無窮の果てに   作:雀盆

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───タグについて───
fateタグは付けてますが、型月世界のダンまちって設定が近い認識としてお願いします。
※多少型月要素が入ってるだけです。
ベルが登場するのはだいぶ先になります。
※今後も必要に応じて増やすことがあります。

───注意事項───
※元々投稿していた内容を再編しました。最初から読み進めて頂ければ…
※原作死亡キャラ生存、オリ主、独自解釈・独自設定過分に含みます。
※主人公最強として扱ってもいいけど、別に追随許さない位強い訳じゃないし、難易度ナイトメアだからタグ外しました。付けた方がいいと思ったら付けます。
※趣味程度に勧める作品です。
亀更新、誤字脱字、日本語間違い等有りますので、優しくフォローください。


序幕
エピローグ


 

 英雄が生まれる街──人々は自分の未来を夢想してこの都市『オラリオ』へと訪れる。

 モンスター溢れる大穴を塞ぐために建てられたバベルの塔。

 それを中心に広がる明るく活気溢れた街並みは、今はお通夜のように人々が苦しく呻く声や悲鳴ばかりが、冒険者の怒号に混じって薄暗く響いていた。

 時期は暗黒期。

 時代はまたひとつ時を進めた。

 

「我が名はエレボス。原初の幽冥にして、地下世界の神なり!

 貴様等が『巨正』をもって混沌を退けようというのなら!

 我等もまた『巨悪』をもって秩序を壊す!

 告げてやろう。

 今の貴様等に相応しき言葉を

 

───脆き者よ、汝の名は『正義』なり」

 

 魔道具や魔法によって街は燃え、逃げ惑う市民や神をケタケタと嗤いながら殺す闇派閥、それに加担する憐れな民衆、無力な市民と神を守るべき強き冒険者は、巨悪を絶つために大穴へと向かった。

 惨憺たる光景を目下に、己の価値観を、世界に問い質す。

 

 ゼウスとヘラの両極は隻眼の黒竜を前に大敗を期した。次代の後継はなく、英雄の卵が燻るこの悪しき街で英雄作成ごっこをする神々を否定する。

 本来あるべき姿に戻すという悲願。

 全知零能の超越存在(デウスデア)を謳っておきながら、子供たちの成長を止めている事実に気づかない。

 神の血(イコル)を授けることで飛躍的に人類は進歩した。

 それは紛れもない事実だろう。

 しかし、それは人類の進化を止める要因とも言える。

 古代人類、大穴が塞がれるより遥か昔の神がまだ地に降り立つ前の時代。

 彼らは無力ながらも怪物を相手に命を散らした。

 勝てないと強者に縋るだけではなく、勇猛果敢に強者と共に戦った。

 精霊の手助けもあっただろう。

 だが、それだけでは大穴へと切り開く道は出来なかった。

 何万、何十万もの英傑たちの血によって受け継がれるべき歴史の道は、神の到来によってその進歩を停めた。

 

「ここまでは君の知っている通りになったか?視っていてここまで放置するとは、英雄とはよく言えたものだ」

 

 オラリオ市街をある程度見渡せる比較的高い建物の屋根上で、戦争の火蓋を切ったエレボスは、この戦いで傍観に徹している1人の冒険者に問いかけた。

 男の傍にはエレボスと同郷で神殿に引き篭っていた同じニート組のツインテ女神が心配そうに街並みを眺めており、その隣には同郷の正義を司る女神アストレアがダンジョンへと潜った己の眷属が無事戻ることを祈っていた。

 そんな女神らにエレボスは1度目を向け、傍観に徹する1人と1柱に数日前の問答の答えを聞く。

 

「君たち2人にとって英雄とは、正義とはなんだ?」

 

 神エレボスがこのオラリオで出会った正義の眷属を名乗る華麗な少女たちを弄んだ不透明な質問。荒れ狂う都市の中心に鎮座するバベルの塔の広場では喧騒とした情勢には似つかわしくない静けさが広がっている。

 この先現れるだろう災厄の前に邪神から問いかけられた質問に竈の女神は沈黙を、傍らにいる()()()()()()で街を見下ろす英雄は静かに応える。

 

「正義、英雄、勇者、これほど万人に愛される言葉はない。

 正義の味方になりたかった。

 英雄になりたかった。

 幼い頃抱いた理想は幻想のまま果てた。

 視たくもないものを観て、己の運命を悟った。

 幼い心でも理解したのは、正義の果てには何も無かった。

 人々はただ正義という偶像に縋りたかっただけなのだろう。

 故に私は正義の味方(英雄)が嫌いだ。

 自己犠牲の救済、悪を絶つ救済、弱者を脅威から守る救済。

 そのどれもが正義とは、一側面の思想に過ぎないと歴史が証明している。……私にとって己に示す正義とは、己の信念を貫く強度だ」

 

「シキ、君にとっての信念とはなんだ」

 

 ()()()()()()()()()()()()()を持って男は立ち上がり、揺れ動くローブで隠れた武器を抜く。揺れ動く世界、怪物の慟哭のような地響きを轟かすその震源へと目を向ける。

 

「俺の女神と愛するものを護るために、この穢れた命を燃やす。たとえ全世界を敵に回しても、俺は自分を貫きとおす」

 

 隆起する広場の地面─将来判明する人造迷宮を押し退けて現れる未曾有の巨体は、絶望的状況のオラリオに鈍重な地響き共に、死を振り撒きに遥か地下世界より顕現した。

 

 

 

 

 

────許されよ、許されよ。我らが罪を許されよ。

 

 




最初に終章の内容を持ってくる異端

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