「やっぱり、見込み通り良い実力してるわ!こんな人間に会えただけでもここに来た意味があったわね。」
「随分と口が回るな・・・吸血鬼。侵略者としての自覚はないのか?」
「実力者を引っ張り出すのに一番手っ取り早い方法を取っただけよ。」
「館ごと転移してくる時点で、警戒して実力者がここを訪ねるだろう。人間の里や周辺勢力を攻撃する必要性はない。」
「できればここの人間と戦ってみたかったの、蜂を捕まえるなら蜂の巣を狙うのと同じ。人間の居住地をつつくのが一番効率的だと思わない?」
「・・・後先考えないやり方を取るものだな。」
「もう貴方に会えたから、これ以上雑魚を使って攻撃する理由はなくなった。もう周りの妖怪の支配は一時的に止めてるわ。後は巫女、貴方が私を満足させるだけ、さぁ続きをしましょう!」
「・・・」
「何してるのあなたたち・・・」
私、パチュリー・ノーレッジはレミィに文句の一つでも言おうと広間にやって来て・・・咲夜と美鈴と大柄な男が三人で談笑している姿を目撃した。
「あら、パチュリー様。パチュリー様も一緒にお茶をしませんか?」
「そんなことより聞きたいことが山ほどあるのだけど・・・とりあえずレミィはどこ?いつまで紅魔館の結界を張っていればいいのか聞きたいのだけど。」
移転魔法で紅魔館全体をここに送らせ、あげく正門以外からの侵入を防ぐ結界を張らされている現状。魔法使い遣いの荒さに文句を言いに来たのだけれど・・・
「お嬢様は今来客者と戯れております。これが終われば結界を張る必要がなくなるので、もうしばしお待ちください。」
「そう・・・で、この男は誰?」
「詠知様です。来客者である博麗の巫女の同行者としてこちらにいらしてます。」
「演舞はあまり見たことがなかったが素晴らしいな、美しさと力強さが入り交じっている。私もやってみたい。」
「ありがとうございます!それじゃあ一緒にやりましょう、まずは24式から・・・」
「・・・そう。私もお茶を頂くわ。」
「かしこまりました。」
美鈴との会話が終わった後こちらに気付いた男、詠知はこちらに挨拶してくる。
「詠知だ。博麗の巫女の補助としての役割で来た。」
「さっき咲夜からある程度聞いたわ、パチュリー・ノーレッジよ。紅魔館の主のレミィの友人。」
あまり話すつもりはない。美鈴と咲夜とは随分と打ち解けているようだが、部外者の男と話す必要性がない。
「同じく咲夜から少し聞いたが、転移魔法を使った張本人だと聞いている。相当魔法の腕があるのだろう。」
「・・・だからどうしたの。」
「いや、知り合いに魔法の研究をする子がいるものでな。もし会話する機会があるなら参考になるんじゃないかと思って。」
「へえ、ここにも魔法使いがいるのね。どのくらいのものなのか見てみたいわね。」
東洋のこの国にも魔法使いがいることに、私も知らない魔法を持っているのではないかと少し期待が膨らむ。
「なら今度連れてこよう、あとかなり大きい図書館も持っているとか。」
「そうね。」
「幻想郷に住むということは、新規で本が入手できる手段は限りなく少なくなると思うのだが・・・」
「・・・少し嫌ね、それは。」
未だに解明してない、読み切れてない本はたくさんあるが新しい本の供給がないというのは辛い。
「私は外の世界から流れ着く書物の幻想郷に流通させる仕事を請け負っている、これからも紅魔館と長い付き合いができるなら優先的にその書物をそちらに渡すことができる。」
「・・・それは魅力的ね。」
「それに加えて病弱で喘息持ちだと咲夜から聞いた。」
「咲夜、喋りすぎじゃないかしらちょっと。」
「幻想郷にはとてつもなく腕の立つ医師がいる、良い付き合いができるのなら紅魔館との仲を取り持とう。喘息の症状が治まるのはパチュリーにとってもメリットになるだろう。」
「末永い付き合いを約束するわ。」
もう断る理由が何もない。差し伸べられた手を握り固い握手を交わすのであった。
「えげつないですね・・・」
「そうね、パチュリー様がお嬢様の友人だと言った瞬間に目の色が変わってたわね。」
「パチュリー様が籠絡されましたし、多分お嬢様も丸め込まれそうですねこれ。」
「こちらが大きく敵対行為をしない限り、恩恵を受けられる。お嬢様の気分次第だけど受けない理由はない気がするわね。」
「ちなみに私は、定期的な手合わせとお互いの技術指南です。咲夜さんは?」
「和食含めた日本料理の作り方と労働力の斡旋よ、近くにいる妖精を労働力にするらしいわ。」
「私たち侵略者のはずなんですが・・・ていうかさっきまで殺し合いをしてたはずなんですがね。」
「聞いた限り幻想郷でも重要なポジションの人間みたいだし、これくらいの切り替えの速さが必要なのかもしれないわね。」
次で吸血鬼異変は解決(予定)
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