とある隠の奮闘が鬼舞辻無惨を苦悩に落とす。   作:狂骨

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その隠 機能回復訓練に立ち会う

 

あれから鬼が吹き飛ばされて消えていくと、しのぶはようやく我に帰ったものの、やはり天一郎の身体能力が信じられないのか、未だに目を点にしていた。

 

「あ…あの…蟲柱様…?」

 

「あ、いえ!なんでもありません…!!」

 

それからしのぶは任務を終えたことでその場から天一郎と共に蝶屋敷へと帰還した。

 

その際に天一郎から任務内容の鬼の討伐について尋ねられたが、それは別の場所に現れ、その際にほかの隊士達によって討伐されたと誤魔化した様だ。

 

 

ーーーーーーー

 

 

「疑ってごめんなさい」

 

蝶屋敷へと戻ったしのぶは即座に姉の元へと向かうと、スライディング土下座をかました。

 

「いいのよしのぶ。分かってくれれば(ふふふ…どう?姉さんの言ったこと…間違ってなかったでしょ♪)」

 

「姉さん顔に出てる…」

 

しのぶから今回の任務の報告を受けたカナエは笑みを浮かべるが、その際にカナエはドヤ顔しながらガッツポーズを決めたのは言うまでもないだろう。

 

 

それからしのぶも彼の事を改めて認識すると、次に同行させる柱を誰にするべきかカナエに尋ねた。

 

「それよりも姉さん、次は誰と任務に行かせるの?…彼の強さも気になるけど…」

 

「う〜ん…」

 

カナエは現在の柱の任務状況から同行させる人を選ぶも、今は危険度の高い任務が出ていないために多くの柱達は休暇を取っていた。

 

「今は特に任務はなさそうだから、それまで彼にはここを拠点として動いてもらいましょう!」

 

「確かに前の様に出て行ったら、次もいつ戻ってくるか分からないし…そうした方がいいかも……」

 

しのぶはカナエの提案に、今までの彼の行動を見て頷いた。その際に、カナエが何故か顔を赤くしていたのを見て仰天したのはまた別の話である。

 

 

ーーーーーーー

ーーーーー

ーーー

 

カナエから、ここの蝶屋敷に寝泊まりする事を義務付けられた天一郎は、言われた通りに隠としての任務を終えればすぐさま戻る様になり、それどころか食事の支度や食器洗い、そしてお風呂掃除など多くの家事もこなした。

 

本人曰く、住ませてもらってる御礼だそうだ。

 

「上坂さん、少し味見をお願いします」

 

「はい。ふむ…もう少し塩を足してみては如何かと」

 

アオイやきよ、すみ、なほ、とは既に友好な関係を築いており、料理の味見などを請け負っていた。因みに彼女らが忙しい時は彼が料理を作っているようだ。

 

 

 

 

ーーーーーー

 

そんなある日の事であった。

 

天一郎はアオイから機能回復訓練への立ち合いを頼まれた。

 

唐突に頼まれた天一郎は首を傾げていたが、理由を聞く暇もなく、彼女らに連れて行かれた。

 

「今回からは善逸さんという方も参加して3人になります。その際に上坂さんからもご指摘を」

 

「はぁ…あの、何故私に…?」

 

天一郎はようやく聞く時間ができたのか、移動する合間に彼女達へと尋ねると、アオイは答えた。

 

「カナエ様から、貴方は身体能力が高くよく鍛えており身体の部位について詳しいとお聞きしております。なので、今後の向上に役立てるためにご意見が欲しいのです」

 

「成る程…」

 

その答えに天一郎は納得する。天一郎は自身を鍛えるのみならず、治療のために身体の構造や筋肉、そして効率の良い鍛え方などを、他人に自慢できる程まで学んでいたのだ。

 

そうなれば、身体の調子の再構築が目的である機能回復訓練に呼ばれるのは確かだろう。

 

 

それから道場らしき場所へと到着すると、そこには既に参加する3人の隊士がおり、一人は面識のある炭治郎であった。

 

「あ!天一郎さん!おはようございます!」

 

「炭治郎くん!おはようございます。体調の方は?」

 

「はい!すっかり元気になりました!あ、天一郎さんも参加するんですか?」

 

「えぇ。少しばかり指摘を頼まれたので、ご一緒させていただく事になりましたので、どうぞよろしく!」

 

そう言い天一郎は炭治郎と軽く談笑し、機能回復訓練を始めた。

 

だが、この時、金髪頭の少年がものすご〜く嫌な表情を浮かべていた。

 

ーーーーーー

 

それから機能回復訓練が始まった。

 

内容はまず、凝り固まった身体をきよ、すみ、なほ、の3人娘がそれぞれ身体を抑えて曲げるなどしてほぐし、そこからアオイ、カナヲを順に相手をして鬼ごっことと薬水掛けという とてもシンプルなものであった。

 

 

「「「ふ〜ん!!」」」

 

今回から参加し始める善逸という少年隊士がまず受けることとなり、きよ、すみ、なほの3人から身体をほぐされていた。

 

その表情は嫌らしい笑みに満ちており、まるでこの過酷な訓練を楽しんでいるかの様であった。

 

「えへへへ〜♪(なんだよあの隠の人がするかと思ったけど、この子達がしてくれるのか〜!!いや〜よかった〜!!)」

 

 

心の中で妙な事を考えながら善逸は笑みを浮かべながら次々と彼女らに身体を曲げてもらっていた。

 

 

だが、その幸せな時間など一瞬で終わりを迎える事となる。

 

「う〜ん。まずはここをこうした方が!!!」

 

「いたたたたた!」

 

突如として、天一郎の声と共に善逸の身体に巻き付いていた3人娘が離れると、彼女らに変わり天一郎が善逸の身体へと触れ、身体を曲げた。

 

それによって先程とは全く桁外れの力と男の硬い手の感触を感じ取った事で善逸は驚きの悲鳴をあげた。

 

「ちょっとぉおお!!!なんであの子達じゃなくて隠の人がやってるのぉ!?聞いてないし!しかも俺より小さいのにメチャクチャ強い……いたたたた!!!折れちゃう外れちゃう!!」

 

「喋らず深呼吸ッ!骨は大丈夫!“折れてない”し“外れてない!”」

 

「いやぁあああああ!なんで分かんのさぁ〜!!!」

 

 

「がんばれ善逸!!」

 

「ンハハハハ!!さっきの余裕はどうした!?もんいつ!!」

 

天一郎の身体のほぐしに善逸が悲鳴をあげ、それを見ながら炭治郎は熱心に応援するが、猪の頭を被った伊之助は大笑いしていた。

 

 

先程までシンとしていた空気が変わり、今では賑やかな空気へと変わったのであった。

 

 

 

 

そんな光景を_____

 

 

「……」

 

____入り口の影からコッソリと覗くしのぶの姿があった。

 

 




天一郎情報その8

料理が上手だが、肉ばかり。因みに解体が上手い。鍛え続けていたのか、やたら筋肉など“身体の構造や動作”に詳しい。何故だろう?
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