Ⅰ. 開戦
時は聖杯戦争開幕時へと戻る。
2日間続いた雷雨でぬかるんだ土に踏み込む。
しかし、セイバーとエルキドゥの対立はそう長く続かなかった。
街を静寂が包んでいた。
そこに一閃。
雷鳴が轟いた。
雨は降らず。ただ一直線の稲妻が対立の間を貫いた。
「…邪魔者だと言っているのかい?」
虚を見るように語りかける。
セイバーはまだ構えを解いていない。
稲妻の数は徐々に増えていく。
明らかに意志を持ったようなその雷にそれぞれのマスターは困惑を示した。
セイバーとエルキドゥはその雷の言うことが理解できた様子であった。
彼の奇襲は未遂に終わったものの、士郎としては状況が掴めないままであった。
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衛宮邸 居間
「自己紹介が遅れてすまない。」
「セイバー、アーサー・ペンドラゴン召喚に応じ参上した。」
「私が聖杯かける願いはない。」
「だから、君の中にある願いを尊重しよう。」
「そのために私はこの戦争に全力で挑もうと思う。」
しかし、と。
「私が何故、喚ばれたか。それだけは与えられるべき情報の中に含まれていなかった。」
「ど、どういうことだ?セイバー、ただ俺がアーサー王を召喚しただけじゃないのか?」
一瞬、彼の目は士郎の腹の辺りを見た。
「私は、」
「
「君の内側にある、「
「この世界の
「君に入っている鞘は、まさにこの世界の私が使用した鞘、そのものだ。」
「士郎、」
まっすぐ、碧眼をこちらに向ける。
「私がなぜ、この世界に喚ばれたのか、私は知る必要がある。」
「なぜ、この世界の私が喚ばれなかったのか。それも含めてね。」
「もちろん君のことも、だ。」
「
「よろしくお願いしたい、マスター。」
握手が固く結ばれた。
「俺こそ、自己紹介が遅くなってすまない。」
「俺は衛宮士郎、士郎…とでも呼んでくれ。」
「あぁ、是非とも。シロウ。」
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遠坂邸
「リン、」
「ええ、分かってるわランサー。」
「これは…厄介だね。」
「稲妻のサーヴァント」
「僕の気配感知で認識できたサーヴァントの中で1番と言っていいくらい魔力の主張が激しいサーヴァントが彼だった。」
「おそらくバーサーカーとみて間違いないだろう。」
「それに、彼は僕とセイバーが同じ星の光を操ることをすぐに看破した。」
「僕の眼で見る限り、あのサーヴァントは、
「心してかかろう。リン。」
観測者さんです。
バーサーカーのプロローグをもって、本編の開始とさせて頂きました。
よろしくお願いします。