その後は出来たら週1、仕事が忙しくなったら不定期更新で進めます。
「ベッドだぁぁあぁあ!」
アンドラに薦められた宿で借りた2人部屋に着くとすぐにベッドに飛び込んだヘスティア。
神殿から下界におりて以降、1度もまともな場所で休めなかった彼女は約1ヶ月ぶりのベッドの感触を噛み締めていた。
「そうだ!早速ステイタスの更新をしよう!1ヶ月色んなことがあったからね。ちょっとは伸びてるといいなぁ」
「ステイタス更新よりも先に身体を流してくるよ。流石に水浴びだけじゃきつい。服も洗濯しないといけないし、その後でやってくれ」
「それもそうだね。ボクも不変不滅とはいえ、久しぶりにお風呂に入ろうかな」
アンドラに教えてもらったこの宿では豪華にも一部屋にひとつ風呂がついている。
受付のおばちゃんもヘスティアのおかげか割と広めの部屋を案内してくれた。
風呂も厠も食事付きという至れり尽くせりの宿にようやく気を弛めることが出来た。
「そういえばシキくんはハイエルフなんだよね?」
「そうだな。といっても遥か昔の、それこそ英雄アルバートよりも更に昔の時代、夢魔の血が混ざって迫害を受けたハイエルフの末裔だけどな」
「じゃあその話も聞かせて貰えないかい?ボクは知らなくちゃいけないことだと思う…そう感じるんだ」
「まぁ別に隠すほどのものでは無いからな。それに主神となるヘスティアには多分これから迷惑掛けることになるから、逆に知っていて欲しい」
「ボクはこれでも聖母のような女神って言われてるんだぞ!自分の子どものことで迷惑だなんてこと思う訳ないじゃないか!」
ぷりぷりと怒るヘスティアを後目に俺は汚れてしまった服と身体を洗うために風呂場へと向かった。
風呂場につき、設置してある反射板で改めて自分の容姿を確認する。
美しい白髪に黒と赤閃の幻想的な色彩を放つ瞳。ハイエルフ由来の長い耳。いつの日かに見た夢魔と人間のハーフの女性と似ている姿にため息を吐く。
一通りのことを済まし、ステイタスの更新を行ったが、たいして数値が上がることは無かった。total114と他からすれば、圧倒的数値だが運命を背負わされた者としては心もとない強化であった。
「俺の種族について話すか。といっても俺自身はそこまで知ってるわけじゃない。長老や父さんですらちゃんとした歴史を知ってるか怪しいんだけどな。それでも良ければウェールズの民について話すよ」
ハイエルフなんてのがいつからいたのかは知らないが、少なくとも俺の種族は元々普通のハイエルフの一族だった。
それがあることをきっかけに、当時のエルフや周辺諸国から呪われた一族と言われたのがはじまり。
当時のウェールズの民は極東ではなく、もっと西の方に位置していた。
始まりは、当時のエルフの王様だった男が、いつも水浴びしている湖で倒れていた真っ白な小さな魔物と出会ってからだ。
王様はお人好しだった。
怪我した者がいれば自分の地位なんて関係なく助けるほどの。
魔物とはいえ、傷だらけの魔物を放っておけなかった王様は、あろうことか魔物を助けてしまった。
固まった血を湖で洗い流し、その清らかな手で魔物の手当を行った。
当然そんなことをしてれば魔物は目が覚め、王様を警戒し、その傷だらけの身体を引き摺るように、その場から立ち去った。
無論、そんなことを近くで待機していた護衛に話すことなんて出来ず、王様も忘れることにした。
その後、魔物との戦争が勃発し、ウェールズを焼き払われ敗走する際に、妻と同士を守るために殿となった。
近くの村で王様が来るのを待っていた。
無論、王様が来るなんて思ってなかったが、夜を越す必要があったので一日だけ祈りながら待つことにしたのだ。
夜明け間際、祈りの甲斐あってか王様は無事に皆と合流を果たした。
しかし、奇妙なことに王様は怪我ひとつなく帰ってきた。
これに疑問を持った妻が「なぜ怪我が?」と聞くと王様は「精霊様に助けてもらった」と興奮しながら答えたのだ。
王様は魔物との戦闘で死に絶える寸前であった。
血は流れすぎ、意識は遠のき、体は冷え込んだ。
死のカウントダウンを知らせるかのように足音が王様の元に近づき、王様は「死神の迎えかな」と血を吐きながら笑った。
その存在は「私はバッドエンドが嫌いなんだ」と呟くと王様に少しの血を分け与え、治癒の魔法を掛けたという。
その存在は「君は世界を曲がりなりにも救ったんだ。誇っていい。そうだね、これは私からの小さなプレゼントだ」その言葉を最後にその存在は消えたという。
夜中、目が覚めた王様は全身の傷が塞がり疲れなんてものはなく、逆に力が漲るものを感じたと言う。
理屈は知らないが頭に響く言葉を呟くと妻と同士の位置がわかったらしい。
これを王様は精霊の加護だと思ったのだ。
その存在は白かったからかつて自分が救った真っ白の魔物は魔物じゃなくて精霊様だと思い返した。
救ってくれた精霊に感謝し、加護が指し示す場所に向かって歩いたら妻たちを見つけたという。
王様の言葉を全て信じた訳では無いが、精霊を信仰する我らだ。
信心が王様を救ったのだと皆は歓喜した。
しかし、悲劇は1度だけではない。
喜劇があれば悲劇はまとわりつく。
王様と妻の間に誕生した子は異様だった。
両親の髪色は鮮やかな若竹色に対して、生まれた子は透き通るような白であった。
また瞳の色も艶やかな深紅だった。
王様は妻を疑ったが、自身の加護が我が子である、と肯定する。
異様な気配を発する我が子を愛さない選択肢など、お人好しの王様にはなかった。
産まれたばかりの子はその小さな手で王様に触れ、王様が纏っているオーラ─加護を子に奪われたことに、当時の王様は気づかなかった。
彼が気づいた時は2人目の子が産まれたとき。弟となる子は両親の血を強く受け継いだように若竹色の髪色に、若竹色の眼と明らかに1人目とは大違いの姿だった。
ウェールズの民は弟を真の後継者だと呼んだ。兄は忌み子である、と。
お人好しの王様もその妻も等しく兄弟を愛情を持って育てあげた。
一部の民衆の声には耳を傾けず、厳格な父として、優しき国王として兄が次代の王だと決定した。
納得のいかない民衆。
このままでは兄弟による争いが起きると悟った兄は自身に従ってくれる同士を連れてウェールズの森を復興すると王に進言した。
ウェールズは兄が引き継ぎ、この森から出ていく、と。
この新たな森で、弟が
それ以降は、流れに流れて極東のあの場所でウェールズの森として存続していた。
無論、王家の血を引く最初に生まれた者には夢魔の血が受け継がれ、以降に生まれる子には受け継がれないこの方程式は今の俺の代まで続いている。
現在はエルフ間で変な噂は特にない。
この話が多くのエルフの里で再び同じ悲劇を繰り返さない為に言い聞かせとしてある。
それだけの話。
その弟が引き継いだ里でもどこの里でも、俺たちウェールズの民を忌み嫌うようなことは無いし、ハイエルフである俺たちをちゃんと王家として見てくれはする。
当時のエルフらには受け入れ難い存在であったのだろうな。
現在のエルフの王国とも呼べる、王森ディルムンは弟が新たに復興させた集落が元になっていた。
王森の中核となるウィーシェの森がさらに発展して王森となったという経緯があるらしい。
「これが俺たちの歴史。合ってるかどうかも分からん。意外と勝手に夢魔と交尾して生まれた存在かもな。この話には欠落もあるしな」
「欠落?」
「夢魔なんて魔物がオラリオの大穴から出てきた存在なのか。そもそもなんで夢魔なんて分かったんだ?なぜ魔物が喋ってる?夢魔って精霊なのか?とか疑問に残る箇所は多いって訳」
「へぇー。でも事実として、遺伝するものは言い伝え通りなんだろう?」
「まぁな、結局は何も知らんってことよ。この目で見るまでな」
「そうだよ!なんなんだいそのスキルまでになった眼は!おかしいよ!絶対狙われるよ!」
「んじゃ次は俺の役割について話すべきだな。それが俺の魔眼の説明にちょうどいいからな」
シキ・アンブロシウス・ウェールズ
『Lv1』
力:I7
耐久:I9
器用:I16
敏捷:I25
魔力:I57
【スキル】
〈
『不安定未来視』『極行世界の認識』『螺旋縮図・根源』
〈
﹣戦闘時『星癒』『魔導』『守護者』を発現
﹣聖火の魔力を譲渡するとこで、対象を内側から癒す。
﹣指向性を持たせた魔法の威力に中補正
﹣戦闘時、一定範囲の人類に対して士気向上、ステータス高補正
【魔法】
〈神葬儀礼・虚式〉
付与・速攻魔法
詠唱式『
連結式『
属性『
〈
結界魔法
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