ゲーセンファンタジー・俺がプロゲーマーになる迄の記録 作:マキシマムとと
◯月◯日 晴れ
かなり遅くなったのだが。
この度、アプデ後初めてとなるフリーモードを選択した。
久々に素晴らしい1日だった。
ほれ、クラン『
指揮官気取りのメスガキから切り離された自由行動。
俺との距離感を完全に理解した
…やはりポチ。
ポチしか勝たん!!
道中で出会ったのは【スライム】【超兵器ドードー鳥】【大群スズメロボ】【メカトンボ】【メタルクリボン】の5種類。
場所は前と同じ、訓練所北部に広がる森林地帯なのだが、お馴染みの【ウサギロボ】には出会えなかった。
「アプデで雑なFishのス類も増えての? おまはんの気晴らしいになるるんば、ペレさんはうらめしいよんてる!」
要するに今回のペレさんは俺のサーバーに雑魚の有名どころを集めてくれたらしい。
まぁ俺のポチ2号は雑魚向けの性能やしな。
敵の種類は多いほど楽しい。
せっかく貯蔵したストレスが溶けちゃうって?
この程度で溶けない溶けない。
永久凍土…だと、あと数十年であらかた溶けちゃうから表現的に違うけど、とにかく溶けない憎悪なので。
スライムは【Round1】の劣化かな?
ぷにぷにのまま、俺を認識した瞬間にフリーズして殺され待ち。ゴミやん。けど一応、1匹で100円になるドロップがあったし、文句は無い。
ドードー鳥は一番苦戦した。
流石は超兵器…! 硬いだけかと思いきや、まさかのゲロビブッパには戦慄したぜ。
ドロップは1匹で500円。
もし群れてればヒトアシで再出撃して乱獲したのだが、個体数は少ない模様。
…惜しい。
大群スズメは蜂模様の雀型ロボの群れ。
ここはマジでテンション上がった。
まさか趣味で搭載してた『全方位中指ミサイル』が役立つ時がくるとは…弾薬費用は見ない事にした。
ーーー考えてみれば戦闘モードの任意解放請求費用に比べれば鼻クソみたいなモンだし、ハハッ。
こいつらは親玉を倒さない限りドロップが無いクソ仕様。
探し出した女王蜂(女王雀?)のドロップをRMTして現ナマがプラスになったとしても、こっちのゲームマネーが報われないのでその後は無視した。
…やっぱ黒と黄色の模様はクソなんだなぁ。
メカトンボは無理。
俺の能力じゃ対処できねぇ。
早すぎんだわ。
現状での対処方法は逃げるか罠で殺すかの二択。
面倒は嫌いなので今回は撤退しました。
幸い脳ミソも昆虫なのか、深追いされずに助かった。
メタルクリボンは…これ、スーマリのクリボン(栗野星凡人と言う栗に人間の顔を着けた化物)のパクりなんだが。
デカブツを倒すと分裂してねずみ算式に数を増やし、当たり判定で画面を埋め尽くす挙動もそのまま。
どこまで小さく分裂するか不明だったから最終手段で殲滅したけど、ヒトアシ形態だったら詰んでた。
やっぱ相性は大切。
こっちは100ヶまとめ売りで1.000円程度の安値。
ドロップ数は多いけど利益としては微妙。
◇
そんな訳で、今回の『フリーモード』は大成功。
数が多くて耐久も低い。
探索でも戦闘でも、利益率が最も高いスライム狩りをメインにしつつ、その合間に未知のモブと出会い、戦った。
今日は本当に、心から楽しく遊べたと思う。
クラン活動は土日休業だから明日も俺の自由時間だ。
アプデ前に比べれば遥かに落ちるが、それでも稼ぎとしては許される範囲。
明日もあそぼぼ。
◯月◯日 晴れ
昨日は調子良かったやろ? だもんで今日は森の奥。
北方の巨大山脈目指して遠征してみたのだが、道中でデカくて浮いてる火の玉に出会ったんだわ。
【ボムゴースト】
コイツはポチ的に天敵だった。
自爆系のモブなのだが、その爆破範囲がヤバい。
焼かれたら死ねる可能性は割高なので回避徹底なのだが、問題はその攻撃範囲。
地形へ干渉しない代わりに地形からの干渉を受けず、半径で計測してざっくり2kmもの広範囲を秒で薙ぎ払う爆弾野郎だ。
…たぶん、もとネタはF.F(ファイアー・フレンドリー)のボムだと思う『だいす』の開発は宇宙人の名を借りれば何をやっても許されると思ってる節がある。
微妙に耐久値が高くてポチ2号の火力じゃ爆発までに倒しきれず、あえなくスラスター全開の緊急回避を行った。
正直、ポチの性能なら爆炎の速度程度は余裕でかわせる。
だからこそちょっかいを出したのだが、その余裕が判断を誤らせていたらしい。
「30めんとぅす! 30めんとぅすっ!!」
メントゥス? お菓子の事か? 何故に今??
俺の理解が遅れたのを察して、ペレさんが視界の隅にマップを表示してくれた。
訓練所北部は森林地帯。
その奥には雲を貫く絶壁。
頂の見えない巨大な山脈が龍の腹のように果てなく東西へと伸びる。
つまりーーー俺の標高はゲーム開始時点より高くなっており、山脈側で会敵したボムから逃走する軌道はゼロ点よりもY軸が…!!
「クソッ!」
マップの全域が赤い。
(スペ体質…! マジで忘れてた!!)
既に30m以上高度が下がっている。
背後からは爆炎。
落ちても、遅れても、同じ結末…!
「ワイよワイよ!!」
Y軸…いや、Yではなく岩かッ!?
赤いマップの中に、僅かに点在する青。
「巨岩…そうかッ!」
一瞬でも4本脚で着地してしまえば、スペゲージはリセットされる。ならば飛び石の要領で駆け抜ける!
行くぞポチ、気張れッ!!
「『シグマ・ブラストォォ!!』」
魂が深く、より強く繋がる。
色褪せた世界は緩慢で、俺とポチ2号の意識だけが暴走したように加速する。
ハンドターミナルをミリ単位で揺れ動かし、スラスターの出力に翻弄されるロボの軌道を調整した。
速度を殺さず、最適な岩だけを選んで軌道を変える。
「いち」
踏み、跳ね、探す。
「に」
爆炎の追跡、消えない赤色。
「さん」
高度は間違いなく下がっている。
だが、まだ平地に降りられる高さではない。
その上で。
「ワイよ! 無いよ!」
使える高さと大きさの岩は、これでラスト。
「ーーーなら、ポチッ!!」
『全方位中指ミサイル』は三基の多弾頭ミサイルを放つ攻撃。通常はそれらを時間差で放ち、空で花が咲くように複数の小型ミサイルが射出される仕組みなのだが、今回は三基の巨大弾頭を一息で発射した。
2発は巨岩の下部に突き刺さり盛大に爆発。
残りの1発に、頭部中核外装に移植した魄裂砲の一撃を被せて。
宙に浮いた巨岩を、爆発の火力で強引に弾き飛ばす。
「オメガブースター!!」
水切り石のように森林地帯をかすめる岩を追いかける。
爆炎なんぞは意識から消え去り、ただジリジリと焼け付くような焦燥感に耐えながら、精密動作へ心血を注ぐ。
追い付く。
遅ければ届かず。
追い付く。
それだけでは足りない。
前回のゼロ点から30m以内であり、かつ地表までの高さも30m以内となるギリギリの地点。
空飛ぶ石の足場を捉えるだけでも至難の技なのだが。
いやいや、俺らも上手くなったもんだな?
ーーー死滅の炎から逃れ、なんとか曲芸を成功した俺達は互いの健闘を称えあった。
◆
その後、リベンジを兼ねてヒトアシ形態で森に突入。
メタルクリボンと大群スズメロボの群れに遭遇して泣きながら撤退したのはここだけの秘密。
マジで虎柄は害悪なんだよなぁ。
ペレさんが美味しいクエストを引っ張ってきてくれたから最終的な収支は大幅プラスにはなったけど…ボム、殺したかったなぁ。
【VRMMORPG『オメーがだいす』プレイ記録】
オメーがだいす。
まるでやっぱり意味不明。
そんな感じで今日も書くよ~。
前回は念願の『示現の刀・モクエル・レプリカ』を4人分揃えた所で終わりましたね。
今回はアプデ後の新規クエスト!
『大群スライム討伐クエスト』へ参加しました~!!
わー! わーわー!!
レイドクエストなんだけどね、何故か参加者は私たちのチーム『コテツ』だけ。ミヤヤカちゃんは「怪しい」って言ってたけど報酬が報酬でしょ? クルみんちゃんとルルーパ33ちゃん、そんで私も参加に挙手してクエストスタートしたのですが…。
(前にも似たような話を書いたような、るるるぅ?)
あ、ここでニヤリしたおにーさんは残念。
クエストは無事達成したんだよね~。
証拠のスクショぺちゃり↓
https://₩₩₩.t$€〒¥:/=.〒&~.jp/
へっへー。
凄いっしょ?
あんな地獄クエストをたった4人のパーティーがクリアしちゃうなんて!? 嘘だ、チートだ、レア称号使いだぁぁぁぁぁぁ!!
…みたいな?
わかりみ。
だって数の暴力だもんにぇ。
ソロダンジョンのボスだった頃とは比べられないくらい劣化してるけど、ドッペルスライムの性質をバッチし受け継いでるモブがわんさか。
エンカウントした瞬間に変身して襲ってくるんだもん。
ご存知の通り、私たちは全員が職業召喚士。
『示現の刀・モクエル・レプリカ』を揃えたことで解禁された武人顕現を発動。
(虎徹様までの道のりはまだまだ遠いけど、モクちゃん様も素敵♡)
幻刀武人『モクエル』様(のレプリカ)を召喚して5人パーティーの完成! 私たちの目指す究極のハーレム! その記念すべき第一歩! 負けられないわ!! モクちゃん様のご尊顔はやはり格別…横顔が、神!!
皆でモンモンした空気をハスハス楽しみながらチーム『コテツ』現時点での最高戦術で挑んだんだけどさ、敵の数が鬼だもの。
クランの別メンに教えてもらった通り、スライムの変身は『プレイヤー』限定だから、私らより遥かに高レベル・高ステータスのモクちゃん様がユーオーマシーンの大活躍!!
「ヤバくね? チーム名『モクエル』に変えちゃう?」
なんて、最初こそデレちゃえるくらい余裕だったんだけど、次第に数に押され始めてさ。
逃げた広間で、
私×8
ミヤヤカちゃん×7
クルみんちゃん×9
ルルーパ33ちゃん×6
この総勢30匹のモブに囲まれまして。
「オワタ\(^o^)//(^o^)\/(^o^)\\(^o^)/」
みんなでいっせいにお手上げポーズしたんだけど、そこで出会っちゃったの。
前にさ! 撮影許可が完全NG設定な上お話しもしてもらえなかった【レア称号】持ちの公式チートプレイヤーの話をしたじゃない!?
そのチートマンと同名のプレイヤーが飛び入りで参戦してね!? それだけだったらまた「公式チート乙」で終わったんだけど、今回はノーマル称号の『双頭魔獣』になってて、それなのに凄いの! 敵のど真ん中に突っ込んで蜘蛛の子を散らすように蹴散らしちゃう!
助っ人さんのお陰でクエストは無事クリア☆ミ
なんだよぉ!
風俗おじさんだと思ってたのに、出来るじゃん!!
ーーーと、思ったんだけど。
「あの方、変じゃないです?」
ミヤヤカちゃんが言うの。
「あの方が来てからスライムの動きが止まったような」
後ろ暗い所があるのか、ソイツはまた何も言わず逃げるように走り去ったんだ。
…一瞬、昔のモヤモヤが再燃したよ。
(ほんと『なえる』ってのが心底理解できたよ!!)
(公式なのか、ホンモノのチートなのかは知らないけどさ!)
(MMOでこの格差は許されないって、マジで!!)
「チート…は、恐らく無理でしょう『だいす』はそのように軟弱なセキュリティではありません。推測するに『スライム特効』や『有利→スライム』と言ったパッシブスキルを持っているのかも。きっと沢山のスライムを倒したのでしょうね」
ミヤヤカちゃんの冷静な推測を聞いて、ゆっくりと自分の心が落ち着くのを感じた。
「なんだよ、チートじゃ無いんなら、もっと堂々としてればいいのに。何も言わずに行っちゃうなんて…」
「へー? ☆タナス☆ちゃん、さっきの人ともっとお話したかったのかなぁ?」
ルルーパ33ちゃんのニヤニヤいじり。
「はっ!?」
いやいや、私は『コテツ』様ラブだし。
ほんっと、ルルーパ33ちゃんてそーゆーの好きなんだから。
私は、ぜんぜん、そんなの興味ないし。
ほんと困っちゃうよ。
まったく、まったくもー!!