“智慧”、“陽炎”、“ガチャ”を得た転生者の異世界冒険譚~ありふれ編~ リメイク版   作:白の牙

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第04話

 

 

 「斗真様、忘れ物はありませんか?」

 

 「ないない。そういう自分はどうなんだよ?」

 

 「勿論ありません」

 

 雫との手合わせの後、グレイフィアの作った朝食を食べた斗真達は学校に行く準備を行っていた。

 

 「それにしても魔法ってのは凄いな見た目まで変えられるんだから」

 

 魔法で10代の頃にまで若返ったグレイフィアを見て感心する。

 

 「悪魔だからこそできるんです」

 

 「でも、学校に通う必要あるのか?」

 

 「そうですね。あるか、ないかで言えば。ありません」

 

 「ないんかい」

 

 グレイフィアの発現に斗真がツッコミを入れる。

 

 「ですが、記憶にある私は心の底から学生生活を楽しんでいませんでした。ですからこれを機に当時は出来なかった事を楽しもうかと」

 

 「そっか。っま、グレイフィアの好きにすればいいさ」

 

 「はい」

 

 「お待たせ」

 

 2人がそんなことを話していると、制服に着替えた朱乃、雫、恵理がやってきた。

 

 「そんじゃあ行きますか」

 

 そう言い、学校へと向かった。

 

 

 

 

 「ん?」

 

 「あ」

 

 登校中、見覚えのある背中を見つけると、恵理は足早に駆け寄り、抱き着いた。

 

 「南雲君」

 

 「うわ!?な、何だ、中村さんか」

 

 「驚いた?」

 

 「そりゃあ、驚くよ」

 

 恵理は悪戯が成功した子供ような顔で抱き着いた少年“南雲ハジメ”に尋ね、尋ねられたハジメは心臓に手を当てながら答えた。

 

 「よう、ハジメ」

 

 「あ、おはよう斗真君、レスザンさん、姫島さん、八重樫さん」

 

 「「おはようございます、南雲君」」

 

 「おはよう、南雲君」

 

 「八重樫さんがいるなんて珍しいね」

 

 ハジメは滅多にこの場にいない雫がいることに少し驚く。

 

 「土日を利用して斗真の家に泊まっていたの。偶には何もかも忘れてゆっくりしたいから」

 

 「そうなんだ」

 

 「それより、南雲君。随分と眠たそうだけど・・・もしかして徹夜明け?」

 

 ハジメに抱き着いていた恵理はうっすらとある隈をみて徹夜明けなのかを尋ねた。

 

 「え?えっと、その、うん」

 

 「お前の進路を知ってるがちゃんと寝ないとその内ぶっ倒れるぞ」

 

 「あははは」

 

 呆れながら言う斗真にハジメは笑って答えることしかできなかった。

 

 「おはよう、皆」

 

 すると、1人の青年が声をかけてきた。

 

 「おぉ、清水、おはよう」

 

 「おはよう清水君」

 

 「南雲、これ」

 

 青年“清水幸利”は鞄から一枚のディスクを取り出してハジメに渡す。

 

 「どうだった?」

 

 「面白いは面白いがあそこはもう少し・・・」

 

 「うん、うん、分かった。後で父さんに伝えておくよ。ありがとう」

 

 「いや、開発中のゲームをやらせて貰ってるんだ、これぐらいは」

 

 清水とハジメは会うなり、会社員のように色々と話していく。

 

 「2人とも話すのは良いが、遅刻するぞ~」

 

 「っ!そ、そうだね。清水君、この話は放課後」

 

 「あぁ」

 

 声をかけられ、登校中だったことを思いだした2人は足早に歩き出した。なお、放課後、話そうと言っていたが、歩きながらがっつりと話していた。

 

 

 

 

 

 

 

 「あ、雫ちゃん、おはよう」

 

 学校前でハジメと別れ、校内でグレイフィアと朱乃と別れた斗真、雫、恵理の3人がクラスに入ると、1人の少女が雫に声をかけてきた。

 

 「おはよう香織」

 

 「八神君と野中さん、中村さんもおはよう」

 

 「おはよう」

 

 「ん」

 

 「・・・おはよう」

 

 少女“白崎香織”に挨拶を返した後、3人は席に座り、メールを見る。

 

 「(特にこれといった問題は発生してないっと)」

 

 八神家では稼ぎ頭が存在しない。神から貰った大金があるとはいえ限度がある。どうやって増やしたものかと頭を悩ませていた時グレイフィアが、

 

 「なら、マンションを購入するのはどうでしょう?」

 

 っと提案し斗真はその案に賛成した。そして、グレイフィア名義でマンションを数棟購入し、収入を得ることに成功した。

 

 更に宝くじ、競馬等でもがっぽりと稼いでいるのだ。

 

 「買うとしたら外国のだな」

 

 「一杯あるのにまだ増やす気なの?」

 

 まだ貯蓄を増やそうと考えている斗真に雫が呆れた表情で尋ねる。

 

 「これからの事も考えればあって困りはしないからな」

 

 どの宝くじを買おうか悩んでいると、ハジメが教室に入ってきた。以前は入って来るなり、趣味のせいで煽られたりしていたが、斗真によって何でいつも寝不足なのか、教えるために教師を説得しハジメの父親が社長を務めているゲーム会社に社会見学へ赴き、ゲームを作る作業と社員からハジメがいかに頼りにさせられているのかを見せつけ認識を変えさせたのだ。

 

 「おはよう、南雲君!」

 

 ハジメが席に着くなり声をかける香織。それと同時に男子から嫉妬や妬みといった視線がハジメに突き刺さる。

 

 「(ハジメに対する認識を変えることはできたが、こればっかりは変えならないな~。っま、俺もそうなんだが)」

 

 学年問わず人気があり、2大女神の1人である香織に親し気に話しかけられるハジメに男子生徒達は我慢できないのだ。更に2大女神の内の1人である雫、更には2大お姉さまと呼ばれているグレイフィアと朱乃と仲がいい斗真はハジメ以上に嫉妬や妬みの視線を受けているが、当の本人は軽く流している。

 

 「あ、あぁ、おはよう白崎さん」

 

 向けられる殺気に頬を引き攣らせてハジメが挨拶を返すと、嬉しそうな表情をする香織。斗真が恵理を見ると、恵理は面白くなさそうな表情をしていた。

 

 「斗真」

 

 「雫、いいのか白崎のこと見てないで?」

 

 「言って止まるような子じゃないもの。南雲君には申し訳ないけど」

 

 雫がハジメに対し、申し訳ない表情をしていると、香織と雫の幼馴染の青年“天之河光輝”が香織に話しかけた後、ハジメに注意していた。

 

 「どうして放っておいてやれないかねぇ~」

 

 「今度、何かおごろうかしら」

 

 思い込みの激しい光輝と天然な香織に絡まれるハジメを見ては2人は不憫におもえてしまったのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 そして、時は過ぎ昼休み、

 

 「さぁ、待ちに待った昼飯の時間だ」

 

 鞄から弁当箱を出し、いつでも開けられるよう準備をしておくと、

 

 「や、八神」

 

 「ん?園部じゃねぇか、どうした?」

 

 クラスメイトの少女“園部優花”が話しかけてきた。

 

 「こ、これ」

 

 「・・・弁当?」

 

 包みを手渡された斗真はその場で広げると弁当箱が中に入っていた。

 

 「こ、この前、不良に絡まれてたとき助けてくれたでしょう。そ、そのお礼よ」

 

 「・・・弁当の中身見ていいか?」

 

 「い、いいわよ」

 

 優花からの了承を得た斗真は弁当箱をあけると、1段目はご飯、2段目は彩りよく盛り付けられたおかず。弁当箱も大きいのでボリュームも満点だった。

 

 「ほぉ~~うまそうだ。もしかして園部が作ったのか?」

 

 「ま、まぁね。八神がいつも食べるお弁当に比べればレベルは下がるかもしれないけど」

 

 「そんなことありませんわ」

 

 「そうですね。とても素人が作ったとは思えない出来です」

 

 そんな優花の言葉を朱乃とグレイフィアが否定した。

 

 「レスザン先輩、姫島先輩も!?」

 

 「遅かったな」

 

 「教室を出る際、ちょっとありまして。園部さんでしたわよね」

 

 「は、はい」

 

 「宜しければ一緒に食べませんか?」

 

 「えぇ!?で、でも」

 

 まさかのお誘いに優花は困惑する。どう答えればいいのか分からず親友の2人に助けを求めると、2人はサムズアップするのだった。

 

 「じゃ、じゃあ、お言葉に甘えて、ご一緒させてもらいます」

 

 苦悩の末、優花は斗真達と一緒に昼食をとることを決めたのだった。

 

 そして、諸々の準備を終え、昼食を食べようとしたとき、純白に光り輝く円環と幾何学模様が現われた。

 

 「(これは?)」

 

 『解。転移魔方陣の様です』

 

 「(・・・よりによって今かよ)」

 

 ラファエルから何の魔方陣なのかの報告を受けた刀真は物語が始まるのだと理解すると、鞄や弁当を収納した。

 

 ふと雫の方を見ると、尋常ではないことが起こっていると理解したのか自分の席に戻り、鞄を手にした。

 

 「(さすが、雫は冷静だな。恵理は)」

 

 雫の行動の速さに感心しつつ、恵理の方を見ると、悲鳴を上げながら好機とばかりにハジメに抱き着いていた。

 

 「(余裕そうだな)」

 

 こんな状況なのに楽しんでいる義妹に苦笑いしていると、魔方陣の輝きが最高潮にまで達し、クラス全体を飲み込むのだった。

 

 

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