時系列としては、「愛と呪いは紙一重」の数週間前です。黎人はこれから忙しくなって明星も忙しくなります。
「俺が行く。」
「ど〜ぞ。」
黎人を怠げに送り出す美夜、そんな彼女の元に白装束を着た男が現れた。
「君、家入美夜だよね?強いんでしょ。」
「・・・あんた、呪詛師?的な反応求めてんの?」
「はっ、よく生意気こけるな。その余裕はいつまでもつのかな。」
腕を横に伸ばすと、黒の液体がドロッと流れ落ち男と瓜二つな式神が作り出される。
「俺の術式は、分身を作れんの。最大百人までな、わかるかな。100対1、もう君負けてんの。俺の女になるって頭下げるなら殺さないよ〜?」
術式の開示、呪術において掌を晒すというのは術式効果を底上げすることができるのだ。だが、美夜は虚空から黒と白の扇子を取り出す。
「・・・さっさと家に帰って●ルダしたいの。お前みたいな脳カス相手にする暇ないわ。」
「よし泣かす、死んで泣くまで
アクアside
ミヤコさんが買い物に行って数分後、怪しい格好の女がいきなり家にやってきた。恐らくこの間の脅迫文を送ってきた奴らだ。
電話で俺らを確保したことを伝える女、相手の声は聞こえなかったが、2人は必要ない、どちらか1人でいい、と言っていたことだけは分かった。
女はルビーを外に投げ飛ばした。
そして数秒後、その人は現れた。
「・・・あっぶな。」
キィェェェ!!!
翼竜、それも青と橙色の羽毛に覆われた大きな体と二本の尾を有している、に乗った左目付近を包帯で覆った男がいた。オールバックに止めていた髪留めを解きながら、気を失っているルビーを見つめていた。
「あんまり、人目につきたくないんだけど?」
「お前ぇ、高専の術師だなぁ?強いんだろぉ、戦え!!!」
体の節々から刃物を出す女、その様子にアクアはヒヤリとしたが彼はため息をつきながら、牙と顎の印を作り出す。
「・・・聞きたいこともあるし、殺さないでやるよ。『猛顎』」
数十秒後
アクアは、この転生人生の中で1番頭が混乱していた。
「待て待て待てぇぇ!!?分かった盤星教からも手を引くっ、呪詛師もやめるから命だけはぁぁぁぁぁぁ!!!!??」
「・・・猛顎、もう一段階上げろ。」
ボキリッ!!
「ぎゃあああああ!!?」
ソファに腰掛ける少年、その視線の先にはリビングの大半を占める巨大な恐竜がいた。その恐竜の口の中で必死にもがく女、ギリギリと音を立てて手足を上顎と下顎を必死でこじ開けようとするが万力の力でその努力は無駄になる。手足が折れ、血が垂れた。
「ーーーハッ!勝った気になってんじゃねぇぞ!?ここには白百が来てる!!」
「最大で百人もの分身を作れるんだよ!!そいつにかかりゃお前らなんかーー「なあ。」
「ああん?」
「それってこいつか?」
『脳カスの屍だお✌︎('ω'✌︎ )』
それは満身創痍でボコボコになった呪詛師百人の山の上で逆ピースの自撮りをとる少女だった。
「こいつ・・・です。」
■□■□■□
『〜てなわけで、俺らは一旦静岡の高専に向かう。盤星教の方はお前らに任せる。頼むぞ、虎杖。』
「うす、任せとけ。」
シン・盤星教
かつて、遥か昔の平安の世から生きてきた呪術界の要、天元を崇拝する非術師の宗教団体があった。それが数年前から呪術を扱う呪術集団へと変貌を遂げた。一般信者も呪具で武装する生半可では立ち向かえない・・・
・・・はずだった。
「ぐぇっ!/ぎゃぁぁ/ぶげぇぇ!!」
グサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッ!!
「うぇ”〜んん”!!!何で私死なないのよォォ!!」
グサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッグサッ!!!
篠崎要、術式は『換身術式』自分が受けたダメージを一定の範囲内の人間に受け流すことができる。限度があるが、天与呪縛で痛覚が死んでいるためほぼ何も感じないとのこと。
「だぁっ〜!!!うっせぇんだよ!!?静かにしろぉ!!」
「はひぃ!?ごっ、ごめんなさい・・・」
「術師を殺せェェェ!!!」
「『くたばれ』『クソが』『死んじまえ』!!!」
「うぐっ!/あぁぁ!??」
南雲晶、狗巻家の分家出身。主に精神的にダメージがくる呪言を操る。本人は他人からは嫌われるような態度をとっているが周りはそれを普通と捉えて半ば可愛がっている。
「・・・悪鬼の所業。」
「まぁまぁ、ミサゴくんもすぐ慣れるよ。」
完全自律呪骸、ミサゴ
去年東京都立呪術高専の前学長、夜蛾正道が亡くなり、その後を継いだ五条悟が作り上げた試作品。まだ産まれて一年未満だが、既に亜成体程の大きさだ。そして明星と同じ年に入学することが決まっている。
そんな彼に話しかけるのは呪術高専2年、吉野順平。
クラゲのような式神から、無数の半透明な触手を出しそれに絡まった信者たちが毒にやられていく。
「死ねぇぇ呪術師がぁぁぁ!!!」
「うるせぇなぁ!"簪"!!」
真っ赤な血が花のように咲いた。それを作り出したのは眼帯の少女、釘崎野薔薇。
「"貫牛"行け!」
そして後ろの集団を式神で吹き飛ばしたのは現禪院家当主、伏黒恵だ。
シン・盤星教は壊滅した。