親と、彼女と同年代の男子が付き合っている。それは同じ学校ではない可能性もあるが、その場合あそこまで落ち込まないし気落ちしない。

 

そして今目の前に現れたモデルのような顔立ちと赤く十字架のような瞳孔をグラサンで隠した少年。

 

「・・・つまり君がルビーパパか!!?」

 

「ちょっ!!違う!!!従兄弟っていうか、あの人がその知り合いなの!!!」

 

「ん?大体あってます。」

 

「えぇぇ!!?イケメンやん!!というか何で目ぇ赤いん?」

 

「あ、生まれつきです。はじめまして、ルビーちゃんの義父の家入明星といいます。」

 

「よろしくお願いしまーす。君若いね?同い年?」

 

「あー汀くんと同い年です。」

 

「汀くん?てことは・・・あぁ、そういう・・・」

 

「お分かりいただけたようで。んじゃルビーちゃんお借りします。」

 

「はっ!?ちょっーー」

 

 

 

 

 

 

 

「アンタ何しに来たの!!一応言っとくけど父親だなんて認めないからね!!!ママが転生したのはまだ信じてないけど私のママは処女受胎したんだから!!父親なんていないから!!!」

 

「呪詛師が学校に忍び込んでます。今すぐ高専行きますよ。友達が巻き込まれるのは嫌ですよね?」

 

「・・・分かった。けど認めないからね!!?」

 

▽▽▽▼▽▽▽▼

 

中庭、噴水前にて。

 

「あ"〜?懸賞首いねーな。同業に先越されたかーー「ねぇ君呪詛師だよね?」

 

そこに黒と白のツートンカラーヘアの少年、汀が歩いてきた。呪詛師御用達の裏サイトで見た顔、五条悟の息子に違いなかった。

 

「その髪色、五条悟の・・・ラッキー!!鴨が大金背負ってきた!!!」

 

「何何?遊んでるの?遊ぶならーー」

 

 

 

 

 

 

殺気

 

 

 

 

 

「僕も混ぜてちょうだいよ?」

 

背中に燃え盛る翼と炎が現れ、髪の隙間から覗く目は獲物を、いや遊び相手を見つけた猛者の目をしていた。汀の舐めた態度に男の頭には血が昇っていた。

 

「っ!!舐めてんのかテメェ!!」

 

男の腕が黒く染まり、爪がどんどん長くなっていく。男が走り出し、汀を貫こうとしたその時、汀は既に男の後ろにいた。

 

「シン・影流、簡易領域、居合・夕月」

 

刀を納刀する汀、既に後ろで斬られ倒れる呪詛師には興味はなかった。

 

「あーあ。楽しい遊び相手になってくれると思ったのに・・・フーちゃんに慰めてもらお!!」

 

「て、テメェーーガシィ!!!ぐえっ!!」

 

地面から現れた3つの顔を持った大仏が呪詛師を握りしめる。その後ろには城ヶ崎がいた。

 

「こらこら汀くん?学園内で人を殺めては駄目ですよ。騒ぎになったらたいへんですからね。」

 

「えー先輩は呪霊に丸呑みにさせてたじゃないですか?」

 

「取り敢えずアクアくんを連れて明星くんたちと合流しますよ。明星くん?」

 

 

 

▼▽▼▽ ▼▽▼▽ ▼▽▼▽

 

 

『取り敢えずアクアくんを連れて明星くんたちと合流しますよ。明星くん?』

 

「2人の首に高額賞金って本当ですか?」

 

明星とルビーがいるのは近くの建築現場。周りには大量のネズミと、向かいにはガスマスクをつけた呪詛師がいた。

 

『えぇ。呪詛師御用達の裏サイトで無期限の懸賞首らしいです。』

 

「何でネズミ!?キモッ!!!」

 

「全く・・・呪術師は晩年人手不足なんですよ。貴方達に割いてる時間はないんですが?」

 

「いやぁ?時間を割いて悪いな。さらに悪いがそのガキこっちに寄越せ。」

 

「・・・じゃあこうしましょう。泣いて謝ったら生かしてあげます。」

 

「クソガキが!!」

 

凶暴なネズミの群れが2人に押し寄せる。

 

「舌噛まないように。」

 

「ちょっ!!?」

 

明星が柱目掛けルビーを投げる。

 

「ぎゃぁぁぁあ!!!」

 

『術式反転・銀燐(ぎんりん)

 

銀色の矢が弧を書いて呪詛師に飛んでいく。鏃が突き刺さる直前、呪詛師はネズミを盾にして回避した。

 

「おっとあぶね。」

 

(・・・このネズミ、恐らく生きたネズミを呪術で操作している。式神じゃないから金子で動きを封じられない。だが、"眼"で動きをマークできる。)

 

明星はすぐさま隣の壁を蹴り、さらに高く飛ぶ。

 

「ぎゃぁぁぁ!!!」

 

「よし、キャッチ成功。」

 

ルビーを空中でキャッチしさらに高く飛んだ。

 

すぐに追いかけてくるネズミ達、再び呪詛師に銀燐を何発も放つも、ネズミの群れを盾に全て回避される。

 

ネズミが一頭、2人に飛びかかる。咄嗟に明星はルビーを庇って腕に歯が突き刺さった。

 

「ちっ!!」

 

「俺の術式はネズミを操るだけじゃなくて、ネズミを呪力強化できんだよ。ネズミの口は不潔なんだ、すぐに治療しねーと大変だぞ?ま、お前には治療する暇もなーけどな。」

 

気づけば2人の周りはネズミで包囲されていた。

 

「は!素直に降参しな!!降参すりゃ命は助けてやるぜ!!?」

 

「はっ、くたばれ。」

 

「なら死ね!!!」

 

飛びかかるネズミの群れ、視界を埋め尽くす獰猛な害獣にルビーは悲鳴を上げかけたが明星の手が目を覆った。

 

「・・・目を閉じてて。」

 

『術式反転・銀乃棘鞠(ぎんのとげまり)

 

明星を包む銀色の鞠、鞠から生えている銀の針が襲いくるネズミを全て突き刺していく。あっという間に呪詛師の手駒は先程矢を射られた数匹だけとなった。

 

「ーーくっそ!!楽して稼げると思ったのによぉ!!」

 

「アンタみたいな術師は、司令塔であるアンタ自身がひ弱なことが多い。だから手駒を減らした。アンタには聞きたいことがある、降参するなら生かしておいてあげますよ?」

 

「くっ、あばよ!!」

 

「・・・仕方ないですね。なら、死ね。」

 

『術式反転・銀乃針山』

 

矢を射られた数匹から無数の鋭い針が飛ぶ。呪詛師は瞬く間に針の筵となった。倒れる呪詛師を見下ろしながら明星は口を開いた。矢を射られたネズミから明星の呪力が流れ込み、内側から針を形成したのだ。

 

 

 

 

 

『術式順天・金龍』

 

 

 

 

『術式反転・銀龍』

 

 

「順転と反転、ふたつの呪力が混ざり合うとき、さらに強力な力となる・・・・」

 

銀の龍と銀の龍、現れた2頭が渦を巻いて明星の目の前に差し出した手の前に呪力を込め、生み出された力を玉状にして放つ。

 

 

『虚式・臥龍天暒』

 

 

 

「孫子の兵法より、"勝兵は先ず勝ちて而る後に戦いを求め、敗兵は先ず戦いて而る後に勝を求む"・・・いや、矢を射ったのは戦いの最中か。」

 

「何!?何かあったの!!?」

 

「何もないですよー更地になった工事現場もないですし針の筵になった男もないですし大量のネズミの串刺し死体もないですよー」

 

「嘘下手ぁ!!?」

 

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