「それにしても広いな・・・お、錦鯉泳いでる。」
渡り廊下を歩いて輝夜の私室に向かう。元々最初にここにたどり着き隠れ家を作成したときにはただの掘っ立て小屋だったのだが、再度会いに行った際今の永遠亭になっていた。月人の技術って凄い。一体資材は何を使ってどこから調達したのだろうか。
1000年以上前から存在しているはずなのだが一切劣化が見られないのは輝夜の能力によるものだろう。
"永遠と
永遠亭の状況を見る限り、どうやら存在するものを永遠にできるらしい。
「じゃあ須臾って何ができ・・・あれ?」
独り言を話しながら庭にある池を泳ぐ鯉を眺めていると一瞬で景色が変わる。見覚えのある部屋・・・輝夜の私室の中心に私はいた。
「ふふ、須臾ってこういうことができるのよ詠知?」
「・・・やあ、輝夜。」
「兎が詠知が来たことを伝えてくれたから待ちきれずに連れてきちゃったわ。」
須臾は「僅かな間」という意味を持つ。おそらく一瞬で何か行動を起こせる能力なのだろう、永遠の能力だけでも異常なのだが・・・。
「須臾ってそんなことができるのか・・・永遠だけでも相当な能力なのにその逆もできるとは恐れ入った。」
「普段使うことはないから知らないのはしょうがないわね、事を急ぐようなことは基本ないしその場の時間を大事にしたいから。今日久しぶりに使ったわ。」
「そうなのか。・・・そう言えばこの前まで庭の池に錦鯉はいなかった気がするんだが、飼い始めたのか?」
「ええ、兎達以外にペットの飼育でもしてみようかなと思って。」
「なるほどな、多趣味なのは良いことだな。」
部屋を見渡すと窓際に盆栽があったり、けん玉やヨーヨー等の遊び道具があったり、ボードゲームがあったりと物が沢山あることが分かる。多くの事柄に興味を持ち進んで学びにいく姿勢は非常に良いことだと思う。
「そうだ、詠知に見せたいコレクションがあったのよ。」
自分でも理解出来ない珍品が沢山あった。一体どこから調達してきているのか。というかいつ見ても金閣寺の一枚天井を振り回す姿に脳が理解を拒否する、あの華奢な輝夜も人間の比にならないパワーを秘めているのは月人のポテンシャルか。
今は黒髭が樽に入っているおもちゃで遊んでいる。
「・・・ここだ(ピョン)・・・。」
「2連続で1発目に負けってある意味凄いわね・・・」
「鯉に餌をあげる機会なんてなかった気がするな・・・(ばくっ)痛っ。」
「餌ごと指を噛まれることなんてあるのね・・・。」
「外界の雑誌で見た髪型なんだが、ポニーテールも似合うな。」
「結構良いわねこれ。次はさっき言ったツインテールってのにしてみて?」
「野球ってのもやってみたいわね、こういう風にすればいいのかしら。」
「結構人数と場所がいる競技だからな。って蓬莱の玉の枝をバット代わりにするんじゃない!?」
「やっぱり誰かと遊ぶのは楽しいわね!」
「なら良かった。」
輝夜の戯れに付き合ったり雑談したりして数時間が経った。日が落ち始めてきたためそろそろ帰らなければならない。
「じゃあそろそろ帰るよ。」
「え?泊まっていくんじゃないの?」
「ここに来ることも唐突だったからな、さすがに泊まっていくのは色々と悪い。また来るよ、私も楽しかった。」
そう言って部屋の扉を開けようとすると・・・
「待ちなさい。」
輝夜に肩を掴まれ、動きを止められ無理矢理輝夜の方に向かせられる。
「特に予定もないなら泊まっていきなさい、まだまだ喋り足りないし遊び足りないわ。」
「・・・それならご厚意に甘えて世話になるよ。」
そこまでして断る理由もあるわけではない、主である輝夜が許可するのなら厚意に甘えようか。
「よろしい♪お泊まり会もしてみたかったのよね、一緒にご飯食べて一緒にお風呂入って一緒の布団で寝て・・・」
「ちょっと待て。」
一緒に食卓を囲むのは分かるが風呂や同衾はさすがにおかしい。
「何か問題でもあった?」
「同性の友人に対してならまだしも、異性相手にそれは良くないと思うぞ。」
「あら、私と詠知は親友じゃないの。今更性別がどうこう言う仲じゃないわ。」
「私の心情的には申し訳なさがあってだな・・・」
それこそ輝夜は都中の貴族を虜にした"かぐや姫"なのだ。その美貌は同じく(一応)人間である私にとっても惹かれるものはある。長い付き合いであるため強く意識することはないが、少し緊張するところはある。
「妹紅とは一緒に入るのに、私はダメなのかしら。」
「いや妹紅はほら、娘みたいな存在だから・・・・・・何で知ってる?」
妹紅との関係は誰にも喋っていないはずだ。なぜ輝夜が知っているのか。
「妹紅といつも通り喧嘩している時に詠知の話題が出ることは結構あるのよ。お互いにとって大切な友人だからね。そのときの反応に違和感があったから詠知に鎌を掛けた、綺麗に引っかかってくれたから確信に変わった。」
「・・・事情を説明させてもらっていいか?」
「それは追々聞くから大丈夫よ、想像着くけどどうせいつもみたいに甘やかした結果でしょうし。でも、妹紅はそういう風に甘やかしておいて私には無しは不公平だと思わない?」
「・・・妹紅への対抗心で言っているなら、絶対に後悔する。だから(グイッ)うわっ!?」
輝夜に畳の上に投げられ、輝夜に上に跨がられる。
「見くびらないで、本心からじゃないとこんなことしないわ。・・・対抗心があるのは事実だけど、それだけじゃないことをゆっくり教えてあげる。逃げようと思わないでね、バラしちゃうかもしれないわよ?」
「~~♪」
「輝夜、ご機嫌そうね。」
「あら永琳、詠知が泊まっていくから嬉しいのよ。ご飯は詠知の分も用意してもらうように言いに来たの。」
「それは良かったわね。詠知は今輝夜の部屋?」
「そう、今なら2人っきりになれるしもう1回"お兄ちゃん"に甘えに行ったら?」
「!?・・・見てたの。」
「こっそり覗いてた私に気付かないくらい焦ってたけど、嬉しそうだったわね。」
「・・・ええ、初めての感覚だった。でも心地よさを感じるくらいのことだった。」
「なら好きにしましょう。私は好きに甘えることにしたし永琳も好き放題甘えればいい、そのために詠知を泊まらせたんだから。」
「・・・夕飯の件は鈴仙に伝えてもらっていい?私は向かうところがあるから。」
「よろしい♪・・・ふふ、鈴仙にも伝えないと。今夜が楽しみね♪」
永遠亭編はここで終わりです。
二次創作でのニート設定のイメージ強いけど多趣味でアグレッシブ寄りな輝夜。
妹紅のライバルが妹紅に関することで黙っているはずはなく・・・。
何話か投稿した後にアンケート閉めて次の場所を書き始めます。結構均衡してますね。
次に行く場所
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命蓮寺
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神霊廟
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守矢神社
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妖怪の山
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地霊殿(旧都)