ドン、と踏み込んだ音と共に刃と刃が触れ合った。
「ッ…!!」
身体がその速度に間に合わない。
「シロウ!分かってはいたが、やはり人間が立つ幕ではない!君を侮る訳では無いことは承知の上で頼む!彼女を抱えてどこか安全な所へ行きなさい!」
ギリ…ギリ…と強大な力が刃越しにせめぎ合っていた。
「イリヤ!」
ヒュッ、とイリヤと士郎の間にあった木が揺れた。
「行かせるとでも思ってるんですか。」
「2対1でも構いません、そういうのは慣れてますから。」
灰錠、黒鍵、法衣。漂わせる雰囲気で警戒態勢に入るには十分だった。
「私は敵意ある者である以上あなた方に手を抜きません。」
「来るぞ、イリヤ」
ドッと踏み込みこちらへと素早く向かってくる。
灰錠は篭手に、黒鍵を3本全力で投げ込んだ。
「
単身両手を駆使して剣たちを飛ばし始める。
「…私はバックアップってことね…シロウ。」
「いいわ、裏方もこなすのが私たちって分からせてあげるわ。」
「キャスター!私はシロウをバックアップするから…」
「
「どっちも人の話を最後まで聞かないのね…。」
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着々と距離を詰める士郎に動じず飛んでくる剣を受け流す四潔。
その四潔に対して士郎は訝しげに思っていた。
「変わった戦い方をするのですね。」
「あんたも、なんであいつの近くで戦うんだ、」
「あの戦い方、あんたを守るってのじゃないだろ。」
鉄と鉄同士、豪快にぶつかる音が響く。
「それに答える義理は無いです。」
「1つ、答えるとしたら」
「
篭手に力を込めて士郎ごと剣を吹き飛ばす。
「令呪を以て命じます。」
「アヴェンジャー、ここの全てを薙ぎ払え!!」
瘴気が止んだ。
座標ごと一瞬で入れ替わったかのように雨がこの街を埋めつくした。
雨の匂い、音、急激に下がる体温。
全てがこれを現実たらしめる。
「嗚呼、懐かしいな。」
(口調が戻った…?これは宝具なのか…、)
アーサーと道真の間に双葉が芽吹く。
時間を無視したそれは幹となり葉を付け桃色の花を咲かせた。
「
梅の匂いが鼻を掠める
「匂ひおこせよ 梅の花」
完成されたその一本はやがてその身に苔を付けた。
「主なしとて」
枝は天水に頭を垂れて花は散る。
「春を忘るな」
その花は白色に光って、ただ佇む1本の光の筋となった。
道真は人の手を取るように引き抜く。
「
アーサーは、ダ・ヴィンチは動けなかった。
その美しさ故に、その圧倒的な威圧感の前に、
「
振り下ろされようとした時、反射的にダ・ヴィンチは宝具を展開した。
梅の花の前に動けなかったダ・ヴィンチが無意識に計算した
「ほう…美しいな。」
「しかし、」
「こやつの前には泡沫も同じよ、」
膨大な質量は道真を前に両断された。
刃の先にいたアーサーは間一髪の所で受け止めた。
星の光を聖剣が漏らす。
「
「承認、ケイ、ベディヴィエール、ガヘリス、アグラヴェイン、ランスロット─」
「アーサー。」
「
「
アーサーの身長程に抑えた光で押し返した。
直後その溢れんばかりの光を解き放ち、多大なる熱量を持った光とした。
再びその真名を叫んだ。
「
降る雨、石畳、それに敷かれた土たちを蒸発させ、道真を再び飲み込んだ。
左腕を光に持っていかれたが、右手に握られた天満大自在天神はその光を煌々と保っていた。
片手で振り上げたその刀が再びアーサーに襲いかかろうとした、
その瞬間。
暗雲立ちこめたこの街を昼の青々とした空が覆い尽くした。
どこかから聞こえる歓声のような、叫声のような声、布の焼ける匂い、土埃の匂い、
なにより血肉の焼ける匂いがこの場に割り込んできた情報量の違和感を物語った。
【
溢れる声に乗せて昼空全てに広がった。
観測者さんです。
めちゃ不規則に更新させて頂いています…。
お待ちいただけると幸いです。
後書きですが、エクスカリバー二度撃ちした後の士郎は息絶え絶えですがイリヤのバックアップありきで何とかなっています。