ゲーセンファンタジー・俺がプロゲーマーになる迄の記録   作:マキシマムとと

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49.ライザの瞳・後編

 

 ヨシム=ラヒルは異常だった。

 

 

 出会いはアリーナ。

 我のヨツアシに敗北したのは当然だろう。

 ヤツには凡人にすら可能な技術や、無知蒙昧にすら与えられる恩恵(システムアシスト)が無い。

 

 最後の曲芸と殺意には目を見張る物があったが、その時点では特別気にかける存在だとは思わなかった。

 

 その認識が、クラン『C.C』への入団により徐々に変わる。

 

 罵倒、挑発、侮蔑に嘲り。

 システムアシスト無しで行うには無理のある動作を強要して、我の内側にヘドロのように染み付いた憎悪で叩いて。

 

 それなのに、ヨシム=ラヒルはクランを去らなかった。

 

 それどころかオリジン・滅・トールを【陥落】させ、我の眼前で『戦闘モードの解放(・・)』などと言う異彩を放つ。

 

 面白い。使える。

 …そう思った。

 

 難攻不落の滅トールを討ち取るという、火力という単語では表しきれない奇異なる戦果。

 そして例え作り物の活性因子が操るオルボーンとはいえ、友軍へ対する明確な殺意と、それを可能とするシステムの解放。

 

 引き裂き、喰らい、殺す。

 

 純粋とまで言える闘争本能の発露が、音を介さず我の中枢を震わせた。

 

 (似ている…)

 

 あの変異個体と似た狂気。

 それを確かに感じつつ、我は中枢が叫ぶ逃走と報告義務を鼻であしらった。コレはオルボーン。

 システムが認めたMS/HG(最も安定した/半神)だ。

 

 そのように報告義務を謀るが、しかし。

 ーーーこれは、明白な、異常。

 

 明らかに上位にある暴力を、我が団員の残した技法(受け継いだ人類の知識と技術)で圧倒する事は簡単だった。

 野良犬のように暴れる機体を間接技で押さえながら、我は惜しいことをした、と頭の片隅で思う。

 

 しかし、ここまで状況が進んだなら(敵対したなら)仕方がない。

 どうせコイツもクランから抜ける。

 

 なら、憎悪を誘導し創造神を穿つ為の駒として使う。

 使い潰してやる。

 何もかも、壊れてしまえば良い。

 そう思った。

 

 

 

 ーーーなのに。

 

 

 

 我を憎んでいる。

 我への殺意で研ぎ澄ませている。

 その癖に、耐えて忍んで。

 それ以前より遥かに真摯な態度で我の教えに従う。

 

 どれだけ罵倒しても、ヨシム=ラヒルはクランを去らなかった。

 何がコイツをここまでさせるのか、わからなかった。

 

 けれど…少し、久々に。

 

 明日が楽しみだった。

 また明日。

 また、明日も、いっしょに…。

 

 ◇

 

 …我は知っていた。

 この世界が箱庭である事を。

 

 『だいす』に存在する敵性勢力を倒す為の『【魂】』の放牧場であり『だいす』筐体は人類の魂を箱庭から取り出し『だいす』へと送る為の転送装置。

 

 送られた魂は『だいす』にてコアドールと呼ばれる機械人形に定着し、魂の記号通りに形を変えてDD兵器のコアとして機能し、戻す際には肉体に残された魂魄で言う『魄』を目印として送還する。

 

 だが我は因子だ。

 この箱庭の外で作られ、外から投入された異物。

 『【魂】』の無い紛い物。

 故に『だいす』でも箱庭でも、同じ素体を使い機能している。

 

 だから『だいす』から送還される地点は箱庭で使った転送装置に固定されてーーーいない。

 

 「送還座標指定・dp1.座標58aj7m6.54nw7d1.00rf2o2・ヨシム=ラヒル専用筐体」

 

 …突然の訪問になる。

 

 驚かれるだろうか?

 喜ばれる…事は無い、と思う。

 けど、我の形状は『男受け』するらしいから。

 もしかしたら…いや、でも。

 

 違う。

 そんな事ではない。

 

 我はただ、クランの座長として、団員と親睦を深める必要があるから、ただ少し『だいす』では地雷座長として厳しく接し過ぎてしまうから、その穴埋めとしての行動であり、そこにヨシム=ラヒルがどのように思うかなど関係が無い。

 

 必要な、行動だから。

 

 『そう。必要な行動だよ。何もおかしくない』

 

 ーーーそんな声を聞いた。

 

 『彼らの作った汚い人形、何故こんなモノが繋がるのかわからなかったのだけれど、なるほどね? これが異物の言う【運命】と言うものか』

 

 聞いた…筈なのに。

 我は、何も、感知、出来ず。

 

 我が【◼️◼️◼️】を、箱庭へ呼び入れた。

 

 

 ◆

 

 

 いたい。

 くるしい。

 

 『人形』

 

 その通りだ。

 

 『人形』

 

 違う。

 

 『人形』

 

 我は…我、は。

 

 

 ◇

 

 

 我は無価値だった。

 わかっていた事なのに、どうして我は同じ過ちを繰り返すのだろう。

 

 ヨシム=ラヒルには生活があって、我よりも遥かに優位で、美しくて、魂の奥深くにまで根付いた◼️◼️がいて。

 

 ヨシム=ラヒルにとって、人類にとって。

 我は、必要では、無かった。

 

 

 

 『彼らの作った薄汚い人形』

 

 声がした。

 

 『君の役割は終わったんだよ』

 

 優しい。

 平等に優しく、興味を持たないぬるい声。

 

 『この世界で活動する為に必要な素体。そのまま奪って、君を消す方がよほど慈悲のある行為だったのに』

 

 少しだけ、声に悲しみを感じた。

 

 『4つ、そのたった4つが波紋を広げた』

 

 世界に、温もりを感じた。

 

 『生きよ、矮小なる魂の子供』

 

 『苦しみと、絶望と、虚無と嘆きのその先を目指して』

 

地雷座長(ライザ)

 

 『お前には、名前があるのだから』

 

 

 ◇

 

 

 「ライザさん」

 

 あるじ様には、たいせつな人がいる。

 

 「ごめん」

 

 それはレン様であり、ミレン様であり。

 

 「俺には…」

 

 たいせつな、奥様がいる。

 

 「いーの、よ?」

 

 キスはしない。

 それだけは、しない。

 どんなにどんなに近付いても、まざりあっても、とけあっても、言葉でうれしいを伝えても。

 

 「ごめん、本当に…」

 

 心はライザを受け入れない。

 固くて、重くて、ゆるされなくて。

 

 「いーの、いーの、よ?」

 

 あたまを、なでる。

 ゆっくりとなでて、ライザの胸でお顔を包む。

 届かない。

 とどかない。

 ぜったい、いつも、いつでも。

 

 「ライザは、そんな、あるじ様だから」

 

 

 

 

 

 ーーーころしたいの。

 

 

 

 

 

 言葉にはしない。

 ただ微笑んであげる。

 そしたら、あるじ様は、もっともっと、つらそうになる。

 

 あぁ。

 良い。

 いぃなぁ。

 

 ころしたい。

 ころしたい。

 ころしたい。

 

 くびを絞めたい。

 胸を刺したい。

 いつも舐めてるアレを、ちからいっぱい噛みきってあげたい。

 

 「あるじ様♡」

 

 ころせば、あるじ様は、ライザだけのモノだから。

 

 あぁ、はやく自由になりたい。

 

 地雷座長なんて、いらない。

 だって『みんな』がそう言ったんだ。

 ライザが正しい。

 ライザが必要。

 あんな女(地雷座長)は死ねば良いって。

 

 

 

 あるじ様の、いちばんに、ならなくちゃ。

 

 はやく。

 

 はやくはやくはやくはやくはやく。

 あるじ様を。

 

 

 

 たべたい。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 





 何故かヤンデレ化してしまった。
 たぶん二重人格。

 座長さんが存命してる間はムチャしない…と思うけど、謎。


 さて、それはそれとしてアンケート第三弾を開催します。
 期限は11/6で締め切りとさせていただきます。

 議題はフォルニ・ヤララさんの今後。

 座長さん並みに膨らむか膨らまないかはわからないですが、楽しそうだなーと思ったら参加してみて下さい。
 

どうする? フォルニ・ヤララ!!

  • 俺は変態ビッチが好きだ!(敵役続行)
  • 変態ビッチは犬に喰わせてヨシ!(消滅)
  • ハーレム要因しか勝たん!!(ヤバい)
  • マジでどうでも良いからモリモリ書け!
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