れーせんうどんげいんいなば
日刊ランキング98位に入ってました、嬉しい。
人間の里を歩いている際、普段は人間の里にいない知っている顔を見かけて声をかける。
「やあ、鈴仙。」
「あれ、詠知さんじゃないですか。よく分かりましたね、結構溶け込んでたと思うんですが。」
鈴仙・優曇華院・イナバ。永遠亭に暮らす元月の兎である。数十年前に月から逃亡し今では永遠亭で永琳の弟子として働いている。
普段の制服のような服を着た格好ではなく、編み笠で髪と耳を隠しつづらを背負う行者に近い格好であるが正直知っている人間なら見れば分かる。
あまり人間の里で目立ちたくないが故の格好であるため、道の真ん中で長話をすると注目を集めてしまう。
「見れば分かる。それより目立ちすぎるのもあれだし、少し場所を変えるか。」
「能力でもう二人とも見えないし聞こえなくなってるので大丈夫ですよ。」
「・・・相変わらずすごいなその能力。」
"波長を操る程度の能力"。名前の通り波長があるもの全てを操れる、音に光に電磁波、物質に精神の波動とほぼ何でもありである。元々"狂気を操る程度の能力"だと思っていたが能力の一端にすぎなかったというわけだ。
「ふふん♪すごいでしょう、もっと褒めてください!」
多分笠の中で耳がピコピコいっている、それが確信できるくらいのどや顔である。あと月兎はすぐ調子に乗る癖でもあるのだろうか。
「いくらでも後で褒めるから、移動はするぞっと。」
「ビームだって撃てるんで・・・え?何をってきゃっ!?」
とりあえず抱きかかえて跳ぶ。飛ぶのは苦手だが跳ぶだけなら家屋くらいひとっ飛びである。そのまま少し離れた裏路地に着地する。
「あのままだと周りが気付かずぶつかられるかもしれなかったしな、って鈴仙?」
「きゅぅ・・・」
「えぇ・・・?」
懐に入っていた薬売りの訪問場所をまとめた地図を見たところ、人間の里での訪問は終わっていて帰るようだったのでとりあえず再度抱きかかえて跳ぶ。
竹林の入り口付近に着き、鈴仙を横に寝かせ起きるのを待っていると・・・竹林の方から誰かが駆けているのに気付く。
「パ~パ♪」
「妹紅、今日も元気そうだな。何よりだ。」
「~~♪」
妹紅だった。抱きついてきたため抱きしめ返し頭を撫でる。
今までの孤独を発散するかのように甘えてくるようになった妹紅は、二人きり?になるとこんな感じになる。一応人前では普通の態度を保っているが少しでも二人きりになれる時間があると即座にこうなる、切り替えがあまりにも早すぎる。気絶している鈴仙は妹紅にとってはいないものみたいな扱いらしい。
「今日は妹紅は慧音と夜ご飯に行くんだろ~友達と仲良く出来てパパは嬉しいぞー。」
「~~♪」
我ながら親馬鹿が爆発している気がする、妹紅の娘力が高いのが悪い。
「うぅん・・・あれ?ここは?詠知さんに・・・妹紅?」
そうこうしている間に鈴仙が目を覚ました。まずい、鈴仙にバレると輝夜へ伝わってしまう。それはよくない。
「鈴仙、あまり詠知に迷惑をかけないようにな。それじゃ詠知、また会おう。」
「・・・ああ、またな。」
口調がすぐに戻り、鈴仙と私に一言掛けてスタスタと人間の里の方に歩いて行く妹紅。切り替えが早い。
「起きたか。気絶した理由は覚えてるか?」
「確か、里中で詠知さんに会って・・・あ。」
「思い出した?」
「もう、いきなりびっくりさせないでくださいよ!」
「いやまさか気絶するとは・・・」
最近では月に乗り込み異変を解決するほど*1に堂々とした立ち振る舞いをしていた鈴仙。まさかあれだけで気絶するとは思わなかった。
「人間の里で訪問する場所もなさそうだったから竹林まで運んだんだが問題なかったか?」
「あとは帰るだけだったので大丈夫です。」
「なら良かった。・・・帰るならついでに私も永遠亭に行こうかな。」
監査(仮)をしに行こうかと思い立つ。白玉楼、紅魔館を訪れたが茶会のついでみたいなものだったので自発的に訪れようかと思ったのだ。
あと前に風邪*2を引いたときと、咲夜の診察をしてくれた礼を言いたい。
「丁度良いですね!姫様も会いたがってましたし、お師匠様も「そろそろ定期検診をしたい」って言ってましたし!」
「・・・なら丁度良いか、向かおう。」
結局監査はついでになりそうだ。・・・まあいいか。
竹林の中永遠亭に向かって二人で歩く。
「風邪は完全に治ったんですか?」
「ああ、おかげさまですぐに治ったよ。」
寒気と暖気の相互攻撃をくらって見事なまでに風邪を引いたわけだが、永遠亭印の薬と自前の能力で数日で治った。
「なら良かったです。詠知さんは普通の人間なんだからご自愛してください、ただでさえ無茶して怪我ばかりしてるのに、病気にまで罹られると余計に心配になります。」
「気をつけるよ。・・・思ったがそんなにかしこまった話し方じゃなくていいんじゃないか?そもそもかなり長生きだろう。」
鈴仙の詳しい年齢は知らないが、月の住人は不老不死でありそれこそ数千万年の単位で生きている。月の兎(玉兎)も不老不死とはいかなくとも長生きであることは確かで、そこに住んでいた鈴仙も永琳ほどとは言わなくても相当な長生きであるはずだ。
「お師匠様と姫様の恩人にそんな真似できませんよ。というかお二方がいなければ私も行き先を失ってましたし、実質的に私の恩人でもあるので。」
「そんな大層なことをした記憶はないんだが、永琳の能力ならどこに行っても余裕で生活できただろう。」
永琳は超を軽く超す有能だ、月から来たばかりの状態でもいくらでもやりようは合ったはずだ。
「・・・それ、お師匠様と姫様には言わないでくださいね?」
「その耳、よく笠に入るな。」
今は外しているが、笠を被っている状態でよく頭の上の大きい兎耳が隠れるものだ。
「結構折りたたみできますし曲がるんですよこれ。」
自由に耳を動かしたり曲げたりする鈴仙。結構自在なものなんだなと思っていると一つ疑問が浮かぶ。
「一つ聞きたいんだが、人間みたいな耳はついてるのか?」
思い返すと月に行った際に見た玉兎や竹林に住む妖怪兎は耳の部分が必ず髪で隠れている。人間をモチーフにして変化したのであれば人間と同じ耳がついているのではないか、すごく気になってきた。
「・・・見たいんですか?」
「うん、見たい。」
「本当に見たいんですか?」
「?見たい。」
お燐みたいに猫耳と人間の耳両方あるパターンなのか、はたまた存在すらしていないのか気になる。
「・・・分かりました、詠知さんになら見せてもいいです。」
そう言って私の前に立ち止まる鈴仙。その顔が赤らんでいるのを見て感じ取る、「これってデリケートな問題なのか?」と。
「ちょっと待ってくれ、そこを見せるのって鈴仙にとってあまりよろしくないこと「責任取ってくださいね。」待ってくれ、私が悪か・・・あっ。」
人間の耳は果たしてついているのか・・・
永夜抄と比べると紺珠伝の鈴仙の成長がすごい。
多分次はてゐ
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