secundarium creatio 作:スクリプター
何も意味はないように見えて、きっとこの行動には、何か意図があって。
自分は何も考えてないようで、無意識に動いていて。
でもきっと、意味はないと切り捨てた後には。
もう、何も残らない。
「...これ、そうか?」
『心理』
『■■、痕跡を見つけてくれてありがとう』
『プレリュードには招待状がないと入れないの。選ばれた人しか入れないの』
「マジで、何なんだこれ」
先日、いつの間にか追加されていたアカウント、『Mujina Carnival』。
長い夢のような、短い現実のような、あの空間で見た仮面の少女たちのステージが、まだ忘れられない。
だから、このような幻覚を生み出したのかと考えたが、どうやらこれは現実らしかった。
しかし、そのアカウントの要求することは一つだけ。
それは、この世に散らばっている『痕跡』を探すこと。
全国各地に存在するアニメグッズ専門店や、カードショップ、ゲームセンターなどのポスターに、二字熟語とQRコードの載ったシールが貼られているらしい。
その二字熟語こそ、痕跡だという。
「...次はあっちの...ん、『敵意』」
『■■、痕跡を見つけてくれてありがとう』
『プレリュードにたどり着くにはとにかく行動するしかない。時には協力も、ね』
「協力...?」
傍から見れば二字熟語を集めるおかしいやつが、協力?
「...いや、もしかして」
青い鳥だ。
そこなら、多数のユーザーがいる。
もしかしたら、俺と同じ魅了されたユーザーも...。
『■■で見つけました、共有しておきます』
『挑発』
『痕跡を見つけてくれてありがとう』
『おかしいかもしれないけど、何度も見てきたような。そんな、感覚が、あるの』
「...誰なんだ、一体」
このアカウントの経営者は誰で、これは何のために作られたアカウントなのか。
そして、この痕跡集めに何の意味があるのか。
全くわからない。
けれど、この行為がもし、あのステージをもう一度見れることにつながるのなら。
「やるしか、ない」
協力する方法もわかった。
あとは、なるべく多くの痕跡を早めに見つける必要がありそうだ。
『狂気』
『■■
狂気度:1530』
「幾つまで行くんだろうな、これ」
まぁ、幾つだっていい。
俺は、もう一度。
あのステージを、この目で。
『招待』
『そう。あの場所に行ったんだね。なら教えてあげる。「0の前にプレリュードがある」』
『でもプレリュードは「限られた者しか参加できない」。堕ちた者、掴んだ者、選ばれた者』
『色んな解釈や考察をするでしょうね。■■が考えていること、それが答えかもしれない』
『声に出して呟いてみて。足を運んで自分の目で確かめて。自分の耳で何度も、聴いて』
『このやり方が、普通じゃないってこと、解ってるの。回りくどいことも』
『でもこれを読んでくれてる、■■を信じてる』
「信じてる、ね...」
堕ちるか、掴むか、選ばれるしか、プレリュードには参加できない。
「やってやるよ」
あのステージを見るためなら、どんなことでも。