衛宮邸襲撃の翌日
私立穂群原学園、放課後。
「衛宮くん、ちょっといいかしら。」
「え?あぁ。」
ほとんど関わりのない2人の
少し錆びたドアの先には屋上。
待ち受けた凛に困惑した表情の士郎だった。
「突然悪いわね、衛宮くん。」
「なんの関わりもなくって、ビックリさせちゃったかも。」
突然だけど。と彼女はおもむろに右手を掲げた。
「
「昨日の…遠坂だったのか。」
「まさか衛宮くんがマスターだなんて思いもしなかったけど。」
「あなた、魔術師の家じゃないでしょ?」
「一般人が易々と参加して死んでもらっても困るのよ、早々に権利を返して、この戦いから退くこと…」
突如士郎から、短剣が投げ渡された。
「……。」
「そう、珍しいな魔術を使うのね。」
「参加する意思表示…ってことで良いのかしら?」
彼女の顔が冷たくなっていくのが雰囲気で感じれた。
魔術師の顔…だった。
「なんで俺をこんなとこに呼び出したんだ?」
「意思確認だけ…なんてことはないだろ?」
士郎は着々と剣のストックを始めた。
「戦うつもりは無いわ、寧ろその逆よ。」
「共同戦線、組むつもりはない?」
虚を突かれたように固まったが、すぐさま答えを返した。
「…でも、俺は小聖杯を壊さなくちゃいけない。願望機なんて望んでいないし…なにより、」
「育ての父親からの頼みなんだ、それだけは…」
「たとえその小聖杯が1人の人だとしても?」
「えっ」
沈黙と、困惑が空気を漂う。
「…その人は聖杯戦争に関して何も教えてくれなかったのね。」
「小聖杯っていうのは、アインツべルンの
「それが中継機となって大聖杯に魔力が注がれるのね。」
「それは…」
「今の反応を見るに、衛宮くんに小聖杯は殺せそうにないわね。」
「生憎、私も聖杯を求めてはいないの。」
「だから、衛宮くんが望むことも手伝える。」
「ただ私は生き延びて、父が死んだ原因を知りたい。そのための一時共同戦線。」
「情報共有と共闘が主な内容になるわね。」
「どう?悪い話ではないと思うのだけど。」
なびく黒髪を抑えながら、士郎の答えを待った。
「正直いうと俺は知将じゃないから戦いの是非なんてまるで分からない。」
「やっぱり人を殺さないと目的が成せない事をしようとしてることも今ハッキリと理解した。」
「だからその話、乗らせてほしい。」
「決定ね、今後の方針については追って連絡するわ。」
「早速だけど…、」
「この学校の中に、少なくとも1人以上マスターがいることが分かったわ、」
「だからサーヴァントとの通信も、
「これは協力の第一歩よ。」
「またね、衛宮くん。くれぐれも先に脱落しないでよね。」
ドン、と扉が閉まった。
「…1人以上、マスターがいる…。」
屋上から1階までの壁を帰宅がてら半径10m範囲で詮索した。
「
3階、2階にマーキング目的であろう刻印が複数見られた。
「何をするつもりなんだ、このマスターは。」
早速、凛に刻印を発見した旨を伝え、彼は暗くなる内に家の門をくぐった。
聖杯を破壊せんとする共同戦線はここに締結した。
観測者さんです。
共同戦線の交渉の際、お互いのサーヴァントはお互いのマスターをバチ睨みしています。