ゲーセンファンタジー・俺がプロゲーマーになる迄の記録 作:マキシマムとと
評価が増えた…だと?
お前らヲイ。
この小説の読者の母数知ってるのか?
ブックマークやしおり等、とても励みになっております。
たぶん、最新話まで見てくれてる人の過半数がなんらかのアクションをしてくれてる。
これって普通に異常事態なんだぜ?
アクションしてくれる人ってガチンコの少数民族だし。
だからまぁ、なんだ(世界でわずか数十人の希少な)読者の皆様(ガチで)有り難う御座います。
◯月◯日 晴れ
仕事をする上で重要な事を3つ上げる。
・まず安全であること。
基本であり当然なのだが、安全であり安心して作業出来る空間の確保は第一優先項目である。
不安全な職場で最高のパフォーマンスを発揮出来るヤツはいないし、いてもすぐ労災で消える。
・次は無理無駄ムラを無くすこと。
短期ならまだしも、長期間を作業し続けるなら絶対に必要な項目。ちょっとの無理が積み重なれば数年で身体が壊れる。
わずかな無駄が積み重なれば休憩時間がゴリゴリ削れるし、現在実質的には自営業な俺からすれば1秒に
そしてムラの強弱が品質を落とし、やがていづれは不良(操作ミス)が起きる。
・そして最後に効率アップだ。
慣例に惑わされず、常に最速を意識する。
部品(指)の置場所は本当に定位置で良いのか?
10cm近付けた場合どの程度作業効率が上がるのか。
左手から右手へ。
逆パターンにした場合の効率は?
仮想を実行し手順に統制された流れを生み出す。
どうせルールなんざ無意味だ。
何故ならルールを作るのは不完全な人間であり、作成した時点ではそれを継続し続けた場合に発生する不具合や負荷、それを知るための長期的な観測方法がないのだから。
だから、その裏側にある意図を理解して最低限の確実性を確保する、その上で改革して効率化を図るのだ。そうでなくては、大量受注はこなせない。
朝の5時から始まるデスマーチ。
当初想定していたより遥かに体調が良い。
体調が良いから勘違いして無理しそうになるのだが、根底にある借金の額と連戦に次ぐ連戦、これが所詮人類でしかない俺の精神を粗目#60番くらいのヤスリでゴリゴリと削ってきやがる。
…そう、もはや『だいす』は遊びではない。
仕事だ。
業務の一環としてゲームをする、この苦しみ。
キツイ。
くるしい。
帰りたい(在宅勤務)。
普通なら狂ってる。
だが相手は『だいす』だ。
強制的に脳に快楽をぶち込んでくる
優しく楽しく、いつもご機嫌で俺と一緒に遊んでくれるペレさんと、甘え上手で無自覚スパルタな我が妹に支えられているのもキツイ。
逃げ道が皆無。
故に俺は職場における重要3項目を実践した。
ひたすら、愚直に。
ペレさんの手助けを受けながら無理のある操作を改変し、無駄な動作をキリキリと削り、ムラムラしてた『遊び』は意識しなくても消えた(悲しい)。
効率化は無理の無い範囲で調整しつつ、それでも1秒でも早くこの地獄から脱出するために尽力した。
俺の現在のアリーナランクは最低ランクのブロンズ。
月末に開かれる【
俺はギリギリで間に合った。
『9.999位』
数字を見た瞬間漏らした。
おしっこダダ漏れした。
(泣きながら掃除した)
あの涙…悲しかったのか嬉しかったのかほっとしたのか…アレがどんな涙だったのか、もはや俺には何もわからないんだ。
この順位は狙ったわけじゃない。
そもそもアリーナでの順位は勝敗の上に戦闘内容からの加点or減点(判断基準は不明)がある点数式だ。
合計点数によって順位が変動するためキリ番やゾロ目を狙うことは不可能(参加人数も桁違いにエグいから)。
9.999位の俺は25日の午後11:55分の時点でシルバーランクの下から9.999番目に居たプレイヤー(シルバーランクの定員は60.000人なので、順位で言えば
ブロンズランクの勝利者報酬は100円。
そしてシルバーランクでは10.000円。
アマチュアとプロの間にある絶壁。
金は、正義。
『だいす』参戦人数は公式で6千万人。
日本人口の約半数とされている。
つまりプロの最低ラインであるシルバーランクの競争倍率は1/1.000だ。千人に1人の逸材が集う魔境。
勝てばシルバー、負ければブロンズの最下層からやり直し。
ガチでギリギリの脳死ラインを往き来しながら掴み取った挑戦権。恐らくだが、負ければ俺の未来は無い。
(予定表には勝利したパターンしか書いてないし、勝利した上でまだまだチョモランマ級のスケジュールがびっしり書いてある)
文字通り命懸けの決戦。
明日は久々に家(軟禁地点)から離れ、ゲーセンに行ける。
『だいす』あるあるだ。
モチベーションの強弱で機体性能が変動する。
俺にとっての聖地はやはりゲーセン。
明日は最高の環境下でプレイする。
勝つ。
それ以外道はないのだ。
◯月◯日 晴れ (1ページ目)
【
ステージはブロンズランクが使用する箱庭タイプ。
シルバーから解禁されるフィールドタイプと異なり、限られた空間内での戦闘を強要される。
『entry』
最初に原子構築されるのは
機体名『スペア』の名の指す通り、ホニャララが本来搭乗していた特級骨格
脚種はムツアシ。
もとのボアフレームに近付けるよう6本の内2本を迅翼ユニットへと換装し、空間機動性能の向上を図っている。
翼を持つ獣。
外見はグリフォンやスフィンクスに近く、人型有翼のボアフレームとは似ても似つかぬ形状となっている。
色は深紅…を求めていた。
現実には腐り、固形化した血のように不吉な赤となったソレが、しかしそれでも雄々しく両翼を広げた。
『ーーーentry』
次に原子構築を迎えるのは挑戦者
機体名は『K-アシガル-250』わかる人にはすぐわかる。
キリサキモータース株式会社が日本国内外で製造販売するスポーツタイプのオートバイの名称、ないし愛称からの丸パクり。
Ashigaruの名前はバイク業界では有名で、熱心なファンも多いのだが…。
「今日は久々にゲーセンに行ける日だったんだ」
彼は語る。
「玄関から出たらね? まるですぐそこで待機してたようなタイミングでトラックが庭に到着してさ」
彼の焦点はどこ?
「中から出てきちゃったの。単車。いや好きだよ? Ashigaru!! て書いてある文字も格好良いし、スタイリッシュな外見もヨダレ出ちゃう、ボディーもピカピカのツヤっツヤだし。スペックは250ccからすりゃ破格で別格。だってコレSE / SE KRT エディションなんだぜ? お高いんだもの」
涙…それは心のおしっこ。
「どんだけ背負わせる? 俺にどんだけ借金背負わせれば納得するんだよあの小娘は…ッ!! 好きだよ? けど買わないよ? 普通はね? 俺は普通の人だから買わないんだよ?? なんなん、コレ…地獄?」
桃色ボッチ号を模した『K-アシガル-250』は、ただ静かにおとなしくお座りして主人の沈静化を待った。偉い。
◇
さて。
さてさて…。
揃い踏みせし2体の機獣。
開戦を目前にしてホニャララが通信を開いたーーーという夢を見たことに、数時間経過してようやく気付いたんだな、これが。
あぁ…うん。
夢やってん。ごめんな?
朝5時に起床して歯磨きとトイレを5:10迄に完了させて『だいす』にインするやろ?
そこから操縦訓練込みの1セット5分ペースで【Round1と2】を周回して朝7時ジャストまで頑張る。
(周回する際の脚種はヒトアシ。シュミレーションしたらヨツアシだとスライムに勝てなかった)
いつもこの時間帯は眠たくてテンションが低いんだわ。だからペレさんも無理に話しかけてこないのが普通。
今日までは朝食後の時間はずっと、アリーナでの順位争いに費やしてたんだ。
だからレンと2人の朝食時にアリーナ関連の話になって、そこでやっと自分の頭の中にあったアリーナの記憶が夢だった事に気が付いた。
「けっこう、リアルな夢…だね?」
夢に見るほど現実逃避をしたがっている、とでも思ったのか。レタスを口に運びかけたまま、レンが硬直してぎこちなく笑った。
「そうか? 確かに雰囲気はリアルっぽかったし、俺のPNと機体名は同じだったが…あ、あとレンがまた勝手に購入したキリサキのAshigaruも現実そのままで、あれだけでも夢だったらまだ良かったんだがーーー対戦相手、顔も見てないんだよな」
チラッと顔をうかがうと、流石のレンも居心地が悪そうだ。
「はーぁ、せめてステージが夢の通りだったら勝負だけは出来たんだが」
階級簒奪戦・破銀で使用されるステージ。
夢ではブロンズ帯と同じ豆腐空間となっていたが、現実ではシルバー帯で使用されるステージからランダムで作成された。
山岳地帯や砂漠、浜辺や雪原など。
その広さは果てがない。
あらゆる環境下での戦闘が推奨され、機体のスポーン地点もランダムで設定されるのだ。
…俺の機体『K-アシガル-250』脚部をヨツアシへと換装した際のセカンドネーム『桃色ポチ子』がスポーンしたのは中空だった。
高度は50m程度ーーー正直そんなに高くはない。
ポチ子に全力でジャンプさせればスラスターの噴射なしでも届く程度の高度。
眼下は赤岩がむき出しになった荒野。
遮蔽物の少ない環境は遠距離攻撃手段が貧弱な俺のロボには厳しい…いや、各所にある広めの窪みを上手く使えば…!!
「勝つぞペレさん!」
「およぅよ!!」
なんて気合い入れながら着地の瞬間を待ったんだ。
重力に引かれ地面に到達ーーーした瞬間、画面が暗転。
デデレテン♪ デン・デ~ン♪
(後で気付いた話、この音どこで聞いたのかと思ってたけど、これコントゥラでゲームオーバーした時に流れるBGMだわ)
ーーーまぁアレだ【Game Over】だよね。
宇宙人しねってのは常々思ってるんだけどな?
今回の殺意は格が違ったよね。
スマホの通話ボタンをポチる。
『lulululu…lululuガチャ、もしもしにーにー? どうーーー』
「サンドバッグ買え」
『え? どしーーー』
「黙れ、買え、ナウ、今、即座、理解者?」
『に』
「俺が戻るまでに防音の個室も用意しとけ」
『え、だっ』
「理解者?」
理解者。
それは良い言葉だ。
正義は爆発。
爆弾こそ正義。
完結…ご苦労様でした。
何故か俺はそんな事を思ったんだ。
↓次ページに続く。
【にはんぢんアリーナ】
『だいす』参戦人数は公式で6千万人。
日本人口の約半数とされているーーーが、実質的な参戦人数はその6倍、3億6千万人である。
ランクは『銅』から始まり『銀』→『金』→『聖銀』→『緋緋色金』→『ナンバーズ』となる。
ナンバーズはアリーナ最上位の100名だけに与えられる称号であり、取得条件はアリーナでの成績の他に第1級に該当する『だいす』高難度クエストを達成する必要がある。
『だいす』稼働から約3年が経過した現時点でナンバーズの称号を得た機体数は僅か27機。
これは当初の想定を大幅に下回る数値であり、彼らはこの挽回のために『DC法』設立へ向けて動き始めた(のはまた別のお話になる)。
ちなみに『ホニャララ』さんのランカーは自称でしかない。
特級フレーム持ちがよくやるランカー詐称だ。
【※第1級『だいす』防衛クエスト】
【偽獣Garmによる
過去に一度、ランカーになるためのチャンスは与えられたのだが、彼女は見事に失敗してみせた経緯を持つ。