実時間に合わせてお話を投稿してみたい!と、今日の昼に思い立ち突発的に書いたやつです。
最近外界のイベント、特に海外で発祥のものが多く幻想郷に伝わってきている。
日本に伝わってイベント化してから相応に時間が経ち書物やらイベント用の道具が多く流れ着くようになったり、海外の妖怪も幻想入りし始めた(紅魔館が代表例)影響だろう。
そんなイベントの1つがハロウィンという行事だ。元は秋の収穫祝いと悪霊退治の目的だったらしいが、今は民間行事としての意味合いが強いらしい。
「「「とりっくおあとりーと!」」」
「トリート。お菓子はいっぱいあるからなー、山盛りあげよう。」
「「「やったー!!」」」
顔の形にくりぬいたかぼちゃを模した被り物や、魔女のような帽子、白い布で頭をぐるぐる巻きにしたりと妖怪・・・というよりかモンスターのような仮装をした子ども達や妖精達に用意していたお菓子を振る舞う。
ハロウィンの醍醐味の1つが、今のように子ども達が仮装をして家々を回り「Trick or Treat(悪戯かお菓子)」と呼びかけるというものだ。それに対して大人達はお菓子を準備し、子ども達と交流するといった内容となる。
今年は私も準備万端。和菓子洋菓子に問わず沢山のお菓子を準備し、袋に入れて渡せるように整えている。里に住む子ども達は勿論、関わりのある幼い妖怪や妖精達も我が家を訪れるので大量のお菓子が必要だ。
もう去年一昨年のようにお菓子が不足して悪戯祭りを受けるのは懲り懲りである。・・・ちょっと楽しかったのはナイショ。
毎回玄関先でやり取りしお菓子を取りに行くのは中々に大変なので、縁側の方で受け渡しをする。ここなら菓子貯蔵庫と化した居間との距離が近く楽なのだ。
「詠知様ー!!」
「お、橙じゃないか。」
そんな感じで次のお菓子を準備をしていると、橙が私の名を呼びつつ手を振りこちらに駆け寄ってくる。かわいい。
「里に来てたんだな、楽しんでるか?」
「はい!いっぱいお菓子もらえました!夜には藍様とご飯に行く約束もしてます!詠知様はどうですか?」
橙の服装は普段着ている赤色のワンピースがかぼちゃ色になり、黒のマントを羽織り黒の小さな三角帽子を被った魔女ファッションである。手にはかぼちゃ柄の鞄を持ちその中には沢山のお菓子が入っているのが見える。楽しんでいたようで何よりだ。
「ああ、楽しいよ。皆思い思いの仮装をしてて見てて飽きないし、子ども達と妖精や妖怪の交流の場になるしな。嬉しい限りだよ。」
「良かったです!それでなんですが、子ども達と家を沢山回っている内にいっぱい貰いすぎてしまって・・・詠知様も一緒に食べませんか?」
「なら一緒に食べようか。橙の分のお菓子も用意しているから、それも合わせて一緒に食べよう。勿論食べられる物だけ入ってるぞ。」
人型になれるとはいえ元の生物としての特性を残しているため、人間が食べられても妖怪は食べられない食べ物はある。お菓子で言えば犬猫がチョコレートの成分の代謝が悪く、中毒症状を起こしてしまう可能性がある。だからこそそこはしっかり気を遣っている。
「はい!ありがとうございます!」
2人並んでお菓子を食べながら、来た人妖達にお菓子を配る。橙も手伝ってくれているので随分と楽になった。
「ありがとう、助かったよ。」
「当然です!それにしても・・・すごい量のお菓子ですね。これ全部配れるんですか?」
「余った分は来られなかった子達や寺子屋で配るつもりだ、でもここにある分はなくなるとは思う。」
「そうなんですね・・・え?ここにある分?まだお菓子があるんですか?」
「うん。今あるのが4つ目のお菓子だな。後同じ量のが6つある。」
「・・・流石に多すぎませんか?」
「・・・私も張り切りすぎたと思っている。」
前年の反省を活かしたとは言え、流石に過剰すぎた気がしてならない。
「まあ里の外にも贈り物として渡していこうかな。最終的には全部幽々子の所に送ればいいか。」
「あはは・・・」
そんな会話をしている内に大半の子ども達にお菓子を渡し終え、少しずつ日が沈み夜が近付き始めた。
「そろそろ来る子もいなくなるかな。結局食べきれなかったな、お腹いっぱいだ。」
「私もです・・・もう飴の1つも入りません・・・」
「残った分は持って帰ればいいさ。ふう・・・こんなに食べたらもう夕食はいらない、な・・・」
「?詠知様、どうしました?」
「なあ橙。そう言えば藍と「「一緒に夕食に行く約束」をしましたね。」・・・」
「・・・あっ。」
"藍と夕食の約束をしていたのにお腹いっぱいになってしまったのは大丈夫なのか"。それが気になり聞こうとした瞬間、被せるように聞き慣れた声が後ろから聞こえた。
思い出したようにはっとする橙と顔を見合わせ、恐る恐る振り返ると・・・
「ご飯の約束があるのにお腹をいっぱいにしてしまう悪い子と、お菓子で夕食が食べられなくなるだらしない大人には・・・お仕置きが必要ですね?」
ニコニコと微笑む・・・目が笑っていないが。
・・・誰がどう見ても怒っている、八雲藍がいたのであった。
「全く、反省しましたか?」
「「はい・・・」」
橙と仲良く藍の説教を受けた。少しばかり"何故私も・・・?"とは思ったが、『いい歳した大人が、甘い物だけで腹を満たすのは栄養面から見てどうでしょう?』と言われてしまうとぐうの音も出ない。
藍と橙のご飯は時間を遅らせ、橙のお腹がある程度空いてからとなった。あと私も同行することとなった。ここは反省の意を込めてひっそりと奢るつもりである。
「言っておきますが、詠知様が払うのは詠知様の分だけですからね?」
「・・・うん、そうだな。」
バレてる。"2度と同じ手は喰わんぞ"と言う固い意志を感じる。
私の反応を見てジトリとこちらを見つめる藍。何か他の話題を出さないといけない。
「それにしても、藍も仮装するんだな、結構意外だ。」
藍の雰囲気に気圧され話題に出せなかったが、藍もしっかりと仮装をしている。前掛けは青からかぼちゃ色に、頭には普段の帽子ではなくジャック・オー・ランタンを象った帽子を被っている。
「この日に里に来るという事で、いつも通りの服装では無粋ではないかと思いまして。本当に簡素な物ですが用意しました。」
「良いな、似合っているじゃないか。」
「そうですか?我ながら少し子どもっぽすぎる気がしていたのですが・・・」
「可愛らしくていいじゃないか、なあ橙?」
「はい!凄く似合ってます!」
「なら良かったです。こういった里の催しに参加するのは久しぶりだったのですが、想像以上に盛り上がっていて驚きました。」
「ああ、人口が増えているのと妖怪や妖精の訪れる数が増えて年々規模が拡がっているからな。もう少し暗くなったら町のあちこちにジャック・オー・ランタンが置かれるはずだ。・・・そうだ、屋台もある程度出るようだし後で食事に行く時に一緒に回ろうか。」
「本当ですか!?楽しみです!」
楽しそうにはしゃぐ橙の頭を撫で、そのまま膝上に乗せ愛でる。目を細め気持ちよさそうにゴロゴロと喉を鳴らす橙の姿は仮装も相まって非常に可愛らしい。
「橙の事、本当に可愛がっているんですね。」
「ああ、妖怪で成長していく様を見るのは紫以来になるしな。何というか・・・孫を見るような感覚になるな、」
「私としては一人前になるためにもう少し厳しくしたいんですがね・・・」
「なに、まだまだ式神になりたてなんだから今は沢山可愛がってあげるのが良い。」
「そうでしょうか・・・」
橙が成長し、八雲の姓を賜る時の姿が非常に楽しみである。・・・藍の九尾みたいに尻尾の数が増えたりするのだろうか?
引き続き橙を愛でつつ、藍との会話が続く。
「橙が孫って事は、私はさながら娘みたいなものでしょうか。」
「はは、橙が孫ならそうだろうな。」
「詠知様は娘も凄く可愛がりそうですね。」
「そうかもしれないな。」
頭の中に霊夢や妹紅の姿が浮かぶ。血縁関係のない彼女らとの関係を思うと、本当に娘が出来たときに溺愛することは必至だろう。
「では・・・」(ズイッ)
そんな事を考えていると、橙を乗せている反対側の膝上に藍がそっと乗りこちらへしなだれかかってくる。
「今日は娘らしく、子どもらしく甘えてしまいましょうか。」
「・・・なら私も親らしく、大人らしく振る舞おうか。」
そっと髪をとかすように藍の頭を撫でる。普段から忙しい藍の気が少しでも晴れるのであれば、いくらでも付き合うつもりである。
「今日はハロウィンですね。」
「そうだな。」
「なら・・・Trick or Treat。お菓子をくれないと悪戯しちゃいますよ?」
「はは、それならお菓子を取ってくるか。」
まだまだ残っている菓子袋を取りに行こうと、そっと立ち上がろうとし・・・藍と橙により強く掴まられ立ち上がることを阻止される。
「お菓子はないようですね・・・残念。」
「・・・もしかして最初からこれが狙いだったか?」
「ふふ、それはどうでしょう?とにかく、お菓子が無ければ悪戯しかありませんね?ね、橙?」
「はい・・・すみません詠知様、私も悪戯・・・してみたいです。」
「・・・手心は加えてくれよ?」
外は暗くなるも、まだまだ完全な夜までは時間がある。その後夕食をとりに行く時間まで、2人の悪戯を受け続ける事になるのであった・・・
「娘と孫って事はやっぱり私が夕食の料金は払うべ「ダメです♪」・・・はい。」
悪戯、何されたんでしょうね。
文字数とか時間とかの問題でゆかりん出せなかった(小声)、次の機会には出したい・・・
間に合わすために駆け込みで書いたので、後々ちょっぴり修正するかもしれないです。