さっそくのクロスオーバー回。
と言っても名前が出る訳でも無く分かる人ならあーコイツかってレベルなのをクロスオーバーと言って良いのかな?
取り敢えず今回入る要素は・・・型月作品です。
結局、授業中に話題を考え付くこと無く休み時間を迎えた俺だが今回は無邪気なクラスメイト達に助けられた。
『何処から来たの?』
『好きな食べ物は?』
『好きな遊びは?』
『いつも何しているの?』
『何処に家があるの?』
転校してきたばかりのアイの周りにはクラスメイト達が囲んでおり、あれやこれやとアイに質問攻めをしていた。
こりゃあ騒動を起こしたタレントに突撃取材する記者達と変わらねぇなぁ。
すぐ隣で行われる喧騒を横に俺は本を読みながら思った。すると一人のクラスメイトが言う。
「ねえアイちゃん。皆で遊ぼう!!」
その一言に皆が賛同しアイの手を引いて教室を出ようとする。連れて行かれそうになったアイは俺の方を見て言った。
「?・・・皆、ミヤホシ君は誘わないの?」
その一言に俺はビクッとした。別に良いよと言い欠けたその時。
「諸星君は一人がいいみたいな変なヤツだから気にしなくていいよ。」
アイを連れて行こうとした連中の一人が言うとそうそうと他のヤツも頷く。
「え?・・・でもそれって「さぁさぁ早く行こ!!あんなヤツは放っておいてさ!!」あ、あれ~!!」
アイとクラスメイトの嵐はあっという間に教室から出ていった。
別に寂しいとかは無い。誰かが言った様に俺は一人の方が楽だしこうして静かに本に集中した方が落ち着くのだ。
それにアイは皆を引き寄せる何かを持ってる。それに加えあの明るい性格だ。俺に興味があるとは云えこんな俺なんかにより他の皆と一緒にキャッキャッと遊んでいたほうがよっぽど良いだろうと俺は考えていた。
子供は無邪気だ。無邪気が故に自分達とは違うもしくは異質だと感じるモノは無意識に嫌悪感を覚え遠ざけようとする。
だからこそ肉体年齢に似合わない精神を持っている俺に対して何かを感じ距離を取っているのだろう。
まあ俺が色々と対応すれば良いのだがそこまでするのは面倒なので放置した結果でもあるんだが。
休み時間が終わりそうになる頃。アイと他の生徒達が戻って来た。鬼ごっこかサッカーでもしたんだろうか。皆よい汗をかいている。
「いや~楽しかった!!あんなに走ったの久しぶりだよ~♪」
「アイちゃん、足早いね~すぐ捕まっちゃった!!」
「それにアイちゃん隠れるのも上手いから見つけるのに時間掛かっちゃったね~」
どうやらすぐに馴染んでいたようだ。流石は未来のアイドル。もう皆の心を掴んでいるのは流石だと思う。
皆が思い思いを話していると休み時間の終わりを告げるチャイムが鳴り次の授業の準備をするためにそれぞれの席に戻った。
「モロバシ君も皆と一緒に遊べば良いのに」
「別に身体動かすより本読んだ方が俺は好きだし・・・」
アイが授業の準備をしながら俺に話し掛けて来たのでそれとなく返答した。
「へ~そうなんだ。走ってるモロバシ君、カッコいいんだろうなって思ってたけど残念。」
待って下さい。いくら俺に興味があるからってそんな冗談を言われると反応しそうになるでしょ。普通の男の子ならその気になっちゃうわ。
「別にそれなら体育の授業でも見れるだろ?」
「むぅ~そうじゃないのに~」
アイが頬を膨らましながら此方を見てくる。なんだこの可愛い生き物は。
何故アイが俺なんかに興味があるのかは分からない。
では俺の方はというと正直何をしたいのかがよく分からない。
確かに前世の記憶からアイの生涯を全部ではないが知ってはいる。だがだからと言って何かしてやろうとは思わないのだ。
あくまでも前世は前世、俺は俺そう割り切っている。
それでもアイを見るとドキドキするのはどうしようもないのだが・・・。
授業から給食そして帰りのホームルームを終えて今日の学校生活が終わる。
他の皆は早く家に帰りの遊ぶ為、早々に教室から出て行く。俺とアイを除いて。
「ア・・・星野は遊びにとか行かなくて良いのかよ?」
「う~ん別に。誘われてないからね~。それに来たばっかりで色々と疲れちゃった。」
「それなら帰ればいいだろ?特にこの後は何もないぞ?」
「だったら一緒に帰ろ?ヤツハシ君。」
とうとう名前のホシすら擦らなくなってきたな・・・て一緒に帰ろう?!ほぼ初対面の男と二人で帰ろうだ?!
それより落ち着けよ俺。なんでアイの一言に一々ドキドキしなきゃいけないんだよ。
前世とは割り切っている筈なのにこれじゃあまるで俺がアイの事好きみたいじゃねえか。
「どうしたの?」
「いや・・・何でもない。別に良いけど方向は同じなのか?俺の家、学校から出て左なんだけど。」
「やったー!!私も同じ方向だよ。一緒に帰れるね♪」
こうして俺とアイは一緒に下校することになった。
道中は昼間とは逆にアイから質問攻めされた。それに対して俺は正直に答えた。ここで嘘を付く必要は無いし俺の答えに対してアイが楽しそうに反応するので気持ちが浮いてしまっているんだろう。俺自体こんなに話すなんて思わなかった。
誰かと話すのがこんなに楽しいのは何時ぶりだろうか。
そんな事を思い始めた時、アイが足を止めた。
「どうしたんだ?」
「ここが・・・私の家なんだ。ここでお別れだね」
近くの木造のアパートを前にアイが名残惜しそうに話す。前世の記憶よればアイは母親との二人暮らしだがあまり良い関係ではなかった筈。そう考えればさっきとは明らかに雰囲気が変わるのも納得がいく。
「なんだよ別にもう会えない訳じゃねえし。俺の家もうちょっと先位だし・・・その一緒に学校に行けなくはねえからさ・・・。」
「ッ!!・・・じゃあ明日の朝、家の前で待ってるね!!また明日!!」
さっきまでの雰囲気が何処へ行ったのやら。パアァァっと笑顔を作りアイはアパートの方へ走り去っていった。
そこまで俺と居るのが楽しいのか?そう思いながら自宅へ足を運ぶ。
それにしても自分から一緒に登校する約束をするなんて今日1日だけで変わり過ぎでは?割りと早い段階で割り切っていたつもりだったが前世側の気持ちに引っ張られてる様な気がする。
「改めて考え直す必要がありそうだな。」
そう独りで呟き家の玄関のドアを開けた。
「ただいま。」
「おかえり~。あら?レン何か良いことでもあった?」
家に入るなり早々に母さん(サユリ)に問われた。いつも通りにいたつもりだが顔には出てしまってたらしい。もしくは親だからこそ見抜けたと言ったところだろうか。
「今日・・・女の子の転校生が来て一緒に帰って来た。」
「えっ!?・・・良かったわねレン。その子とは仲良くしてやってね?」
言い方が不味かったか?それでも母さんはホッとしているようだ。まあ友達と遊びに行くとか一緒に帰ったとは話して無いし友達がいない事に心配をかけてしまっていたのだろう。そこは申し訳ないとは思う。
ただ女の子はいらなかったかも知れないと妙にウキウキな母さんを見て俺はちょっと後悔した。
次の日の朝。
「いってきます。」
「いってらっしゃい~」
いつもの時間に家を出る。それでアイの家に寄って学校に・・・・あっ。
「そういえば待ち合わせの時間、教えてねぇ!!」
俺はそこまで遠くはないとはいえアイの家に走っていった。朝早くから待っていなければ良いんだか・・・。
そろそろアイの家が見え始めるところで見覚えのある姿が見えた。
「!!・・・ホシゾラ君?!どうしたの走って来てまさか寝坊した?」
「ハァ・・・ハァ・・・だ・か・らモロボシだってーの。ハァ・・・待ち合わせの時間決めてなかったからずっと待ってるんじゃないかって・・・思ったから。その走って来た。」
「・・・大丈夫だよ。私も今出た所だったから。それより大丈夫?少し休んでから行く?」
「ッ・・・ハァ。いや大丈夫。これくらいなら歩いている内に落ち着くから。それより学校へ行こうぜ。」
「うん!!」
本当のところは早く外に居て俺の事を待ってかも知れない。でもアイが言わなければ確める方法は無いし必要もないだろう。
「あっそういえば。」
「ん?どうした星野?何か忘れ
「おはよう!!ホシゾラ君!!」
っと!!お、おはよう。だからモロボシだってーの!!」
こうしてアイとの学校生活が始まった。
あれから日が経ち転校生バフで人が集まってたアイの周りも段々と落ち着いて来た。
そのお陰もあって俺と学校で話す機会も増えていった。
どんな本を読んでるか聞かれ本を貸すも「文字だらけでつまんない」と言われ返されたり、逆にアイからオススメされた絵本を早々に読んで返すと「えっ?もう読んだの?」と言われたりした。
そんな様子を他の生徒はあのロボット諸星が笑ってるだのひょっとしたらあの二人はデキてる?と話しているようだ。
後者はともかく前者は俺の事どう見てんだ。一応れっきとした人間だぞ?まあ機械的な反応をしてたと言われると反論できないが・・・。
あとアイとは毎日、一緒に登下校をしてた。俺の通学路の途中にアイの家があることは勿論アイが望んで来た為だ。
前までの俺なら恐らく断っていたであろう。ここ最近は自分でも驚く位、自分が丸くなってきた気がする。
そんなある日の帰り道の夕暮れ。今日もアイの家の前で別れる時が来た。
「また明日ね♪ソロボシ君。」
「あぁまた明日な星野。」
もうこの頃になると星野の名前を間違える事に関してツッコまなくなってきた。正直これはもう諦めている。
「ッ!!ソロボシ君!!空!!空を見て!!」
「あ?」
アイに言われ夕暮れの空を見る。そこには無数の流れ星が流れていた。そういえば朝のニュースで流星群が近く流れ星が見えるとか言ってたな。
「綺麗~。いっぱい来てるしお願い事しちゃう?」
「いいけど確か3回言わないと行けないだろ?幾ら無数に流れてるからって無理じゃないか?」
「む~それもそうだけど・・・ねぇ!!アレ見て!!アレなら3回言えそうだよ!!」
はあ?と言いながらアイの示す星を見る。その流れ星はゆらりゆらりと翡翠色の尾を引いていた。どっちかといえば彗星じゃねえのか?アレは・・・。
肝心のアイはと言うと翡翠色の彗星に願いを伝えているのか目を閉じ手を合わせていた。
そして再び彗星を見る。その彗星はまるで願いを述べよと云わんばかりゆっくりと進んでいた。
ならばと俺も目を閉じ彗星に願いを伝える。
『このままアイと一緒に過ごせます様に。』
何故こんな願い事にしたのかは分からない。でも確かに言えることはアイと"友達"になった事で心なしか楽しく過ごせているのだ。
退屈だと思ってた二度目の人生。
それが前世の記憶による気持ちが混じってるからだとしてもアイのお陰で楽しく過ごせるのなら悪くはない。
無事に3回願いを思い空を見上げる。
ゆらゆら尾を引く彗星はその願い承知したと言わんばかりに翡翠色を輝かせて空の果てへと消え去った。その光景に感動したのか俺の瞳に熱いものが込み上げて来た。
「綺麗だったな・・・」
「そうだね~モロボシ君は何願ったの?」
「俺は・・・ちょっと恥ずかしいから秘密だ。星野は何願ったんだ?」
「うーん。モロボシ君が秘密なら私のも秘密♪」
「なんだよ・・・聞いておきながらソレかよ。」
まあ俺の願い事を教えてないから当たり前か。と思っているとおもむろにアイが俺の両頬を両手で包んで来た。
「ちょ?!星野ど、どうしたんだいきな「やっぱりモロボシ君の目、流れ星みたいにキラキラしてるね♪」・・・は?」
いや目が星の様にキラキラしてるのはアイの方だろ?確かに瞳はエメラルドグリーンの色をしてる(日本人としてはどうなのかはさておき)けどアイの様な星の瞳なんかではない筈だ。
「初めて見た時から思ってたんだ。モロボシ君の目、星みたいにキラキラしてるなぁって。私もたまにそう言われるんだけど中々ピンと来なかったんだけどあぁこういう風に見えるんだな~てね。でもこうして見ると星にも見えるけどクモの巣にも見えるかも。」
ハイ??星の次にはクモの巣ですと?俺の瞳は化け物か何かか?今まで過ごしていて割りと普通な女の子だと思っていたが前言撤回。やっぱりずれてるのかも知れない。
「いやいや俺の目はそんなんじゃねえよ」
「む~。じゃあちょっと待ってて!!」
そう言ってアイは家の帰りすぐに戻って来た。手には手鏡を持っておりそれを俺の顔の前に掲げた。
「ほら!!」
「嘘だろ・・・」
そこに見えたのは・・・
一番星の生まれ変わりの子よ、奇遇たる旅路の魂を宿りし子よ。ささやかな祝福ですがこの二人の先に幸福があらんことを・・・・
と言うと訳で第2話でした。
読み返すと薄っぺらい原案にあれやこれやと肉付けをしていったら文章量が1話より大分増えてしまい時間がかかってしまいました(^^;
原案ではただの流れ星だったのですが、後の展開も考えるとあの"星"ならちょうど良くない?しかもレン君の瞳に星を宿す事も出来そうだ!!と思いつきこうなりました。
因みにレンの瞳に宿った星はアイの瞳の星に二重の六角形が囲んでいるような形です。某スキルのアイコンでも良かったのでしたが流石に人間離れしそうなのでやめました・・・あとこれのせいでレン君が超人になったりはしてません。あくまでもアイとお揃い?なだけですのでご安心を。
では今回はここまで。読んでいただきありがとうございます。