ゲーセンファンタジー・俺がプロゲーマーになる迄の記録   作:マキシマムとと

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 書ける事を書く。

 そう言えばオルボーンとかの型式番号って書いたことないですよね? 詳細は伏せますが2機種の型番を公開します。

 『オルボーン』 Orthros・bone
 型式番号 DD-108-MS/HG

 この後所属や製造ロットによりDP◯(1~6)-◯◯◯◯◯と言った記号・数字が追加される。

 ◇

 『フェルシャ』 Fenrir・shadow
 型式番号 DD-66-LS/HG

 この通り基本的には頭と尻にあるのDDとHGは共通。


 主人公のオルボーンは、
 DD-108-MS/HG・DP1-895〒〒·\\$41>9-rmt.1 です。



39.未来/未練

 

 ◯月◯日 晴れ

 

 

 結局旅は取り止めにした。

 

 「レンちゃん元気だよ? ででんでん見てないよ!?」

 

 レンの発熱は翌日にはすっかり治まっていたのだが、大事を取って帰宅する事にしたのだ。

 

 「ででんでん見てから! ででんでんだけでいいから!」

 

 ちなみに、ででんでんとはアンアバターに出てくる敵のロボットだ。幼児向けのアニメキャラと言うこともありとても愛嬌のあるでんでん太鼓頭のロボであり、香美市立やるせなさし記念館『アンアバターミュージアム』ではジャイアントででんでんの勇ましい像が来客者を迎えてくれる。

 

 レンが旅に行く前から楽しみにしていたのは知っていたが…コレ、幼児向けなんだよ?

 

 「好きに年齢は関係ないのだよ?」

 

 暴れるほど元気。

 

 「イヤだぁぁぁぁぁぁ! レンちゃん行ぐぅ、ででんでん見るって決めてだのぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!」

 

 ミニモニパジャマを着た14才の女の子が床を転がりながらイヤイヤダンスしてる貴重映像がコチラです。

 女将さん率いる旅館のスタッフ一同の前で披露してくれました。お前。オマエ。

 

 尊厳とか…無いの??

 

 ドン引きしながらも微笑ましい笑顔を浮かべるプロの胆力に感嘆しながらも支払いを終える。

 

 「あ…もし」

 

 「はい?」

 

 神様からの声かけに姿勢が引き締まる。

 

 「バイクはお預かりしておきますし、なんなら新幹線で行かれるのはいかがでしょうか? もちろんそちら様のご予定もありますのであくまでも提案のーーー」

 

 ーーーひとつなのですが。

 

 その一言すら遮ってレンが跳ねた。

 

 「にーにー!!」

 

 目ん玉きらっきら。

 

 いやしかし、高知だぞ? 香美市って事は駅からタクシー使ったとして、行って戻るだけで…6時間? いやムリ。

 

 そう思ったのだが。

 

 「ちょうどさっきキャンセル入ったからもう一泊したらイーんすよ!」

 

 アホ毛の中居さん(小鳥さんと言う名前の可愛らしい女性)からの横槍で雲行きが怪しくなる。

 

 「こ、小鳥さん!」

 

 「え~? だってお客様、昨日は看病で温泉も入ってないでしょ? うちのウリなんすよ? 瀬戸内海の新鮮なお刺身だって食べてもらいたいです! それにヘレンちゃんも病み上がりなんすから、今日一日くらいゆっくり観光したらイーんすよ!」

 

 今回の旅行で組んだプラン。

 馬鹿みたいな宿泊キャンセル料が頭を過る…が。

 

 「にー!」

 

 中居さんの腰に抱き付いて満面の笑顔を浮かべる妹を前に。俺は自分で思っていたよりも簡単に敗北した。

 

 

 

 …そんなこんなを経てゆったりのんびりと帰宅した。

 ちなみにジャイアントででんでんはデカかった。

 

 ででんでんに対する興奮とガン◯○に対する無関心。

 逆だったかもしれねぇ…と思いながらスマホで永遠と撮影を続ける妹を見守ったり。

 

 「ん? アンアバターミュージアムには入らんの?」

 

 「ーーーえ? にーにーそんな…幼児向けだよ?」

 

 ででんでん以外には欠片も興味を抱かない理不尽な妹の頭を握りこぶしでグリグリしたり。

 

 

 

 まぁ思い出にはなった。

 

 次はミレンも連れて行こうと考えている。

 ヤツが出不精なのと移動手段に車の購入を検討しなくてはならないのが難点だが、やはりどうせなら兄妹全員で旅行してみたいなと、そんな風に思う。

 

 …本音を書くとな?

 そもそもこのだいすの旅は一人で行く予定だったんだよ。

 家で『だいす』出来ないから、仕方なく! お金を稼ぐために仕方なく行くんだッ! という体裁を整えて、その上で気楽な一人ツーリングを楽しみたいなぁ~と言う淡い欲求を叶える為の旅だった。

 

 けどレンが半泣きで置いてきぼりを嫌がって、ミレンの後押しがあって。

 兄妹二人で走った道は思いのほか美しかったから。

 

 だからまた行きたい。

 宿泊先は同じ旅館にして、次は出雲や鳥取砂丘に行くのも楽しそうだし、まったく別の土地に向かうのもワクワクする。

 

 そのためにも、早く沢山金を稼ぎたいなと。

 そんな風に思ったんだ。

 

 

 

 

 

 

 ◯月◯日 雨

 

 

 昨日は死ぬかと思った。

 

 前回旅から帰って、日記を締めくくった翌日…つまり昨日なのだが、昨日は全身筋肉痛で息するのにも苦労する有り様で、ほんっとうに指一本動かせず、当然ベッドから起き上がるなんて夢のまた夢な重病人状態だったんだよ。

 

 (オシッコやウンコをどうしたかって? 聞くな)

 

 

 

(聞くな)

 

 

 

 なんで、ああなったのか、まるでわからん。

 

 俺は改造人間じゃなかったのか?

 いや、ある意味改造人間であってる?

 疲労を…蓄積して? 一気に解放するパターン??

 

 なんだろな、コレ。

 年取ったら筋肉痛が何日か遅れてやってくるとか、そんな話は聞いたことがあるんだが、今回のアレはそんな次元じゃ無かった。

 

 今日はまるで昨日ことが夢だったように身体が動くし、蛇でも入ってるのかなってくらいドクンドクン言ってた脳の調子も良好。

 

 なにがトリガーであんな惨劇が起こったのかわからない。

 わからないから予防できない。

 

 

 

 ーーー本当に。

 やめてください、宇宙人さま。

 

 俺から人間の尊厳を奪わないでください。

 

 せめてトイレだけでも、自分で行ける体力を残しておいてください。お願いしましす。お願いします。お願いします。

 

 





 「なるほどねぇ? 楽しめたみたいで僕は嬉しいよ」

 旅行から帰った翌日、にーにーが体調を崩した。
 コアパーツとしては半死半生に近い有り様で、意識も混濁してる。だからって調子に乗るなって、ヘレンはそう思う。

 「ででんでん、だっけ? エラーとして切り捨てられたってのに、まだ諦めてないんだ?」

 にーにーの前では絶対に見せないような笑顔で、ソイツが言う。

 「可愛い姉上、なんて麗しい兄妹愛なんだろうねぇ?」

 「………」

 にーにーはこんな所で終わらない。
 例えペレが側に居なくても、にーにーが凄い人類である事に変わりはない。
 だから、その日のためにーーー、

 「確かに、兄上は素晴らしいよ? けれど随分と人類から逸脱してやいないだろうか? 姉上の夢見る明日は、果たして現実になり得るのだろうか?」

 まとわりつく。
 無駄な肉の塊を、ヘレンの背中に押し付けて。
 ヘレンの邪魔になる事なんて、小指の先っぽも気にしてない。

 暑くて、重くて、苦しくてーーー

 「『双魂連結システム』…僕もただ遊んでた訳じゃないんだよ?」

 ーーーだからヘレンは身動きが取れない。

 きっとそう。
 動けない理由なんて、他には無い。

 「都合の良いシステム、安全なシステム」

 ーーーけれど。

 「僕の最後の希望の兄上は、いったい何をどう間違えたのやら、本来ならば決して交わらない筈の魂が『彼方側(だいす)』に染まっている。境目も何も…もう兄上は半人でありながら半神となっている。こんなに歪な魂を、果たして姉上の陣営が許容するかなぁ…?」

 【半人≠半神circuit不浄(・・)連結】

 ヘレンは知っていた。
 本当なら『にはんぢんさーきっと』は【正常】連結されるモノであり【正常】でなければ起動は許可されない。

 ヘレンは知っていた。

 「ま、それ以前に肉体が耐えきれないけれど」

 知っていて、その上で。

 「…ねぇ姉上。僕の母なる小さな姉上♡」

 耳を吐息が舐める。

 「姉上が願うなら、叶えてあげても良いんだよ?」

 悪意。
 ヘレンは、その言葉を知っていた。

 「何を差し置いても、願いを優先出来るのなら」

 悪意。
 ヘレンは、その本質を知らなかった。

 「僕はいつだって、姉上の味方だから…ね?」

 魂が汚れる。
 汚泥に混ざり、二度と純粋を取り戻す事なく。

 ーーーそれでも、不浄であろうとも。

 ヘレンは未来を。
 ミレンを…抱いた。
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