“智慧”、“陽炎”、“ガチャ”を得た転生者の異世界冒険譚~ありふれ編~ リメイク版   作:白の牙

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 今回は、リメイク前で書かなかったハジメの初変身シーンを書いてみました。

 


第15話

 

 

 

 「「これで最後!」」

 

 『Stage clear』

 

 ハジメと恵理が放った弾丸が同時に的に当たると音声と共にBGMが流れ、景色が元に戻った。

 

 「「お、終った~」」

 

 相当集中していたのかハジメと恵理は互いに背を合わせ地面にへたり込んだ。

 

 「お疲れさん。1日ゆっくり休んだら合宿の仕上げを行う」

 

 「仕上げって」

 

 「まさか」

 

 「魔物との実戦だ。訓練と俺がスキルでゲットした魔物の能力とステータスの半分を得た、遅れは取らないはずだ」

 

 ハジメと恵理の言葉を飛羽真は肯定するのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 ダイオラマ球でゆっくり休み心身ともに万全な状態のハジメと恵理は強化合宿の最後の仕上げ、魔物との戦闘を行うべく、洞窟内に入り、魔物との実戦を行っている。勿論、想定外の出来事が起こった時の為に飛羽真、リインフォース、アルファの3人も同行している。

 

 「やっぱ、銃火器の威力は凄いな」

 

 離れた場所で2人の戦いを眺めながら飛羽真は銃の威力に感心する。

 

 「銃もそうだけどレールガンだったかしら?あれは反則よね。速すぎて防御も回避も間に合わないわ。もしものことを考えて私も一つ作って貰おうかしら」

 

 「いいんじゃないか?手札は一つでも多いほうがいいからな。アインスは?」

 

 「そうだね、考えて置こうかな。それより、この子はどうするの?」

 

 「あ~~~こいつな」

 

 リインフォースの視線を追うように飛羽真も視線を下に映すと、

 

 『キュ』

 

 1匹の蹴りウサギが飛羽真の足にすり寄っていた。

 

 「随分懐かれてるみたいだけど、何かしたの?」

 

 「身に覚えがないんだよな~~これが」

 

 リインフォースの問いに奈落の底に来てからのことを思い返すも身に覚えがないのだ。

 

 「八神君、終ったよ」

 

 悩んでいると、二尾狼の討伐を終えたハジメと恵理が声をかけてきた。

 

 「お疲れ。それじゃあ、最後はここのボスであろう魔物と戦うか」

 

 「此処のボス」

 

 「爪熊」

 

 「そうだ」

 

 「か、勝てるかな私達に?」

 

 爪熊と聞き、2人は体を震わせる。初めて会った時の恐怖を思い出したようだ。

 

 「2人は此処に落ち、爪熊と会った時よりも確実に強くなってる。変身だ南雲、新しい自分へな」

 

 「う、うん」

 

 飛羽真の励ましの言葉にハジメは自信なさげな顔で頷いた。

 

 「おろ、無駄話してたらあっちから来てくれたみたいだぜ?」

 

 『グルル』

 

 飛羽真がそう呟くと奥の分かれ道の片方から件の爪熊が現われた。

 

 「「っ!?」」

 

 爪熊を見てハジメと恵理は体を震わせる。

 

 「2人ともシャキッとしろ」

 

 「いだ!?」

 

 「ひん!?」

 

 飛羽真は身体を縮こませている2人の尻を思いっきり引っ叩いた。

 

 「な、何するのさ!?」

 

 「喝を入れてやっただけだ。いい具合に身体もほぐれただろう?行ってこい」

 

 恨めしそうな表情で前と出るハジメと恵理だったが、ふと何かに気づいたのか恵理は一時停止し飛羽真を睨む。

 

 「八神君、何気に私のお尻触ったよね?」

 

 「ん?まあ、叩くために触ったな。それがどうかしたのか?」

 

 「地球に戻ったらセクハラで訴えるし、八重樫さんに会ったら言う」

 

 「なぬ!?」

 

 恵理のまさかの発言に飛羽真は驚き声をあげる。

 

 「う・そ」

 

 飛羽真の反応と慌てように満足したのか恵理は笑みを浮かべながら嘘だと言い駆け足で爪熊と戦おうとするハジメの元へと向かっていった。

 

 

 「あらあら、してやられたわね」

 

 「飛羽真のあんな慌てた表情初めてみたかな」

 

 「っ!!中村ーーー!!」

 

 恵理にからかわれた飛羽真をアルファとリインフォースは笑い、飛羽真は憤怒の形相で恵理の名前を叫んだ。

 

 

 

 

 

 

 「八神君が恵理の名前を呼んでるけど、何かしたの?」

 

 「何もしてないよ」

 

 「そうなんだ(絶対に嘘だ)」

 

 真顔で言う恵理を見てハジメはそれが嘘だと思った。恵理の中にいる小悪魔のことを知っているハジメはそれが嘘だということを見抜いているが、藪をつついて蛇を出したくなかったので追及しなかった。

 

 「それより、動かないね」

 

 「多分、八神君が強いってことを本能で感じ、様子見してたんじゃないかな?」

 

 動かず、自分達をじっと見ている爪熊を見てハジメが思ったことを言う。ハジメの言う通り、飛羽真は爪熊が動かないようギリギリまで圧を下げて威嚇していたのだ。

 

 「あの長い爪と八神君から教えてもらった情報も考慮して60センチ以上距離をとりつつ戦おう」

 

 「うん」

 

 どう爪熊と戦うのかを決めた2人はホルスターから銃を抜き、何時でも引き金を引けるよう準備を整える。2人の戦闘準備が整ったのを見た飛羽真は爪熊への威嚇を解くと、

 

 『グルァアアアアア!!』

 

 洞窟内全体に聞こえるほどの雄叫びを上げると、その巨体からは信じられない程の速さでハジメと恵理に近づき、その長い腕を振るう。2人は爪熊の動きに慌てることなく、蹴りウサギから得た能力“天歩”に含まれている縮地で素早く距離をとり、爪熊に向け銃を撃つが爪熊はもう片方の腕を振るい、伸ばした風の刃で銃弾を切り裂いた。

 

 「銃弾を切った!?」

 

 「レールガンじゃないとはいえ切るなんて出鱈目だよ」

 

 爪熊の戦闘力に驚きながらも2人は時の接近して意表を突いたりもするが一定の距離をとりつつ爪熊と戦うも、全て風の刃で切り裂かれ倒せずにいた。

 

 すると、

 

 『ガアァアアア』

 

 ハジメと恵理の戦いにしびれを切らしたのか爪熊は距離が離れているというのに爪を振るう動作をする。

 

 「「?、っ!?」」」

 

 爪熊の行動に首を傾げる2人だったが、頭の警報がなる。爪熊が腕を振るうのと2人がその場から飛退くのはほぼ同時だった。2人が飛退くと、後ろの壁に引き裂かれたような痕が刻み込まれた。

 

 「爪に纏わせていた風の刃を飛ばしたのか」

 

 「不可視という特性上避けるのは困難だね」

 

 「これで2人のアドバンテージは無くなったわ」

 

 アルファの言う通り、2人に合って爪熊になかったアドバンテージが無くなり、不利となる。どうやって倒すのか飛羽真が思っていると、ハジメは銃をホルスターに収め、収納ポーチからあるものを取り出していた。

 

 

 

 

 

 

 

 「(ど、どうしよう)」

 

 ハジメは混乱していた。持っていないと思っていた遠い敵への攻撃手段を爪熊も持っていたことに。唯一のアドバンテージも無くなり、蹂躙されるビジョンが頭に浮かんだ。

 

 「・・・・・」

 

 ふと視線を恵理に向けると、同じことを考えていたのだろう、同じように体を震わせていた。

 

 この絶望的な状況でハジメは飛羽真の“新しい自分へと変身しろ”っという言葉を思い出した。

 

 「(そうだ!僕はこんなところで死ねない)」

 

 そして、何かを決心したのか、持っていた銃をホルスターに収め、収納ポーチから飛羽真に貰ったベルトに装着されたショットライザーとプログライズキーを取り出し、立ち上がる。

 

 「僕は、僕は、ここで今まで弱かった自分と決別する」

 

 ハジメは体を震わせながらもしっかりと爪熊のことを見ながら、決意を口にすると、ベルトを腰に巻き付け、プログライズキーのライズスターターを押す。

 

 『バレット!』

 

 『オーソライズ』

 

 認証が完了したキーをハジメはベルトに装着しているショットライザーに挿入、展開すると、ショットライザーをベルトから外し、爪熊に向ける

 

 『Kamen Rider...Kamen Rider...』

 

 「これは・・その為の・・・変身!」

 

 『ショットライズ!』

 

 ハジメが引き金を引くと仮面ライダーになるための強化スーツが内包された弾丸“SRダンカー”が撃ちだされ、軌道を変えハジメの基にやってくると、弾丸が分解され、内包されていた強化スーツがハジメに装着される。

 

 『シューティングウルフ!

   The elevation increasese as the bullet is fired』

 

 「ハジメ・・君」

 

 「行くぞ!」

 

 仮面ライダーバルカンシューティングウルフへと変身したハジメはショットライザーから弾丸を発砲しながら爪熊へと向かう。

 

 『グルァアア!』

 

 爪熊は腕を振るって不可視の風の刃で銃弾を切り裂きつつ、近づいてくるハジメに不可視の風の刃を飛ばす。

 

 変身前は感知できなかった不可視の刃も変身し、スーツに搭載されたセンサーによって感知できる。ハジメはセンサーの反応を頼りに不可視の刃を避けて爪熊へと近づく。そして、互いの腕と足が届く距離となった。

 

 『グルル』

 

 爪熊はハジメを引き裂こう腕を振るおうとするが、ハジメは爪熊の懐に素早く潜り込み、

 

 「やぁああああ!」

 

 一本背負いの要領で腕を掴んで地面に叩きつけると、豪脚も加えた回し蹴りで爪熊を壁に叩きつけた。

 

 強烈な一撃を喰らい、満身創痍な爪熊だが、この階層を統べる王としてのプライドなのか、ハジメを引き裂こうと腕を振る上げたが、3つの閃光が爪熊の爪を破壊した。

 

 「わ、私もいるってこと忘れないでよね」

 

 ハジメの戦いを見て勇気を貰った恵理がレールガンで援護、爪熊の爪を正確に狙い、破壊した。

 

 『バレット!』

 

 止めを刺すべくハジメは左手でキーのスイッチを押す。すると、銃口にエネルギーが集まり、トリガーを引くと、オオカミの頭部を模した4つのエネルギー弾が放たれ、爪熊の四股を拘束した。

 

 「はぁあああああ」

 

 両手で構えたショットライザーの銃口に再びエネルギーが集まる。

 

 「はぁ!」

 

 『バレットシューティングブラスト』

 

 最大までエネルギーを溜めると、引き金を引いてエネルギー弾を爪熊へと放つ。

 

 四股を拘束された爪熊にエネルギー弾を避けるすべは無く、エネルギー弾が触れた瞬間、爆散した。

 

 「・・・や、や・・」

 

 恐怖の対象であった爪熊を倒し、歓喜の声を上げようとしたハジメと恵理の頭の中に、

 

 『経験値が一定の数値に達したことを確認しました。これより進化を行います』

 

 そんな言葉が流れた。

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