バカとクズは使いよう。   作:枕魔神

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【Side吉井明久】

 

「……待たせたな」

 

 姫路さんが久保君に勝って2勝1敗。僕達Fクラスの士気も最高潮に差し掛かったタイミングで、次の選手である晴楓が教室に帰ってきた。両頬に痛々しい真っ赤な紅葉を携えて。

 

「どうしたその顔?」

「……聞いてくれるな」

「そうか島田にやられたか」

「分かってんなら最初から聞いてくんなやクソゴリラ!」

「誰がゴリラだ! 自業自得クズ!」

「「ハァあん!?」」

 

 さっそく揶揄う雄二にキレる晴楓、そんなバカ二人を横目に、僕は彼と一緒に帰ってきたダブル紅葉の製作者に詳しい話を聞くことにした。

 

「おかえり島田さん、晴楓の折檻お疲れ様」

「………………(ぽー)」

「あれ? 島田さん?」

 

 無反応の島田さんはうわの空、まるで熱でもあるかの様に頬を染め、とろんとした目で晴楓をジッと見ている。

 

「おーい、大丈夫?」

「ッ!? な、何? 吉井」

「いや、ぼーっとしてたけど大丈夫?」

「だ、大丈夫よ! ちょっと考え事してただけだから!」

 

 そう言って誤魔化すように笑う島田さんに、僕は察してしまう。

 さっきの島田さんのまるで熱でもあるかの様な表情、おそらく先程までの晴楓への折檻を思い出して興奮していたんだ。

 なんて事だ、まさか島田さんがドSな女王様だったなんて、僕は友達の新たな一面を知って驚いた。

 

「けど、趣味は人それぞれだもんね、僕は気にしないよ!」

「吉井? とっても失礼な勘違いしてないかしら?」

「大丈夫、分かってる。あんなにうっとりするくらい晴楓への暴力に酔いしれてたんだよね。僕は良いと思うよ! ドSの島田さんは発散が出来て、クズには制裁がくだされる。ウェン-ウェンの関係だね!」

「明久よ、それを言うならWin-Winじゃ」

「そもそもウチはSじゃ無いわよ! やっぱり勘違いしてるじゃない!」

 

 そう島田さんは否定するけど、だとしたら常日頃の暴力とさっきの表情が説明つかない。

 

「ドSじゃないってのなら、何で晴楓を見てうっとりしてたのさ?」

「そ、それは……」

「それは?」

「……は、ハルに今度はどんな技を掛けてやろうかなって思ってたのよ」

 

 ヤケクソ気味に笑ってそう言い放った島田さん。

 なんだ、やっぱりただのドSじゃないか。

 やってしまったと頭を抱えてうずくまる島田さんを見て、僕はそう正しく彼女を理解した。

 

「……はぁ。明久よ。今のは島田の冗談じゃ」

 

 そんな僕達のやり取りを聞いていた秀吉が、やれやれとため息を吐いて口を開く。

 

「はぇ? そうなの?」

「当たり前じゃろうに、大方少し疲れてただけじゃろう」

「そうなんだ、ごめんね島田さん。辛いなら保健室に行ったほうが」

「そこまでしなくても大丈夫よ……助かったわ木下」

「なに、気にするでない……誤魔化さずに言って、FFF団に暴れられたら試召戦争どころでは無いからのう」

 

 何故我らが栄光のFFF団の話が出て来るのか分からないけれど、秀吉の言う通り今は大事な試召戦争の最中だ、出番は終わったけれど出来る事をしなくちゃ、僕は気を引き締め直した。

 

   ◇

 

「そろそろ4回戦を始めます。双方、選手は前に出てください」

「あ?……ちっ、じゃあ程々に頑張りますかね」

 

 高橋先生の宣言で、雄二と睨み合ってた晴楓が渋々と行った様子で前に出る。

 

「頑張ってください楠木くん」

「頑張るのじゃぞ晴楓!」

「……負けても雄二がいる、気負わず行け」

「そうだよ! 誰も晴楓に期待してないからリラックスだよ!」

「ムッツリーニはともかく明久は喧しいわボケェ! 事実だとしても黙ってろ!」

「別に俺に気を使わなくて、勝ちきってしまっても構わんぞ晴楓?」

「はっ! 誰か雄二なんぞに気を使うかよ。お前の出番は来ねぇから後ろでふんぞり返ってろよ、代表」

 

「は、ハル!」

「ん?」

「頑張ってね」

「…………おう、期待しないで待ってろ」

 

 僕達の声援を一身に背負い、いつもと変わらない飄々とした態度で晴楓は敵である木下さんの前に立った。

 あの自然体な態度は、今朝言ってた作戦とやらに自身があるからなのだろうか。

 

「次の試合が来ないなんて、随分と大口を叩くじゃない」

「実際追い込まれてるのはそっちだろ? いいのか代表じゃなくて? 」

「ふんっ、心配してもらわなくても結構よ。貴方の相手は私で十分だから」

「それでは、Fクラスの選手は対戦科目を選択してください」

 

 3回戦で使わなかった教科の選択権が、晴楓に委ねられる。当然選択するのは晴楓が得意な現国だった。

 

「絶対に負けない! Aクラスの誇りにかけて! 試獣召喚ッ!」

「はっ! せいぜい足元を救われないようになエリート様、試獣召喚」

 

 現国

 Aクラス

 木下優子 396点

 VS

 Fクラス

 楠木晴楓 410点

 

 二人の掛け声で召喚獣が召喚される。晴楓はお馴染みの袴姿に刺股の様なパチンコを装備した召喚獣で、木下さんは西洋鎧と巨大な槍を構えた重戦士の様な姿。

 得意教科ってのと何時もの山勘のお陰で、何とか晴楓の方が点数が良いけれど、木下さんも流石Aクラスその差は僅か、けして油断が出来る点差じゃない。

 

「点数は僅差みてぇだな。だが! 400点以上と以下では圧倒的に格がちげぇんだよ! 【お御籤ィ】!!」

 

 開幕早々、そう叫び腕輪の特殊能力を発動する晴楓。腕輪が輝いて晴楓の召喚獣の背後に、趣味の悪い金色の大きな御籤筒が出現する。

 

【特殊能力発動】

 楠木晴楓 410点→360点

 

 ガシャッガシャッ

 

 【末吉】

 

 くじが吐き出されると同時に、晴楓の召喚獣の手に禍々しく黒いパチンコ玉が現れる。

 

「特殊弾装填っ! 喰らえ先手必勝ッ!!」

「ッ!? させないわ!」

 

 腕輪の力の全容を把握してないものの、自身の危機を察した木下さんが槍を構えて突進してくる。しかし、晴楓の方が少しだけ早かった。

 

「遅いっ!」

「くっ!」

 

 バシュッと音がして特殊弾が放たれ、木下さんの召喚獣の顔に命中する。

 頭にクリーンヒットしたその特殊弾は、あたった瞬間に粉々に砕け散って舞う。

 

 クシュンッ!

 

 そしてその粉を吸い込んだ木下さんの召喚獣が小さなクシャミを一回。当然点数の減少は無し。

 

 Fクラスの空気が死んだ。

 

「ど、どうだぁ!」

「ショボすぎるよ晴楓ァ!!?」

 

 震える声で強がる晴楓、どうだもクソも無い。

 あんなに仰々しい攻撃したのに!? 点数50点も減らした特殊弾なのに!? その結果がクシャミ一つ!!?? ショボいにも程があるよ!

 

「遊んでるんじゃ無いんだよ晴楓!」

「うるせぇ! 俺だってこんな結果不本意だわ! 末吉ショボすぎんだろ! 点数消費ケチったのが仇になりやがった!」 

「よく分からない力ね、それじゃあ今度はこっちから行くわよ!」

「待て木下! タイムだ! いくら何でも腕輪使ってクシャミだけとか召喚システムに異常があるとしか思えない!!」

「と、言ってますけどどうなんですか? 高橋先生?」

「いいえ、正常です。ただ楠木君の運が無かっただけですね」

「だそうよっ!」

「ぎゃあああ!!? 緊急回避ィ!!」

 

  迫りくるう槍の猛攻を、致命傷の紙一重で避けていく晴楓の召喚獣。何とか攻撃を繰り出しても体制が崩れて標準が定まらず焼け石に水。

 微かに高かった点数も、スカを引いたせいで完全に不利に、クズの表情からは始まる前の余裕は消え去っていたし、僕達も晴楓の勝利を半ば諦めていた。

 

「このっ! いい加減に当たりなさい!」

「嫌だよ! 死ぬじゃん! お前こそ槍を止めろよ! 俺の召喚獣は遠距離型なんだよ! 近づいてくるなよ!」

「それがわかってて離れるバカはいないわよっ!」

「チクショォオ!! 今度こそ良い目が出ろよぉ!2連で【お御籤】ィ!!」

 

【特殊能力発動】

 楠木晴楓 293点→153点

 

 ガシャッガシャッ

 

 【小吉】【吉】

 

 瞬間、晴楓の召喚獣は盾を手に入れ、そのおかげで木下さんの攻撃を防ぐ事に成功、そのスキにもう一つ手元に現れた何かを地面に叩きつける。

 シュゥウウという音と共に吹き出る大量の煙、スモークグレネードだ。

 

「っぶねぇ!!! 死ぬとこだった!!」

 

 すかさず後退して距離を取り、煙に紛れる晴楓。2回分も点数を消費したというのに、できた事は木下さんから逃げる事だけ、今日の晴楓はつくづく運がないように思える。Bクラス戦での自爆といい、絶対に日頃の行いが悪いからだ。

 

「小癪な、出てきなさい楠木君!」

「出てきたら串刺しにされるだろうが! 拒否する!」

「まぁいいわ、どうせ貴方の点数は残り少ない。この煙が消えるまでの命よ!」

 

 そう言っていつ煙が消えても良いように、槍を構える木下さん。誰の目から見ても晴楓は絶対絶命だった。

 

「次は外さない、一撃で決めてあげるわ」

「……仕方ねぇ、やっぱり余裕ブチかました舐めた野郎に博打の神様は微笑まねぇみたいだ」

「博打だなんて下らない、運に頼ってるから負けるのよ。頑張って努力した点数だからこそ意味があるの!! 対して努力もしてない内に私達Aクラスに勝とうだなんて! おこがましいわ!」

「はっ! 正論すぎて耳がいてぇな……」

 

 そう言って晴楓はニヤリと不敵に笑う。僕等には分かる、何時もの何か悪巧みをしている時の顔と一緒だと。

 

「けどよ、今更止められねぇんだコレが! 説教は結果が出てからにしてくれ! 全ツッパで【お御籤ィ】!!」

 

【特殊能力発動】

 楠木晴楓 153点→3点

 

 ガシャッガシャッ

 

 【大吉】

 

「来たきたきたぁ! ありがとうございます博打の神様ァ!!」

 

 青白い光を放ちながら、バチバチとした電気のエネルギーの余波で煙が吹き飛び現れる晴楓の召喚獣は、ギチギチにパチンコを引っ張り照準を木下さんの召喚獣に合わせている。

 

「くっ! 往生際の悪いっ!」

「諦めの悪さがFクラスの売りなんでな! この位置なら絶対に外さねぇ覚悟しやがれ!」

「ふ、ふん! どうせさっきまでと同じで苔脅しの能力でしょ? ハッタリだわ」

「なら賭けようぜ……俺の一撃がお前を葬るか、お前が耐えて俺が負けるか」

「いいわ……勝つのは私よ!」

 

 晴楓の召喚獣を貫かんと、今日一番の速度で突きを繰り出す木下さんの召喚獣。これで勝負が決まる、僕は固唾を呑んで見守った。

 

「はっ! 負ける気がしねぇなぁ! 必殺! 超電磁砲ッ!!!

 

 ガオンッ!! とけたたましい音を立て、触れるもの全てを葬り去りそうな威力の弾丸が発射された。対する木下さんは視線を一切逸らさずに、その強烈な弾丸を巨大な槍で迎え撃つ。

 

 ドカーンッ!

 

 激しいエネルギーの衝突で爆発が起き、勝負の行方は煙の中。いったいどっちが勝ったんだ!? 誰もが息を呑んで煙が晴れるのを待つ。

 

「勝負、あったわね」

「みたいだな」

 

 煙の影から薄っすらと輝く銀甲冑。Aクラスの生徒たちから歓声が上がった。

 

 現国

 Aクラス

 木下優子 375点→64点

 VS

 Fクラス

 楠木晴楓 3点

 

 巨大な槍こそ吹き消されていたものの、木下さんは確かに立っていた。悔しいけど、この勝負は木下さんの勝ちだ。どうあがいたってここから勝つ未来が見えない。

 

「最後の一撃、危なかったわ。槍を犠牲にしなかったら私が負けていた」

「は! 結果が全てだろうが」

「そうね、下手な慰めは辞めましょう。覚悟はいいかしら?」

「……さっさとやれ」

「そう。この勝負、私の勝ちね」

 

 そう言って、木下さんは風前の灯火である晴楓に拳を振るう。

 

 そして、晴楓が笑った。

 

「【お御籤】」

 

【特殊能力発動】

 楠木晴楓 3点→2点

 

 ガシャッ

 

 【大凶】

 

「なっ!?」

「悪いけど、勝たせねぇぜ?」

 

 

 キュイーン…………

 

 チュドオォオオオン!!!

 

 

 現国

 Aクラス

 木下優子 64点→0点

 VS

 Fクラス

 楠木晴楓 2点→0点

 

「はなからこちとら道連れ狙いだっての」

「4回戦! ドロー!!」

『『『何ぃいいぃ!!?』』』

 

   ◇

 

【Side楠木晴楓】

 

 昨夜の俺は考える、どうやったら確実に命令券を手に入れる事が出来るか。

 雄二が言うには選択権のあるムッツリーニ、姫路、雄二で3勝して勝つらしいが、俺的にはムッツリーニと姫路はともかく、どうしても雄二に不安が残る。

 だから俺も何か勝利の為に手を打ちたかった。打ちたかったのだが、一晩考えて寝不足になった結果、どう足掻いても俺がAクラスの連中に勝てる訳がないと結論が出た。

 

 まず教科の選択権が無いため現国で勝負が出来無い。次に俺の召喚獣は遠距離支援型で、一対一の場合間合を詰めて戦う相手に滅法弱い。Aクラス教室で戦うなら遮蔽物に隠れながらって訳にもいかないだろう。

 そして例え現国勝負だとしても、そもそも俺の本来の実力はBクラス。それを山勘でかさ増ししてるだけのハリボテであるからして、ムッツリーニや姫路みたいにAクラスの生徒をブッちぎる程の点数は取れない。

 極めつけは切り札の腕輪の能力がピーキ過ぎる。ランダム要素が高い上に、消費点数をケチると禄な目が出ない、ハイリスクハイリターンな能力ということが判明。俺らしい面白い能力だが、如何せん使いづらいのも事実だった。

 

 よって以上の理由から早々に正攻法で勝つ事を諦め、いよいよ相手の弱みをチラつかすしか手が無ないなと悩みに悩んでいたのだが、日頃の行いのおかげか、姫路が使わなかった事で降って湧いた教科の決定権。それに活路を見出す。

 俺じゃ得意科目の勝負でも勝てないけれど、負けない事なら出来るはずだと、すぐにドロー狙いの作戦を建てた。

 

 決め手は簡単に決まって、Bクラス戦でも見せた大凶自爆。消費点数を増やせばいい目が出やすいなら、消費点数減らせば減らすだけ悪い目が出やすい。つまり1点消費ならば確定で大凶が出ると見たのだ。

 あの時は根本を道連れにする事は出来なかったものの、100点近くを削る事に成功してたため威力も十分。

 ドロー狙いだと悟られないようにビッグマウスで相手を煽り、欲を出さずに逃げに徹して、スキあらば相手を削りつつ、相手の武器の排除して、近づいた所にドカン。

 

「そうして俺がドローになった事で2勝1敗1分、つまり俺達Fクラスの敗北が無くなったって訳だ」

「……全て計算の内だったってわけね」

「当然、俺がまともに戦うと勘違いした時点で、俺は賭けに勝ってたんだよ」

 

 試合はドローでも勝負には勝った俺は、意気消沈している木下姉にドヤ顔でそう告げると、クラスメイトの元へと戻るのだった。

 

「すごい作戦だよ晴楓! こんなクズい作戦は君にしか思いつかない!!」

『そこに憧れないし、痺れもしないけどクズにしては良くやった!』

『クズが無駄に黒星を付けなかったおかげで此方の有利は変わらないぞ!』

「はっ! だから言っただろうが! 真っ向勝負以外で俺に勝てるやつなんて居ない! そも俺は真っ向勝負なんて無駄な事はしない! つまり俺に勝てるやつなんて居ないんだよ!!」

「出た! クズノ木晴楓のド屑節!!」

『くーず! あそれ! くーず!』

 

 明久を筆頭としたクラスメイト達のクズコールをその身に浴びて、天高く拳を突き上げる。

 そんな俺に呆れた視線を向ける美波に、俺はピースを向けてどうだと笑った。

 

「どうよ美波! 本気出さないとお前に背骨折られるからな! 全力出してやったぜ!」

「そうね、ハルにしては頑張ったんじゃない? カッコ良かったわよ、お疲れ様」

「おっおう、センキュー」

「なにを照れておるのじゃ晴楓よ」

「はぁあ? 別に照れてねぇよ!? ただ何時みたく憎まれ口が帰ってこねぇから調子狂ってるだけだし! 何言ってんだ秀吉!」

「素直じゃないのう」

 

 そう言って肩をすくめる秀吉、その生意気な態度は本来なら粛正対象なのだが、あいにく秀吉を敵に回すとFFF団の連中が黙って無いだろうし、あのバカ共が気が付いてない事まで奴なら察している可能性がある。

 よって今回は見逃してやろう。ちっ、命びろいしたな秀吉め。そんな事を思っている俺に、近くにやって来た雄二が声をかける。

 

「良くやった晴楓、期待はしてなかったんだがな」

「はっ! 何を偉そうに吐かしてやがる。ここまでお膳立てしやがったんだ、敗北の心配無いとは言えマジで負けたら覚悟しろよ雄二」

「安心しろ、俺の作戦は完璧だ」

 

 そう言って雄二は自信に満ちた確かな足取りで前へ、そして先に出てきた最強の敵、霧島と向き合った。

 俺のせいで完全勝利が無くなったとは言え、代表である霧島がまさか負けるとは微塵も思ってないであろうAクラスの面々は、この後に及んで余裕そうな表情を浮かべている奴らが何人か居る。

 

「最終戦、教科は何にしますか?」

「教科は日本史。内容は小学生レベルのテストで百点満点の上限ありだ!」

 

 そんなナメ腐ったエリート共の横っ面を叩くかのように雄二はそう宣言した。

 

『上限ありのテストだって!?』

『しかも小学生レベルって満点確定じゃないか!』

『試召戦争でそんなの聞いたことない! コイツもドロー狙いか!?』

『いや、この場合サドンデスで決着がつくはず! 集中力と注意力の勝負だ!』

 

 純粋な学力での勝負では無い事に、漸くざわつくAクラス。小細工を積み重ねてここまでやって来たうちの代表が、並の策で霧島に挑むと思ってたのだとしたら、最上位クラスの割に頭がハッピーセット過ぎる。

 これは幼馴染というアドバンテージをフルに活かした雄二にしか出来無い戦術、ある種の賭け。

 【大化の改新】この問題が出るかどうかの究極のギャンブル。これがゼロだった勝率を五分五分まで引き上げる。

 

「それでは、問題を用意しなくてはなりませんね。対戦者は視聴覚室へ、そこで最後の試合を行います」

 

 ノートパソコンを閉じて高橋先生が教室を後にする。霧島もその後に続て出ていった。

 

「雄二、後は任せたよ!」

「ああ、任された!」

 

 明久が雄二の手をぐっと握って気持ちを託す。

 

「……(ビッ)」

「お前の力には助けられた、感謝している」

「……(フッ)」

 

 ムッツリーニが珍しい笑みを浮かべながら、ピースサインを雄二に向ける。

 

「坂本君、あの、色々お世話になりました」

「あぁ今回の試召戦争の事か、気にするな、後は頑張れよ」

「はい!」

 

 姫路が雄二に今までの感謝をつげる。

 クラス他の面々も口々に雄二へ想いを託し、その想いを一身に受ける雄二は、スッキリとした誇らしげな表情を浮かべる。

 

「じゃあなお前ら! 必ずAクラスの首、獲って来る!!」

 

 去り際にそう言い残し、雄二は戦地へと向かう。誰もが雄二の勝利を願い、Fクラスの大逆転を信じてた。

 

 そんな中、周囲の盛り上がりに水を指すかのように、俺の中の博打の神様が囁く。

 

「……あれ?」

 

 これフラグじゃね? と。

 

   ◇

 

【Side吉井明久】

 

『では、問題を配りますね。制限時間は50分、満点は100点です。不正行為等は即失格になります。二人ともいいですね?』

『‥‥‥はい』

『わかってるさ』

『よろしい、それじゃあ開始してください』

 

 モニターに映された雄二と霧島さん、二人は先生の開始の合図で一斉に問題用紙を表に返した。

 

「吉井君、いよいよですね……」

「そうだね。いよいよだね」

「これで、あの問題が無かったら坂本君は」

「集中力や注意力で劣る以上、延長戦で負けるだろうね。でも」

「はい。もし出ていたら」

「うん」

 

 あの問題、【大化の改新】がもし出ていたら、僕らの勝ちだ。

 誰もが固唾を飲んで見守る中、ディスプレイに問題が映し出される。

 

《次の(  )に正しい年号を記入しなさい。》

 

(  )年 平城京に遷都

(  )年 平安京に遷都

 

 流石は小学生レベルの問題。僕でもわかりそうだけれど、それは今は関係ない……。僕達は一心不乱に例の問題を探す、そして……

 

(  )年 鎌倉幕府成立

(  )年 大化の改新

 

「あっ‥‥‥!」

 

 み、見つけた!

 

「よ、吉井君っ」

「うん」

「これで、私達っ‥‥‥!」

「うん! これで僕らの卓袱台が」

 

『システムデスクに!』

 

 Fクラスの皆の言葉が揃う。

 

「最下層に位置した僕らの、歴史的な勝利だ!」

『うぉぉおおーーーっ!!』

 

 教室を揺るがす僕達の叫び声、Aクラスの人達も内容は解らずとも察したのだろう、自分達の敗北を、僕達とは裏腹に悔しそうに俯いていた。

 

 そんな中、何時もならこんな勝利ムードの時に、人一倍元気に敵を煽り散らかすクズい奴がいない事に気が付く。

 

「あれ? 晴楓は?」

「ハルならさっき教室を飛び出していったわよ」

 

 僕の疑問に島田さんが答える。

 

「え? 何やってるの? こんな時に」

「わかんないけど人数分のバットを野球部から借りて来るって」

「本当に何やってるの!?」

 

 勝利の記念に野球大会でもやろうと言うのか、クズの思考は相変わらず謎すぎる。

 相変わらずの晴楓の奇行に呆れていると「結果が出たぞ!!」と須川くんの声、皆一斉に僕達の勝利が映された画面に注目し…………へ?

 

 日本史 限定テスト 100点満点

 Aクラス

 霧島翔子 97点

 VS

 Fクラス

 坂本雄二 53点

 

 バンッ!

 

「バット欲しい人この指とぉまれっ!!」

『『『はぁああああい!!!』』』

「行くぞ皆の者ぉ! 謀反じゃあ!!」

『『『ヴォオオ!!!!!!』』』

 

 流石! 気が利く男だよ晴楓は!

 

   ◇

 

【Side楠木晴楓】

 

「2対2と1引き分けで、この試召戦争は引き分けです」

 

 視聴覚室へ流れ込んだ俺達に高橋先生が結果を告げるが、俺達皆そんな事は知っている、知ってるからこそバットを持ってやって来たんだから。

 

「おいゴリラ、言い残すことは?」

「……殺せ」

「上等だ……やれ未来のホームラン王達」

『『『やっはぁああ!!!!』』』

「いい覚悟だ! 雄二! 歯を食いしばれ! ぶっ殺してやる!」

 

 今回の戦犯野郎を正義の名の元にホームランの刑に処さんと襲いかかる俺達。俺達にはコイツの頭を粉々に叩き壊す権利があった。

 

「落ち着いてください吉井くんっ! 駄目ですよ!」

「そうよ! 収集が付かないから止まりなさいハル!」

 

 そんな荒ぶる俺達に待ったをかける、二人の常識人。明久は姫路に抱き付かれて止まり、俺は後ろから羽交い締めされている。

 

「だいたい53点ってなんだよ! 0点ならまだ名前の書き忘れとかあっただろ!」

「……いかにも、これが俺の実力だ」

「この阿呆がぁっ!!」

 

 明久に阿呆と呼ばれる雄二、普段ならともかく今は反論の余地も無かった。例の問題が出たおかげか霧島は実際に100点を逃している、それなのに大差で負けるなんて阿呆も阿呆、究極のど阿呆だ。

 

「怒りは当然じゃが落ち着くのじゃ明久よ! そも、お主だったら30点も取れぬじゃろう!」

「それについては否定しない!」

「それなら坂本くんを攻めちゃ駄目ですよ!」

「なら、今回ナイスドローで最悪の事態だけは回避した俺なら攻めても良いよな? オラァ往生せいやクソゴリラ!」

「止めなさいって言ってるでしょハル! 今はまず戦後の話し合いをしなくちゃいけないんだから!」

「…………それもそうか。やむを得ん、全員武器を置け! ステイだ!」

 

 ちっ、美波達の優しさに感謝するんだな!

 

「仕方ねぇ、とっとと戦後対談終わらせるぞ。ほらどけド戦犯代表、今回お前に発言権は無ぇ」

 

 そう言ってうなだれる雄二を蹴飛ばし、俺が変わりに話し合いの席に座る。

 さて、あんなにブチ切れてた俺だが、脳筋ゴリラには最初から期待してなかったからな、こうなる事は予想できた。なので変わりに俺が代表として話し合いの場に出ることも、予想できたわけで。

 とどのつまり、何時も通り俺の頭の中は良からぬ企みで埋まっていた。

 

「……楠木」

「よぉ霧島、お疲れさん。流石だったぜ」

「……でも危なかった、雄二が油断してなかったら負けてたし、楠木の作戦で引き分けにまで迫られた。勝てなくて、残念」

「それ何だけどよぉ? 引き分けだから当然施設の交換は無しで良いんだが、折角試召戦争までして何も無しってのも味気なくないか?」

「……?」

 

 問い掛けに首を傾げる霧島に、俺は冴えまくった提案を持ちかける。

 

「そっちの持ちかけた言う事を聞くってヤツ、呑んでもいい」

「……! いいの?」

「あぁ、変わりと言っちゃなんだが此方からも細やかなお願いを聞いて欲しいんだ」

「駄目よ代表! 何言われるか分かったもんじゃないわ!」

 

 俺の提案に霧島が頷く前に、俺を警戒している木下姉が待ったをかける。当然の反応だが安心して欲しい、別に今回はAクラスに大きな負担をかけるつもりは無い。

 

「なに、ただ今後俺達が困った時に手を貸して欲しいだけさ。学生同士の助け合い、協力関係、あくどいことなんて無い健全なお願いだろ?」

「晴楓が言うから胡散臭くなるんだよ、自覚しようよ」

「黙れバカ久、邪魔するな。どうだ霧島? 手を貸して欲しいとは言っても別に命令じゃ無い、別に理不尽だと感じたのなら断ってくれても良い。な? 破格の条件じゃないか?」

 

 俺は霧島の目を見てプレゼンを行う。あんだけ苦労してなんの成果も得られ無いんじゃ俺が納得しない、意地でもAクラスに貸しを作ってやる。

 

「信用ならないなら契約書だって書いても良い。俺達にだってこのくらいのメリットくらいあっても良くないか?」

「……わかった、その要求を受け入れる」

「代表!?」

「……大丈夫、楠木は意外と約束は守る」

「……契約書だけはしっかり書いてもらうからね」

 

 霧島に負け、渋々引き下がる木下姉。これで万事解決と言ったところで今度は明久が難色の声を上げた。

 

「ん? ちょっと待ってよ晴楓! その条件だと姫路さんが!」

「大丈夫だ明久、姫路には絶対に被害は無い」

「何を根拠に!」

「霧島がレズって話がデマだからだ」

「「「え!! そうなのぉ!!?」」」

 

 俺のカミングアウトに驚きの声を上げる明久とFクラス男子達、どうしてコイツ等はこうもバカなんだろうか、同じクラスとして恥ずかしくなってくる。

 

「霧島、姫路になんか命令するのか?」

「……? 瑞希には何もない」

「だそうだ、納得したか?」

「それなら……いや! だとしても何でも言うこと聞くなんて無茶苦茶だよ!」

「はぁ……だから大丈夫だって言ってるだろうが、人の説明は最後まで聞け。霧島の命令で俺達に不利益が生じる事は一切合切あり得ない。唯一影響が有るのはそこで転がってる戦犯野郎だけだ」

 

 とびきりの笑顔で俺は、雄二を指差しそう言い放った。

 

「っ!!! まさか貴様っ! 辞めろ!」

 

 俺の意図を察して騒ぐ雄二。だが残念、先程も言ったが今の貴様に発言権は無いんだよ!

 

「恨むなら負けた自分を恨みな雄二。てことで霧島よ、煮るなり焼くなり好きにしてくれて良いから」

「……ありがとう、やっぱり楠木はいい人」

「だろ?」

 

 お互いに納得のいく戦後対談の結果に、普段は能面の霧島も笑顔。さっそく戦利品に近づき、視線を合わせる。

 

「……雄二」

「…………なんだ」

「好き、私と付き合って」

 

 そしてそのまま皆が見ている前で、はっきりと雄二に告白をした。

 

「……はい?」

 

 皆の気持ちをを代弁するかの様に明久からそんな間抜けな声が漏れる。

 

「やっぱりな、まだ諦めてなかったかお前」

「……諦めない。ずっと、雄二が好き」

 

 気持ちのいいくらいストレートに想いを告げる霧島に俺が尊敬の念を抱いていると、明久が宇宙猫状態から回復する。

 

「え、まって! なんで霧島さんが雄二に交際を迫っているの!?」

「何でって、霧島さんが好きなのが坂本だからよ」

「なんで霧島さんが雄二に交際を迫っているの!!??」

「だから吉井、霧島さんが坂本を好きだからって言ってるじゃない」

「雄二の事が好きな女の子なんて存在するはずが無い!!」

「現実を見ろ明久、あの霧島の顔を見てそう思えるか?」

 

 誰がどう見たって恋する乙女の顔だろうが、俺の説明でひとまずは納得したのか、心底あり得ないと表情で語りつつも明久は一旦黙った。

 

「……拒否権は?」

「無い、だから今からデートに行く。そして役所にコレを提出しに行く」

 

 この後に及んで往生際の悪い雄二をピシャリと黙らせ、霧島は鞄から例の用紙を取り出す。

 

 そう、ゼクシィの付録だね。

 

「……私の欄は書いてある、後は雄二の所だけ」

「誰が書くかそんなもん!?」

「……言った、拒否権は無い」

「ぐわっ! 待て離せ翔子ォ!! こんな約束は無効だ無効だ! 」

 

 そう言って霧島は暴れる雄二の首根っこを掴み、ズルズルと引きずり教室を後にしようとする。

 多少絵面は酷いが、これでも新たな新婚さんの門出だ、ここは俺が友人として祝ってやろう。俺は懐から用意してたピンクの紙吹雪を取り出し、盛大に撒き散らした。

 

「いやーおめでたい! クソゴリラ結婚おめでとう! お幸せに!」

「このクズ野郎ォ!! てめぇその様子だとやっぱり全部知ってやがったな!」

「HAHAHA! なんの事やら! 俺はただ二人のキューピットになってあげただけですが?」

 

「白々しいわぁ! 嵌めやがってこのクズがぁあああああ!!」

 

 これから人生の墓場へ打ち込まれる男は、そんな断末魔を残し、扉の奥へと姿を消した。最後の紙吹雪が地面に落ち、俺以外の全員が呆気に取られてるからか教室に沈黙が流れた。

 

「んじゃ、明日無事に雄二が登校できた時に、奴をブチ殺す算段でも付けるか。参加するFFF団の皆さんは此方にお集まり下さーい」

『『『コイツ本気でクズだなっ!!?』』』

「は? 何が? ほら、ボサッとすんなよやる事は沢山残ってんだぞお前ら」

「楠木の言う通り! 遊びの時間は終わりだFクラスの諸君!」

「へ? 鉄人先生?」

 

 野太い声が響いて振り向くと、そこには教室の入り口からやってくる鉄人先生。凄く嫌な予感がするんですけど。

 

「あれ? 西村先生、僕等に何かようですか?」

「ああ吉井、実は今から我がFクラスの補習について説明をしようと思ってな」

「え? 我がFクラス?」

「おめでとう! 福原先生に変わって今から俺がFクラスの担任だ。これから一年、死に物狂いで勉強できるぞ!」

『『『なにぃっ!?』』』

 

 悪い予想は的中して、クラスの男子から悲鳴が上がる。生活指導の鉄人、誰が好き好んでこの鬼の授業を毎日受けたいと思うのか。

 何度も補習室送りにされている俺達Fクラス男子は知っている、アレは授業じゃなくて拷問だと。

 

「っなんで!? なんで負けてないのに設備のランクダウンをするんすか鉄人先生!!」

「サラッと俺をランクダウン扱いするのはこの際見逃すとして、お前らの度重なる試召戦争での問題行為が原因だ! 室外機や壁の破壊、心当たりは無いとは言わせんぞ!」

「ちくしょう! 心当たりしかねぇえ!!」

 

 終わった、俺の楽しい学園生活は今ここに終わりを告げた。それもこれも全部、試召戦争をしようと焚き付けた、無理な作戦で勝利を求めた、最後の最後で油断して負けた雄二が悪い。

 

「くそ、やっぱアイツぶっ殺す」

「このように問題発言をする楠木は勿論、吉井に、ここには居ないが主犯の坂本は特に念入りに観察してやる。なにせ学園始まって以来の観察処分者とA級戦犯、そしてクズだからな」

「鉄人先生、流石にシンプルクズは辞めて下さい。今更傷付かないですけどなんか嫌っす」

「他に言い表す言葉が無いだろう?」

「それはまぁ、確かに」

「僕は諦めませんよ! 絶対に監視の目をかいくぐり! 今まで通りの楽しい学園生活を送るんだ!」

「はぁ……お前は悔い改めると言う発想は無いのか、吉井」

 

 ため息混じりに鉄人先生はそう言うけれど、そんな殊勝な心がけ出来るような男なら、そもそも監視処分者になってないと思う。

 

「とりあえず明日から授業とは別に、補習の時間を2時間設けてやろう」

「わー、すっげぇ迷惑。余計なお世話」

「貴様だけ4時間にしても良いんだぞ楠木」

「わー、すっげぇ楽しみ、感謝感激雨霰」

「そうかそうか! そんなに楽しみなら6時間にしてやろう!」

「一日の授業時間とほぼ変わんねぇじゃねぇか! 学校に泊まれってか!!?」

 

 「冗談だ」と鉄人先生は言うが、アンタが言うと全然冗談に聞こえねぇんだよ、背筋が凍るわ。

 あぁー、もう駄目だ萎えた、やる気が出ねぇ。こう言う時には他人に八つ当たりするに限る。

 

「おい明久、今回のAクラス戦お前だけ負けたよな? 罰として何か奢れ」

「はぁ!? 嫌だよ! 僕が貧乏なの知ってるでしょ!?」

「知らん。おら平穏な最後の放課後の時間が勿体ないさっさと行くぞ。美波も来るだろ?」

「ハルが行くなら行くけど」

「ちょっ! 島田さん!?」

「あの、私もご一緒して良いですか?」

「姫路さんまで!?」

「おーいいぞぉ、秀吉とムッツリーニはどうする?」

「誘ってくれて嬉しいが。わしはこの後部活じゃ、すまんの」

「……写真の編集がある」 

「そーか、んじゃまた今度だな。よし行くぞ明久。姫路、逃げないように捕まえててくれ」

 

 そう言って俺は明久の襟首を掴み、姫路に渡す。

 

「西村先生っ! 明日と言わずに補習は今日からっ! 今からやりましょう! 是非! 思い立ったが仏滅です!」

「残念、正解は吉日だ明久」

「そんな事どうでもいいんだよ!」

「うむ、お前のやる気が出たのは嬉しいが、なに無理をする事は無い、今日は存分に楽しむといい」

 

 ニヤニヤとした笑みを浮かべながら明久にそう告げる鉄人先生。俺、アンタのそう言う意外とノリの良いところ好きだよ。

 

「おのれ鉄人! 僕がクズの魔の手に苦しんでるのを知っての狼藉だなっ! こうなったら卒業式は伝説の木の下で釘バット片手に貴様を待つ!」

「バカのお前はそもそも卒業出来るのかよ」

「五月蝿いよクズノ木この野郎!!」

「あ? なんだパフェだけじゃなく飲み物も付けてくれるのか、太っ腹だな明久」

「ごめんなさい! 勘弁して!」

 

 謝るがもう遅い、貴様には絶対にビッグストロベリーパフェとブラックコーヒーを奢ってもらう。

 

「美波は何頼む?」

「ウチはチョコレートパフェかな? 瑞希は?」

「私は抹茶が良いです!」

「だとよ明久、甲斐性みせろ」

「いやぁああ! 生活費がぁ! 僕の食費がぁあ!!!」

 

 こうして雄二の結婚と明久は水道水のみで月末まで過ごすことが決定して、今回の一連の試召戦争は集結を迎えるのだった。





これにて一巻の内容が完結です。今後は文化祭編のプロットが完成するまで休載となりますが、出来るだけ早く仕上げますのでお待ちください。

ここまで読んでくださった皆様、お気に入り登録や感想や評価をくださった皆様。本当にありがとうございました。
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