ゲーセンファンタジー・俺がプロゲーマーになる迄の記録   作:マキシマムとと

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4.二足歩行

 

 ◯月◯日 晴れ

 

 

 キャタピラーに飽きた。

 

 いや嘘。

 飽きたと言えるほど無限軌道は簡単じゃない。

 キャタピラーでの初陣から数えて2ヶ月が経過。

 その間の出撃数はだいたいで120~150回程度になるんだが、そもそも俺は凡人だ。

 ある程度の慣れはあれども、未だに誤操作は消えないし上半身と下半身の連動操作となると、なぁ?

 

 未だに移動は下半身操作、現地に到着したら上半身操作に切り替えて固定砲台式で対応してんだぜ?

 ペレさんに相談したら、

 

 「おまはん、キャタピー向いておりるまへんよって」

 

 なんて言われてさ、まぁ個人的にリアルでの思い入れがある分キャタピラーを極めたい気持ちはあったんだけどな。

 

 彼女曰く、

 

 『ムシアシ』と『ロクアシ』が80%

 『トリアシ』と『ヒトアシ』が70%

 『ヨツアシ』が50%で

 『フロート』が40%

 最後に『キャタピラー』が20%

 

 てな感じの適合率らしくてな?

 流石に変えるしかないっつーかペレさんもっと早く教えてくんない? 俺が何万突っ込んだと思ってんの? ん? 楽しそうだったから? いやそれは否定しないよ? 重機大好きなのは男の子の共通性癖ですしお寿司? いやけど適正20%はヒドクね? せめてあと1週間早く教えてくれればばばばばば。

 

 ーーーま、金の問題はまた今度考える。

 幸いまだギリギリでモンジャモ様のラッキーマネーパンチの範囲だし。

 

 んで、下半身選択画面へ移動。

 フロートは浮遊系、適合率の低さと俺の思い描いてるプレイスタイルに合わないことから却下。

 ヨツアシはゾイド(ゾーン・アイドルズ)に出てくるような四足ロボット系統でカメやワニ、草食恐竜、オオカミや虎などなどの基本的な四足歩行タイプになるんだが、これもフロートと同じ理由でボツ。

 

 適合率80%のムシアシとロクアシは有力候補。

 正直に言ってこの二つは捨てがたかった。

 個人的には蜘蛛とか虫とかって好きな部類だし。

 AC時代には多脚使いだったんだぜ?

 

 『だいす』でも人気の大型銃器をマウントするならキャタピラーかムシアシが鉄板だし。

 こう、ケンタウロス風味の多脚(アリの頭のある辺りから人型の胴体が垂直に生えてて、胴体や足はもろにアリみたいな横長スタイル)や胴体を中心に花弁のように脚が広がるオーソドックスタイプまで、同じムシアシでも見た目からして全然違う所も魅力のひとつだわな。

 (四本脚や六本脚タイプでも形状によってムシアシに分類される)

 

 ロクアシってのは名前のまんま、六足獣だ。

 神話の十ってシリーズに出てくる猫科の大型肉食獣がイメージ的にいちばん近いんだが、まぁググれや。

 

 「機動力も汎用性もありおるやろ? 適合率も高ぇんじゃもんでコレコレ」

 

 なんて、ペレさん的にはイチオシだったらしい。

 俺も好きだぜ?

 あの人の画廊覗いたことがある程度にはスコだし、ペコ支部ではモッホモッホしてムンムンな画像以外には大抵グッド押してる。

 

 けど…なぁ?

 かなり悩んだんだけどロボの花形と言えば近接機体ですし?

 刀とか使いたいですし?

 (ロクアシでもカスタムすれば使えなくはないが基本的に武器種との相性は悪いし、そもそもそこまで強化できるような時間も金もない)

 ならばここは浪漫でイテマエと。

 そんなわけで『ヒトアシ』を選択。

 

 トリアシの逆関節も最近はアレンジが進んでて近接格闘にも対応できるのは知ってるし、俺の基本スタイルは奇抜が大好きなんだがな。

 ワンプレイ1.000円のクソバカ代償ゲームでそこまではっちゃけれるほど俺のキモは据わってねぇんだ。

 

 

 

 そんなこんなですったもんだした後に、ようやくヒトアシに換装完了。

 

 俺「ペレさんペレさん、換えたはいいんだけどひょっとして今日はここまでなんかな? ほら前にキャタピラーの手動操作に入る前にワンクッションあったやろ? あんな感じてコンパクトゥー? の定着? とやらが完了するまで動けないんかな?」

 

 ペレさん「ノンノンやのす。適合率が下がるやらヤーでおるが、上がりおるやるからな? 今日はむしろこっからがW太陽やね」

 

 相変わらず日本語が荒いんだがペレさんの言いたいことはなんとなく伝わるし、足が人間と同じ直立二足歩行になってからの操作系の負担はキャタピラーの比じゃなかった。

 冴え渡る剣技、リアルの肉体よりも強く素早くイメージを超越して繰り出される摺り足。

 これが適合率70%の真価!

 俺ツエーの極致は今日ここから始まった………と。

 

 そんな話はまるっころ無くて。

 

 俺「ペレさんペレさん? 換装したとたん頭痛が痛くてマジでロボの小指1本すら動かせなくなったんだが??」

 

 ペレさん「うん? ………ウン↓うん↑? うんち?」

 

 謎のうんち発言を最後にペレさんフリーズ。

 

 【■■■システムに接続中、しばしまたれょ!】

 

 と画面の右下に表示されてしばらく。

 とりあえず上半身をオートに切り替えて下半身だけを手動で操縦してみたんだが。

 

 ーーーくっそダルい。

 

 動くには動くんだが、金縛りの時に無理やり動こうとしてる感覚に近いかな?

 強引に動かそうとして、力を込めれば込めただけ耳鳴りと頭痛が強烈になる感じなんだが、うーん経験無い人には伝わらんかな?

 

 とにかく動けるんだわ。

 動けるんだが、動作は遅いし頭は痛い。

 少なくともキャタピラー時代よりは格段に弱体化してるよなって感じ。

 

 これが70%なの?

 ……アホなの?

 

 唖然としながらもとりあえず時間いっぱいまでは歩行訓練をしようとした瞬間に視界が真っ黒。

 

 「は? なんーーー」

 

 直後に現れたのは【Game Over】の赤文字でした。

 





 【AC】

 この世界での正式名称はアームズクラリティ。

 オフロード・ウェアより発売されたロボット3Dアクションゲームのシリーズ。

 ◆◆◆

 外宇宙より飛来した金属生命体(ARMSと呼称)を解析し、人類は新たなる『力』を手に入れた。

 新時代、それを切り開く傭兵の生き様。

 意思を持たない劣化したARMSをコアとして君だけの鋼の巨人を作り上げろ。

 アリス・女王・帽子屋。

 様々な企業が君の協力を待っている。
 弱小企業を盛り上げるのか、はたまた王道を貫き高品質なパーツを求めるのか、世界は君の腕の中に。



 1作目ではゲームの分岐によってオリジナルのARMSと戦う事が出来るのだが、そのあまりの難易度にクレームが殺到。

 続編では流石に弱体化するかと思いきや前作を上回る強化個体が出現し熱烈な信者を狂喜の渦に叩き落とした。
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