八雲の相棒   作:陽灯

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紅魔館編です。
きまぐれみりあ


レミリア・スカーレットと一日執事

紅魔館に到着した瞬間から違和感があった。

 

お茶会の招待が自宅に届き約束の日時に到着したのだが、門番が美鈴ではなく妖精メイドが立っていた。え、美鈴クビ?よく寝てるからってその仕打ちは・・・と思っていると妖精メイドがこちらに気づき駆け寄ってくる。

 

「詠知様ですね!こちらにお越しください!」

 

「あぁ・・・ちなみに美鈴は?」

 

「中に入ってから説明します!」

 

言われるがまま先行する妖精メイドの後ろについて行き、紅魔館の入り口をくぐる。

 

「美鈴さーん!詠知様が到着しました!」

 

「はーい!」

 

妖精メイドの呼びかけにメインホール横の部屋から美鈴が出てくる、その姿は普段の中華服ではなく・・・メイド姿であった。

 

「お待ちしていました詠知さん!」

 

「美鈴・・・どうした?まさか門番から配置転向を命じられたのか、左遷か?やっぱりいっつも寝てるから・・・」

 

「違いますよ!?実は・・・咲夜さんが熱を出してしまって。」

 

「咲夜が?大丈夫なのか?」

 

「永遠亭の方が来てくださって、普通の風邪だとは診断されました。ここ数日間自室で療養してもらってます。」

 

「無事そうなら良かった。ああ、だから美鈴がメイド長代わりをやってるわけか。」

 

「そうなんです・・・でも、ちょっと問題が・・・」

 

「美鈴さん!皿が割れちゃいました!」「美鈴さん!厨房が爆発しました!」「美鈴さん!」「美鈴さん!」「美鈴さん!」

 

「ちょっと待っててー!・・・あはは、こんな感じでして・・・」

 

「・・・確かにこの数の妖精をまとめ上げるのはな。何か手伝えることはあるか?」

 

「実は妖精メイドを門に待機させていたのは、それが理由なんです!こっちにお越しください!」

 

美鈴に連れられたどり着いたのは・・・更衣室?

 

「こちらの棚の中にある衣装に着替えてください!着替え終わったらメインホールの方に戻ってきていただければ。それまではさっきの後始末しにいくので!」

 

そう言って走り部屋から出て行った。

 

「・・・まぁ、着替えるか。」


「執事服だ・・・」

 

着替えた後合わせ鏡で自身の全身像を見る。完全に執事服だ。ただ私の体格が影響してボディーガードに見えないこともない。

 

メインホールに戻ると美鈴がやってくる。

 

「お似合いです詠知さん!」

 

「ありがとう。・・・まあ察しはつくが私は誰の執事をするんだ?」

 

「レミリアお嬢様ですね。」

 

「やっぱり。私を執事にしようなんて考えるのはあの吸血鬼くらいだと思っていたよ・・・レミリアは自室か?」

 

「はい、そちらで詠知さんを待っています。お茶会の準備はもうできてるので、お嬢様の面倒を見ていただければ。」

 

「分かった。美鈴も大変だと思うが頑張ってくれ、暇があるなら手伝いに行く。」

 

「あはは、お気遣いいただいて恐縮です。では、失礼します!」

 

美鈴と分かれた後レミリアの自室に向かう。部屋をノックすると「入りなさい。」と返事が返ってきたためドアを開ける。

 

「あら、似合ってるじゃない。体格も相まってボディーガードにも慣れそうで一石二鳥だわ。」

 

「全く・・・ハプニングがあったから仕方ないとは言え、私をいきなり執事にするとは中々なことをするな本当に。」

 

「ふふふ、この姿の写真が出回ったらどうなるかしらね?「八雲の相棒、紅魔館の軍門に下る」大ニュースね、幻想郷は滅亡するわね確実に。」

 

「勘弁してくれよ?あと大げさだ、そこまで私は重要な存在じゃない。」

 

「相変わらずの自己評価の低さね・・・。まあ今重要なのはあなたが私の執事だってことよ、さあ執事らしく振る舞いなさい。」

 

「そう言われても執事の経験がないんだが・・・お嬢様、お茶をお入れいたします。」

 

紅茶は阿求等によく淹れているためやり方はある程度知っている。そうやって淹れた紅茶をレミリアが口をつける。

 

「うん、咲夜ほどではないけど良い味ね。」

 

「お褒めに預かり光栄です。」

 

「・・・本当に欲しくなってくるわ。ほら詠知、私にこのケーキを食べさせなさい。主としての命令よ。」

 

「・・・かしこまりました、お嬢様。」

 

「(パクッ)~~♪」(パタパタ)

 

(すごい羽動いてる・・・)

 

なぜケーキがあるのかというと、咲夜が自身の不調を察しケーキを多めに作って時を止め保存しておいたらしい、非常に有能である。

 

「今度は私が食べさせてあげるわ、口を開けなさい。」

 

「かしこまりました・・・」(パクッ)

 

「ふふっ♪この私が食べさせてあげているのよ、感謝なさい♪」

 

ほぼ私が執事服を着ているだけのお茶会のようになっていないか?まぁ世話役としての対象がご機嫌なのだから別に問題はないだろう。

 

そのままおやつタイムは終わり、食器を台所に運んだ後に夕食の時間までは退屈しないように私の昔話を聞かせることにした。

 

吸血鬼同様に吸血を行う妖怪である磯女が、漁師の若者相手に恋におち最終的に共に命を絶った話。これでも数万年の時を生きている私の話の種は非常に豊富である。

 

最初は吸血鬼と比べ低位にも関わらず吸血を行う磯女の話に嫌そうにしていたが、最後の命を絶った場面ではズビズビ鼻水を出して泣いていた。やはり子どもである。

 

その後は食堂に向かい食事の配膳を手伝った、紅茶以来初めて執事らしいことをした気がする。しかし結局同じ食卓に座り夕食を共に食べたので執事らしさはあまりない。

 

レミリアを風呂に送り届け、「一緒に入って良いのよ?」と言われたが「高貴な吸血鬼様は一人でお風呂に入る。」と言いくるめて渋々だったが一人で入れることに成功する。最初付近は執事らしい振る舞いを意識してみたが昔話あたりからは完全にいつものやり取りになっていた。

 

部屋に向かいベッド(棺桶)を整え寝支度のためにパジャマとタオルを準備して浴室前に置いておく。

 

そして廊下で待っているとパジャマ姿で首にタオルをかけたレミリアが出てきたため、髪の毛をしっかり拭きつつ部屋に送り届ける。

 

後は髪の毛が乾くのを少し待ち、寝かしつけて業務は終了のところまで来た。

 

「後は寝るだけだな。」

 

「ねぇ・・・」

 

「どうした?」

 

「まだ、詠知にはやってもらわないことがあるの。」

 

「読み聞かせか?ならいくらでも読んであげるが。」

 

「そうじゃないわ。今日、本当はお茶会だったでしょ?咲夜が風邪を引いたから執事をやってもらうことにしたけど。だからお茶会の時に言おうと思ってたことなの。」

 

「・・・血、今日は吸ってないのか。」

 

レミリアは吸血鬼な故、毎日血を吸う習慣がある。かなりの少食ではあるが。いつもは咲夜が淹れる紅茶に入っている分で満足するが今回はまだ飲んでいないようだ。

 

「ええ。だから血を吸わせなさい、詠知の血はすごく美味しいのよ。」

 

「あぁ、いくらでも吸っていいぞ。」

 

そうやって右手を差し出し。レミリアはその人差し指に噛みつく。なぜ指先かというとレミリアと私の体の大きさがあまりにも違いすぎる、なおかつかなり筋肉がついているためその牙で皮膚を突き破ったとしても血管までたどり着かないからだ。

 

「ん・・・ちゅう・・・」

 

恍惚な表情を浮かべながら、私の右手を両手で包み込み指先にかぶりつき血を吸う姿は普段の見た目からは想像も付かないほどの美しさを感じる。そうして1分近い時間が経った後レミリアは指先から口を離した。

 

「ぷはっ。ふふふ、本当に美味しいわ・・・虜になってしまいそう・・・」

 

「血が美味しいと褒められるのは少し複雑だな・・・」

 

「私は血に関しては相当の美食家なのよ?そんな私がここまで美味しいと言うの、誇りに思いなさい?」

 

そう言ってレミリアは私の胸板に指を這わせ、そして少しずつ顔をこちらに近付け・・・首元に噛みついた。ほんの一瞬だけであったがきっかりと首元に小さな歯形がつく。

 

「本当は紅魔館、いや私が独占したいけど・・・他の奴らが邪魔してくるからこれで我慢するわ。これからも私のために血を吸わせにきなさい、いつでも歓迎するわ。」




紅魔館勢との出会いは別パートでまとめて書こうかなと。

次は咲夜、お見舞いに行きます。

アンケートおいたけど守矢神社の矢が誤字ってます。すません。
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