八雲の相棒   作:陽灯

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勢いで書く、草むしりの休憩中に執筆
意外と原作では知的なフラン


フランドール・スカーレットと地下室

「待ちなさい詠知~♪」

 

「捕まえられるものなら捕まえてみろー」

 

「むぅ、「フォーオブアーカインド」!」

 

「それは卑怯じゃないか!?」

 

「「「「待てー!!」」」」

 

パチュリーと予定を合わせた後、私は地下室に来た。理由はレミリアの妹であるフランドール・スカーレットに会うためだ。

 

気が触れているという理由で500年近く閉じ込められ続ける(ほぼ自主的に閉じこもっている)フランは、「ありとあらゆるものを破壊する程度の能力」というあまりにも危険すぎる能力を持っている。

 

幽閉状態とはいえ、幻想郷に与える影響を懸念した私はレミリアに無理を言い、フランの狂気を抑えられないかと色々画策するようにした結果・・・ある程度狂気を抑えることに成功したのだ。

 

まあ簡単に言うと私の「長生きする程度の能力」による効果の一つ、「即死の回避」効果や紫の能力で身体能力を強化してもらった状態でフランの破壊衝動による攻撃を避け、耐えながらコミュニケーションを連日とり続ける。

 

そんな無理矢理過ぎる方法だが信頼関係を築き・・・最終的にはフランの破壊衝動を一時的に抑えることに成功したのだった。

 

随分と荒療治だったものの、ある程度の狂気の抑制には成功したと言えるためやった甲斐はあった。どちらかというと無茶をしすぎだというその後の皆からの説教の方が辛かった。

 

今の鬼ごっこも、出会った当初と違いほぼ純粋な鬼ごっこである。最初の鬼ごっこはただの「人間狩り」だった。

 

「捕まえたー!」

 

「はぁ・・・はぁ・・・4対1は無理がある・・・」

 

「じゃあ今度は詠知が鬼ね♪」

 

「ちょっと待って・・・子どものバイタリティが凄すぎる・・・」

 

さすがに吸血鬼のスピードとスタミナに追いつけるはずもなく、そこから1時間くらいの激闘の後私は仰向けに倒れ込んだ。

 

「・・・・・・」

 

「大丈夫?死んじゃった?」

 

「死んでない・・・さすがに1時間全力疾走は来るものがある・・・」

 

「ギブアップする?コンティニューはできないけど。」

 

「あぁ・・・ギブアップだ。」

 

「じゃあ罰ゲームね!」

 

「・・・やっぱりか、手加減してくれよ・・・」

 

フランが私の上に馬乗りになる。

 

「それじゃあ・・・きゅっとして・・・」

 

「ちょっと待て!それは洒落にならない。」

 

「冗談冗談♪いつも通り血を吸うだけだから♪」

 

「・・・心臓に悪い、好きに吸って良いがその冗談は勘弁してくれ・・・」

 

「じゃ、ちょっと痛いけど我慢してね~♪・・・へぇ。」

 

その状態で、私の首筋に顔を近付け・・・首筋の左側にそのまま噛み付いた。

 

「っつ・・・」

 

「じゅる・・・じゅる・・・」

 

レミリアの噛み付きとは違う、吸血するための噛み付き。無理矢理皮膚や肉を突き破り、血管まで牙を通そうとする遠慮のない噛み付きはさすがにかなりの痛みを伴う。

 

「・・・ぷはっ!・・・やっぱり詠知の血は最高ね。」

 

口から私の血を垂らしながら、狂気的な笑みを見せるフラン。・・・その顔は、初めてフランと出会ったときと何ら変わらなかった。

 

フランの狂気は別になくなったのではなく、抑えれるようになった時間が延びただけだったのだ。

 

そのため外出自体はできるようになったが、数日にわたっての外出はできない。結局地下室にいないといけない時間があることには変わらない。

 

・・・所詮私という「壊れないおもちゃ」ができたことで心に少し余裕が出来ただけなのだ。

 

「あーあ、詠知を私の眷属にできればいいのに。いくらやっても全く変化しないんだもん。」

 

「・・・とりあえず満足したか?止血してくる。」

 

眷属化しないのは私の「長生きする程度の能力」が「人間」として長生きするという概念になっているのではないかと個人的に推測している。別種族になることを本質的に拒んでいるのだろう。

 

「・・・ま、今日はこれでいいや。また来てね。」

 

「また来た際に寄らせてもらうよ、じゃあ元気で。」

 

左手で傷口を抑えつつ、地下室の扉に手をかける。

 

「ああ、一つ言いたいことはあるわ。」

 

「何だ?」

 

「次からは右のその噛み跡、つけてここに来ないでね?次は噛みちぎっちゃうかもしれないから。」

 

「・・・レミリアのか、分かった。気をつけるよ。」

 

確かに姉の噛み跡がついた男を見たいとは思わないだろう。次から気をつけるか。

 

 


 

「・・・お姉様があんなに見せつけるように跡を残すなんてね・・・、随分積極的になったじゃない。」

 

「あら、姉妹同士。同じ血に魅了されるのは至極当然じゃない?」

 

「!?・・・お姉様、見てたのね。随分と見せ付けてくれちゃって、嫉妬のあまり噛みちぎって殺してしまうところだったわ。」

 

「そこまで行くのなら能力で分かるし最初から止めてるわ。まあその前にスキマ妖怪あたりが止めるでしょうが。・・・結局フランも詠知が惜しいのよ。」

 

「だから何よ。」

 

「ねえ、詠知を紅魔館の人間にしたくない?」

 

「・・・ふーん?お姉様にしては面白いこと言うじゃない。詠知の立場くらい閉じこもってる私でも知ってるわよ。監禁して洗脳でもするつもり?」

 

「1日でも失踪した瞬間に霊夢に異変扱いされるような人間を監禁なんてできないわよ。洗脳も試みた瞬間に戦争が始まるわ。普通に紅魔館に暮らしたいと思わせれば良い。」

 

「それが簡単じゃないでしょうに。そこまで紅魔館に惹かれる要素はないでしょ。」

 

「あら、そんなことないわよ?咲夜は想定通り火が付いたみたいだし人間同士気も合うでしょう。鍛錬相手として美鈴がいるし、美鈴は詠知にベタ惚れだし。娯楽として大図書館があるからそこでパチェに魔法を教えてもらえば良い、パチェも乗り気だし。そして私は詠知を執事として雇う、ワーカーホリックな詠知は主人を持てて働き口があって給金も出ていいでしょう。」

 

「・・・私は必要ないじゃない。詠知を傷付けるだけの私はいらないってわけ?」

 

「そんなこと言うわけないじゃない、フランは詠知が紅魔館にいる一番の理由よ。」

 

「・・・どういうこと?」

 

「フランがその嫉妬で暴走するたびに詠知はフランのことを心配するの。もし詠知が紅魔館に住み始めた時、そんな暴走する危険のある子を置いて去るなんて事は絶対にないわ。フランは詠知への抑止力になる。」

 

「・・・私のその部分をダシにするのはむかつくわね・・・でもいいわ。それで詠知がここにいる理由になるのなら協力してあげる。」

 

「ありがとう、・・・ふふふ、その時が楽しみね。」




ちょっとフランの出番少なかったかも、一通り勢力を回り終えたら色んなキャラ再登場させる予定なのでそこで出番をば。
純粋に狂気の抜けきった無邪気なフランも好きですが、狂気が残ってるタイプのフランも好きです。
紅魔館結託(予定)

アンケートは本編次話の美鈴を投稿した時点で閉めます。

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