めぐみんの自称ライバル、ゆんゆんと出会ってから翌日、紅介達は昼食がてら、今日受けるとあるクエストのブリーフィングに冒険者ギルドに来ていたが……
めぐみん「ダンジョンに行くんですか!?」
そのクエストは、とあるダンジョンのクエストだった。
カズマ「ああ。今朝、ギルドに行ったら、ギルドの職員達がキールのダンジョンって言う初心者用のダンジョンに、偶然新しい通路が発見されて、大々的に調査クエストの案内を出そうとしてたところを偶然見かけてな。俺から頼んで特別に斡旋してもらったんだ。」
紅介「じゃあ、早めに済ませた方が良いな。それに、木葉は今朝から来たゆんゆんに遊びに行こうと誘われてどっか行っちゃったし。…ほいあーん。」
紅介はそう言って昼食を蒼い瞳の紅いリオルこと、シユカに食べさせながら言う。
離貅「ダンジョンですか……行ってみたいですね。」
ダクネス「私もだな。」
紅介「(絶対自分の性癖面を満たす為に言ってるだろうな……)…そう言えば、めぐみんはどうするんだ?」
めぐみん「…ダンジョンは…私の存在価値が皆無じゃないですか……。」
紅介「…じゃあ、爆裂散歩にでも行くか?」
めぐみん「…行きます。」
紅介「そうか。」
離貅「…では、ダンジョンは、僕とダクネス、カズマにアクアで行くと言う事になりますね。」
カズマ「だな。昼飯を終わらせてから行こうぜ。」
そんなこんなで昼食を終えた紅介とめぐみんは爆裂散歩に行き、カズマ達はキールのダンジョンへと向かった。
紅介「…で、今日はいつもみたいに例の城に行くのか?」
めぐみん「いえ、実は近くに良い感じの大きな湖があるんです。そこで私の爆裂魔法を放つんです!」
紅介「なるほど…良い感じの爆裂魔法が見れそうだな。」
めぐみん「でしょう!?」
紅介「………。」
めぐみんのご機嫌な様子を見た紅介は優しく微笑むが、直後に寂しげな顔をした。
めぐみん「…コウスケさん?」
紅介「…いや、ちょっと、故郷の事をな。」
めぐみん「…元居た世界の…事をですか?」
紅介「…ああ。地球って言ってな。俺はそこにある日本って言う国にある小さな田舎、
めぐみん「オリモリチョウ??」
紅介「ああ。そこは豊かな場所でな。なんでも、昔の時代、盗賊達に生活を脅かされていたんだけど、そんな時、一人の鬼が現れて、盗賊達を懲らしめたんだよ。そしてその鬼は、一人の女性と結ばれて、一人の子を産んだんだけど、いつしかその鬼は嫁となった女性と子を残して何処かへ消えてしまったって言う言い伝えがあったんだ。」
めぐみん「コウスケさん達は、かつてはそこに?」
紅介「ああ。当時から精々残ってるのは、山奥にある一つの神社だけ。」
めぐみん「…寂しんですね。」
紅介「寂しいよ。故郷…だからさ。」
めぐみん「…なら、なんとかして、コウスケさん達が元の世界に帰れるように、しましょう!」
紅介「…そうだな。…お、あれか?その良い感じの湖って。」
紅介が指差した方角には、大きな湖があった。
めぐみん「そうです!アレです!では早速━━」
一方その頃……
アクア「へー、カズマ達はそんな所に住んでたのねー。」
離貅「ええ。とてものどかな町です。」
同時期、キールのダンジョンの未知のエリアの捜索をしていた離貅とカズマは同行して来たアクアに奇しくも紅介と同じ話をしていた。
カズマ「…今こうして言い伝えを思うと、めぐみんが興奮しそうだな。」
離貅「そうですね。…もしかすれば、紅介のあの力と、僕達の故郷の言い伝えに関係が━━」
カズマ「ちょっと待った。…何か来るな。敵感知のスキルに反応してるぞ。」
カズマはそう言ってハンドサインを見せるが……
アクア「なになに?この私に指芸披露?ちょっと灯りつけなさいよ!影で狐や兎なんて
アクアはアホの子故場違いな反応をした。
離貅「違いますよ!!敵が来るので一旦引こうとカズマがジェスチャーを━━ッ!」
離貅がそう言いかけたその時、人型の異形が猛スピードで迫って来た。
離貅&カズマ&アクア「わぁああああああああ!!!!!」
そして、場面は紅介とめぐみんに戻り……
めぐみん「エクスプロージョン!!!」
たった今、大きな湖にめぐみんの爆裂魔法が炸裂し、湖水が雨の様に降り注ぎ、上空には美しい虹がかかっていた。
めぐみん「どうですか?この綺麗な虹…120点っ!」
紅介「うーん…まあ、見た目に関しては120点だな。」
めぐみん「ぐぬぬ……。」
紅介「…でも、ナイス爆裂だ。この調子で頼む。」
紅介はそう言ってドレインタッチでめぐみんに魔力を分けて言う。
めぐみん「…はい。」
紅介「さて、…あとは……ウィズの店に行くとするか。」
そうして紅介とめぐみんは帰りの寄り道にウィズの店に行く事に。
紅介「よおウィズ、買い物に来たぜー。」
紅介は軽く挨拶して店の中へ入ると……
めぐみん「あ。」
ゆんゆん「あ。」
ゆんゆんと木葉が居た。
ゆんゆん「わ、我が名はゆんゆん!なんと言う偶然!なんと言う運命の悪戯!こんな所で鉢合わせになるとは、やはり終生のライバル!!」
木葉「…それ、必要なの?」
ゆんゆん「ひ、必要よ!…故郷のみんなから必要だって言われてたから……。」
木葉「嫌なら素直にやらなくても良いんだよ?」
ゆんゆん「え?」
めぐみん「!」
木葉「私にとって、私と一緒に過ごしているゆんゆんがゆんゆんらしいと思うよ。」
ゆんゆん「そう…なの?」
木葉「うん。」
木葉の純粋無垢な言葉にゆんゆんは顔を赤くした。
めぐみん「…我ら紅魔族の名乗りが否定されるのが少し不快です。」
紅介「…そんな事言うなよ。…そう言えば、ゆんゆんってどんな子なんだ?」
めぐみん「一言で言うとぼっちですね。」
紅介&木葉「え。」
めぐみん「ゆんゆんは自分の名を恥ずかしがる変わり者でして、学園では大体独りでご飯を食べていました。その前をこれ見よがしにウロウロしてやると、それはもう嬉しそうに何度も挑戦して来て━━」
ゆんゆん「そ、そこまで酷くは…友達だって居たもの!」
めぐみん「…今、聞き捨てならない事が……ゆんゆんに友達?」
ゆんゆん「居るわよ!私にだって友達ぐらい……ふにふらさんとかどどんこさんとかが、私達友達よねって言って私の奢りでご飯を食べに行ったり━━」
するとその時、紅介は両手でゆんゆんの両肩を乗せる。
紅介「…そのふにふらとかどどんことは縁を切った方が良い。」
ゆんゆん「えぇ!?なんでそんなこ━━」
紅介「このままじゃお前はそいつらの道具に━━」
めぐみん「紅介さん、少し抑えてください。ここは私が!」
咄嗟にめぐみんが紅介の言葉を遮り、そう耳打ちする。
めぐみん「…散々勝負を挑まれてきましたが、私はもうあなたに敵うことはありませんよ。」
ゆんゆん「え?それってどう言う━━」
めぐみん「何故なら私は、このコウスケと一緒にお風呂に入る仲ですからね。」
紅介「な!?」
ウィズ「まぁ!」
木葉「え?」
ゆんゆん「えぇえええええええええ!!!??」
紅介「なんて事言ってんだよお前!!?ただでさえ忘れたいってのに━━」
ゆんゆん「きょ、きょ、」
紅介「?」
ゆんゆん「今日のところは私の負けにしといてあげるからぁあああ!!うぇええええええん!!!!」
ゆんゆんはそう泣き叫び、店から走り去って行った。
木葉「ゆ、ゆんゆん!?待って!!」
木葉は慌ててゆんゆんの後を追った。
紅介「…めぐみん?」
めぐみん「…今日も勝ち!」
いつからか取り出していたメモ帳に丸を書き込んだめぐみんは顔を赤くしながら勝利宣言を言った。
紅介「何が今日も勝ちだ!」
めぐみん「いたっ!」
紅介はそうツッコミしてめぐみんに頭にゲンコツをくらわせた。
そしてその夜……
紅介「へぇー、そんな事があったのか。」
離貅「ええ。この財宝は彼曰く、御礼代わりと。」
キールのダンジョンから無事帰還した離貅達は、夕食を食べながらそこであったとある出来事を紅介達に語った。
アクア「ええ!この私の活躍によってね!」
離貅「ですがあなたはアンデットから近寄られる体質を持っているじゃないですか。」
アクア「う……」
木葉「…そう言えば、ゆんゆんと一緒に遊んでた時、偶然紅介とめぐみんと会ったけど、あの時めぐみんが━━」
紅介「ッ!!」
木葉「紅介と一緒に━━ムグ!?」
その瞬間、木葉がめぐみんと一緒にお風呂に入ってた事を言おうとしたと悟った紅介は咄嗟に木葉の口を塞いだ。
離貅「ど、どうしたんですか!?」
紅介「いやー!?何でも無いぞぉ!?ちょっと木葉に話さなきゃいけない事が出来たんだぁ!ちょっと二人きりでな!」
木葉「え?え??あ〜〜……」
木葉は訳も解らず紅介に連れられていった。
カズマ「…何があったんだ?」
ダクネス「まさか、コウスケは━━」
離貅「そんな訳ないでしょう。妄想も大概にしてください。」
離貅は冷たい目付きでダクネスにそう言う。
ダクネス「にゅーん……!」
カズマ「………。」
めぐみん「…どうしましたか?」
カズマ「いや、シユカがさっきからお前の足を蹴ってるんだけど。」
カズマが指差した先にはシユカがめぐみんの足をテシテシと蹴っていた。
めぐみん「…ええ。知ってます。後で謝るつもりなので。」
カズマ「何があったんだよ……。」
そして、ちょっとした騒動は終わり、紅介はシユカを抱えたまま自分の部屋に戻った。
紅介「ハァ……休息だと思ったら急に忙しくなったな……シユカ、先にベッドに寝ててくれ。」
紅介の言葉を聞いたシユカは紅介の腕の中から脱出と同時にベッドへ飛び込んだ。
紅介「…俺はコイツを読んでからすぐに寝るよ。」
紅介はそう言って着ていた少し赤みがある黒いロングコートと、纏っていた紅いマフラーを脱ぎ、ポールハンガーへかけ、椅子に座り、机のロッカーから日記を取り出す。
紅介「…『ウェポンナンバー01・★ロックカノン。一秒間に二十発の光弾を射出し、威力、連射力、射程など、あらゆる点に於いて優れているオールラウンダーな大型カノン砲。そしてこの武装はブラック★ロックシューターの象徴とも言っても過言ではない。様々なメディアの記憶を全て絞り出して制作し、次ページに書かれている武装との同時併用により真価を発揮する。』…大型カノン砲って、てかこれを片手で持つってのか?」
紅介は隣のページにある大砲の様な絵にそんな感想を漏らして日記を閉じ、机のロッカーへ収納した。
紅介「…あの科学者、デストロイヤーの他に、とんでもないモノを遺して逝きやがったな。」
紅介は寝巻きに着替えながらそう呟き、ベッドに寝転がり、明日に備えて眠りについた。
そして、次の日……
セナ「サトウ・カズマ!サトウ・カズマは居るかぁあああ!!」
その日、王国検察官のセナがやって来た。
to be continued………
ミサトさん「故郷……叶うのなら、帰れると良いわね。…それでは次回予告をするわね。…めぐみんに微かに抱える切な願望を打ち明けた紅介。しかしその翌日、突如訪れて来た王国検察官のセナからカズマ達が探索したキールのダンジョンから異変が起きていると聞いた紅介達は、その原因究明の為に向かう。そして、其処に居たのは━━次回、『見透す悪魔』。次回もサービスサービス!」
紅介、離貅、木葉、カズマの生まれ育った故郷でこの小説オリジナルの架空の町。
紅介曰く、江戸時代で現れた一人の鬼が盗賊達を懲らしめ、一人の女性と結ばれ、その鬼は伴侶となった女性と子を残して何処かへ消えてしまったとか。