プロローグで出現しようとしてるし、モデルもはっきりしてるんですよね…
いやービーストⅡどうしよう
二度あることは三度ある
構造骨格改変による、より環境に最適化された姿形へと変成していく。
白雷望星による火傷も風穴も、変形と共に修復され、ただの魔物でしか無かった毒竜の霊基が、精霊へと変貌を果たす。
シキの目に、新たな生態として毒竜の情報が入ってくる。
毒竜の存在定義が再編され、秘める魔力を解放したことを告げる。
8つもある首はそのままに、胴体部分が大きく変わった。地面を歩くだけの蛇、蜥蜴のような風貌に大きな黒翼が生え、その身体を持ち上げている。
見た目は奇怪、属性は精霊。
毒竜から漏れ出す魔力は、毒の瘴気となって周囲に蔓延し始める。
地面は黒泥、大気は瘴気。
シキがこのまま毒竜を相手にしていても、汚染は止まらず侵食を拡げる。
猶予は数分程度のもの。
それだけで、このレルネーは崩壊する。
既に外部に増援を要求するために早馬を出していても、間に合わない。
最小でレルネーが半壊で済めば、最高といえる。
泥から這い出た毒竜は、先程まで自身を迸っていた雷撃を腹部に集中させると、魔力を増大させ、8つある口元に凝縮する。
【──突キ進メ
【──
【火ヨ、来タレ──
【地ヨ、唸レ──
【──
【──西ノ光 東ノ都 天ノ縮図ハ此処ニ 地ヲ呪エ】
【──光芒ノ矢 大地ヲ貫ク光ノ
【──
「────ッ?!!」
毒竜は見たことも聞いたこともない魔法を高速で詠唱し、8つの口、それぞれ別の魔法を同時にこの世に顕現させた。
自身に埋め込まれた神の力と精霊の種子のおかげで、固有能力だった毒と炎を吐くだけだったその身体は、精霊までに昇華した。
進化してノータイムで、極々自然に詠唱を開始したために、シキの思考が一瞬停止してしまい、毒竜の魔法が完成してしまった。
込められた魔力から暫定被害範囲を計算し、ヘスティアの命だけは確実に守ることを優先して、シキも貯蔵してある魔力を捻出する。
8つの魔法全てからレルネーを守ることは、今のシキには不可能だ。
故に導き出した答えは一つ。
8つの魔法分の魔力を相殺するための雷撃を持って対抗し、聖火を持って毒を喰らう。
コンマ数秒の間で導いた答えは丁度、精霊魔法が放たれる直前だった。
「
「───紫電の光閃 汝を喰らう闇を祓い 冥界を照らす光明 静寂は此処に 虚飾に塗られた魂を祭壇に我は願う──事象解放
「───祝福は此処に 聖女の
2度目だが、今のシキに同時に魔法を扱うことは不可能だ。
そもそも同時に全く別の魔法を使うなんて、それこそどれだけの鍛錬を費やしても易々と身につけられる技術では無い。
この先、魔法を同時行使出来る者が現れる方が数少ないだろう。
しようとすれば魔力が暴発してしまうのは自明の理だからだ。
シキには魔法遅延の技術がある。
Anfangは詠唱開始という意味だが、別として、魔法を放つ位置を固定する役割もある。
つまりは、Anfangと詠唱した時点で魔法は既に
引き金を引けば、いつでも放てる状態にあるということだ。
故に、Anfangにより魔法を行使した時点で、次の魔法詠唱に移ることが出来る。
多重詠唱ではなく、ひとつの魔法発動を未来に設定していることで同時行使を可能にしている。
【サンダー・レイ】
【カエルム・ヴェール】
【ファイアーストーム】
【メテオ・スウォーム】
【フローガ・ヴロンディ】
【マイアズマ・フォルマーキ】
【セーラス・アロー】
【スコターディ・エクリクス】
シキが精霊魔法に対抗しうる魔法を解き放ったと同時に、毒竜ナルキソスの詠唱が完了する。
死の大瀑布がナルキソスから放たれ、それを下から塗り潰そうと、シキの雷撃が一面を白色に染め上げる。
辺りを焼き尽くす轟音と嵐のような風を纏い、周囲を蹴散らしていく種火は、空気を多く含んで、その大きさを拡げていく。
太陽にも匹敵するほどの熱を帯びた熱球は、空から降り注ぐ隕石にも熱が伝播して、まるで太陽のように表面をドロドロに溶かす。
溶岩じみたそれは地面に衝突することで、高温となった爆風と衝撃波を持って、レルネーの街並みを破壊していく。
雷鳴轟く豪胆な雷火は、周囲に被害が及ばないようにレーザーのように岩を切り溶かし、拡がる雷撃を吸収し、砂塵を纏い、砂釜のように炎を塞き止める。
毒の瘴気と侵食する泥は、聖火の銀風によって無害な存在に書き換える。
砂と瓦礫のドームが形成され、サウナの数十倍はある熱気の籠ったその中で両者は相対する。
熱と雷撃によって互いの身体を傷つけあうが、シキは聖火によって火傷した傍から癒していくのに対して、ナルキソスは熱と雷撃、聖火によって身体が焼かれ続けている。
自身を守る瘴気も泥でさえも、生まれたそばから無害化、蒸発されて消えてしまう。
砂釜となったドームに長くいればいるほど、ナルキソスは不利に進んでいく。
【邪魔ヲスルナ!!人類ハ滅ブベキ存在ナノダ!!!】
「今まで通り祠の地下深くで眠り続けてれば良かったものを、たかが精霊の一端に触れた程度で強くなったと錯覚するとは滑稽だな」
終ぞナルキソスを焼き尽くす雷霆の力は、泥の修正力をも上回ったが、ナルキソスに残る自我が倒れることを赦さない。
悪性に取り憑かれた獣の嘆きは大気を揺るがした。
ドーム状に形成された砂塵は、ナルキソスの莫大な魔力放出によって吹き飛ばされた。
シキの周囲は先程の魔法の衝突で、レルネーの街並みが広範囲で見る影もなく更地となっていた。
ナルキソスを爆心地に巨大なクレーターが拡がっており、すぐ側の沼地は水分が蒸発し、削れた痕が鮮明に残されている。
シキは消費しすぎた魔力を回復するために、魔力の放出を止めて
いくら
ナルキソスの内に秘める呪詛のように流れる憎悪は、未だにナルキソスを奮い立たせるが、身体の損傷は目の前の
そんな毒竜の様子を睨みつける者が一人。
「何をしている!化け物がたかがエルフに何を恐れている!貴様は人類を滅ぼす力を持っているのだ!あのお方が齎して下さった神の液を無駄にするつもりか!」
真っ黒なローブに身を包んだ男がナルキソスの前に躍り出ると、両手を広げて竜を罵倒する。
男は右手に持つ黒い丸石を竜に掲げると、何かを唱え始める。
丸石から漏れ出した魔力のような、黒泥のような液状のソレは、ナルキソスと同化すると、傷だらけの身体を癒し始める。
禍々しいオーラと共に復活したナルキソスは、シキを相手にしていた際の理知的な行動とは逆に、取り憑かれたように暴虐的な使徒へと変貌を果たした。
男の言う神の液とやらも、男の持っていた黒曜石のような丸石も、それが何を意味するものなのかはシキには分からない。
だが、シキは直感的に大体のことを察した。
自分に課せられた運命とやらの詳細は、
『7つの獣を討伐し、人類の救済を為す』こと。
であれば、これから先、生きていく中で獣たる人類悪の存在について自然に分かる時が来ると思っていた。
「災害の獣、
この世界に於ける獣─人類悪は、夢の中で見た本来の獣とは在り方が少々違う存在であることを。
彼にはこの世界の人類悪誕生の報せがまだ届いていない。
つまりは、目の前にいる災害の獣は人類悪では無いということ。
人類悪足りうる女神の血を宿した幼体。
未だこの世界は目の前の稚魚を、人理の災害とは定義付けない。
ただあるのは、純粋な悪性を富んだ黒泥によって災害の獣を作り出そうとしている、その実験的な犠牲にレルネーが選ばれた事実のみ。
シキは液に溶かされ、竜の泥へと吸収されていくローブの男を眺めながら思案する。
半端な実験でこのレルネーの被害であるならば、実際起こると仮定される災害の規模は、如何程のものなのか。
吸収を終えたナルキソスの様態は、先程までとは全くの別の存在へと塗り替えられた。
試作段階とはいえ精霊を宿した精霊の種子、神の力を含んだ魔力結晶、3つの上質な素体と増幅された黒泥。
計4つの要因を重ねてでも、魔物の神霊化を付与する程度の災害となった。
ただ、これは精霊の力と魔物の核が融合しきれていない初期段階だからこその歪さであり、レベル1になって1ヶ月程度のシキがここまで圧倒できたのは、その歪が要因である。
男は自分の練った計画の甘さを呪うことになる。
本来の男の計画では、レルネーへの無差別攻撃によって人間を供物として、その肉体と魂を持って完全な融合を果たすものだったが、イレギュラーが混じったことで充分な食事を得られなかったのだ。
イレギュラーは2つあり、思いの外ナルキソスの自我が残ってしまった事と、シキが強かった事だ。
なまじ精霊化及び神霊化で精霊や神の存在を認知できるようになったことで、ヘスティアの存在を吸収しようと動きを見せていたが、それはシキが絶対に阻止することは明白だ。
だから男は最終手段を講じるほかなかった。
母なる神の眷属となり、これまで少なからず神の血を与えられてきた。
その身で泥を被り、ナルキソスに身を捧ぐことで目的の成就を果たす。
それだけが男に唯一残された主神への手向けであると。
【全テヲ呪エ!!光無キ世界ニ祝福ヲ!!】
魔法の部分、原作にもあった精霊魔法とオリジナルを混ぜてます。確か。
チャーハンと甘酢あんかけ唐揚げって美味しいよね。
木こり。
キャラのイメージとしてAI絵を挿絵とし利用しても問題ないか?
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問題ない
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嫌悪感出ちゃう