この素晴らしき世界に祝福を!   作:指揮官さん

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大川透(ジョジョナレーション)「前回の、ジョジョの奇妙な冒険(この素晴らしい指揮官に祝福を!)は、アクセルの街へ接近する形で現れた古の古代兵器、デストロイヤー。その危機に紅介達は勇敢にも立ち向かい、見事破壊に成功した、しかしその後日、なんと紅介とカズマは、国家転覆の疑いを掛けられてしまったッ!!」



第11話 下される審判

セナ「私は王国検察官のセナ。冒険者、サトウ・カズマ。及びソウキ・コウスケ、貴様らには、国家転覆罪の容疑が掛けられている。自分と共に来てもらおうか。」

離貅達「…え?」

紅介&カズマ「…は?」

 

アクセルの街に迫る危機、機動要塞デストロイヤーを破壊した日から翌日、国の者から告げられたのは感謝でもなく、犯罪者の疑いだった。

 

紅介「ま、待てよ!!何でそんな事を言うんだよ!」

セナ「カズマの指示で転送されたコロナタイトだが、領主殿の屋敷を爆破したのだ。」

カズマ「な!?」

セナ「幸い死人は出なかったがな。そしてコウスケ、貴様はアンデットにしか使えないスキル、ドレインタッチを使っていたと言う目撃情報がある。」

紅介「ッ!?(まさかあのモヒカン、バラしてたのか!!?アイツ今度会ったらボコす!!)」

本当(ガチ)の誤解である。

めぐみん「ちょっと待ってください!!デストロイヤー戦において、コウスケさんとカズマの機転が無かったら、もっと被害が出ていたかもしれません!!」

 

めぐみんは紅介とカズマの前に出てそう言う。

 

紅介&カズマ「めぐみん……。」

めぐみん「…カズマに関しては精々小さい犯罪をやらかすぐらいです。」

離貅&木葉「え?」

ダクネス「検察官殿、何かの間違いだ。」

 

すると今度はダクネスが前に出る。

 

紅介&カズマ「ダクネス!」

ダクネス「紅介は真に魔王討伐を目指している。それにカズマにそんな度胸は無い。屋敷で薄着の私をあんな獣の様な目で見ておきながら、夜這いの一つもかけられないヘタレだぞコイツは。」

紅介「え。」

カズマ「べっべべ別に見てねーし!お前エロい身体しているからって図に乗るなよ!こっちにだって選ぶ権利ぐらいあるんだぞ!!」

 

カズマは顔を赤らめながらそう言う。

 

ダクネス「き、貴様!風呂場で私にあんな事までさせておいて!」

カズマ「あの時はサキュバスに操られていたからな!お前こそ雰囲気に流されて俺の背中流していたくせに、どんだけチョロいんだよ!」

ダクネス「お、お前やっぱり記憶があるじゃないか!それにエリス様に仕える身であるクルセイダーの私は、まだ清い身体のままだ!それをチョロいだと…… ぶっ殺してやるぅー!!

 

ダクネスはそう叫んでカズマと取っ組み合う。

 

木葉「ま、待ってよ!それでも紅介とカズマはこの街の為に戦ったんだよ!」

離貅「そうですよ!紅介がアンデットのスキルを使えると言うのが事実だとしても、紅介は人の為に使ったんです!」

冒険者A「国家権力の横暴だ!!」

冒険者B「冒険者は自由なんだよ!!」

 

離貅と木葉、そして周囲に居た冒険者達は異議を唱える。

 

セナ「国家転覆罪は、主犯以外の者にも適応される場合がある。この男共と共に牢獄に入りたいなら、止めはしないが。」

 

セナのその言葉に、周囲の冒険者達は黙りこくった。

 

紅介「…めぐみん。」

 

紅介はめぐみんに声を掛け、蒼い瞳の紅いリオルを強引に押し付ける。

 

めぐみん「コウスケさん、まさか━━」

紅介「リオルを頼む。」

 

紅介は微笑みながらそう言った。

 

離貅「紅介、あなた正気ですか!?魔王討伐はどうするんですか!?」

木葉「そうだよ!?まさか本当に━━。」

紅介「真犯人を頼む。」

離貅&木葉「!!」

 

紅介は離貅と木葉にだけ聞こえる程の小ささでそう言うと、セナ達に向けて両手を上げた。

 

カズマ「ちょ、紅介!?」

セナ「捕えろ!!」

 

セナの両脇に居た二人の騎士が紅介とカズマを拘束し、連行した。

 

???「………。」

 

その様子を隠れ潜みながら傍観していた黒装束を纏った男性はその様子を見終わると、風の様な凄まじい速さで音を立てる事も無くアクセルの外へ出て、近くの森へ入る。

 

???A「…どうだったか?」

 

そこには、古風な口調で喋る女性が居た。

 

???B「はっ、仲間のサトウ・カズマと共にこの領地の領主の屋敷を爆破した事により、国家転覆罪の容疑を掛けられ捕えられました。」

 

黒装束の男性はその女性に対して跪き、そう報告する。

 

???A「…アルダープか……。」

 

女性は忌々しげにその領主の名を呟く。

 

???A「…其方に任務を命じる。残されたコウスケの仲間達が真にコウスケの仲間と値するか見極め、その者らの力となれ。妾はムラクモへ戻る。」

???B「はっ!お気を付けて。」

 

女性は黒装束の男性にそう命令し、何処かへ歩き去って行った。

 

そしてその日の深夜にて━━。

 

カズマ「…帰りたい……日本へ帰りたい……。」

 

国家転覆罪の容疑を掛けられ、牢屋の端でうずくまり、涙を流しながらカズマは呟く。

 

紅介「…俺も同じだ。」

 

同じく国家転覆罪の容疑を掛けられた紅介はカズマとは違い、冷静に言う。

 

カズマ「…何でお前はそんな冷静なんだよ……。」

紅介「…こっちだって冷静じゃねえんだよ。」

 

紅介はそう言って拳を強く握り締める。

 

紅介「…俺はこの事件に、裏があると思ってる。」

カズマ「…考え過ぎじゃないか?」

紅介「最後まで話を聞け。…つまり、俺達は濡れ衣を着せられたって事かもしれないし、尚且つ真犯人が居るって事だ。一応離貅と木葉に真犯人を頼むって伝えた。…後は離貅達を信じるしかない。」

カズマ「そんな事言ったって━━」

 

カズマが言いかけたその時、突如凄まじい轟音と小さな振動が起こった。

 

カズマ「何だぁ!?」

紅介「…めぐみんの爆裂魔法か。」

 

紅介はその轟音と振動はめぐみんの爆裂魔法と理解した。

 

アクア「カズマ!紅介!」

紅介&カズマ「アクア!」

 

すると高い位置にある鉄格子付きの窓の向こう側からアクアが顔を出す。

 

カズマ「何しに来たんだよ!」

アクア「助けに来たに決まってるでしょ。大切な仲間なんだから。今、めぐみんが街のすぐ近くで爆裂魔法を放ったから、お陰で署員達は驚いて外へ飛び出して行ったわ。今頃はダクネスが魔力を使い果たしためぐみんを抱えて、その場を後にしてる頃ね。」

紅介「…離貅と木葉は?」

アクア「二人は紅介とカズマが無罪になれるように真犯人を探しに行くと言って留守よ。」

紅介「…お前ら暫く離貅と木葉と行動を共にして言う事聞け。」

アクア「そう言われてももう実行に移しちゃってるわよ。」

 

アクアはそう言って紅介とカズマが居る牢屋に何かを投げ入れる。

 

カズマ「…針金?」

アクア「まずはその針金で牢屋の鍵を開けなさい。その後はカズマの潜伏スキルを使って署内から脱出するの。そして、屋敷に帰ったら急いで夜逃げの準備よ!それじゃ、私は建物の前で待ってるからね!」

 

アクアはそう伝えて鉄格子付きの窓から離れた。

 

紅介「…アクア、お前の気持ちは嬉しい。だけど━━」

 

紅介は牢屋の鍵へ振り向くが一歩も動かない。何故なら━━

 

紅介「鍵、ダイヤル式なんだよ。」

 

ダイヤル式である。

 

紅介「…寝るか。もう遅いし。」

カズマ「そうだな。」

 

カズマはニコりと笑いながら針金を外へ投げ捨て、紅介とカズマはそれぞれの毛布に包まり、就寝した。

 

そして翌晩、深夜にまためぐみんの爆裂魔法が響き渡った。

 

紅介&カズマ「…またか。」

アクア「紅介!カズマ!」

 

紅介とカズマが眠りから起こされ、愚痴を零すと、またアクアが鉄格子付きの窓の向こう側からアクアが顔を出す。

 

紅介「…昨日は大丈夫だったのか?」

アクア「二人とも誰にも見られずに帰ってきたのに、何故かあっさり爆発の犯人として特定されたわ。」

カズマ「そりゃそうだろ。」

アクア「それより、昨日はずっと待ってたのにどうして脱出しなかったのよ。」

紅介「鍵がダイヤル式だったんだよ。あと、このやり方は止めて離貅と木葉と行動しろ。勿論めぐみんやダクネスもな。…俺はみんなを信じているんだ。」

 

紅介は途中から真剣な顔をして言う。

 

アクア「…解ったわよ。」

 

アクアは渋々紅介の指示に従い、鉄格子付きの窓から離れる。

 

カズマ「…本当に大丈夫なのか?」

紅介「…正直言って、解らん。」

カズマ「ハァ!?」

紅介「だけど、今はみんなを信じるしかない。」

カズマ「…もし死刑になって死んだら地獄に引き摺り込んでやるからな。」

紅介「怖い事言うなよ。」

 

そして翌日の朝、紅介とカズマは取り調べを受ける事になった。

 

セナ「これが何か知っているか?嘘を看破する魔道具だ。」

 

セナはそう言ってベルのような魔道具をテーブルに置く。

 

セナ「ではまず、出身地と冒険者になる前は何をしていたのか聞こうか。」

カズマ(いきなりハードルが高い……)

紅介「…出身地は日本で、そこで学生をしていました。」

セナ「(反応無し……)…では、カズマは?」

カズマ「…生まれた国は紅介と同じで、そこで同じく学生を━━」

 

カズマが言いかけたその時、魔道具がチーンと鳴った。

 

カズマ「何で鳴るんだ!?」

セナ「…サトウ・カズマの出身地と経歴詐称、と。」

 

セナはそう呟き紅介とカズマの背後に居る調書を取っていた書記官が何かを書く音が聞こえてきた。

 

カズマ「待ってくれ!!別に嘘は()いてないはずだ!」

 

カズマはそう訴えた直後、また魔道具が鳴った。

 

カズマ「…出身地は日本です。毎日家に引き篭もって自堕落な生活を送っていました……。」

 

カズマは渋々答え直すと、今度は鳴らなかった。

 

セナ「…どうして学生などと見栄を貼った?」

カズマ「見栄を貼った訳じゃ……うっう……もういいです……(チキショウこの魔道具嫌いだぁ!!!)」

セナ「…ニホンと言う名の地名は聞いた事が無いな。では、冒険者になった動機は?」

紅介「…魔王を斃す為です。」

セナ「…では、カズマは?」

カズマ「…紅介と似た様な動機で、魔王に苦しめられている人々を助ける為━━」

 

しかしまた魔道具が鳴った。

 

カズマ「…冒険者って、カッコ良さそうだし、楽して大金稼いで、美少女にチヤホヤされたいなと思いました。」

紅介「か、カズマ……」

カズマ「哀れみは要らん。」

紅介「お…おう。」

セナ「…よ、よし、では次だ。領主殿に恨みはあったのか?」

紅介&カズマ「全然です。と言うか全然知らないです。」

 

紅介とカズマは口を揃えて言うと、魔道具は反応せず、セナは困惑した様子を見せた。

 

セナ「…で、では紅介、お前に質問だ。何故お前はアンデットにしか使えないはずのドレインタッチを使う事が出来る?」

 

セナはすぐに取り直して紅介に問い掛ける。

 

紅介「…教えてもらったんです。とあるアンデットから。」

セナ「…なに?」

 

紅介の言葉にセナは紅介を睨み付ける。

 

紅介「ですけど、そのアンデットは善良で、決して人は傷付けないと誓ってて、デストロイヤーとの戦いで、力を貸してくれました。」

セナ「…鳴らない……故障では…なさそうですね。」

紅介「それに、そのアンデットはうちの仲間のプリーストが監視してて、もし人を傷付けたら問答無用で浄化すると言っていました。」

セナ「…解りました。」

 

紅介の返答に反応しなかった魔道具を見て、セナは紅介の証言を認めると━━

 

セナ「…やっぱりおかしいですね……。」

 

柔らかい口調で言葉をこぼす。

 

紅介&カズマ「え?」

セナ「カズマはともかく、コウスケは逆に良い噂しか聞きませんでした。魔王軍幹部にのデュラハンを倒したり、自爆をしそうになったデストロイヤーへ先行して入ったりと聞いたので。」

カズマ「全くぅー…噂を鵜呑みにして人を疑うだなんて、検察官失格じゃないですかねぇー!?」

セナ「す、すみません!」

 

ここで理不尽な目に遭った鬱憤を晴らすべく、カズマはここぞとばかりにセナをネチネチと責め立てる。

 

カズマ「紅介と俺の功績知っていますよね?紅介はその魔王軍幹部のデュラハンを撃破し、そして俺はデストロイヤー戦に於いては素晴らしい指揮を取り撃波。そんな俺と紅介に感謝の言葉も無く責め立てるだけなんてねー!」

セナ「す、すみません!!これが仕事なもので……!勿論、ソウキさんとサトウさんの実績は知っています。…しかし━━」

カズマ「しかし!!?しかし何ですかねぇ!?と言うか、容疑が晴れ━━」

 

しかしその時、紅介が思いっ切りカズマの後頭部を殴り、カズマを気絶させた。

 

紅介「…すみません。相当鬱憤溜まってたっぽいので。」

セナ「は…はい。…そういえば……あなた達の仲間が、この街の近くで爆裂魔法を━━」

紅介「それについてはホントごめんなさい!!!今度話す機会がある時にちゃんと言いますので!!!

 

紅介は咄嗟に謝罪して頭を下げるが、勢い余ってテーブルに頭をぶつけてしまう。

 

セナ「…ご苦労、なされてるんですね。」

紅介「本当にすみません!!」

 

そんなこんなで、取り調べは終わった。

 

そしてその日の夜、紅介達の拠点となる屋敷にて……。

 

離貅「…僕と木葉が必死に証拠集めをしている間、随分とやってくれましたね。」

 

アクアを正座させ、冷静に怒っている離貅はそう言う。

 

アクア「…えっとですね、仲間として見捨てられないので、裁判で死刑にされる前に助けようと━━」

離貅「僕と木葉が留守の時にかつこれからお尋ね者になるつもりでですか?」

アクア「…ごめんなさい。」

 

離貅の威圧にアクアは謝罪する。

 

めぐみん「あの…私達がコウスケさんとカズマを脱獄させようとした間、進展はありましたか?」

 

紅介から預かった蒼い瞳の紅いリオルの世話しているめぐみんはそう言う。

 

離貅「…進展は、未だにありません。精々掴んだのは、その被害者の領主、アルダープの悪評と、その者が関わった事件の情報だけです。」

木葉「…それに、屋敷(ここ)に帰る途中で、検察官に会って、明日に紅介とカズマの裁判をするって言われて……。」

アクア「じゃあそれって、このままじゃ証拠も無いまま裁判に行かなきゃならないの!?」

 

アクアがそう言っているのを他所に、離貅は手を強く握りしめていた。

 

めぐみん「リクさん、まだ何か手はあるんですか?」

離貅「…現状思いつくのは、そのアルダープの屋敷に忍び込み、そこに決定的な証拠があるか探すしかありません。…ですが、陽動として最適な爆裂魔法を扱うめぐみんは既に使用済み……一体どうすれば━━」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

???B「拙者が力を貸そう。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その時、離貅達のどれにも当てはまらない声が響いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして、翌朝……

 

紅介&カズマ「………。」

 

遂に来た裁判の日に、二人は緊張が故か、全く眠れなかった。

 

紅介「…遂に来たんだな。裁判の日が。」

カズマ「もし死刑になったら意地でも地獄に引き摺り込んでやるからな。」

紅介「だから怖い事言うなよ。」

 

すると、牢屋の外から足音が聞こえてきた。

 

紅介「来た……。」

カズマ「あと暫くで俺と紅介の運命が決まるんだな……。」

 

紅介とカズマはそう会話すると、セナが現れた。

 

セナ「………。」

 

セナは無言でダイヤル式の牢屋の鍵を開け━━

 

セナ「釈放ですよ。

 

柔らかい口調で、釈放と言った。

 

紅介&カズマ「…え???」

セナ「今朝、被害者の領主殿に関する事件の資料で、何故だか次々と不正が発覚したんです。それと同時期、領主が失踪して、私達は緊急会議の結果、あなた達は冤罪で、領主殿は有罪、と言う事になりました。」

カズマ「じゃ、じゃあそれって……!」

セナ「ええ。先程の言いましたが、あなた達は無罪兼釈放です。」

紅介&カズマ

「…よっしゃぁああああああああ!!!」

 

こうして、紅介とカズマは、国家転覆罪の疑いが晴れ、釈放された。

 

カズマ「いやーっ!息を吸う様に出歩いてた外がこんなに気持ち良く感じるなんてなー。」

紅介「ヒキニートが何言ってんだよ。気持ちは解らないでもないが。」

 

紅介とカズマはそう会話しながら拠点となる屋敷の帰路へ着いていた。

 

紅介「………。」

 

すると紅介は一冊の手帳を取り出す。

 

カズマ「お前ソレ、あの時の日記か?」

紅介「ああ。あの時は怒りで読むのを止めたけどな。続きがあるとしたら、屋敷でじっくり読んで調べるさ。…あ、そうだ。あのモヒカン、ボコすか。まあもし冤罪だったら真犯人ボコすけど。」

 

紅介は少々寄り道をして、無事屋敷へ戻り……

 

紅介達「かんぱーい!!!」

 

釈放祝いのちょっとしたパーティーを開いていた。

 

紅介「いやー、一時はどうなるかと思ったよー。」

めぐみん「ええ。…それまで、勝手な行動をしてしまいましたが……。」

紅介「確かに経緯はアレだが、こうして無事に帰ってこれたから良いだろ?」

 

紅介はそう言いながらジャイアントトードの唐揚げを口に入れ、咀嚼しながら、膝の上に乗っている蒼い瞳の紅いリオルを優しく撫でる。

 

カズマ「…そう言えば、一体どうやって俺達の無罪を?」

離貅「…真犯人を見つけたんです。」

紅介「!?」

 

離貅の言葉に紅介は食事の手を止める。

 

離貅「…真犯人は、その領主のアルダープだったんです。」

カズマ「…そういえば、今朝、失踪したとか聞いたが……。」

離貅「殺してはいません。その方はご安心を。」

紅介「…同じくそういえば、領主に関する事件の資料で、何故だか次々と不正が発覚したとか聞いたぞ。」

アクア「ああそれね、悪魔の仕業だったわ。」

 

アクアはシュワシュワにより酔っ払いながら言う。

 

紅介「悪魔ぁ!?」

アクア「ええ!なんでも記憶や認識を改竄する能力を持ってたらしくてね。まあこの私が浄化したんだけどー!」

 

アクアはそう説明して大笑いする。

 

紅介「…じゃあ……。」

離貅「ええ。殺すよりもその悪魔を消せれば自然と死ぬでしょう。社会的に。」

カズマ「…おまえ、結構根に持つタイプなのか?」

ダクネス「………。」

 

紅介達が会話しているのを他所に、ダクネスは何処か考え込むような顔をしていた。

 

木葉「…ダクネスさん、どうしたの?」

ダクネス「…コウスケ、聞いてくれ。」

紅介「?」

ダクネス「私のダクネスと言う名は、偽名だ。」

 

ダクネスは唐突に紅介に向けて語りだす。

 

紅介「え?」

 

紅介がポカンと顔をして、カズマ達は何かを察した様子を見せ、ダクネスは胸元から高価そうな材質の紋章のようなペンダントだった。

 

ダクネス「ダスティネス・フォード・ララティーナ。この王家の懐刀と呼ばれる貴族、ダスティネス家の令嬢。それが私の正体だ。」

 

紅介「…ハァアアアアアアアアア!?

 

ダクネスの告白に紅介は驚愕する。

 

離貅「ああ……紅介は知るの初めてでしたね。」

紅介「え!?お前ら知ってんの!?」

木葉「昨日の深夜で、知ったばかりなんだけどね……。」

カズマ(俺はデストロイヤーの時に知ったんだけどな。)

紅介「…じゃあ、あの時━━」

ダクネス「冬将軍の時の事だろう?気にするな。原因は私だ。だからそう気に病むな。」

紅介「………」

カズマ「…ちょっと待て?真犯人が領主だったよな?警備とかどうしたんだ?」

 

するとカズマに疑問が浮かび、それを口にする。

 

離貅「…ある協力者が、手を貸してくれたんです。」

紅介「…協力者?」

めぐみん「はい!そうなんです!黒装束を纏った男が突然現れて、私たちに力を貸してくれたんです!!」

 

するとめぐみんは目をキラキラ輝かせて言う。

 

紅介「黒装束を纏った男?」

離貅「はい。その男は、まるで忍者の様でした。…いえ、ほぼ忍者です。」

紅介「忍者!?」

カズマ「まさかそいつ、俺達と同じ転生者か!?」

離貅「もしそうだとするなら、恐らく大先輩かと。」

カズマ「…なあ、領主の警備とかを切り抜けられたのって……」

離貅「その忍者が、警備などを無力化したお陰ですんなりと。」

紅介「…もしまた会えたら、お礼の言葉言わねえとな……。」

 

紅介はそう呟き、ジャイアントトードの唐揚げを口にする。

 

めぐみん「…そう言えばコウスケさん。」

紅介「?」

めぐみん「リオル…でしたよね?その仔に名前を付けるのはどうですか?」

紅介「名前か……。」

離貅「一応、ゲームのポケモンでは、ニックネームを付けられるそうですし、名付けたらどうでしょう?」

紅介「…そうだな………じゃあ、シユカ。そう名付けてみる。」

ダクネス「シユカか……良い名前だな。」

紅介「リオルはそれで良いか?」

 

紅介の膝の上に乗っている蒼い瞳の紅いリオルは紅介の言葉にそれが良いと言わんばかりに大きく頷く。

 

紅介「そうか。…じゃ!お前の名はこれからシユカだ!」

 

紅介は蒼い瞳の紅いリオルもとい、シユカを抱き上げながらそう名付け、シユカは嬉しそうに笑った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

???C「…紅蓮の子のソウキ・コウスケ、サトウ・カズマ、冤罪により釈放……か。」

 

そして、この世界のとある隠れ里にある城の中の大広間にて、橙の和装(・・)を着た男が、一枚のニュース雑誌を見ながら呟く。

 

???A「戻ったぞ。」

 

すると、古風な口調で喋る女性と、黒装束を纏った男性が大広間に入って来た。

 

???C「おお戻ったか。」

???A「うむ。して、あの記事を見たが、かの者らは、真にコウスケの仲間と値するようだな。」

 

女性は黒装束を纏った男性に対してそう言う。

 

???B「はい。」

???A「…ところで其方は妾達に秘密で浮気をしてるのか?」

???C「ばっ馬鹿者!!浮気などする筈が無いだろう!?」

 

女性の問いに橙の和装の男性は必死で否定する。

 

???A「ふむ……まあよい、ここに来る途中の記事で、あの二人の無実が判明した事を知ったが、其方が手を貸したのか?」

???B「はい。リクと言う者と、コノハと言う者は、進展はありませんでしたが、必死に証拠を探していた模様です。しかし他の者達は、コウスケとカズマを脱獄させそうとしていました。」

???A「…やり方はどうであれ、助けようと必死だった様だな。…それに、コウスケはどうする?」

???C「…もう少し、泳がせるとする。もしかすればあの者も、このムラクモを統治━━

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

いや、我や我が娘(・・・)の先祖、ソウキ・ジンキの血を受け継ぐ者かもしれぬな。」

 

            to be continued………




ミサトさん「橙の和装の男と言い、あの女と言い、あの忍者の様な男と言い、一体何が目的なのかしら……。…それでは次回予告をするわね。…謎の忍者による協力によって無罪が証明された紅介とカズマ、しかしその直後、仲間達の尻拭いをする事になるが、その時紅介達は、一人の紅魔族の少女と出会う。次回、『孤独な少女の友達』。次回も、サービスサービス!」


シユカ

紅介が保護している色違いにして、突然変異種の蒼い瞳の紅いリオル。今回の話でシユカと言う名前を付けられた。


例のモヒカン

ガチの誤解だったためボコられずに済んだ


この小説でのアルダープとその悪魔(ネタバレの為名前は伏せます)

離貅達により原作より早めに退場したので出番無し(無慈悲)
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