愛と呪いは小説より奇なり   作:ランハナカマキリ

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ぶっちゃけると、五条より鹿紫雲が推しです。


今ガチ視聴

 

「もしもし••••あ、()()()?俺は元気にやってる。そっちは?••••姉さんがぴえヨンさんと?てかアイドルなれたんだ••••うん、応援するさ••••兄さんが恋愛?へえ•••言わなくても分かってる。仲良くなれってんだろ?分かってるんだけどさぁ•••••••••まぁいいや、帰省したら話す。母さん、()()()()()

 

ミヤコさん(母さん)』と書かれた電話の通話画面を閉じ、コハクは自室の天井を見上げた。

 

(にしても•••俺の『電轟霹靂』にできること増やさないとな••••鹿紫雲さんができることは俺もできるーーだが俺にはまだあの人ほどの威力と精密度はない。あの人は電気に完全適応した肉体に再受肉してから、俺なんか足元に及ばないくらい強くなった•••••俺に足りてないものは、なんだ?)

 

彼のもう1人の師匠『鹿紫雲一』との出会いは雷のように唐突だった。

 

死滅回游に参加した高専術師が静岡分校に集結した時だった。九十九と彼は、九十九の息子である照屋輝紗羅と虎杖悠仁、脹相、日車寛己らと"魂"について談義していた。そんな時、急に現れたのが鹿紫雲だ。

 

『おいガキ。名前は?』

 

『・・・星野コハク。何の用だ』

 

『ーーー成る程な、鹿紫雲の姓は死んだのか。電気の呪力特性を持ってるって言ったな?お前は、俺の作ったガキの子孫だ』

 

『『『は?』』』

 

『つまり、俺はお前の御先祖だ』

 

『・・・・似てるか?』

 

『うん、似てる似てる』

 

『敬え』

 

『は?やだ』

 

その日初めて死にかけた。

 

それから鹿紫雲はちょくちょく絡んでくるようになった。

 

『おいガキ、スマホの使い方教えろ』

『••••やだ』

喧嘩して部屋を半壊させて日下部に怒られた。

 

『おいガキ、風呂入るから付き合え』

『セクハラ••••』

見栄張ってのぼせたのを介抱して貰った。

 

『おいガキ、金やるから近くのコンビニ行ってつまみ買ってこい』

『ペプシ買ってきていいなら』

つまみと一緒にふたり分のペプシを買ってきて一緒に飲んだ。

 

 

 

 

 

 

決戦の2週間前、鹿紫雲に『お前は孤独か?』と聞かれた。

 

『•••とうとうボケたか』

 

『ぶっ殺すぞ•••俺もお前も強い。

 

だが弱さを知らずに、どうやって弱者を慈しむ。

 

俺にはそれが出来なかった。

 

周りの人間が脆い土塊に見えた。

 

最強とは永遠の孤独なのか?

 

俺はそれを知るために呪物となって時を渡った。

 

お前はどうだ?弱者に囲まれて、愛を知ることができたか?』

 

『俺の本当の母さんは•••言うのもなんだが愛を知ろうとして理不尽に殺された。俺も右目を潰されて死にかけた。

 

今生きてるのは母の”愛”のお陰だ。

 

何かのために命をかけるってのは、何かを愛してたからじゃないか?

 

アンタの場合•••自分のために命かけてるだろ。

 

これを自己愛って言わないでなんて言うんだーーーどうした?』

 

呆気に取られたような、心につっかかってたものが外れたような、そんな顔をしていた。

 

『••••••そうだったのか。宿儺もそうだったのか?』

 

『いや、知らないけど』

 

実際どうだったのかは、本人から聞いた鹿紫雲しか知らない。

 

(•••とりあえず寝よ)

 

 

▽▲

 

翌日

 

「第一回!!今ガチを見ようぜの回〜!!」

 

高専内の講堂。そこに1年ズと2年ズが集結していた。

 

「「わ〜い!!」」「「・・・」」

 

「司会兼進行役は二年の『有馬 凰牙』!!今回は1年と2年の親睦会を兼ねてるから無礼講じゃい!!」

 

「「いぇ〜い」」「意味わからねー」

 

赤い髪の側頭部を刈り上げて流した少年が、一昔前の特攻服風の制服に身を包みマイクを握る。その横には青い髪の少年がポツンと座り、その隣には何故か棺が置かれていた。

 

「・・・そこの1年坊ノリ悪くね?」

 

「朝5時に汀に叩き起こされて、急いで来たらドラマの視聴会だった俺の気持ち分かります?」

 

「おいおいそう言うなって、今年の1年は生意気だな?」

 

「・・・お前もあんなんだったぞ」

 

同じように叩き起こされた『寺嶋 誠』がボソッと呟いた。

 

「誠〜相変わらずの毒舌だな?そんなんだと友達無くすぞ?」

 

「・・・俺は気にしてない」

 

「全く〜〜寂しんぼめ。あ、みんなコイツと仲良くしてやってくれよ〜」

 

「「は〜い」」「・・・うす」

 

恋愛リアリティーショー『今からガチ恋♡始めます』

その宣伝用のメディア向けPVと第1回を彼らは観ていた。

 

出演するのは今まさに名前を売りつつある若手有望株と呼ばれる若者たち・・・とは言っても、世間一般からすればほぼ無名の者達ばかりなので恋愛リアリティーショーで名前を売ることは今後の人生に関わるのだろう。

 

『星野アクアです。何かめっちゃ緊張するわ〜皆よろしくね!!』

 

「・・・にしてもアイツが出るとはな」

 

「あー星野アクア、確か仲悪いんだっけ?」

 

「悪い。ちょーぜつ悪い。高専行くときも揉めた」

〜〜〜

進路決めの時・・・

 

『おいコハク。お前進路どうするんだ?』

 

『もう決めてる・・・推薦状も貰った』

 

『京都天元派流、仏教高等専門学校・・・?お前の成績なら都内の進学校も行けるだろ。例えば秀知院学園*1とか、何で京都の宗教系の学校なんだ?』

 

『まるで目の届く範囲で監視したいみたいな言い方だな・・・言う必要あるか?』

〜〜〜

 

「あの後から電話で話したこともない」

 

「辛辣だな〜死んでからじゃ話せないぜ?」

 

「良いんだよ・・・死んだ母親の亡霊追いかけてる奴だぞ。ガキの頃から話しかけても俺を無視して、母親のスマホイジってきたくせに今さら兄貴ヅラか?・・・もう血反吐が出る」

 

悪態をつくコハク。汀はその様子を見て、そっとしとくことにした。不死鳥とはいえども、下手に掘り下げて雷龍の逆鱗に触れたく無い。凰牙は自分も実家とうまくいってないため彼の気持ちは理解できた。コレオは『あかねしか勝たん!!』という羽織を着ながら2人の会話を聞いていた。

 

「・・・話聞く限り、大事な人の死に縛られる人はいるけど、アクアさんは異常だよね?」

 

「「「コウモリの丸焼き食いながら恋リア観てる奴に言われたくない」」」

 

「ちっ」

 

「ふっ。2年と1年、年齢の垣根を越えてひとつの物事に夢中になる。これぞ青春・・・青い春だな」

 

彼らの後ろに、片手義手で顔に傷があるチョンマゲのゴリラがいた。

 

「・・・・東堂先生」

 

「久しぶりだなコハク!!我が弟弟子よ!!お前と不知火コレオに任務がある!!」

 

「「げっ!?」」

 

2人は顔を合わせ嫌そうな顔をする。

 

「お前たちには、とある女優の護衛をしてもらう!!」

 

*1
前作の舞台





じゅじゅさんぽ

『黒川あかね。高校二年生、役者です』

コレオ「キャァァァァ♡♡あかねきゃわわわ!!!」

全員「「「うわびっくりした!!」」」

東堂「次回、『護衛』」
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