バカとクズは使いよう。   作:枕魔神

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【Side楠木晴楓】

 

「りんご飴くれ」

「ちっ……はいよクズにりんご飴一丁!」

「接客態度最悪かよ」

 

 試合後に教室へと帰らず、一人ぶらぶら屋台で食べ歩きをしている、絶賛サボタージュ中の俺。

 召喚大会で美波が不在なのはありがたい、おかげで俺を捕まえるやつが居ないからな。思う存分サボりまくれるぜ!

 

「500円な」

「マジか、ボリすぎじゃね? 原価100円しねぇだろ、ブームに便乗しすぎだろ」

「うるせぇな! 買ったならさっさと帰れよ! 店先にお前がいるだけで営業妨害だわ!」

 

 しっしっと手を払う態度の悪い店員からりんご飴を受け取って、コイツに天罰よ下れと祈りつつ、俺は次はどこの店に行こうかと足を進めようとした、そんな時だった。

 

「あ! もやしのお兄ちゃん!」

 

 ドンッ!

 

「グフォッ!?」

 

 聞き慣れた声と共に、鳩尾にダイレクトに伝わる不意の衝撃。下手人がそう呼んだとおり、哀れなもやしの俺は思いっきり吹き飛ばされる。

 多分これ、胃に何か入ってたらオールリバースしてたよね。大惨事不可避だったよね。よかった、食べ歩きする前でよかった? …………いや、よくねぇわ!

 そう思った俺は、俺に絶賛馬乗りで抱きついている下手人に説教してやろうと、震える声で名前を呼んだ。

 

「は……葉月ぃいお前ぇ……不意打ちタックルはやめろってぇ……」

「あぅ、ごめんなさいです。もやしのお兄ちゃん」

 

 しゅんとツインテールをしおらせる、眼の前の少女の名前は島田葉月。

 俺の事をもやしのお兄ちゃん等と失礼極まりない呼び名で呼ぶ小学5年生、何を隠そう我がFクラス屈指の武道派、島田美波の実の妹だ。タックルの威力から美波との血の繋がりを感じるぜ。

 

「頼むから葉月はさ、バーサーカー路線に成長するなよ。暴力ダメ絶対、もやしのお兄ちゃんとの約束だ」

「はいです、気をつけます!」

「よろしい、まぁ久しぶりに会うしな、多少は大目に見てやらんこともない。元気だったか?」

「はい! 葉月は元気です! もやしのお兄ちゃんはどうだったですか?」

「絶賛グロッキーだよ、俺はもやしのお兄ちゃんだぞ? だからとりあえず俺の上からどこうか葉月」

「そうでした!」

 

 そう言ってぴょんと立ち上がる葉月。そんな若々しい葉月と違ってよろよろと俺は立ち上がった。

 

「よっこいしょっと。でよ、葉月がなんでここに? 美波に会いに来たんか?」

「はいです! お姉ちゃんともやしのお兄ちゃんに会いに来たです!」

「そうか、でも今美波は召喚大会で出払ってるんだよな、まぁ終わったら合流するか」

「はい! あの、実はそれと他にも会いたい人がいて」

「あん? うちの学校の生徒に? 誰?」

 

 俺と美波以外に、この学校に葉月の知り合いが居ると思わはなかった俺は、訝しんで問いかける。

 普通に生活してたら小学生が高校生と知り合う機会なんて無い、もしかしたら変な奴に関わってるかもしれんしな。

 

「えっと名前はわからないですけど」

「うん」

「すっごいバカなお兄ちゃんでした! もやしのお兄ちゃん知ってますか?」

「そうか心当たりが多すぎて分かんねぇわ」

 

 にこーっと素敵な笑顔でバカだったと説明する葉月。悪意ゼロなのがすげぇやら、幼女からバカと認識されてる奴がいるのかやら、そんな奴に会いたいのかやら、色々とツッコみたい所だらけだが、とりあえず俺は年上として葉月に伝えなければいけない事がある。

 

「いいか、葉月。そのバカが誰だか知らんが、俺の知り合いにバカでまともな奴は一人たりとも居ないんだ。悪いことは言わん、そいつのことは忘れなさい」

「嫌です!」

「えぇ……すっげぇ即答で拒否ってくんじゃん。一応俺は心配で言ってるんだぞ?」

「バカのお兄ちゃんは大丈夫! すっごく優しくてすっごくバカなお兄ちゃんですから!」

 

 そう言ってそのバカなお兄ちゃんとやらの安全性を俺に説明する葉月。

 まぁ葉月は純粋無垢な子だがバカではない。俺が保護者として同伴してたら大丈夫だろう、もしソイツが葉月に害成す変な奴だったら、精神的に物理的に社会的にありとあらゆる手を尽くしてぶっ殺すだけだからな。

 

「おーけー、とりあえずソイツも探しつつ、俺と一緒に行こっか葉月。はいりんご飴」

「わ! ありがとうございます! もやしのお兄ちゃん!」

「気にすんなー、とりあえず美波が試合終えるまでぶらぶらすっぞー。今から会場向かっても遅いからな」

「はい!」

 

 そう元気に返事をして葉月は俺の手を掴む。サボり仲間ゲットだぜ。

 

「とりあえず焼きそばはマストだよな。葉月昼飯は?」

「まだ食べてないです!」

「そか、なら葉月さんには文化祭を満喫してもらいましょうか! 全部の屋台めぐるぞー!」

「やったー! もやしのお兄ちゃん大好きですー!」

「はっはっは!」

 

 ぎゅっと腕を組んでくる葉月と一緒に、俺は次なる屋台へと向かう。

 道中やけに視線を感じたが、携帯電話で話してるやつが多かった気がするが、ロリコンだ何だと聞こえた気がするが、全部気のせいだろう。

 気のせいだろうけど、とりあえず全員覚えたからな。覚悟しろ。

 

   ◇

 

「あ! ノインちゃん!」

 

 ぶらぶらし始めてすぐ、葉月が反応したのは如月グランドパークのマスコットキャラクター、ノインのぬいぐるみ。それが景品として置かれている、射的屋台である。

 

「射的か、ちょいと待ってろよ」

 

 そう言って俺は、俺が来たことで嫌な顔する店員に金を渡し、有無を言わさずコルク銃を受け取る。

 獲物との距離はだいたい3メートル、普段召喚獣でもっと遠い距離を射撃をしている俺からしたら当てるのは造作もない。

 

 俺は素早く標準を揃えて、ノータイムで弾丸を打つ。

 

 ターン! ターン! ターン!ターン!ターン!

 

 コルクの弾は全弾ぬいぐるみの眉間に的中、しかしおかしな事に全くビクともしてない。

 

「ハイ残念! 当ったけど倒れなきゃ駄目だよ! ざまあみろ!」

 

 店主の男子生徒が嬉しそうにそう告げる。全弾ノータイムで当たってんのに動かないってある? 無いよな?

 

「なぁ、これ可笑しいだろ。流石に動かなすぎじゃね?」

「子供の前でカッコつかなかったからって言いがかりはよしてくれ、まぁ日頃の行いが悪いせいだろ!」

「……ちっ」

 

 ニヤニヤとした態度でそう言う男子生徒に、俺は大きな舌打ちをした。その顔は百確信犯だろお前……。

 せっかく正攻法で挑んでその態度ってなら、こっちも慈悲はいらねぇよなぁ?

 

「……おいお前Cクラスの寺内だろ?」

「そ、そうだが何だよ……」 

「お前が好きな奴ってさ、同じCクラスの……加賀美って言ったっけ?」

「ちょ!!?」

 

 脳内データベースから引っ張り出してきたコイツの弱みをチラつかせてみれば、目に見えて動揺の色が伺える。

 あらあらあらぁ? 顔真っ赤にさせて反応したら真実だと言ってるよぉなもんですよぉ? ちゃんとポーカーフェイスしないとクズに漬けこまれるんだぜ?

 

 可哀想に、まぁ手加減しないけど。

 

「そいつにさー? 先週ムッツリーニ商会で買ってたさー? ローアングルのさー? 写真をさー? バラされ「はい! ノインちゃんのぬいぐるみな!」おぉ、さんきゅー」

 

  そこそこの声量で暴露してたら、耐えきれなくなった寺内がぬいぐるみをひったくり、俺に押し付けてくる。案の定ぬいぐるみの後ろにはストッパーが付けられてたけど、まぁ手に入ったしそんな事はどうでもいいや。

 

 俺は手に入れたぬいぐるみを、そのまま葉月に手渡した。

 

「ほれ葉月」

「わぁ! ありがとうなのです!」

 

 笑顔でぬいぐるみをギューッと抱きしめる葉月、その様子を見れたなら脅した介があるってもんだよ。

 

   ◇

 

 さて無事にぬいぐるみも手に入れて、小腹も空いてきた事だし、手頃な焼きそば屋台に入った俺達。入ったのはいいのだが……

 

「何だクズ野郎じゃないですか」

「ちっ……何だクソレズの店かよ」

 

 鉄板で焼きそばを作っている仏頂面の女、俺の天敵清水美春の姿に顔をしかめる。

 最悪だ、よく見てから入ればよかった。さっさと焼きそば買って立ち去ろう。

 

「……まぁ良い、焼きそば一つ」

「あいにくクズの豚野郎に作る焼きそばはありませんので、回れ右して帰りやがれですわ!」

 

 しかし、俺は関わり合いたくないと言うのに、まぁそう帰ってくるだろうなと思っていた通りの答えを返してくる清水美春。

 噛み付いてくんなよと呆れながら無視を決め込んでいると、品の無い清水美春の発言に反応する、隣の葉月。

 

「ぶたやろう?? もやしのお兄ちゃんはブタさんなんですか?」

「っ!? 何でもねぇーぞ忘れな葉月」

 

 くそっ! 葉月が居るんだった! 豚野郎なんて言葉、純粋無垢な葉月に教えられねぇわ!

 即座に忘れろと葉月に告げて、俺は原因の性格と言動が最悪な女にクレームを言う。

 

「オイてめぇ、葉月の教育に悪いだろうがよぉ巫山戯んな、てめぇは黙って焼きそば作ってろよ」

「貴方と一緒にいる方が百倍教育に悪いと思いますけど? 」

「この場に置いてはお前の方が百害あって一利なしだわ」

「というか、何故貴方が子供を……あぁロリコンだったんですね……ドン引きです」

「ろりこん?」

 

 最悪だ。

 

「マジで黙れよツインテドリル!」

「ならさっさと帰りなさいクズ野郎」

「ならさっさと焼きそば寄こせや! おい葉月、さっきのコイツが言った言葉は全部忘れろ。頼むから、教えたって美波に知られれば俺が殺されるから!」

 

 葉月に品の無い言葉を教えてしまった監督不行き届きの系でぶっ殺されるのが目に見えてるからとそう葉月に説明するが、焦った俺は「美波」とうっかり口を滑らせてしまっていた。

 

「なんでそこでお姉様が出てくるんですか?」

 

 しまった!? クレイジーサイコレズ野郎のてめぇが美波って聞いて反応しないわけないよなぁ!?

 ここでもし葉月が美波の実妹だとバレれば、良くて俺に噛み付いてくる。最悪、いつものサイコレズを葉月に発動する。

 俺はポーカーフェイスに努めて誤魔化すことにした。

 

「は? なんでもねぇよ。関係ないやつが喋りかけてくんなや」

「さっき美波って言いましたよね? お姉様の事で美春に関係ないことなどありません!」

「普通に存在するわ、相変わらず常識歪んでんな」

「ごまかしても無駄です! 教えなさいクズ野郎!」

「だからなんでもねぇ「?? 美波お姉ちゃんは葉月のお姉ちゃんなのです!」ちょっ!?」

 

 葉月さぁん!? 今めっちゃタイミング悪いですよぉ!?

 俺の誤魔化しを遮って、よく状況の分かってない葉月がカミングアウトしてしまった。

 

「なっ!? お姉様の……妹!!??」

 

 目に見えて動揺するクソレズ。どんな反応をするにしても面倒くさくなること不可避。

 

 だから俺は今のうちに退散する!

 

「くそっ! ちょっとゴメンな!?」

「わわっ!? お姫様抱っこなのです!」

「逃げるぞっ!! 焼きそばは諦めろ!」

 

 貧弱な細腕に鞭を打ち、火事場の馬鹿力で葉月を横抱きにして、その場から走り去る。よかった、葉月が子供で体重が軽い方で、ギリギリ抱えれる。

 多分二日後とかに筋肉痛がやばそうだけど背に腹は代えられない、今はレズ野郎から逃げるほうが最優先だ。

 

「っ! 待ちなさい! その子を置いていきなさい!」

 

 俺達の逃走にフリーズしてた脳を復活させる清水、一生そのまま宇宙猫してたらいいのにと舌打ちしながらも足は絶対に止めなかった。

 叫ぶ清水の声が背中から聞こえてくる。

 

「その子は今から私とお姉様の大事な妹として! 二人の愛の結晶として! この美春が大事に育て上げるんですぅ! 家に持って帰って! 3食全てあ~んで食べさせて! 一緒にお風呂に入って体の隅から隅まであ「耳が腐る! 塞げ葉月! ヤツの声が聞こえないところまで逃げるぞ!」

 

 最悪も最悪、この世で一番おぞましいレズ野郎の妄想に俺はさらに走るスピードを早めた。

 あんな内容子供に聞かせれるか! 意味わかってたらトラウマもんだぞ!? そう内心でサイコレズに慄いている俺とは裏腹に、葉月は「もやしのお兄ちゃん早いですー!」と俺に抱っこされてご満悦な様子でした。

 

   ◇

 

「ぜぇ……はぁ、はぁ…………こっここ、まで来れば大丈夫だろ…………」

「大丈夫ですか? もやしのお兄ちゃん」

「大丈夫……じゃ……ない……だって、もやしのお……兄ちゃんだもの」

 

 心配する葉月に平気だと強がる余裕もないくらい、息も絶え絶え逃げてきたのはAクラスのメイド喫茶。とにかく奴から離れる為に走った為、よくわからん店に入ってしまったのはしょうがない、今はただ息を落ち着かせたかった。

 

「おかえりなさいませ、ご主人さ……なんだ、Fクラスのクズじゃない」

「お、おう……木下姉か」

「こんにちわです!」

「はいこんにちは、ってこんな小さな子を連れて……誘拐?」

「俺の、状態見てよぉ……そ、そう……見えるかよ」

「死にかけてるわね」

「だ……だろぉ?」

 

 とりあえず入り口で死なれたら邪魔だからと中に通される俺達。Aクラスの上等なソファーに深々と座って大きなため息を吐いた。

 

「ふひぃいい…………疲れた」

「はい、水とメニュー」

「た、助かる。ほら葉月、好きもん頼め」

「ありがとうございます! もやしのお兄ちゃんは何食べますか?」

「すまん、今は胃が受け付けん。パンケーキとか無理、重い。」

 

 多分お粥とかしか食べれない。

 

「お粥ある?」

「無いわよ、メイド喫茶よここ? いったい何があったらそんなになるのよ……」

「幼気な少女を変質者から守ったのよ」

 

 何言ってんだコイツって目で見られるが、それ以外で説明のしようがない。まぁ清水の事を説明しても信じてもらえんだろうな、あんな妖怪みたいな女、実際に見ないと信じられんわ。

 

 ちびちびと水を飲みながら、疲れを癒やす俺。葉月も注文を決めたようでプリンアラモードを頼んでいた。

 

 しばらくして木下姉がプリンを運んでくる。それを葉月の前に配膳して、そのまま木下姉は葉月の隣の椅子に着席した。

 

「え? なに、配膳したなら帰れよ。暇なの?」

「気にしないで、ただの監視だから」

「……監視されるような事した覚えねぇんだけどなぁ」

「貴方が子供と一緒に居るってだけで監視対象よ」

 

 どいつもこいつも人の事を不審者みたいに扱いやがってと思うが、ツッコむ元気も今は無いので黙っておく。

 すると、美味しそうにプリンに舌鼓を打っていた葉月が、木下姉に話しかける。

 

「お姉ちゃんお洋服可愛いです!」

「あら、ありがとう。貴方お名前は?」

「はい! 葉月は島田葉月っていいます!」

「島田……なるほどね。私は木下優子って言うの、よろしくね葉月ちゃん」

「はいです!」

 

 知らない相手にも元気よく返事する葉月、マジ良い子。なんで俺なんかと仲良くしてるんだろう。

 

「……島田さんの妹さんとは言え、なんでこんないい子が貴方なんかに懐いてるのかしら」

「奇遇だな、今俺もそう思ってた所だよ」

「? もやしのお兄ちゃんは優しくていい人ですよ?」

「ふーん、子供には優しくなるタイプなの? もやしのお兄ちゃん」

「お前がもやしのお兄ちゃんって呼ぶな、それは葉月限定じゃ」

 

 含みがある笑みを浮かべやがって、お前こそ子供好きみたいじゃねぇか。主に短パンが似合うようなショタが性癖らしいな。(秀吉情報)

 

「ま、事件性が無いなら私は御暇するわ。葉月ちゃん、ゆっくりして行ってね」

「はい! ありがとうございますなのです!」

 

 そう葉月に微笑んで、木下姉が席を立とうとした時。そこそこ大きな男の声が教室内に響き渡った。

 

「それにしても此処は綺麗だなぁ! 飯も美味いし最高じゃねぇか!」

「そうだなぁ! それに比べて二年Fクラスの教室は酷いもんだぜ!」

「あぁ! 汚いわ埃っぽいわ! 極めつけに飯は毒かよってくらい不味い! 良くあんなんで客に出せるぜ!」

「……あ?」

 

 あの坊主とトンガリ頭、うちのクラスの話してやがんのか?

 

「はぁ……また来てる」

「まただと?」

「えぇ、これで三回目くらいかしら。うちも困ってるのよね」

「まだ学園祭始まって午前中だぞ? 話してる内容も同じか?」

「そのとおりよ、ふらってやって来ては貴方達の悪口を言うだけ言って、水だけ飲んで帰るの」 

「クソ客じゃん。追い出せば?」

「あんなんでも先輩らしいのよね……」

「たち悪っ」

 

 そう正直な感想を吐いて、俺は件の先輩とやらを詳しく観察してみる。どちらも人相が悪い顔した坊主頭とトンガリ頭、この組み合わせには心当たりがあった。

 

「あいつら三年Aクラスの……夏川と常村だっけ?」

「……何で分かるのよ」

「全校生徒の名前と顔は一致してるぞ? 何かあった時に便利だし」

「何かってなによ」

「今みたいな状況だよ。とりあえず動画撮っとくか、受験生の素行不良の現場っと」

「特定してから、流れるかのように弱み握るわね」

「はっ! 基本だろ?」

 

 若干どころかドン引きしてる木下姉を鼻で笑って、スマホで証拠を確保。

 一通り悪口言い終わったのか、本当に水だけ飲んで帰っていく二人組みをしっかりと取り収めた所で、葉月がプリンを食べ終わる。

 

「ごちそうさまでした! 美味しかったです! お姉ちゃん!」

「お粗末様です、ありがとうね葉月ちゃん」

「よし、じゃあそろそろ俺達も出るか葉月。そろそろ美波も店に戻った頃だろうしな」

「はいです!」

 

 幾分か体力も回復できたし、いい感じの情報も仕入れれたし、有意義な時間だったな。

 ぐっと伸びをして立ち上がった俺は、店を出る前、最後に木下姉に話しかける。

 

「あ、そうだ。木下姉」

「なに? 楠木くん」

「あいつらまた来たらさ、秀吉経由でいいから知らせてくれよ」

「了解よ、うちも困ってたしね」

「助かる、あともう一つあんだけどよ」

 

「近々試召戦争での貸し、返してもらうかもだからヨロシク」

 

 

 





とりあえずあと数話はスムーズに投稿できそうです。
ここまで読んでくださった皆様、お気に入り登録、高評価をくださった皆様。本当に有難う御座いました。
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