続けて2話目です。
原作キャラが1話目とコレを合わせて一人しか出てこないのは二次創作としてありなのか?そんなこと言ったらこの小説セリフ一個しかない子が2人いるんですけどね。後の話で出てきます
あっそうだ。色んな人から感想受けれる様にしました(多分)。
気軽に適当に書いてみてください
はい駄文注意です。どうぞ!
その少女にとって錠前サオリとは中途半端であった。
ゲマトリア所属のとある女が来る前のアリウスは控えめに言っても地獄だった。
朝から晩まで何処かで銃撃戦の音が鳴り、設置された爆弾が起爆し、誰かがミサイルをぶっ放し、複数人で一人を徹底的に痛めつけることもあれば、一人が複数人を骨も残さんと言わんばかりの勢いで叩きのめす。強いものが、群れたものが、個を持つものが生き残り。弱きものが、逸れたものが、意思のないものが死ぬ。子供が子供を己の生存の為だけに喰らい尽くす蠱毒の様な環境。それがアリウスだった。
少女は死にたくなかった。辛い思いも痛い思いもしたくなかった。だから強きものに群れる事にした。少女は自身が弱者である事を自覚しており、このままでは良くて肉壁になるくらいだとも理解していた。
弱者であっても、強者に好かれ益になる弱者と、強者に嫌われ害にしかならない弱者がいる。少女は強者に好かれ益になる弱者になる為に努力した。下手に媚びすぎない様に真面目に。裏切りを疑われない様に迅速に。捨てられないように効率よく。時に群れた強者以上の存在に出会うことがあったら、少女はかつての
そうやって生きていた少女がある時見つけた強者が錠前サオリであった。
と言っても絶対的な個である訳ではない。少女が当時属している群れの強者よりかは格段と弱い。それでも少女や蹴落としてきた弱者達よりかは遥かに強かった。今までの経験が告げている。アレは直ぐに消える、と。中途半端な強さは不利益しか生まない。弱者として生きるには強く、強者として生きるには弱い。強くなろうにも環境が、装備が、何よりも体が足りていない。だからこそ少女は群れる為に必死になり
しかし、群れの強者と錠前サオリは戦闘を行わなかった。中途半端な強さは不利益しか生まないが、それは本人も周りも同じこと。
強者にとっては倒しにくく、倒すには時間がかかる。時間が掛かれば他の群れや個人が横槍を入れにきて漁夫の利を盗られるかもしれない。相手が積極的に戦おうとするなら兎も角、食べ物や古臭くても使えそうな装備を渡して穏便に済ませようとするならそれを取らない手はない。そうやって錠前サオリは離れ群れの強者もまた、それに倣った。たまにあることであり、特に気に留める必要性はない。
そうやって少女はまた自身の生存戦略のために頭を回す事にした。中途半端な強さをもった錠前サオリは生きづらそうだな、とぼんやり考えながら。
その少女にとって錠前サオリは理解不能であった。
ある時、少女が群れのために物資の回収をしていた時のこと。偶然、錠前サオリとその他数名を見かけることがあった。
少女は三つのことに驚いた。
一つは中途半端な強さの錠前サオリが以前とは到底比べ物にならない程の強いオーラを放っていたこと。
二つは見える範囲において傷が無かったことに。
最後に少女が属している以上の群れを形成しながら、群れの弱者達が錠前サオリの手によって少しづつ、牛歩の歩みであっても力を付けるために訓練していた事だった。
別に強くなるのはおかしくはない。この極限環境であるアリウスにおいて強さとは正義だ。敵を、周囲を、強者を喰らい潰すと決意した、いわゆる漆黒の意志を持った者が弱者であろうと強者に成る事がある。中途半端な強さだった錠前サオリが強くなったのはおかしくないが、オーラが見える程とは思わなかっただけだ。
群れを形成しているのもおかしな事ではない。少女のような生存戦略を取った弱者はいる。数を揃える、つまり母数が増えれば物資を得る機会は増えるのだ。だが、群れは基本
さらには其れ等を鍛えていた事。つまり自らの手で持って裏切る為のチャンスを与えているのだ。かつての錠前サオリの様な中途半端な強さを持つ存在が複数人で群れていたら、脅威になる。練度や戦闘力はまちまちで会っても無駄に抵抗してくる奴は鬱陶しい事この上ない。抵抗されると時間が奪われ、増援による逆転の芽が出てくる。そんな者が複数にもいればどうなるかなんて今の今までアリウスで生きてきた者なら直ぐに思い当たるだろう。
少女は理解ができなかった。なぜ自分の優位を捨てる様な行動を取る?なぜ弱者を見捨てない?なぜ強者なのに傷を負っていない?なぜ?なぜ?なぜ?頭の中を埋め尽くしていく無数の疑問に誰も答えを返してくれない。気づけば錠前サオリ達はいなくなっており、自分がただただ無意味にその場にいただけという結果が残った。
少女にとって錠前サオリは
少女の属する群れの強者が錠前サオリに負けた。それはもう完膚なきまでに。戦闘とすら呼べない、蹂躙とも呼べない。ただ一度の会合。群れの強者は銃を持ち、爆弾を仕込み、装備を整え、自身にとって完全に有利な状況に持ち込んだにも関わらず。錠前サオリは何も持たず、何も仕込まず、まともな防具を着ていない、圧倒的に不利な状況であったのに。設置された罠も、撒かれた弾幕も、群れに属していた他の奴らの妨害も、全てを突破した拳による一撃で。強者の体がボールの様に吹き飛ぶのを見た。何故か傷のない錠前サオリがいた。この時、少女は人生の終わりを悟った。
しかし、そんな事は無かった。錠前サオリは群れの強者だった者も含めて自身の群れに入れたのだ。
恐怖した。意図が全く読めなかった。
涙が溢れた。肉壁にされるのかと考えた。
絶望した。今までの行動が無意味だった事に。
錠前サオリは救っていた。
少女が今まで蹴落として、見捨てて、無価値だと断じた者たちを群れに入れ。鍛えて鍛えて鍛えたおして。中途半端であっても死なず争うことのできる強さを与えていた。
地獄の環境を自らの手でもって変えるのを目的にしている訳では無いと宣いながら、アリウスを確実に一つに纏める事で変えようとしていた。
漠然と理解した。地獄が終わるのかもしれないと。
希望を持った。昔、ズタボロになった雑誌でみたようなオシャレなんかが出来るのかもしれないと。
夢を見た。お腹いっぱい食べて、お風呂でサッパリして、温かい布団で寝る夢を。
そして、アリウスに
お腹いっぱい食べることはできなかった。
冷たい水で無理して体を洗った。
硬い床で寝て、体を痛めた。
夢は叶わなかった。
だが、少女にとって何よりも辛かった事は。
少女にとって
vanitas vanitatum. et omnia vanitas.
全ては虚しい。この世は虚しい。希望も絶望も意味なんて無い。一生このまま空虚に生きていく。
こんな自分すらも虚しかった
結局、エデン条約を乗っ取る事はできなかった。
トリニティに拘束されて、事情聴取された。しばらく牢屋に入れられた後、監視付きではあるが自由に外出する事を認められた。多少不自由ではあるがご飯を食べれて温かい水を浴びれてちゃんと寝ることができた。夢が叶ってしまった。
vanitas vanitatum. et omnia vanitas.
全ては虚しいはずなのに、夢が叶って満たされた気になった。
でも、あの時、誰よりも満たされて欲しかった人はこの場にいない。聞けばまだ追われているのだと言う。
世界はあの人に厳しかった。
だがまあ、諸々を終えて、色々あったが、最終的に少女にとって錠前サオリとは
「む…〇〇か。どうだ、体調は?私か?問題ない。実のところ、 アリウスのあの環境内でも風邪を引いたことが一度も無いんだ。それくらい私の体は頑丈でな、何も心配する事はない。
今は、………散歩中か?……なに?したい事が見つからない?いわゆる自分探し中か。ならば丁度いい。当時から注意深かったお前に一つ勧めたい仕事……いや、アルバイトがある。これだ。
………清掃員と言っても、裏社会的なものではない。キヴォトス中にある建物の中でも、戦闘や襲撃、テロに巻き込まれた店の片付けをする仕事だ。具体的には飛び散った銃弾や砂煙、壊れたコンクリートの破片などを取り除くのが目的だな。
以前、私が受けた事のあるバイトだが、私には向いていなかった。襲われた後より、襲う側の方が向いていてな。片付け中に襲撃されると周辺部をまた片付けしなければいけない状態にしてしまう。だから〇〇に頼みたい。
報酬をみてくれ。キヴォトスにおいて割とありがたがられる仕事だが、作業が芋蔓式に増えていくことから人気がない。それを挽回するために女子高生に人気?のアクセサリー?を優先的に渡せる様にしているらしい。そういうものは興味がないが、〇〇は当時から興味を示していただろう?したい事がないなら是非受けてみてくれ。
………快い返事をありがとう。では、私は誰かに見つかると困るし別の仕事があるのでな、失礼する。」
「……あぁそういえば、その格好、似合っているぞ」
何にも変えられない
多分この話らへんから方向性がカーブし始めたんだよなぁ