とある隠の奮闘が鬼舞辻無惨を苦悩に落とす。   作:狂骨

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____挫折を経験したことが無い者は、何も新しい事に挑戦したことが無いということだ。


____by 某 舌を出した物理学者


その隠 突き抜ける

 

 

「う…うそぉん…」

 

「俺でも手も足も出なかった上弦ノ壱をこんなあっさりと…」

 

天一郎のラリアットによって上弦の壱である黒死牟が吹き飛ばされた光景を目にしていた3人はただ口を開ける事しか出来なかった。

 

その一方で、

 

「ぎゃぁ!!霞柱様!?どうしたんですかその腕は!!」

 

「えっと…さっきの奴に斬り飛ばされてね…」

 

そう言い無一郎は自身を石柱に張り付けている刀を抜くと、その場から地面へと着地するが、その部分を押さえる。

 

「く!?」

 

「しっかり!大丈夫です…珠代さんの“これ”があれば必ず治ります!!」

 

そう言いながら天一郎は無一郎に近づくと、すぐさま横にさせる。

 

「待って…!!まだ奴が…べふぅ!?」

 

「喋らないで!!すぐに応急処置するので!!」

 

無一郎は天一郎へと上弦ノ壱がいる事を伝えようとするが、その喋ろうとした口を天一郎はビンタで塞いだ。

 

 

 

その時であった。

 

「貴様を殺せばあとは楽に片付きそうだ…!!」

 

背後に黒死牟の姿が現れた。

 

「上坂さん!!後ろ!!」

 

「あ〜あ」

 

無一郎が叫ぶよりも前に天一郎は気づいていたのか、ゆっくりと振り向く。そこには刀を構えている黒死牟の姿があった。

 

「今治療中なので…そういうの本当にやめてくれません?」

 

天一郎は応急処置の手を止めると拳を握り締め黒死牟へと鋭い目線を向ける。

 

「本当に腹が立ちますねぇ…ッ!!!!」

 

 

すると

 

「クソがぁ!!」

 

突如として実弥が横から入り、黒死牟を吹き飛ばした。

 

「上坂ぁあ!!!俺が奴の相手をしている間にはやく時透を治療しやがれぇ!!!」

 

「あ……ではお願いします。その変なおじさん妙な刃物を飛ばして来くる相当な不審者ですから気をつけてくださいね」

 

 

そう言い天一郎は懐から血の入った小瓶を取り出す。

 

「さぁ霞柱様〜ちょっとジッとしててくださいね〜♪」

 

「え…何する気!?」

 

ーーーーーー

 

その一方で、黒死牟の相手を引き受けた実弥は彼と次々と刀を交えていた。

 

「ハァ!!上弦ノ壱でもアイツにとっちゃただの変質者ってかぁ!?不憫なもんだなぁ!!!」

 

「その言葉…そのまま返すぞ」

 

実弥の言葉に黒死牟は軽く答えながら刀を構えた。

 

すると、黒死牟の握り締める刀が青く光出すと共に次々と三日月の紋様を生み出した。

 

 

__【月の呼吸】 《参ノ型》 [厭忌月・銷り]

 

その瞬間 三日月の紋様を纏った刀が振り回され、巨大な月のかけらの様な刃が現れた。

 

「貴様のように噛み付く野犬の様な刃など、見飽きたものよ。私の知る型の貴様は私の前ではただの子犬だ」

 

「…!!」

 

 

咄嗟に実弥は通常よりも高く飛び上がり、その斬撃を回避する。

 

だが、

 

「ぐ!?」

 

その月の形成する間合いは高く跳躍した実弥の手足を擦り、血を飛び散らせる。

 

「痛みに苦しむ時こそ大きな隙となろう」

 

そしてその隙を黒死牟は消して見逃すことは無かった。黒死牟は今度は両手で刀を握り締めると縦横無尽に振り回す。

 

 

____【月の呼吸】《陸ノ型》[常世孤月・無間]

 

 

その瞬間 振り回された箇所から先程よりも数十倍以上もの月の刃が現れ、雪嵐の如く実弥へと迫っていった。それを見た実弥は歯を噛み締める。

 

「くそがぁ!呼吸も使う上に変な刃が飛んできやがる!!」

 

 

迫り来る月の刃に実弥は歯を食い縛ると日輪刀を握り締め、呼吸を整える。

 

 

「(上坂ぁ…テメェの戦いぶり…少し使わせてもらうぜ…!!!)」

 

 

 

______【風の呼吸】《壱ノ型》[塵旋風・削ぎ]ッ!!!!

 

 

実弥が日輪刀を振り回しながら駆け出すと共に巨大な竜巻が発生した。

 

「…!!!」

 

それを見た黒死牟は驚きの表情を浮かべた。発生したその竜巻は迫っていくる月の刃を全て掻き消していったのだ。

 

 

そして全ての月の刃を吹き飛ばした竜巻の先端は一瞬にして黒死牟の前へと迫るとその勢いを止めると共に、日輪刀を構えた実弥が姿を現した。

 

 

「全部ぶっ飛ばしてやったぞ…クソが…!!」

 

 

「見事。だが忘れるなかれ。血鬼術は人域を超越した力である事を」

 

___【月の呼吸】《伍ノ型》[月魄災渦]

 

 

その言葉と共に“全く動いていない”黒死牟の周囲に先程と同じく月の刃が形成され実弥目掛けて向かっていった。

 

 

「く!?刀を振らずに斬撃かよ!!」

 

 

対して実弥はその動きに驚きながらもすぐさま体勢を整えて酸素を取り込む。

 

 

___【風の呼吸】《伍ノ型》[木枯らし颪]

 

 

握り締めた日輪刀を先程とは異なりその場で旋回しながら振り回し、迫ってくる斬撃を全て弾いた。

 

「風…か。風の呼吸とも古の時代に技を高めあったが、これほどまで獰猛であれど臨機応変に対応する異質な動きはしなかった…」

 

実弥の野獣の如き凶暴ながらもどんな技にも対応していくその姿に黒死牟は称賛の声を漏らす。

 

 

すると

 

「!?」

 

突如として黒死牟の足がよろめき出した。

 

「ハッ!ようやく効いてきやがったな…!」

 

その様子を見た実弥は笑みを浮かべる。

 

「猫に小判…鬼に稀血!!!稀血の中でも更に希少な血だぁ!!!存分に味わいやがれ!!」

 

「…」

 

 

 

 

 

 

 

 

その時であった。

 

 

ドドドドドドドドド…

 

「「…ん?」」

 

 

背後から巨大な足音が聞こえ、その音に二人は振り向くと、そこには何かが土煙を上げながら迫ってくる姿があった。

 

 

「この音に速度…まさか…!!!」

 

その音に黒死牟は冷や汗を流し、実弥は笑みを浮かべる。

 

 

「もう終わったってのかよ…予想より早すぎるぜ…!!」

 

 

そして、迫ってくる影が遂に露わとなった。

 

 

「うぉおおおおお!!!!!!」

 

 

迫って来ていたのは無一郎の腕の応急処置を行なっていた天一郎であった。

 

 

「風柱様ぁぁぁあ!!!!!!」

 

 

その叫び声と共に天一郎の身体が飛び出して回転し、巨大な突風と共に空気を突き抜けながら黒死牟へと迫っていった。

 

 

「終わりましたぁぁぁあ!!!!!!」

 

 

「な!?ま…待て待てま______」

 

 

その瞬間______

 

 

 

 

 

 

 

 

___________回転しながら突き出した天一郎の頭が黒死牟の懐へと深く抉り込むと共に彼を壁へと叩きつけたのであった。

 

 

 

 

「ガハァア…!!!!」

 

そして、その天一郎の頭突きは黒死牟を壁に叩きつけるのみならず、次々と壁を突き抜けていき、そして_____

 

 

 

 

 

 

 

「…ん?何だこの音_____」

 

ドガシャァァァァァァァァァンッ!!!!!!!!

 

 

 

最深部にて肉の繭と化していた無惨もろとも吹き飛ばし目の前の壁へと叩きつけたのであった。

 

 

 

 

 

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