ゲーセンファンタジー・俺がプロゲーマーになる迄の記録   作:マキシマムとと

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46.Re:の扉

 

 【怪談クチナシ】

 

 それは『スタンド』と呼ばれる能力を駆使して悪魔と戦う、大昔のRPGゲームに出現するザコ敵の一種。

 

 『種族:怪談』に属する敵であり、高い『素早さ』のステータスから繰り出される全体即死系魔法の脅威で(低確率でバックアタックまで仕掛けてくる、正に悪魔)一般ライトプレイヤーの心をへし折る難敵ではあるのだが、一部のやり込みプレイヤーだけはクチナシの真の恐ろしさを知っている。

 

 【女鹿転生異聞録・スタンド】では敵の悪魔との会話が可能であり、相手の興味をMAXにまで引き出すように上手く会話を成立させた場合のみ、ソウルカードと呼ばれるアイテムを手にいれる事が出来る。

 

 それは人の心の奥底にある『もう一人の自分』=『スタンド能力』の発現に必要なアイテムなのだが、全種類のソウルカード(計142枚)を集める事で隠し要素である143枚目のソウルカードを手にする事が出来る。当然、それは『おまけ』であり、そんなモノが無くともゲームは問題無くクリア可能なのだが…。

 

 

 そう。

 

 

 このやり込み要素に於ける最大の難関として立ち塞がるのがこの『怪談クチナシ』なのだ。

 

 ただ一度の戦闘すらもイベントの1つである、とする開発の思想から、常人の精神をぶち殺すような(クソ長い)リアルでの時間消費を強要する心折(しんせつ)システムを完備し、わずかな気の弛みで全滅→数少ないセーブ地点、セーブ日時への強制リスポーンという極悪仕様を備えた上で、長大なマップの攻略へ挑まなくてはならないプレイヤーへの試練(嫌がらせ)として用意された◯チガイ女。

 

 性格が登場全悪魔の中で最も気難しく、興味を引く手段が限られている上に正解のコマンドを選んでも興味が上昇する確率は恐ろしく低い。

 攻略本を読み、知識を蓄え、必要な装備を整えた上で挑まない限り、まずソウルカードを得る事は出来ないだろう。

 (このゲームにはそうした隠し要素的な、普通のプレイヤーでは知ることさえ許されない要素が多いのだが)

 

 これは独特な世界観やゲームシステム、そしてゲームキャラクターの生き生きとした描写から非ロボゲーの中での名作(迷作)として名高い『スタンドシリーズ』の第一作であり、俺もその魔力に脳をヤられたメジカニストの一人だ。何度クチナシと開発スタッフに呪詛を垂れたか覚えていない。

 

 

 

 …さて。

 ずいぶん長々と語ってみせたのだが。

 そう。

 いつもの長い、ながぁ~い(アレ)である。

 

 フォルニ・ヤララさん、怪談が、過ぎる、のだが?

 

 「キャハハハハ!!」

 

 狂った女が呵々大笑。

 上からも下からも、イロイロと体液をピチャピチャと飛び散らせながら暴れてる。

 怖い。

 普通に怖い。

 

 何度繰り返しても(・・・・・・・・)、コイツの狂気に慣れる事はない。

 

 なんなの?

 マジで脊椎の上辺りの部位がビリビリ痺れてるんだが。

 なんかそこに電気と痛みが集まって来てて…。

 死にそう。

 てかも…う、死ぬ。

 

 ゲームで感じるタイプの感覚?

 この痛みと喪失感と言うか、ビリビリしながら失神してる不思議体験。

 

 

 ーーーと。

 ん…が。

 そ、ろそろ、急激に、、、限…界。

 マジで、魂…が、壊………。

 

 

 

『こんてぃにゅー?』

 

 

 

 「い…ぇ………す」

 

 

 

 ◆

 

 

 

 そもそも、あの女の思考回路が謎。

 

 『この小説マジで素敵すぎる…!! けどこの先で鬱展開になる可能性があるから今の内に0点評価と罵倒メールを複数端末から送信して作者の精神をへし折ってあげよ♡ 私って本当に心折(しんせつ)♡♡♡』

 

 ーーーみたいな…?

 本気で謎すぎる思考パターン。

 コイツ悪魔なんじゃね?

 興味引き過ぎてもアウトとか、どないせよと…。

 

 そんなリアル『クチナシ』との悪魔トークは今回で…えっとぉ?

 

 『DS-01-OR/BG・DP1-895〒〒·\\$41>9(T)-rmt.171→172(New!)』

 

 「お~いぇー…」

 

 機体の型式番号、イミフなアルファベットや文字記号の羅列なのだが、一番最後に記された数字の意味だけはわかるようになった。

 

 『rmt』

 

 たぶんコレは「リバイバルマジシャンなんちゃら」と言う再生…復元? だったか? 前に一度アシガルが、何だ…制御パルス、だったか? 基地の重要施設を破壊してロストした際、その復活のために使用した機能と同じ表現で、増えた数字はその回数を意味してる。

 

 この数字の変化には120回を越えた辺りで気付いた。

 いや、だってこんな数字があるなんて知らなかったし、知らなかったから確認も出来てない。

 前半はひたすらガチバトルで挑み続けてたから、会話での攻略に切り替えたのは100回前後撃破された後だと思う。

 

 だから『怪談:クチナシ』さんと会話を試みて今回で約70回目の交渉決裂となるわけだ。

 

 ………無理ゲーが過ぎる。

 

 たぶん、このチートじみた『こんてぃにゅー』機能の弊害なんだろう。レンとミレンは二人揃って失神中。

 

 愚痴を語れる相手も不在。

 まるっきしアニメの主人公の如く、死と再生(【Re:】)の世界に取り残されて、体感時間は正に頭ホカホカになっております。

 

 たぶん、諦めたら解放される。

 安らぎと同時に、妹2人の命を道連れにして。

 

 

 

 これ…ゲームだよな?

 

 

 

 そう考える自分がいる。

 同時に『そんなわけがない』事を魂が理解していた。

 

 だから俺は行く。

 何度でも、影の扉を潜り抜け。

 悪魔へと挑むのだ。

 

 「なんだったかーーー『せっかくだから、俺はこの赤黒い扉を選ぶぜ!!』ーーーだったか」

 

 フと思い出した伝説のガンシューティングの名言を叫び、俺は再び挑戦を選んだ(死へと挑んだ)

 





 評価者数50人突破記念…という訳でもないのですが、章管理機能を使って話を区切ってみました。

 百億万が一アニメになるならこんな感じになるんだろーなと。

 そう考えるとまだまだ話数が足りない。
 毎日最高のコンディションでモリモリ書けたら最高なのですが、なかなかそんな上手くは行かないんですよね。

 仕事がなぁ…。
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