ゲーセンファンタジー・俺がプロゲーマーになる迄の記録 作:マキシマムとと
アニメを観てて良かった。
ゆるキャン△式サウナ整い術で絶不調からV字回復した。
たぶん、これからまたA字失調するんだろうけど、それでもここで回復出来たのはデカイ。
(月曜日早朝ナウ)
やはりサウナ。
サウナは人類の生み出した奇跡だ。
◯月◯日 曇り
今日は秘策が成功した。
以前、地雷座長に拉致されてプレイした領域の絆に関する話だ。
拉致当日、俺にぽこぽこにされてご機嫌斜めになった座長さんがムキムキマチョ夫を引き連れて退室したまでは良かったんだよ。
残ったホスト風のアンちゃん(シロイ君、服と同じ名前だったから運良く覚えられた)はここのボスの息子らしくてな。
「とりあえず君らはゲスト扱いだからさ、座長が帰ってくるまで好きに遊んでていーよ」
なんて言ってくれてな?
「ほん? プレイ料金? あ~タダタダ。俺って見ての通り金持ちだし? そんなしみったれた事ぁ言わねって!」
マジか!?
1プレイ基本500円のクソ馬鹿筐体で、遊び放題!?
ヒャッハー!!!!
と、なった後。
その日こそ気合いで耐えたのだが。
レンのーーー妹のケツ、硬すぎ問題が発生したんだ。
マジで痛いの。
尻の肉が薄いからかな?
骨が直で太股に刺さる感じで軽く拷問なのよ。
『だいす』と違って絆は妙に疲れるし、重いし、おに~ちゃんとしてのプライドがあるから弱みは見せたくないしで地味にストレスが貯まっててな?
「絆、面白そうだろ?」
「うん! せやね!!」
「自分で動かしたくなるやろ?」
「ううん! ぜんぜん!!」
なんでも、見てる方が楽しいらしくあの日は座長が戻ってくる昼前まで、ずっと俺の太股にレンの尻骨が刺さってました。
◆
そして、今日。
「行くぞ」
また何の前触れも無く俺の家の『だいす』筐体に不法侵入かましてくれやがったクソ女郎に連行されて、1週間ぶりの絆へGo。
ちなみに、先程の言動からわかる通り座長の俺への態度は改善されていません。
…あれ?
負けたら俺へ対する『生意気な態度』を改めるんじゃなかったかな? この1週間、貴様から目上の人間に対する敬意を感じた記憶は無いのだが…?
軽くぼかしながら問えば舌打ち。
マジで、ゴミが、過ぎるんだが。
いや、座長の話はえぇねん。
クズはクズやしグズもグズやねん。
何回指導したって根っこが
マダオを指導するより『
時間無いねん。
納期が一番やねん。
わかってるねん。
押し付けられる方は死にかけるんやけどね?
しね。
ーーーハッ!?
いかん。
工場時代の暗闇が。
俺の中のカルマが暴れている。
一度深呼吸して。
すー。はー。
…さて。
秘策の話だったな?
「えむ、えー?」
そう。
今回の秘策はズバリこれ!!
「魔獣アーマーってんだ」
絆は『だいす』と比べれば完成度もリアリティーも拡張性も何もかもが低い、低レベルだ。
だが『ゲーム』として見た場合のーーー総合的な完成度やユーザーへの配慮を加味した場合『だいす』に勝るとも劣らない珠玉の逸品と言えるのだ。
…そりゃね?
相手はチュートリアルに20万以上要求する馬鹿ゲーだし。
つまり、俺は前回の朝から昼間での間に魔獣アーマー『
爆兎猟犬、通称バクゥは魔獣アーマーであり、つまり2人乗りのMA! それは即ちッ!!
筐体の裏に隠された副座席を押し開く!!
「ひょあ!?」
MAは2人乗り。
ケチ臭いことに一人につき500円の計1.000円を必要とする財布爆撃仕様でありながら、それでも一定数のユーザーを確保していた。
ーーーアレだよ。
基本的にはクソいちゃこらしたいだけのクソカップルが見せ付けの為だけに乗ってやがったんだよ。
死ねば良いのにと大多数のガノタが呪いをかけたし、昔はMA=外敵みたいな風潮があったからなぁ。
俺も見敵必殺で叩きまくったんだが。
まさか、そのMAに俺が乗ることになるとは。
極一部の真面目でストイックでガノタの鏡のような(おモテにならない)男性二人組パイロットや、ガチガノタ勢の本気カップルなんかのお陰でMAその物には金に見合うだけのスペックがあることはわかってる。
だから。
「お前と一緒に遊びたい」
「お前とタッグを組めば誰にも負けない」
「お前にも絆の楽しさを知ってもらいたいんだ!」
ーーーなはぁ~んて!
ペラペラ~っとおだてりゃ木に登るんだよな!
「し、しかた無いなぁ↑」
「にーにーが? どーしてもって言うなら↑」
「レンちゃんも遊んであげよっかなぁぁぁぁ↑↑↑」
ここまで嬉しそうな妹は初めて見るんだが。
2人で一機のマシンを操る。
最初はお互いに戸惑うかな? と思っていたのだが、予想外に…馴染むーーーと言うか、あ…アレ? なんで、、、なんで、今まで気付かなかったんだ? あの指示の的確さとタイミング、俺の息を完全に把握したオペレーション。
レン…て、ペレさ
ーーー兄妹だもんな! そりゃ馴染むよな!
兄妹パワーでサクサクほいほいと敵を薙ぎ倒した結果。
「メッッッッッチャ!! オモロッッッ!!」
無事、妹を沼に突き落とす事に成功しました。
にちゃぁ…。
【You-Win!!】
「たたまたカッチでおる!」
ーーー最近、アリーナでは好調が続いている。
まぁそれも当然。
俺のオルボーン、そのヒトアシ形態の火力は馬鹿だ。
桁外れの横紙破り。
むしろ相手が可哀想になるくらいの超火力。
射撃武器はそこまで強くないモノの、一太刀でも近接でHitの判定が出ればそれで終わり。
理不尽なんてもんじゃない。
もちろん、俺が意図的にデータを弄ったとか、そんな不正があったなら許されない現象だが、俺はまったくの無実。
それに、この火力を活かせるようになるまでの苦労を考えればそこまで逸脱した特権とも思えんしな。
「ーーーと、もう時間か」
『だいす』は楽しいしペレさんは好ましい。
ついつい時間を忘れてしまうが、睡眠は大切だからな。
俺はペレさんにしばしの別れを告げ『だいす』を終了した。
◆
重い。
最初に感じた違和感。
ヘッドギアを外すと、目の前に天使が居た。
『やあ、こんにちは、もしくはこんばんは、僕の最後の希望の君よ』
「れーーー」
座席に座る俺の上に、股を開いて座る天使。
ソレの指が、俺の唇を押さえた。
『喋ってはいけない。彼女が目を覚ましてしまう』
彼女、と言うのが誰を指しているのか。
俺の目の前にいるのはレンだ…と、思う。
見た事もない紺色のゆったりとした薄手のワンピース。
細い紐が肩や胸の白さを魅せて。
何故か夜や、その先にある宇宙を感じさせる衣服だった。
『夢が覚めれば、終わってしまうよ?』
ソレとレンとの大きな違い。
大きさだ。
明らかに大きい。
身長も、体重も。
太股に感じる尻の肉の厚みも、豊満な胸も。
顔の造形はそのままに、生物としての未来の時間を切り取ってきたような、隔絶した成長と美貌。
鼻腔をくすぐり肺に入り、甘く脳を痺れさせる色香。
彼女が、空気を震わせずに喋る。
『たくさん苦労したんだね』
ソレが、俺の頭を両手で包み。
その細い指が頭蓋骨を透過して、もっと…もっとーーー。
『こんなに酷く戒めて…可哀想に』
カワイソウ…?
ナニか、わからナイ。
『大丈夫。僕は君の味方だから』
顔が近付き、唇が触れて。
胸の温もりと柔らかさが、ゾッとするほど魂を満たして。
それなのに。
わから…ナイ?
『今日はここまでか…また来るから、待ってて』
そして、ソレが指を鳴らす。
◆
次の瞬間、俺の目の前には『だいす』の筐体、その無機質な壁しか無かった。