ハーレムを目指せと言う神の啓示が聴こえてくる様だぜ‼︎   作:とむとむ

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好感度がバチくそ高い理由は過去編のネタとしてとっておく



桃はエッチしたことある?

 

 

放課後。時間を潰すため、いつものように屋上でゲームをしている私のもとにソイツは現れた。

 

「あれ、桃帰ってなかったの?」

 

男の名は花菱ちはや。いつもヘラヘラしていて、誰に対しても軽々しく接してくる。言わずもがな、私が大嫌いなタイプ……だった。

 

「私の部活知ってんだろ?」

 

私は天文部に所属している。毎日活動がある訳ではないが活動がある日は暗くなるまで時間を潰す必要があるのだ。

 

「わざわざ一回ウチ帰んのもメンドクセェからな。てかオマエこそ生徒会は?」

 

「今日は早退。ちょっとショックなことがあってさ」

 

その時、ほんの少しちはやの表情に影が差した。あの日、命を脅かされた瞬間でさえ笑顔を見せた怪物には到底似付かわしくない明確な憂いを帯びた貌。

 

本来なら人の苦労話など金を払われたって聞きはしないが、完璧という言葉が当てはまるこの男の弱みならば聞いてやってもいいと思った。

 

「何があったんだよ」

 

「ん? 聞いてくれるの?」

 

こっちが聞いてやるハズがまるで私が気になっているかのような錯覚を覚えるのはコイツの話術のせいか。私が聞きたがっているだけなんてことは絶対にない。

 

「いいからさっさと話せ」

 

ここでコイツの悩みを解決してやれば、いつも舐めた態度を取るコイツも少しは私のことを見直すだろう…

 

「桃はエッチしたことある?」

 

「……ハァ⁉︎」

 

なんて思った私がバカだった。

 

セックスなんて…そんな……そんなん……

 

「ヤーさんの娘なのに男の一人も知らないのはカッコつかないけど、どこの馬の骨とも知れないヤツに股開いたと思われるのも癪って顔だね」

 

「………うっせぇ」

 

正直図星ではあるがもちろん認める訳にはいかない。コイツの弱み握れると思ったのにコッチが恥かかされた。そもそも私はオマエ以外に…

 

「話す気ねぇなら帰れ」

 

「今日生徒会でそんな話になってさ、って導入のつもりだったんだけど」

 

アホだ。いや、元からそんな感じだったな、あそこは。大多数が想像する神聖さなんかカケラもないバカ話が飛び交う異空間。

 

「テメェだけ童貞だったんか?」

 

コイツに限ってそんな事はないだろうが、ささやかな抵抗をする。しかし次の言葉は生娘のちっぽけな抵抗を握り潰した。

 

「そうじゃないんだけど…かぐやがもう他の男とヤってたみたいなんだよね」

 

あぁ?

 

「ちはやショック〜」などとおちゃらけるちはやを尻目に私は驚愕に包まれていた。花菱ちはやを独占できる状況にある唯一の女が他の男に股開いた? ふざけんじゃねえよ。

 

私としては殺してやりてぇ。でもコイツだってどうせ他の女とヤってるだろうし、一人の女に執着するタイプにも見えない。特に問題はねぇハズ。

 

「……どうせオマエも他の女とヤってんだろ? 目くじら立てることでもねぇんじゃねぇの?」

 

「まーそうなんだけど……諸々の事情により俺はかぐや限定処女厨だからね」

 

「なんだよそれ」

 

限定ってなんだよ。他の女には興味ねぇってか。花菱ちはやにここまで想われておいて、それを蔑ろにする女が存在する事実に余計にムカつく。

 

私の気持ち知っててこんな話振んじゃねぇよ。

 

「なぁ、テメェは…馬の骨じゃねぇだろ」

 

何言ってんだか。これじゃまるで……

 

「ん?……あぁ、まぁ財閥だからね」

 

ちはやはそう軽い調子で的外れな返答をした。私の言わんとしていることは察してるだろうに。

 

これが最後のチャンスだ。これを逃せばもう後戻りはできない。コイツは、財閥の息子とヤクザの娘が結ばれるなんてことは起こり得ないと、一度は身を引いた私の決意を尊重してくれている。

 

「ちげぇよ、オマエならいいっつってんだよ」

 

 

 

「なに、誘ってんの?」

 

「他にどう聞こえたんだよ」

 

「あら大胆」

 

そうだ、処女っつうのもダセェから少し遊ぶだけ。私は一生こっちの道だろうし、オマエにウチに来いなんて言うつもりもない。別に私からは何も求めない。都合が良い時に相手してくれりゃあそれで構わねぇ。

 

なぁ、いいだろ?

 

「抱けよ、それとも、こんな女じゃ勃たねぇか?」

 

 

──────────────────

 

 

夜、かぐや様から今日の顛末を聞いて真っ先に思ったことは『1秒でも早く誤解を解くべき』だった。

 

ちはや様の反応から彼の今まで私しか抱いたことがない発言が事実だと確信したが、それと同時にもうそれを守る必要がなくなったことも理解した。

 

今までは絶対に口外することがない私だけを抱いていた。しかしかぐや様が他の男性と関係を持っているならもう秘匿性に配慮する必要性はない。

 

ちはや様が生徒会室を出た時はまだ放課後になってからそれほど時間は経っていなかったらしい。校内には部活をしている生徒が多くいたはずだ。

 

もしその中に。

 

①ちはや様に好意を寄せている。

②かぐや様との関係や生徒会の話を聞ける程度にはちはや様に信用されている。

 

この二つの条件を満たす生徒がいた場合、即お持ち帰りなんて展開になりかねない。そして可能性は十分にあると思う。

 

前提としてちはや様は相手の感情をほぼ完璧に掴むことができる。

 

好きな相手を裏切る人間はまずいないだろう。つまり相手の自身への好意を認識できれば情報保持の観点では信用に値する訳で、実質①だけを満たせばいい。

 

「できるだけ早く誤解は解いておいた方がいいですよ」

 

「でも…あんな事を言ってしまった手前自分から言い出すのは…」

 

恥ずかしいのは分かるが、明日会長から言って貰おうというのは私に言わせれば悠長過ぎる。今日貴女の頬を撫でたその指で、今まさに他の女を鳴かせているかも知れないなんて想像もしてないのだろう。

 

「メールなら顔を合わせる必要はないでしょう」

 

「……メールはダメよ」

 

そうだった。今の二人は『本当は顔も合わせたくないが外聞のために仕方なく交流をしている(かぐや様視点)』設定。

 

と言うのも、かぐや様は一度彼を拒絶しているのだ。だがコレは一概にかぐや様が悪いとは言えない。出会った頃の彼は典型的な「嫌なヤツ」だったからだ。大人の前でだけ良い顔をし、子供だけになると傍若無人に振る舞う。

 

尤も、四宮家総帥を面と向かってお爺ちゃん呼ばわりする今の彼を見れば、アレは全て演技だったと分かる。早々に彼への遠慮を捨て去ったかぐや様は彼に対してだけ愚痴を叩きつけていた。我慢しなくても良い相手の存在はかなり救いになったはずだ。

 

まぁなんだかんだあってほぼかぐや様の為に生まれたこの設定。『外聞のため』という都合上メールなど人目の付かないところでやり取りすると『まるで私が仲直りしたいみたいじゃない‼︎』なんてことになる。

 

許婚自体周知の事実という訳ではないのに外聞も何もないだろう、とか。顔を合わせたくない相手に頬を触られても拒絶しないのは何故なんだ、とか言ってはいけない。本人はいたって真面目なのだ。

 

「そもそも同じクラスの私たちの方が会長より先にちはや様に会いますよね。一日中彼を無視するんですか? 中学の頃みたいに」

 

「それはっ、そうだけれど……うぅ…」

 

なんともいじらしい。いつもの凛とした佇まいが嘘のようなその庇護欲を掻き立てる姿をもっと見せればちはや様も我慢できなくなるのでは?

 

別に私としてはこのまま誤解を解かずとも構わないのだ。彼が性欲に素直になるほど『他家の子女と関係を持たないように』という嘘が本当になるから。

 

そして都合良く手元には一枚のカードがある。

 

彼は行為の最中、動画を撮ることがあった。私の反応が良くなるのだとか。まぁ行為の後、映像はすぐに消していたようだが。

 

しかし気づかなかったのか、それとも気づいた上で見逃されているのか、今私の手にはその映像がある。何かあった時のカードになり得ると考え、こっそりコピーしておいたものだ。素直に喜んで良いのかは分からないが私が一方的に鳴かされているだけの画なので、見せ方によっては無理矢理されているようにも見えるだろう。

 

この映像を使えば、許婚に裏切られやけになった男がそばに居た使用人を手篭めにした、というストーリーを作り出せる。

 

これを既成事実とすればかぐや様に私を愛人として認めさせることも……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

まぁ、そんなことする訳ないのだが。

 

かぐや様にとってのちはや様は、あらゆる分野で先を行く超えるべき壁であり、血の繋がった三人よりもずっと偉大な兄のようであり、権力に縛られた世界でただ一つ燦然と輝く巨星だった。

 

かぐや様の動向を密告するだけでは飽き足らず、その唯一の太陽すら奪おうなど、なんて浅ましい。一体どこまで堕ちれば気が済むのだろうか。

 

もうすでに体を重ねてしまっている。罪悪感で砕け散ってしまいそうな心を彼の体で繋ぎ止めて貰っているのだ。近侍の任が解かれ、罪の意識から解放された暁には私は何処か遠くに消えてしまうべきだろう。

 

せめてそれまでは……

 

 

──────────────────

 

 

翌日

 

「花菱は居ないか」

 

一限目の担当教師がちはやの不在に気づく。どちらかと言わなくとも不真面目な方に分類されるちはや。朝イチで教室に居なくとも特に気にする者はいない。

 

が、今日に限っては違う。

 

一人はかぐや。先延ばしにしかならないと理解しつつもちはやと顔を合わせなくて済むことに安堵していた。

 

一人は早坂。こちらはもっと深刻だった。昇降口でちはやを見かけたので学校には来ているはず。そして昨日の予測からもし他の女に手を出しているのだとすれば相手は秀知院の生徒。

 

今まさに校内のどこかで逢瀬を楽しんでいる可能性すらある。朝っぱらから何をとは思わない。彼はそう言う人だ。

 

「早坂? おい、早坂⁉︎」

 

気づけば教室を飛び出していた。制止する教師の声も耳に入らない。学校でのキャラを忘れ身体能力をフルに使い全力疾走する。

 

(前に私を連れ込んだ特別棟の空き教室‼︎)

 

情報の秘匿を重要視していたちはやが早坂を連れ込むのは殆ど自身のマンションだったが、数える程だけ校内で行為に及んだことがある。

 

生徒は皆教室に居たことが幸いし、三角跳びの要領で階段を三歩で駆け降りても誰にも目撃されることはなかった。

 

1分もかからず到着した目的の部屋。扉を開けると。

 

「ちはや君────‼︎」

 

 





ここからは「見せられないよ!」なので後々R18で補完するかも
とりあえず見せられないナニかがあったんだろうなと思っといてもろて

あとかぐや様を無理矢理メインにしようとすると、白銀→ちはやで原作の焼き増しに成りかねないから余りやりたくない

花火大会とか体育祭ではかぐや様がイキイキ乳酸菌と化すはず…
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