八雲の相棒   作:陽灯

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瀟洒(しょうしゃ)、初見じゃ絶対読めない


十六夜(いざよい)咲夜(さくや)とお見舞い

風邪で療養中のメイド長、十六夜咲夜へのお見舞い。そのためにレミリアの一日執事を終えた朝、私は十六夜咲夜の私室の前に焼き魚定食と濡れたタオルを持ってやって来た。服は昨日に引き続き執事服を着たままでいる。なんだかんだちょっと気に入っているため帰るまでは着てよう。

 

療養期間は美鈴が粥等食べやすいものを届けたり、身の回りの世話をしているようだ。紅魔館人手不足すぎでは?それだけ咲夜が有能だということの表れか。

 

あまり近付くと客人に対し真面目(なお大半が客人らしい振る舞い皆無で侵入してくるため客人らしい客人はいないらしい)な咲夜に無駄な気を遣わせてしまうと思っていたため、完治してから快気祝いを送ろうかと思ったのだが美鈴に「詠知さんが看病してくれれば咲夜さんも喜びます。」と言われ、なおかつ容態もかなり安定してきたため普通の食事でも大丈夫そうだと教えられたため、私が得意な和食を作ってきたのだ。焼き魚定食だが保存されていた魚は一体どのような経緯で手に入れているのだろうか。

 

部屋をノックすると「入って良いわ」という返事が返ってきたのでドアを開けて入る。

 

質素な部屋で、部屋の奥にベッドに座り読書に集中している咲夜の横顔が見える。血色はよく容態はずいぶんと回復しているようだ。

 

扉を閉じベッドの近くにある机に朝食を置きタオルはその横に置く。そのタイミングで咲夜は本を閉じた。

 

「ありがとう、美鈴。毎日世話をしてくれ、て・・・」

 

こちらを振り向いた咲夜が、目を丸くし硬直する。そういえば名乗ってなかった。

 

「え、えい、詠知様!?なぜここに!?その服は!?そ、そんなことより申し訳ありませんこのような姿で!すぐに着替えますので!」

 

そう言いながらあたふたとする咲夜を、能力を使わせまいと即座に抱き上げ机に運び椅子に座らせる。

 

「すまん、名乗ってなかった。実は昨日の茶会ついでにレミリアの一日執事をしていてな、執事らしいことはほとんどしていなかった気もするが・・・。今は純粋にお見舞いに来ただけだ、」

 

「・・・そうなんですか。お見苦しいところをお見せして申し訳ありません。」

 

「今はメイドじゃなくて看病されてる病人なのだから、何も見苦しいことはない。さ、食べてくれ。あまり時間がなくて凝ったものは作れなかったが、柔らかく焼けたと思う。」

 

「詠知様の手作りですか。ぜひいただきます。」

 

普段焼き魚を食べないだろうに、綺麗に背骨を取って食べる姿はさすが完全で瀟洒な従者だなぁと思う。口に合うか不安ではあったが「非常に美味しいですわ。」と言ってもらえて一安心である。

 

咲夜が完食した後、再度抱きかかえベッドに運ぶ。「自分で動けます」と言われたが「回復しているとは言え病人だし私は今は執事、遠慮する必要はない」と言うと黙って運ばれてくれた。

 

「改めまして、見舞いありがとうございます。あげく朝食まで作っていただいて・・・感謝してもしきれません。」

 

「友人であるレミリアを支え、異変の時も活躍してくれている。そして私を客人としてもてなしてくれる。そんな咲夜が病気と聞かされれば、見舞いに行かない道理はないさ。」

 

「そんなに評価していただけるなんて・・・嬉しいですわ。」

 

その後は執事(レミリアの世話)の話や次のお茶会の話。「今回振る舞えなかった分次回は沢山お作りしますわ。」と気合いが入っているようだった。

 

「あの・・・実は」

 

「どうかしたか?」

 

「普段は毎朝美鈴が来たとき、朝食と一緒に濡れタオルを持ってきて体を拭いてくれるんですわ。今回も持ってきていただいたようですが・・・」

 

「あぁ、これは体を拭くためのタオルか、自分で拭ける?そうでなければ美鈴を呼んでくるが。」

 

「一人で拭けるので大丈夫ですわ。それで・・・その・・・」

 

「大丈夫、今外に出るから、お大事に。食器は下げておくから。元気になったらまた話そう。」

 

咲夜は大人びた雰囲気があり非常に優秀だが人間の少女だ。さすがに体を拭いてもらうのは恥ずかしいだろう。・・・霊夢は少し別だが。

 

そう言って机にある濡れたタオルを取り手渡したとき、咲夜が驚いた表情を見せた後目を細める。

 

「・・・?どうした?」

 

「詠知様、そちらの首元の傷は?」

 

「・・・これはちょっとな。事故のようなもn「お嬢様ですね?」・・・あぁ。」

 

咲夜の表情が普段のメイド長時のような無表情に変化する。それと同時に寒気が出るような雰囲気を咲夜から感じた。

 

「これは吸血の一環d「決めました。」・・・何を?」

 

「ぜひ体を拭いていただきたいです。」

 

「いや・・・それはさすがに・・・」

 

「駄目でしょうか・・・こうやって詠知様にお願いしたり甘えられる機会は限られるのですが・・・」

 

「・・・今回だけだぞ。」

 

咲夜の普段の働きを考えると、部外者の私でもできる限り労りたいとは思う。そんな彼女の願いであるため了承してしまったが、幻想郷の少女達は揃いもそろって無警戒すぎる。まぁ変な気を起こすような男を即座に葬れる程度には強いからしょうがないのかもしれないが・・・

 

だが本当に良いのだろうか、そう思いつつふと窓の外を眺めると・・・

 

「・・・」

 

美鈴が庭からこちらに満面の笑みで親指を立てていた。・・・これを予測して見舞いを勧めたのか?と頭を抱えそうになった。

 

そうしている間に咲夜がパジャマのボタンを外し出す。さすがに服を脱ぐ場面をジロジロと見てはいけないと思い後ろを向き「終わったら呼んでくれ」と言う。

 

「・・・良いですわ。」

 

振り向くと、純白の下着に身を包んだ咲夜が座っていた。

 

白い肌に対し目立ちすぎるほどに顔は耳まで真っ赤に染まり、視線を下に落としている。

 

ここは早めに終わらせておかなければ恥ずかしい思いを続けさせることになる。

 

「後ろを向いてくれ、背中から拭こう。」

 

「はい・・・どうですか?私の姿は。」

 

「・・・あまり少女にいい歳した大人が言う言葉ではないが・・・すごく綺麗だ。緊張してしまうくらいにな。」

 

「・・・ふふ、嬉しいですわ。」

 

「触れるぞ。」

 

「はい・・・っ」

 

「くすぐったいか。すまない、少し我慢してくれ。」

 

腋や背中、首筋、お腹に内腿を拭いていくのだがくすぐったさからか口を押さえ小さく声をあげるので私を緊張させる。純粋に扇情的なのと、下着姿の少女の肌を拭く行為が外界で法に触れかねないというのも一因である。

 

そんなこんなで緊張の時間だったがなんとか拭き終わることができた。

 

「これで終わりだ、お疲れ様。」

 

「・・・まだ、終わっていませんわ。」

 

「もう拭くところはないだろう?これで終わり。部屋から出るから着替えなさい。」

 

そういっても咲夜は握った手を離そうとしない。

 

「私は嫌ですわ。お嬢様の伴侶やパートナーとしての詠知様を歓迎するのが、そんな形で詠知様が紅魔館の一員になるのが。」

 

「首に噛みつかれただけだろう?そんな心配をする必要なんて・・・」

 

「吸血以外で首に噛みつくその意味をご存知で?・・・もしお嬢様と関係を持つのだとしても、詠知様は変わらず接してくれる。でも、もうそれ以上をもう望むことは出来ない。従者である私には特に。」

 

「・・・」

 

「だから、意識して欲しい。貴方に。何があっても貴方の優しさに、愛情に触れ続けていられるように。・・・ふふ、知っていますわよね?私は完全で瀟洒なメイドですわ。尽くすのは大の得意なんですよ・・・?」

 




主人に嫉妬心を燃やす従者。
少し扇情的なのにチャレンジしたかった。文章力をアップしたい。

日刊ランキングの方にこの作品があってビックリしました。見ていただき本当にありがとうございます。執筆が捗ります。

次はパチュリー

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