湯船からあがったお空を見てふと思うことがあったため質問する。
「あれ、お空また身長大きくなったか?」
「うん!2せんち?アップだって!さとり様が言ってた!」
「おー、それは良かったな。いつか私より大きくなるかもな~」
元々お空の身長はかなり高め*1で、普段の仕事の際に身につけている服装の状態ではお空が見上げることなく目線が合う程度の身長差になる。
すでに人間の里に居る男性の中に立たせても頭1つ抜ける程度の身長が、さらに伸びている。地獄鴉が大きくなりやすいというよりは八咫烏の力を取り込んだ結果、その分体が大きくなったと考えるのが正しいだろう。事実八咫烏の力を得てから身長が伸び始めた。将来的にどれほど大きくなるのだろうか、少し楽しみだったりする。
「あとばすと?は5せんち?アップって!」
「・・・いっぱいご飯食べて偉いぞ~」(なでなで)
「えへ~♪」
・・・失礼だが、あんまり頭は成長しなかった。子どもらしい言動は全く変わらず、その見た目とのギャップは私を不思議な感覚にさせる。
だが、おかげで"核融合を操る程度の能力"なんて凶悪な能力を持ちながらそれを悪用しようともしないのは救いか。
「大きくなると測定の時にさとり様が褒めてくれるんだ~♪詠知にも褒められるし、もっと大きくなる!」
「うにゃあ・・・あたいは全く変わらないから、全然褒めてもらえないよ・・・」
押し流されていたお燐も湯船からあがる。お燐の身長は幻想郷の少女達の平均くらいであり、高身長のお空と並ぶと身長差がかなりある。
「身長がもう伸びないとしても、体型を維持するのも大変だと思うぞ。お燐も偉いぞ~」(なでなで)
「うにゃー♪」
幻想郷の少女達のスタイルの良さは正直異常だと思う。割と麻痺しているが、目の前のお空とお燐もスタイルの良さに加え超がつくほどの美人なのだ。
「あ、でもこの前測ったときはバストが確か・・・」
「はい、この話は終わりな。お空もそうだが他人に身長はまだしも自分の体型の数字とかは言うものじゃないぞ。」
「何でさ?詠知とは友達同士なんだから別にいいじゃないか。」
「うにゅ・・・お燐にも詠知にも遠慮とか隠し事とかしたくないよ・・・」
「同性ならいいかもしれないが、あんまり異性に堂々と言うのは・・・ほら、恥じらいというか何というか・・・」
「一緒にお風呂入ってる時点で今更じゃないかそんなのー、あと異性の友達なんて他のペット以外詠知しかいないんだから気にする必要ないよ。」
「そうだそうだ!」
「・・・確かに今の状況でそんなこと言っても説得力の欠片もないな。」
一緒に風呂に入る時点で、スリーサイズがどうたらとかもう今更だった。強者の9割9分が女性な幻想郷において、性別の概念は割とどうでもいいことなのかもしれない。・・・随分麻痺してるな私も。
『あ、いた!私もお風呂入ろー!』
「とりあえずお空、翼を洗うからここに座ってくれ。」
「わかったー!」
「じゃああたいはあたいでやることがあるからお空のことよろしくねー♪」
お空を風呂用の椅子に座らせ、桶に石鹸を混ぜたお湯を用意する。お燐は部屋の奥に行って見えなくなってしまった・・・見えなくなるくらい広い温泉部屋って何だろう。
「何の話が聞きたい?」
「う~ん、何でも良いよ!詠知の話なら。」
「そうか?ならこの前人間の里であった話なんだが・・・」
話をしながら、お空の翼を洗っていく。手の届かない翼の背中側や付け根部分を特に丁寧に石鹸水をつけて手でこすり汚れを浮かばせ、風呂からすくったお湯で洗い流すのを繰り返す。
お空かなり大きい翼を洗うのは、たしかにお空自身が面倒くさがるのもしょうがないと思うほど大変だ。実際に時間にして5分以上かかってしまった。
洗い終えたタイミングで、私のしていた話も丁度終わる。
「~~というわけだ。丁度洗い終わったな。」
『私も今度洗ってもらおー!』
「ありがとう!話も面白かった!また地上に行ってみたい・・・」
「いつでも来て良いぞー。・・・そういえば、センターでの仕事は順調か?」
「うん!核融合していればいいだけだから全然大変じゃないよ!」
「なら良かった。お空のおかげでみんな助かっているからな、感謝してるよ。」
八咫烏の力を授かり核融合を扱えるようになったお空は、間欠泉地下センターという場所でその力を用いた核融合の研究を手伝っている。そこで稼働している核融合炉の力によって、地上でも温泉に入れたりお湯を簡単に入手できる環境になった。お空の存在は地上にとっても非常に大きいのだ。
「じゃあ後は体を洗ったら終わりだな。石鹸水はここにあるから・・・」
「うん!じゃあはい!」
『お空大胆ー!』
「・・・?」
こちらに向き直り、翼と両手を目一杯広げるお空にどういうことかと首を傾げる。
「・・・うにゅ?洗ってくれるんでしょ?」
「いや、翼だけだと言っただろう?ほら、体は自分で洗えるじゃないか。」
「・・・そうだっけ?でもいいじゃん、洗ってよー!」
・・・翼だけだという話は完全に忘れられていたようだ。
「・・・だめ?」
どうしようかと考え沈黙する私を見て、悲しそうな表情でこちらを見てくるお空。
「ほら、体なら自分ですぐに洗えるだろう?それに私もそろそろ体を洗いたいし・・・」
「なら良い方法があるよ!!」
「お燐?」
奥からお燐が何か大きめの板状のものを手に持ってこちらにやってくる。
「何だそれ?」
「温泉用の敷物ってやつさ、椅子に座れないペットも沢山いるからね。下にこれを敷いて、そこに座ってもらって洗ってあげたりするんだよ。」
「なるほどな・・・で、それを使って何をするんだ?」
「それは後のお楽しみさ!詠知はここに座ってて。お空、ちょっとこっち来て!」
「うにゅ?」
敷物を敷いたお燐は、お空を連れて少し離れた場所に移動していった。とりあえず言われるがまま敷物の上に座る。・・・なんか嫌な予感がする。
お燐とお空が顔を近付けて話し合っている中、ボーッとさっきまで入っていた湯船を眺める。新たに流れ出してきたお湯によって生じる波紋を眺めていると・・・ふと一部に違和感を感じる。綺麗な円状の波紋が、何かに遮られたかのように形が崩れているのに気付く。
「・・・もしかして、こ「おまたせ詠知!」お、話が終わったか?で、何をするんだ?」
『・・・そろそろかな?部屋で待ってるね。』
「人間の里の風呂屋で知ったちゃんとしたやり方さ。詠知は座ったままでいいよ。お空、やり方は分かったよね。」
「うん、まずは・・・」
人間の里で見たという方法ならまあ安心だろう。
桶の中の石鹸水を私にかけ始める。そして今度は残った石鹸水を余すことなくお燐とお空がそれぞれ自分の体にかけ、私の前にお空、後ろにお燐がやって来て・・・
「せーのっ!」
「「どーん!」」
「!?」
・・・私に向かって飛び込んできて、私の体を2人の体で挟み込まれる。ぬるぬるとした石鹸水の感触に加えて、2人の押しつけられる体の感触がダイレクトに伝わってくる・・・主に胸。
それと同時にお空の翼が私を背中まで包み込み、お燐の尻尾が私の腰に巻き付いてきて絶対に引き剥がせないような形へと持って行かれ、その状態で体を摺り合せられる。
「待て、これのどこがちゃんとしたやり方だ?」
「お互いの体を同時に洗える効率的な方法だよ?人間の里の風呂屋で見た方法だしこれが普通なんじゃないの?」
「これが普通なわけ・・・ちなみに、風呂屋って銭湯のことでいいんだよな?」
「ううん?猫になって塀の上を歩いているときにこれをしてるのが窓から見えたんだけど、お風呂がある部屋だったしお風呂屋じゃないの?」
「・・・ちなみに中にいたのはどんな人だった?」
「歳はわかんないけど男の人と女の人。」
「・・・・・・」
風呂屋は風呂屋でも、夜のお風呂屋だった・・・。そうか、そういった店は人間の里以外ないから最近地上に出てきたお燐は知らないのか。だが説明に困る、直球に説明するわけにはいかないし・・・
「あー・・・あれは何というか・・・そう、お金を払って追加でそういうサービスを受けるんだよ。」
「なら無料でできて良かったね、友情はプライスレスだよ!」
「いや、そうじゃなくてだな・・・。お空、恥ずかしいだろう?とりあえず体は洗うから一旦離れてくれ。」
抱きついてからずっと無言で顔を赤めるお空に声を掛ける。流石に恥ずかしいのだろう、とりあえずお空に離れてもらって・・・次にお燐を引き剥がそう。
「すごいはずかしいね・・・でもなんかすごくきもちいい・・・ドキドキする・・・」
「・・・えっ」
お空はかわいい、あと色々でかい。