“智慧”、“陽炎”、“ガチャ”を得た転生者の異世界冒険譚~ありふれ編~ リメイク版   作:白の牙

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第10話

 

 

 

 「またこの服を着ることになるなんてな」

 

 檜山のお粗末な悪意によってハジメと恵理がオルクス大迷宮の奈落の底へと落ちていってから3日。ホルアドで1泊した後、飛羽真達は高速馬車でハイリヒ王国へと戻り、ハジメと恵理の安否不明、檜山の犯したことを報告した。国王や国の重鎮、教皇などは勇者の同胞の者が死んでしまったことに驚ていたが、死んだのが勇者ではなく無能なハジメでよかったと語った。

 

 その言葉に飛羽真がキレた。国の重鎮を半殺し、さらにかすり傷とはいえ国王と教皇に手を挙げたことから処刑という声も上がったが、生きて戻ってこれたのは彼のお陰であること、不躾な発言をしたこちらが悪いこと等々から城から出ることと今後、ハイリヒ王国と教会は援助をしないということで話が纏まった。

 

 「半信半疑だったが、本当にピッタリなサイズになったな」

 

 2年前、特注で作って貰った戦闘衣。飛羽真は地球に戻る際、それは置いて行こうと思ったが、戦闘衣を作って貰った3人にこの服には着ると自動でその者に合った大きさに変化する効果があるのと偶にはこれを見て自分達のことを思い出してくれと言われ、渋々持って帰ってきた。あれから2年。当然、背丈は伸び、着れるかどうか不安だったが着たとたん、今の飛羽真に最適のサイズへと変わった。

 

 「改めて異世界の技術ってすごいな~。さて、追っ手がやってくる前に国から出ますか」

 

 準備が整い、出ようとした矢先、部屋のドアがノックされた。

 

 「誰だ?」

 

 「私よ飛羽真」

 

 「雫か。他に誰かいるのか?」

 

 「優花がいるわ」

 

 「・・・(智慧之王)」

 

 『告。外には2人の気配しかありません』

 

 「入っていいぞ」

 

 智慧之王に頼み、確認してもらった後、飛羽真は2人に入る許可をあたえる。

 

 「「お邪魔します」」

 

 飛羽真の許可を得て、部屋に雫と優花が部屋に入ってきた。

 

 「来るかな~~ってなんとなく思ってたが、本当に来るなんてな」

 

 「メルド団長から聞いたわ。どうしてあんなことをしたの?」

 

 「勝手に召喚しておいて、死んだのが勇者じゃなく、無能である南雲でよかった。そんな言葉を聞いて黙っていられるほど、俺は人間出来てないんだよ。まぁ、メルドさんのお陰で城からの即刻退去と援助無しで済んだのはラッキーだ」

 

 「八神はこれからどうするつもりなの?」

 

 「オルクス大迷宮に行って、南雲と中村を探す」

 

 「でも、2人は」

 

 「・・・2人にお守りだって言って渡したペンダントは覚えてるか?」

 

 「えぇ」

 

 「う、うん」

 

 飛羽真に尋ねられ、2人は貰った首にかけているペンダントを見せる。

 

 「それと同じペンダントは南雲に。そして南雲経由で中村にも渡している。落下によるダメージでどれだけ壊れるかは解らないが生きてはいるだろう」

 

 「そう」

 

 「だが、階層の魔物の強さが分からないのに加え、2人には食料もない。落ちてから3日・・・危険な状態なのは確かだろうな」

 

 2人にはそう言ったが、飛羽真はハジメに渡した収納バッグに携帯食料をいれておいた。量は大体10日分。2人でそれらを普通に食べて5日、食べる量を調整しても10日が限度だろう。

 

 「だから城からの即刻退去は俺にとってありがたいことなんだ。それに、南雲と中村を探すのとは別にやることがあるからな」

 

 「やること?」

 

 雫が飛羽真に尋ねる。

 

 「元の世界に帰るための方法探しだ。教皇は戦争が終えればエヒト様が帰してくれるだろうと言ってたが、俺はそうは思えないんでな独自で帰る方法を探す。勿論、南雲と中村の捜索が最優先だけどな」

 

 「飛羽真、私も・・・」

 

 「悪いが連れて行くことはできない」

 

 飛羽真は雫が言いたいことが分かったのかそれを断った。

 

 「危険な旅になることはまず間違いないだろう。そんな旅に連れて行くことはできない。それに、雫がいなくなったら誰が白崎を支えるんだ?目を覚ましたっていう知らせは聞いてない。そして、目を覚まして話を聞いたら探しに行くって言いかねないぞ?」

 

 「そ、それは」

 

 飛羽真の言葉を聞き、雫は否定できなかった。ハジメを殺したのが檜山だと知ればハジメラブな香織が“南雲君を殺しておいてのうのうと生きてるだなんて許せない”と言って檜山を殺しに行く可能性が非常に高い。

 

 「国や教会の援助がなくても俺には召喚師としての能力があるからどうとでもなる。だけど、白崎を支えることが出来るのは雫、お前だけだ」

 

 「・・・・解ったわ。だけど約束して。絶対に死なないこと。そして南雲君と恵理を必ず見つけることを」

 

 「約束する。さて、そろそろ行くわ」

 

 使っていた私物をいれた袋を背負い、部屋を出る飛羽真。雫と優花の2人は飛羽真を見送るため一緒に城門前へと一緒に歩いて行った。

 

 

 

 

 

 「来たか」

 

 「メルドさんに、団員の皆さん」

 

 城門前までやってくると、メルド他、王国騎士団員がそろって飛羽真を待っていた。

 

 「見送りですか?それとも教会に俺を始末しろとでも言われたんですか?」

 

 「「っ!?」」

 

 飛羽真の発言に見送りに来た雫と優花は飛羽真の発言に眼を見開く。

 

 「・・・例え、上からそんな命令をされたとしても俺達はその命令を聞くつもりはない。お前とハジメがいなければ俺達はあの日、死んでいただろうからな」

 

 メルドの言葉に遠征に行った面々は頷く。

 

 「ここでお前を待っていたのは見送りと、餞別を渡すためだ」

 

 「餞別?」

 

 メルドは飛羽真に近づくと布袋を手渡した。

 

 「これは」

 

 「俺達からの餞別だ。南雲達を探すにしろ、宿を止まるにしろ金銭は必要だ。少ないが持って行ってくれ。」

 

 「・・・・ありがとうございます」

 

 「達者でな。それと坊主と嬢ちゃんのことを頼む」

 

 「はい」

 

 国には死亡と報告したがメルドも2人が生きていることを願っており、動けない自分のかわりに思いを飛羽真に託す。それを理解した飛羽真は力強く返事を返した。

 

 「・・開門」

 

 メルドの言葉に城の門が開く。

 

 「・・お世話になりました」

 

 飛羽真はメルド達に一礼すると、城門を潜り城を出ていった。

 

 

 

 

 

 

 「さて、そろそろいいかな?出て来いよ、いるのは解ってるんだ」

 

 夜も遅いことから宿でも取って朝一でホルアドに行こうと思っていた飛羽真だったが城を出たあたりから視線を感じ、宿ではなく外へと出て、門番が見えなくなる所まで歩くと足を止め、闇夜に向け話しかける。すると、

 

 「我らの存在に気づいていたとは」

 

 闇夜からローブを羽織った仮面の集団が現れる。

 

 「我らは聖教教会に従わぬもの、崇拝する神を愚弄するものを断罪する教会の影。教皇の命に従い、貴様の命を貰いに来た」

 

 「暗部組織か。いいのか、俺に話して?俺が誰かに言うかもしれないぞ?」

 

 「問題ない。貴様は今ここで死ぬのだからな!」

 

 リーダーと思われし男が手を掲げると、後ろに控えていた6人が飛羽真へと襲い掛かる。

 

 「光焔弾(セイクリッドバースト)」

 

 飛羽真は手を襲い来る襲撃者たちに向けると火球が放たれ、襲撃者の1人に触れると膨張、6人の襲撃者を飲み込んだ。炎が消えると、飲み込まれた者達は跡形もなく消えていた。

 

 「っな!?」

 

 リーダーは部下が殺されたことに驚く。

 

 「生憎とお前らのような奴らを相手にするのは慣れてるんだよ」

 

 「っく!一斉に掛かれ!」

 

 部下を失ったことによって冷静さを失ったのかリーダーが部下に指示を出す。

 

 「おいおい、一番冷静さを失っちゃいけない奴が取り乱してどうするんだ?」

 

 飛羽真は手に持った荷物を収納すると、刀を抜刀する。刀を鞘から引き抜くと炎が刀身を覆う。

 

 「散れ」

 

 飛羽真は瞬動で高速移動しながら炎を纏った刀を振るい、襲い掛かってきた暗殺者を斬り伏せる。暗殺者たちは斬られると同時に炎によって骨ごとまとめて燃やされた。

 

 「お前達!?」

 

 「殺す覚悟があるんだ、殺される覚悟も出来てるんだよな?」

 

 「っ!?おぉおおおおお!」

 

 飛羽真の気迫に一瞬、たじろいたリーダーだったが声をあげながら飛羽真へと駆ける。それを見た飛羽真は静かに構え、

 

 「朧・光焔斬」

 

 流れるような動きで刀を振るい、リーダー格の男を斬り伏せ、跡形もなく燃やした。

 

 「予想通り過ぎる行動で笑えてくるわ。証拠も取ったし、教会が何か言ってきてもこれを流すと言えば大人しくなるだろう」

 

 飛羽真はスマホをいじり、会話がちゃんと録音されているかの確認をした後、仕舞うと、魔方陣を展開する。

 

 「こい、ゴルド」

 

 名を告げると魔方陣から黄金の機械馬が魔方陣から飛び出てきた。

 

 『ブルルル』

 

 「久しぶりだなゴルド」

 

 黄金の機械馬“黄金之雷霆(ゴルド・サンダー)”の身体を優しくなでながら挨拶を交わすと、飛羽真は馬の背にまたがり、手綱を握ると、ホルアドへ向け出発した。

 

 

 

 

 

 

 

 ゴルドに乗って約2時間。ホルアドへとたどり着いた飛羽真は遠征の時に泊まったのとは別の宿舎を選んで入り、3人部屋を取って、部屋に入り、ガチャを起動する。

 

 「計35か。10連を2回やって。あとは前に引いてた人物召喚を使うか。出来れば捜索系のスキルか道具が当たってくれると嬉しいんだが」

 

 飛羽真は自分の運を信じてガチャを回す。

 

 ‐進化の実(特殊版)12個

 ‐栽培アプリ

 ‐仙豆(一壺)

 ‐アリアン・グレニス・ララトイアの装備一式

 ‐アリアン・グレニス・ララトイアの能力

 ‐仮契約用のスクロール

 ‐HGガンダムヘリオス

 ‐パンチングコングプログライズキー

 ‐HGフリーダムガンダム

 ‐変装グッズ

 ‐女性用高級シャンプーとリンス

 ‐フルポーション1ダース

 ‐ヴァリアントシステムの設計図

 ‐ホイポイカプセルの設計図

 ‐ホイポイカプセル(カプセルハウス収納版)×2

 ‐食材“虹の実”1キロ

 ‐ウルトラマンゼロのフィギュア

 

 「なんか色々と凄いのが来たな!?」

 

 レアアイテムの数々に飛羽真は驚き声を荒げる。

 

 「と、取り合えず、あそこに行って装備を整えつつ召喚するか」

 

 何とか気を落ち着かせた飛羽真は明日からの捜索に向け準備を始めるのだった。

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