冬木教会 地下
覚悟を決めた。
中学までしか日本に居なかったため、世界史だとか、日本史だとかは疎い。
だから自分に性質の近い英霊などと言われても正直ピンと来ない。
地下には前回言峰神父が使用した召喚陣が残されてあった。
詠唱は写しを初日に言峰神父から頂いたため、覚える時間はあった。
昨日もあの夢を見た。
雷鳴だけ、雷鳴だけが暗闇の中落ちるだけの夢。
それを思い出したあと、深い深呼吸をした。
儀式自体は代行者として異端を狩る時のほうが緊張したため、問題は無いものの、
呼び出される英霊が誰なのか、どんな英霊なのか。
それだけがただ不安だった。
暗雲が教会にたちこめる。
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私は雨女だった。
自覚したのは中学2年生の時だった。
友達と遊ぶ時はまず間違いなく雨で、
体育祭、合唱コンクールとか、もうとにかく雨ばっかで。
中学の卒業式ももちろん雨だった。
私がアメリカに渡ることを伝えると、皆は泣いてくれたけど、その時は、雨のせいでよく分からなかった。
シアトルに来てからも雨は降り続けたけど、
地元の人が、この位日常茶飯事だから、あなたは雨女なんかじゃないわ、と言ってくれて少し嬉しかった。
「汝、三大の言霊を纏う七天、
抑止の輪より来たれ、天秤の守り手よ──!!!」
直後、爆発のような衝撃が教会を襲った。
私の視界を光が覆ったあと、召喚陣はしばらく燃えていた。
その奥に、人の形をした石像が佇んでいた。
「これが…サーヴァント…?」
令呪が鈍い光が、パスが繋がったことを示した。
バチバチと石像を中心に青い電撃が走っていた。
静電気ではない、確かな電撃。
外で雨が降り始めたことが分かった。
雨の匂いが地下に降りてきて、場の空間が少し重くなる。
「サーヴァント、████。汝が願いを叶えるため、我が汝の稲妻になろうぞ。」
機械的で重厚な声が幾つもこだまして私の臓腑を震わせる。
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遠坂邸前
エルキドゥは屋根の上から空を見た。
容赦なく打ち付ける雨が
「君は…」
「イシュクル…?」
怪訝な表情を浮かべる。
「いや、違う…誰なんだ……。」
冬木市一帯を支配せんとばかりに主張を激しくする雷鳴と雨の一粒一粒は、その存在を訝しむ影に目もくれず主張を濃くする。
同じ自然を起源とするモノであることだけが確信できる事実であつやたり
この雨は勢いを落とすばかりか、明ける幕が降りるまでこの舞台を脚色する演出の一部となることは参加者の誰一人として知る由もなかった。
観測者さんです。
バーサーカーの事実上の触媒はサンド神父からもらったサンダーストーンです。