ゲーセンファンタジー・俺がプロゲーマーになる迄の記録   作:マキシマムとと

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6.正六面体大地【ダイス】

 

 ◯月◯日 晴れ

 

 

 今日が最後。

 その、予定だった。

 

 なのに、こんなに楽しい日々が続いてしまう事が怖くてたまらない。

 

 君は怒るだろうか。

 憎むだろうか。

 俺は俺を許してもいいのか。

 

 悩む俺にペレさんは言った、

 

 「どうせやもんじ、次にペラペラすた時にウィキウィキした話のが嫁ちゃんも喜ぶでおるやろん?」

 

 その言葉で、不覚にも泣いてしまった。

 俺はとっくに諦めてたのに、ペレさんは俺達の未来を信じてくれていた。

 

 だから続けようと思う。

 この『だいす』がある限り。

 

 

 ◇◇◇

 

 

 コア管理AI:895〒〒·\\$41>9個体による戦闘フィールドへの介入申請アリ。

 895〒〒·\\$41>9個体から受理したコアデータ解析。

 

 ■■■システムへ蓄積したデータとの照合終了。

 

 戦闘フィールド介入を承諾。

 外装管理主任コボット:ナツナ=ミナツへ出撃準備の通達を行う。

 

 ーーーerror発生。

 

 双魂連結機構未解放。

 解放許可申請ーーー受諾確認。

 

 半人≠半神(にはんぢん)circuit解放。

 

 空間軸固定、フィールド形成終了。

 時間軸固定、コア及びOrthros・bone起動準備完了。

 次元軸固定、wt第16.528.544地点奪還作戦、開始。

 

 

 

 ◆◆◆

 

 

 

 ソレは強者として君臨している。

 自然界における強者、それは『天敵』の有無により変動する。

 例え牙を持たずとも、喰われる事がなければ強者足りうる。

 

 ぬくぬくと育ち、繁栄し、空間を統べる覇者となる。

 

 この世界にソレを殺せる存在が居ないわけではない。

 ただソレを倒すために必要な労力と、倒した後に得られる対価があまりにも釣り合わないのだ。

 

 故にソレは君臨していた。

 

 wt地点と名付けられた空間で、時空を貫き次元に根を張り。

 絶大にして莫大なる【個】として存在し続けていた。

 

 

 

 ソレの名はエスエス。

 ステータス・スライムと呼ばれる生体金属。

 

 核となるのは直径5メートルもある複雑怪奇な金属塊。

 スライムの名の通り不定形の液体がその核を包んでいるのだが、液体その物には特筆する事がない。

 雨水に汚泥が混ざった程度の、どこにでもある自然物。

 

 このスライムの恐ろしさは核にある。

 

 【ーーー!】

 

 スライムの生存本能が告げる。

 己の掌握空間が隔離された気配を察知して、濁る液体を波立たせる。

 真四角のバトルフィールドが形成され、同時に敵性存在が好んで使用する兵器が固定座標に転送される。

 

 己の核より二回りほど小さな核=コアが中空に原子構築され、しかる後コアの座標を元にOrthros・boneーーー即ち異生物の黒い戦闘骨格がイバラのように巻き付き広がる。

 

 黒色の枯れた樹木のようなイバラ。

 コアのある胸部から広がり頭部と同時に腰、その後に手足。

 巨大な人型を形作ると同時に、まるで骨格の禍々しさを隠すように艶やかな外装が現れて漆黒を覆う。

 

 単眼痩躯の半端者。

 ヒーロー気取りの愚かな傀儡。

 これまでに幾度となく己に挑んで来た者共と大差ない存在。

 

 【ーーー♪】

 

 余裕を感じた。

 稀に現れる特異個体とも、彼を攻略する為だけに専用武装を用意した陰湿な個体とも違う。

 骨格は初期骨格のOrthrosであり、外装の強度も目に見えて脆い。

 肝心の武装すら、薄っぺらな金属の板が1枚だけだ。

 

 ーーー負ける道理がない。

 彼は、エスエスは心地よい確信を伴い能力を解放した。

 

 ステータス・スライムの能力は複製。

 敵対存在の能力をステータス化し、その数値を元に液体を変化させる。

 

 ぐにゃりと歪む。

 一瞬にして雨水が強靭なるOrthros骨格へと変容し、ただの汚泥が装甲へ、または武器へと形を変えた。

 

◇               ◇

  コア⇔エスエス  

 

  フレーム⇔Orthros・bone  

 

  外装⇔コボット1式統一装甲  

 

  武装⇔カッターブレイド  

◇               ◇

 

 対峙する2体。

 同じ外見の兵器。

 その沈黙を破る声。

 

 【半人≠半神circuit正常連結】

 ー【半人≠半神circuit正常連結】

 

 【【システム・戦闘モード・起動します】】

 

 

 ヴォンーーー。

 

 単眼が光る。

 片や緑色、片や赤色。

 

 

 そして。

 

 

 【Round1ーーーGet Ready!!】

 

 

 互いのLOCK ONアラートが甲高く開戦を告げーーー!

 直後、2体が同時に頭から地面に激突した。

 

 【ーーー!?】

 

 彼には理解出来なかった。

 ステータス・スライムの権能は敵対存在の複製。

 いかに汎用な初期骨格と言えども、幾多の同胞を滅ぼしたOrthros・boneを完全に模倣し、更にはそれを生体金属である己が動かすのだ。

 

 転ける理由がわからない。

 

 【ーーーーーー? ーー!?】

 

 立ち上がろう。

 そう思考して気付く。

 手の動かしかたがわからない。

 

 指すら動かず、核に不快なノイズが走る。

 

 理解不能。

 なぜ? なぜ? なぜ?

 

 久しく感じたことのない動揺。

 波打つような振動………振動??

 

 微かな地揺れと、機械の悲鳴。

 

 動いている。

 

 敵が、敵だけが、動いている?

 

 彼も動こうとした。

 手は動かない、首も動かない、視線を変えようと考えただけで意識が一瞬断裂した。

 

 ーーーコアの特異能力?

 スライム程度の矮小な存在相手に?

 

 ーーー骨格の特殊装備?

 何度スキャンしても、あり得ない。

 

 理由の提示、提示、提示…。

 

 振動が足音に変わり、それが少しずつ近付く。

 

 

 

 

 ーーーステータス。

 

◇                   ◇

  ちから・破■意■電■■超■狂変■■

 

  ぼうぎょ・やらわかチェリオッす!

 

  ちえ・ペレさん天才やんが!

 

  まりょく・さらはらサバク!

 

  はやさ・やねば死ねるこる!

 

  うん・ペレさんにであへたきえき!

 

  そうさせい・うんち!

 

  そうさせい・うんち!

 

  そうさせい・めちゃうんち! ごみ!  

◇                   ◇

 

 なんだ、このーーー。

 

 本能が求めた答え。

 それを理解するよりも早く。

 

 敵の攻撃が核を一刀にて両断していた。

  

 

 

 ◆◆◆

 

 

 

 ☆ステータス・スライムの討伐確認。

 システム通常モードへ移行します。

 

 【単騎による撃破最速記録を大幅に更新】

 

 コア管理AI:895〒〒·\\$41>9個体のパーソナルエリア拡大。

 ………申請受諾。

 以降コア管理AI:895〒〒·\\$41>9個体の呼称を『ペレ』へ更新。

 

 Round1クリア報酬・ステータス・スライム撃破報酬・最速撃破報酬。

 一律してペレへ譲渡。

 

 【※RMT(リアルマネートレード)機能解放】

 

 ステータス・スライムの核が出品されまーーー落札されました。

 正当な報酬の1割がコアパーツへと還元されます。

 

 

 

 ☆時空間長期観測により確定。

 wt第16.528.544地点奪還作戦が成功しました。

 コボット繁栄計画が進展。

 ペレにより真造パーツが選択、時間軸調整…完了。

 

 【Wt拡張型カッターブレイド改『次元直』】

 【Wt凱旋スラスター『あそぼぼ』】

 

 上記パーツが購入可能となりました。

 

 

 

 ☆地点管理AIより通達があります。

 ☆■■■システムより通達があります。

 ☆外装管理主任コボットより通達があります。

 ☆クラン『アンフィスバエナ』より通達がーーーーー。

 

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