とある隠の奮闘が鬼舞辻無惨を苦悩に落とす。   作:狂骨

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他人を守ってこそ 自分も守れる

___by Z,Rさん


その隠 立ち回る

 

「…!!」

 

遠く離れた場所。産屋敷廷が爆発した光景を水柱である義勇と共に見ていた炭治郎は顔面を蒼白させる。

 

「あ…あそこは確か!!」

 

「来たか」

 

「え?」

 

そんな中、突然と口から漏らした義勇の言葉に炭治郎は驚き、彼に続き駆け出した。

 

「どう言う事ですか!?」

 

「後で話す」

 

ーーーーーーーー

ーーーーーー

ーーーー

ーー

 

「おのれぇ…己己己ぇええええ!!!!!」

 

煙が舞う爆心地にて、全身の肉が剥がれ落ち、人体の筋肉などが剥き出しとなっていた無惨は再生させながらも、目の前の光景へと目を向けると叫んだ。

 

「悉く私の邪魔をしやがってぇえええええ!!!!!上坂天一郎ぉおおおおおお!!!!!」

 

そしてその上空では

 

「ぎゃああああ!!!何か変形してる!?何これ!?何これぇ!?」

 

目玉が飛び出すほどまで仰天している天一郎の姿があった。

 

「くぅ…!!殺してやる!!」

 

その姿を見た無惨は歯を剥き出しにしながら変形させた触手のような腕を天一郎目掛けて突き出した。

 

 

「うぉ!?危な!?」

 

次々と繰り出される長くしなやかに伸びる触手。その触手の先端部には巨大で鋭利な刃物だけでなく、物体を食らう口もあり、まさにその物を切り裂き喰らうが為の変形であった。

 

 

だが、それを天一郎は次々と回避していった。

 

「ハッハー!!隠を舐めないでくださいよぉ!!ただ剣術の才能がないだけで体術なら中級隊士と同等の人だっているんですからねぇ!!!」

 

そう言い天一郎は回避を終えると、無惨から離れた位置へと着地し、それに対して無惨は喉を唸らせる。

 

「おのれちょこまかと…!!」

 

 

その時であった。無惨の周囲に肉の種子が現れる。

 

「これは…血鬼術!?」

 

 

 

その直後 肉の種子が破裂すると同時に巨大な針と化し、無惨を四方八方から貫いた。

 

「く!?枝分かれした針だと!?抜けないように細工しているのか…ならば取り込むまで…!!」

 

「今です珠世さん!!」

 

「なに!?」

 

全身を貫いた針に舌打ちをする中、天一郎の言葉に無惨は驚くと同時にようやく気がついた。

 

「取り込みましたね…私の腕を…!!」

 

腹の隙間にある針の刺さっていない空間。そこには無惨の体内へと腕を差し込む珠世の姿があった。

 

「珠世!?なぜ貴様が…まさか奴が攻撃している間に近づいていたのか…!!」

 

「ふ…ふふ…!この時を待っていました…!!」

 

無惨が焦る中、その表情を待っていたかのように珠世は笑みを浮かべ、その笑い顔に違和感を感じた無惨は額から冷や汗を流す。

 

「なんだ…?何を笑っているのだ…!?」

 

「その焦りよう…やはり貴方でも私の作る薬については調査は行き届いていないようですね!臆病者の貴方に教えてあげます!私の手の中には“ある丸薬”が握られていたんですよ!!そう!!鬼を人間に戻す薬が!!」

 

「なんだと…!?そんなもの…」

 

「完成したのですよ!!私はこの時をずっと待っていました!貴方の首を刈り取り殺すこの日を!!その腐った顔が歪む日を!!」

 

「ぐぅ…!!この女狐がぁ!!!!」

 

珠世の放たれた言葉に無惨は激昂すると、腕を取り込まれ動けない彼女目掛けて、頭を砕くべく拳を振り下ろした。

 

「させるかぁ!!!」

 

「なに!?」

 

その直後。天一郎の姿が現れると珠世へと振り下ろそうとした握り拳を蹴り上げ、更に懐からナイフを取り出すと珠世の取り込まれた腕を切り取り彼女の身体を抱き上げその場から退避する。

 

「逃さんぞ……ぐぅ!?」

 

珠世を持ち上げながら後退した天一郎へと手を伸ばそうとするが、体内に深く突き刺さり、いまだに吸収しきれていない針の結果術によって無惨は動く事ができなかった。

 

そして、退避する中、天一郎は叫んだ。

 

 

「今です!岩柱様!!」

 

 

その叫び声が響き渡ると同時に無惨の背後にある林から脅威的な速さで悲鳴嶼が現れ、鉄球と鎌が刃で繋がれた特殊な日輪刀を振り回しながら無惨へと向かっていった。

 

「いけ!!!」

 

「はい!!じゃあね無惨〜!!このバ〜カバ〜カ!!頭無惨!!」

「クソガキがぁぁぁ!!!!」

 

入れ替わるようにして現れた悲鳴嶼の指令に天一郎は叫ぶと、懐から“ニ枚の札”を取り出して自身と珠世の額につけると彼女を担いだまま、その場を後にしたのであった。

 

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その後、天一郎は追撃を受ける事なく、産屋敷家から何キロもの離れた場所の奥に建てられた大きな屋敷へと到達する。

 

「失礼します」

 

静かに響くドアを開く音。その音がすると、奥の部屋からカナエとしのぶが現れた。

 

 

そして

 

駆け出してきた二人は、天一郎へと飛び込みその身体を抱き締めた。

 

「お帰りなさい…!」

 

「作戦は無事に成功のようですね…!!」

 

「えぇ…ただいま戻りました…」

 

カナエを抱き止めた天一郎も彼女の身体を抱き締めた。

 

 

「…すいませんが、時間がありません」

 

そんな中、二人の抱擁を受け止めていた天一郎は珠世をその場に降ろす。

 

「ここからは作戦の第二段階です…私もすぐさま戻り皆様の補助へと向かいます。お二人や珠世さんは“血清”の複製を…!!!」

 

天一郎の言葉にカナエとしのぶそして珠世は頷いた。

 

 

そして、天一郎は再びその場所から離れると脅威的な速さで産屋敷家跡地へと向かっていったのであった。

 

 

「よっしゃあ!!!着い_____」

 

到着したその直後、天一郎の足元に襖が現れ開いた。

 

「ぎゃぁああ!!!」

 

 




天一郎情報その31
→鬼は苦手だが、なぜか無惨は平気。それどころか気力が上がる
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